外国企業の会社設立手続き・必要書類

最終更新日:2023年07月07日

外国企業の会社設立手続き・必要書類

外国企業が香港でビジネスを行う場合、現地法人を設立するか、外国企業の香港支店として公司註冊処(Companies Registry、以下「会社登記所」)に登録しなければならない。また、香港でのすべての事業について、その事業開始日から1カ月以内に商業登記をしなければならない(会社登記と商業登記の申請提出は、1度にまとめて行うことが可能)。

事業免許に関する情報については、次の工業貿易署の中小企業情報センター(Trade and Industry Department Support and Consultation Centre for SMEs)のウェブサイト参照。
Business Licence Information Service外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

2011年2月21日より、会社登記所(公司註冊処)と税務局が連携し、会社登記と商業登記のワンストップサービスを実施している。すなわち会社登記の申請提出は、同時に商業登記の申請提出とみなされる。

会社登記と商業登記のワンストップサービス(e-Registry外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(24時間アクセス可能)

※参考:税務局(Inland Revenue Department外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

主な会社登録・事業登録に関する手続きは次のとおり。

現地法人(株式会社)

類似商号の調査

会社名が既に他社によって登録されていないか、類似商号がないかどうかの確認。一連の手続きは、専門家に依頼するのが一般的だが、商号はCyber Search Centreのウェブサイトで事前の簡単な確認も可能(注1)。

会社登記と商業登記の申請
  1. 必要書類:設立申請書(Form NNC1)、会社定款の写し、会社登記所への通知書(IRBR1)
    1. 会社定款(Articles of Association)には次の内容を記載。
      • 会社名
      • 株主の責務(有限・無限責任)
      • 株主の責務および出資額(有限会社のみ)
      • 資本金または設立時株主の出資情報(株式会社のみ)
      • 有限会社の設立にあたり、会社条例(Companies Ordinance)第622章103条に基づき(“有限会社”または“Limited”の表示の省略可)ライセンスを取得した組織または有限会社は、ライセンスの有効期間内に係る会社目的を明記する必要がある。
    2. 設立申請書(Form NNC1)は、次の条件を満たす必要がある。
      • 設立者である取締役の場合、同意書(Consent to Act as Director)に署名すること。設立者でない取締役の場合、同意書に署名する、あるいは、会社設立から15日以内に同意書(Form NNC3)を提出すること。
      • 申請書に記入された設立者1人が署名すること。
      • 予定する会社名が基本定款に載っている会社名と同じであること。
      • 私的会社(Private Company)の場合、最低1人の自然人取締役を任命する義務がある。公開会社(Public Company)である場合、最低2人の取締役を任命する義務があり、取締役全員が自然人でなければならない。
    3. 会社登記所への通知書(IRBR1)には次の内容を記載。
      • 3年間の商業登記証を選択しているかどうか

      書類をネットで提出する場合は約1時間で登録書が発行され、郵送の場合は約4日間の作業日が必要とされる。

外国企業の支店

香港で支店を開設してから1カ月以内に、会社登記所に登録申請をしなければならない。

  1. 必要書類
    1. 申請書(Form NN1)には次の内容を含む。
      • 香港で営業拠点を設立する日付
      • 香港および会社設立地(本国)での主な営業拠点
      • 会社設立地(本国)で登記されている事業所所在地
      • 取締役と会社秘書役、香港で会社の代表権限を与えられている人物(Authorized representative)に関する詳細
    2. 会社構成を示す法律文書の認証謄本(定款など)
    3. 設立認可証(Certificate of Incorporation)の認証謄本(登記簿謄本など同様の書類も可)
    4. 最新の会計報告書の認証謄本
    5. 会社登記所への通知書(IRBR2)

※参考:認証謄本は、香港で翻訳された場合、香港の公認会計士などの公証人または高等裁判所法務官の証明による。

その他詳細は会社登記所のウェブページ(Companies Registry - Local company and registered non-Hong Kong company外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を参照。

費用

会社登記の申請提出は、同時に商業登記の申請提出とみなされる。
商業登記証は、更新する必要がある。

  1. 会社登記費用

    1,720香港ドル。会社が設立できなかった場合は1,425香港ドルが払い戻される。
    ワンストップサービスでの登記の場合、1,545香港ドル。会社が設立できなかった場合は、1,280香港ドルが払い戻される。
    詳細は、会社登記所のウェブページ(Companies Registry - Registration of a new company外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を参照。

  2. 商業登記費用

    2023年4月1日以降の登記費用は次のとおり。
    1年間有効な商業登記証:2,150香港ドル
    3年間有効な商業登記証:5,650香港ドル

    2023年4月1日以降の商業登記費用については、次の税務局のPDFを参照。
    Business Registration Fee and Levy TablePDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(95KB)

商業登記に関する詳細は、税務局ウェブサイトBusiness Registration外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

関係機関

  1. 日本での照会先
    香港経済貿易代表部(東京)投資推進室外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    Tel:03-3556-8980
  2. 香港での照会先
    1. 会社登記所総合照会センターIntegrated Companies Registry Information System:ICRIS) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    2. 会社登記所Companies Registry外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    3. 税務局Inland Revenue Department外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    4. 入境事務処Immigration Department外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    5. 投資推進署(InvestHK - Setting Up In Hong Kong外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    6. 香港貿易発展局(Hong Kong Trade Development Council外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

外国企業の会社清算手続き・必要書類

外国企業の撤退、解散、清算手続き・必要書類

会社の撤退

  1. 必要書類
    1. 外国企業による営業拠点運営中止通知書(Form NN13)/ 業務停止通知書(Form IRC 3113
    2. 財務諸表
  2. 手続き
    1. FormNN13を、営業停止日から7日間以内に会社登記所に提出する(期限を過ぎた場合、各責任者、および権利を与えられた代理人は1万香港ドルの罰金が科されるほか、場合によっては1日当たり300香港ドルの罰金の支払いが要求される)。書類が受理されたら、会社登録は取り消される。
    2. Form IRC 3113を、営業停止日から1カ月以内に商業登記署に提出する(Form NN13を提出した場合、この手続きは不要となる)。業務終了の年度までの商業登記費の支払いをする。
    3. (駐在員事務所除く)税務局へ財務諸表の提出、納税義務を済ませる。

会社の解散

香港から営業拠点を撤退するだけではなく、海外にある親会社も解散する場合。

  1. 必要書類
    1. 外国企業の解散通知書(Form NN14
    2. 会社の解散を証明する書類([1]書類がオリジナルでない場合、写しと前述の通知書と一緒に提出することが必要。[2]書類が中国語・英語表記以外の言語である場合、認定された機関が発行した中国語訳もしくは英語訳の書類が必要。[3]会社の解散実行日の記入が必要)
    3. 業務停止通知書(Form IRC 3113
    4. 財務諸表
  2. 手続き
    1. Form NN14・会社の解散を証明する書類を、業務停止日から15日以内に会社登記所に提出する(期限を過ぎた場合、各責任者、および権利を与えられた代理人は1万香港ドルの罰金が科されるほか、場合によっては1日当たり300香港ドルの罰金の支払いが要求される)。書類が受理されたら、会社登録は取り消される。
    2. Form IRC 3113を、営業停止日から1カ月以内に商業登記署に提出する(Form NN14を提出した場合、この手続きは不要となる)。業務終了の年度までの商業登記費の支払いをする。通知書の提出期限を過ぎた場合、懲役1年および5,000香港ドルの罰金が科される。
    3. 税務局へ財務諸表を提出し、納税義務を済ませる(駐在員事務所除く)。

会社の清算

  1. 必要書類
    株主あるいは債権者による任意清算、そして裁判所による強制清算3つの状況に当てはまる場合。
    1. 外国企業による清算開始通知および清算人詳細通知書(Form NN11
      • 清算人が法人団体に属している場合、事業登録事務所の住所の申告が必要。香港IDカード番号(所有している場合)、もしくはパスポート番号と発行した国を申告する。香港IDカード、パスポート両方所有していない場合、空欄に「無」と記入。
      • 個人清算人は、会社登記所で登録した香港身分証明書番号もしくはパスポート番号を記入する。登録していない場合は、空欄に「無」と記入。
      • 清算人が死亡した場合、死亡した日を離任日として記入。
    2. 業務停止通知書(Form IRC 3113
    3. 清算決議の写し
  2. 手続き
    1. Form NN11を、香港における外国企業の清算開始日、もしくは外国企業本社所在地の清算通知書類が香港の事業所に到達した日のいずれか遅い方から15日以内に、会社登記所に提出する。期限を過ぎた場合、各責任者、および権利を与えられた代理人は1万香港ドルの罰金が科されるほか、場合によっては1日当たり300香港ドルの罰金の支払いが要求される。
    2. Form IRC 3113と清算決議の写しを、営業停止日から1カ月以内に商業登記署に提出する(Form NN11を提出した場合、この手続きは不要)。業務終了の年度までの商業登記費の支払いをする。通知書の提出期限を過ぎた場合、懲役1年および5,000香港ドルの罰金が科される。

その他詳細は「会社条例Companies Ordinance)- Part 16 Non Hong Kong CompaniesPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(4.50MB)」に定められている。

「会社条例(Companies OrdinancePDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(4.50MB))」は2014年3月に発効。

※参考:税務局:商業登記取消し手続きページ Cancellation of Business Registration外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

その他の裁判所による強制清算に必要な書類および手続きは、破産管理署(Official Receiver's Office外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)ウェブサイト参照。

その他

特になし。