関税制度

最終更新日:2026年05月04日

管轄官庁

財務省関税局

財務省関税局(Customs Department, Ministry of Finance

所在地:Lanexang Avenue, Vientiane Capital, Lao PDR
Tel:(+856)-(0)21-223-520
ウェブサイト:Customs Department外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

関税率問い合わせ先

財務省関税局法務課

財務省関税局法務課(Legal Division, Customs Department, Ministry of Finance

所在地:Lanexang Avenue, Vientiane Capital, Lao PDR
Tel:(+856)-(0)21-223-520

なお、商工省外国貿易局のウェブサイト "LAO PDR Trade Portal外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"では、HSコードおよび輸入品目名からラオスの輸入関税率の検索が可能。

関税体系

基本税率、一般特恵関税率、ASEAN共通効果特恵関税率、アジア太平洋貿易協定特恵関税率、地域的な包括的経済連携税率、その他の自由貿易協定で個別に定められる税率

基本税率

GATT譲許税率以下で設定された6段階制(5%、10%、15%、20%、30%、40%)。

一般特恵関税率(Generalized System of Preference:GSP)

1970年に国連貿易開発会議(UNCTAD)で枠組み合意がなされたGSPは、開発途上国の経済発展および工業化を目的として、先進国が開発途上国から特定の鉱工業品・農産品を輸入する際に、最恵国待遇税率以下の関税率を適用する制度である。1970年にUNCTADにて枠組み合意が成された。ラオスは国連決議による後発開発途上国(LDC)であるため、特別特恵受益国として、一部例外品を除くすべての鉱工業品・農産品について、先進国が輸入する際には無税(Duty-free)かつ無枠(Quota-free)の優遇措置を受ける。

本制度を導入している国には、韓国、EU、スイス、カナダ、日本、トルコ、チェコ、ハンガリー、オーストラリア、ニュージーランド、米国などがあり、日本は1971年8月から一般特恵関税制度を採用している。

なお、国連は2021年11月にラオス、バングラデシュ、ネパールの3カ国についてLDCから発展途上国グループへの移行を許可する決議を採択した。5年間の準備期間が与えられており2026年中にLDC卒業見込みである。

英国の開発途上国貿易制度(DCTS)

英国政府が開発途上国の産品を輸入する際により低い関税率を適用する一般特恵関税制度(GSP)に代わる制度。
詳細はジェトロの記事「英政府、新たな途上国向け関税制度を6月19日から導入(2023年6月9日付)」を参照。

ASEAN物品貿易協定(ASEAN Trade in Goods Agreement:ATIGA)

AFTA-CEPT協定に代わる協定としてASEAN物品貿易協定が2009年2月に署名された。ラオスでは、2015年末までに予定どおり対象物品の関税が撤廃された(センシティブ品目・高度センシティブ品目の関税は、5%以下に削減)。さらに2018年まで自由化が猶予されていた約670品目(全対象物品の約7%)についても2018年1月1日をもって撤廃されている。

アジア太平洋貿易協定(Asia-Pacific Trade Agreement:APTA)税率

参加国(ラオス、バングラデシュ、インド、中国、韓国、スリランカ、モンゴル)間の貿易取引において特恵関税を適用するAPTAは、約1万1,000品目を対象としている。国連の定義するラオスを含む後発開発途上国には、さらなる特別特恵が供与される。

地域的な包括的経済連携(Regional Comprehensive Economic Partnership:RCEP)税率

2022年1月1日に、ASEAN10カ国、⽇本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドの15カ国が参加する「地域的な包括的経済連携(RCEP)協定」が発効した。RCEP協定は世界のGDP、貿易総額、人口の約3割を占める地域の大型協定である。

その他の自由貿易協定で個別に定められる税率

前記以外に、ASEAN対ASEANダイアログ・パートナーとの自由貿易協定およびラオスとの二国間貿易協定に基づく税率が適用される。また、2024年4月に調印されたラオス‐ベトナム改正貿易協定では、ATIGA税率の50%関税などが適用される。

品目分類

ASEANではAHTN(ASEAN Harmonized Tariff Nomenclature)2022年版に準拠する8桁のHSコードが利用されている。

関税の種類

従価税

貨物の価格に対して税率を課す「従価税」が基本である。

課税基準

輸入についてはCIF価格、輸出についてはFOB価格が課税基準となる。

関税法第16条に基づき、輸入時の課税価格はWTO関税評価協定(GATT第7条)に準拠した6つの優先順位で決定される。第1順位である「取引価格」を採用する場合、インボイス価格に加えて以下の費用を加算し、ラオス国境到着時点のCIF価格に調整する必要がある。

  1. 輸送費用:ラオス国境の税関に到着するまでの運賃。
  2. 保険料:当該貨物の輸送に係る保険料。
  3. 梱包費用、取扱手数料:容器や梱包の費用、および積み込み・荷役にかかる費用。
  4. ロイヤルティー、ライセンスフィー:当該貨物の販売条件として輸入者が直接的・間接的に支払う特許権などの費用。
  5. 輸出国での保管料のうち輸入者負担分:到着前までに発生した保管などの関連費用。
  6. その他輸入者が負担する費用:仲介手数料や、製品価格に含まれていない手数料など。

ただし、次の費用は課税基準額から控除が可能。

  1. インボイスに記載されている値引き額
  2. 輸出者負担の条件で販売された商品の関税・諸税
  3. インボイスに記載されている、ラオス国内での作業(設置、維持)に対して輸出者に支払われた費用

なお、輸出関税の課税基準額には、国境税関までの国内輸送費、保険料などが含まれる。

対日輸入適用税率

日本からの輸入にかかる関税は一般税率。ただし「日・ASEAN包括的経済連携(AJCEP)」もしくは「地域的な包括的経済連携(RCEP)」に基づく原産地規則を満たせば、それら協定の定める条件に従って関税を撤廃、または引き下げる。

関税率は、次のウェブページから確認可能。

外務省:AJCEPにおける日本からラオスへの輸入関税率表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(759KB)

特恵等特別措置

一般特恵関税制度(GSP)に基づく特別措置、ASEAN物品貿易協定(ATIGA)に基づく特別措置、ASEAN自由貿易協定に基づく特別措置、アジア太平洋貿易協定(APTA)に基づく特別措置、ラオス‐ベトナム改正貿易協定に基づく特別措置、中国からラオスへの特別措置

一般特恵関税制度(GSP)に基づく特別措置

主要各国の一般特恵関税制度の概要:国連貿易開発会議(UNCTAD)"Generalized System of Preferences外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

特恵関税の適用を受けるには、発給日から1年以内の特恵用原産地証明書(Form A)を税関に提出する必要がある。ただし、原産地証明が不要となる場合がある(日本の場合、課税価格の総額が20万円以下の物品および特例申告貨物)。原則として、第三国を通過せず輸入国に直送される物品のみが特恵関税の対象となるが、第三国で荷下ろし・船積み・状態を保つための作業以外のいかなる作業も行わないもの、あるいは第三国の税関管理下に置かれる物品についても特恵措置の対象になる。

ASEAN物品貿易協定(ATIGA)に基づく特別措置

ATIGAに基づくASEAN共通効果特恵関税(CEPT)の適用を受けるためには、ATIGA用特恵原産地証明書(Form D)を税関に提出する必要がある。ラオスにおける同関税率については、次のASEANのウェブページから確認可能。
ASEAN:ATIGAにおけるラオスを含む各国の輸入関税率表 "Annex 2(Tariff Schedules)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

ASEANダイアログ・パートナー諸国、EU、米国とのASEAN自由貿易協定に基づく特別措置

協定ごとに所定の原産地証明書を用いて優遇措置の適用を受ける。ASEAN各国とパートナー諸国(日本、中国、韓国、インド、オーストラリア・ニュージーランド)における関税率については、次のウェブサイトから確認可能。
ASEAN Tariff Finder外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

アジア太平洋貿易協定(APTA)に基づく特別措置

ラオスにおける特恵マージン率一覧については、次のウェブサイトを参照。
ESCAP "Lao PDR General Concessions外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(2.7MB)"
付加価値基準45%以上(後発開発途上国は35%)の原産地規則が適用される。

地域的な包括的経済連携(RCEP)協定に基づく特別措置

RCEPに基づく特恵関税の適用を受けるためには、RCEP用特恵原産地証明書(Form RCEP)を税関に提出する必要がある。

ラオス‐ベトナム改正貿易協定に基づく特別措置

対象品目はATIGA税率の50%関税が適用される。なお、コメやタバコ葉、砂糖は数量制限がある。適用対象となるためには、ラオス‐ベトナム改正貿易協定に基づく原産地証明書(Form S)を税関に提出しなければならない。

中国政府による特別措置

中国がラオスからの輸入品に対し全品目の100%の関税を免除する特恵関税措置が供与されている。適用対象となるためには、原産地証明書(Form SPT)を税関に提出しなければならない。

関連法

改正関税法第81号(2020年6月29日付)

関税以外の諸税

輸入時には、関税以外に、付加価値税と物品税が賦課される。

付加価値税、物品税の詳細は「税制‐その他税制」の項を参照。

輸入品には一律10%の付加価値税が課税される。付加価値税の課税基準は、実際の取引価格(CIF価格)である。税関において、付加価値税申告書を関税申告書とともに提出し、税金を支払う。ただし、輸入品では植物品種や畜産用ワクチン、無償援助により供給された商品・サービス、国産の農産物や肥料、農機具、農産加工用原料は免除される。

また特定の財の輸入に際しては、3~220%の物品税が課税される。付加価値税と同様、通関時に個別物品税申告書を提出し、税金を支払う。

その他

改正関税法(2020年6月29日付)により、関税の減免制度が定められている。また、不服申し立ての法的手続きが定められている。

減免制度

国際機関などに関する免税

外交使節団、ラオス外務省が認めた国際機関、国際NGO、プロジェクトに従事する国際専門家が使用するために輸入される物品および車輛は、課税対象外となる。ただし、それらは、業務終了後はラオスから再輸出されなければならない。国内で販売・譲渡する場合は、その時点で関税および諸税の支払い義務が生じる(改正関税法第91、92、93条)。

一般的な免税

旅行者の私物、移入時の私物、海外要人の訪問団からの贈呈品、無償援助資金および借款により得た物品、教育・保健医療・科学研究、サンプル、宗教に不可欠な物品、国家防衛および公共の安全に用いられる特別な物品、植物品種、動物品種、畜産精液、畜産用ワクチン、畜産用医薬品、畜産飼料原料農業用分析機器・器具については、免税対象となるが関係機関からの承認が必要。また150万キープ以下の物品の輸入は免税となる(同法第94条、97条、98条、99条、100条)。
手荷物持ち込みにおける免税範囲は次のとおり。

  1. 1億キープ相当以下の貴金属・通貨。この額を超える場合は、税関当局への申告が必要。また、1万ドル相当額を超える持ち出しについては、事前にラオス中央銀行または地方支店から持ち出し許可証を取得し、税関に提示する必要がある。詳細は「為替管理制度‐その他」の項を参照。
  2. アルコール2リットル以下、ビール5リットル以下、ワイン3リットル以下
  3. たばこは1カートン(200本)以下、葉巻50本以下、タバコ葉250g以下
  4. 香水1種類1品以下
輸出関税の免税

原則としてラオス国内で生産、栽培、飼育、加工された農産品、完成品として生産もしくは加工された工業製品、手工芸品が輸出関税の免除対象となる〔同法第101条および輸出関税対象品目と関税率に関する国家主席令第001号(2023年8月23日付)〕。林産物や木材、鉱物などには輸出関税が適用される。

投資に関する免税
  1. 投資促進政策において対象となる物品。
  2. 経済特区に輸入され、また、そこから輸出される物品。
  3. 免税店で販売される物品の輸出入に係る関税については、免税あるいは減税される。
    ただし、経済特区で生産された物品のうち、ラオス国内で流通・消費されるものは、課税対象となる。

不服申し立ての法的手続き

関税額評価やHSコード、原産地認定、または税関によるその他の決定に不服がある場合は、30日以内に次のプロセスで申し立てを行うことができる(同法第111条、112条、113条)。

  1. 地方再審査委員会への請求:税関の通知・決定から30日以内に、書面で地方再審査委員会へ申し立て。委員会は請求受領から90日以内に審査結果を決定し、通知する。
  2. 中央再審査委員会への上告:地方委員会の決定に不満がある場合、通知受領から15営業日以内に、中央再審査委員会へ申し立てることができる。
  3. 人民裁判所への提訴:中央委員会の決定にも納得できない場合は、その通知受領から30日以内に人民裁判所へ提訴することが可能。裁判所の判決が最終決定となり、法的拘束力を有する。