1.7 閉鎖、解散・清算
1.7.1 支店の閉鎖・日本における代表者全員の退任
支店の閉鎖は、登記上は、日本における支店閉鎖の登記と日本における代表者全員(日本に住所を置くものに限ります)の退任の登記があります。日本における代表者全員が退任しない限り、日本支店の登記簿は閉鎖されません。これは、代表者の登記があれば、日本での営業の継続が可能であるためです。反対に、日本における代表者全員が退任する場合、日本における支店は閉鎖されることになります。実務上では、日本における代表者全員の退任の登記のみを行う方法が多くとられています。日本における代表者全員の退任を登記する場合、一般的には、以下のような手続きをしなければなりません。なお、支店の債権者が支店閉鎖についての異議を申し出るための期間として1カ月以上の期間を確保する必要があります。
日本における代表者全員の退任登記手続きの一般的な流れ
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                            1外国企業による支店閉鎖・日本における代表者全員の退任の決定 
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                            2支店閉鎖・日本における代表者全員の退任に異議のある債権者の申し出を個別通知および官報公告により催告 
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                            3.税務官庁に納税管理人の届出 
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                            4支店閉鎖・日本における代表者全員の退任(上記2の通知と公告の1カ月後以降) 
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                            5支店閉鎖・日本における全ての代表者の退任に関する宣誓供述書の作成 
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                            6在日大使館の領事等による宣誓供述書の認証 
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                            7法務局へ全ての日本における代表者の退任登記申請 
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                            8閉鎖登記事項証明書の取得(登記申請の約 2 週間後) 
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                            9税務官庁等に支店閉鎖の届出 
なお、日本における営業拠点を支店から子会社(日本法人)に変更する場合も支店の閉鎖手続を行う必要があります。これは、支店を株式会社や合同会社に直接組織変更させることはできないので、支店閉鎖手続と子会社(日本法人)設立手続を同時に行うことになるからです。この場合、支店の資産を現物出資することにより、子会社(日本法人)の資産として引き継ぐことも可能です。
日本における代表者全員の退任登記をした場合、支店の閉鎖日は記載されずに、登記簿は閉鎖されます。通常は、宣誓供述書に支店閉鎖の日を記載することによって足りますが、支店閉鎖の日が、登記簿に記載されることが必要な場合、(1)支店の閉鎖(廃止)、(2)日本における代表者全員の退任の登記両方行う必要があります。ただし、日本における代表者の住所と支店所在地を管轄する法務局が異なる場合、代表者の住所の管轄法務局に対し、営業所移転の登記と同様の登記を申請することが必要になることもあります。
1.7.2 子会社(日本法人)の解散・清算
子会社(日本法人)を解散・清算する場合は、以下のような手続をしなければなりません。その際は、債権者から子会社(日本法人)に対する債権を債権者が申し出るための期間として 2 ヵ月以上の期間を確保する必要があります。なお、子会社(日本法人)の純資産額が-(マイナス)となっている場合は、以下のような自主的な清算手続を行うことができず、裁判所の主導に よる特別の清算手続によらなければなりません。
子会社(日本法人)解散・清算手続きの一般的な流れ(株式会社・合同会社)
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                            1株主総会等において子会社(日本法人)の解散及び清算人選任を決議 
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                            2法務局へ子会社(日本法人)の解散及び清算人選任の登記申請 
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                            3.税務官庁に子会社(日本法人)の解散及び清算人選任の届出 
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                            4子会社(日本法人)に対する債権を債権者が申し出ることを個別通知及び官報公告により催告 
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                            5解散時の貸借対照表及び財産目録の作成 
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                            6上記貸借対照表及び財産目録を株主総会等で承認(合同会社の場合、各社員に通知) 
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                            7残余財産の確定及び分配 
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                            8株主総会等において清算結了の承認決議(上記 4 の通知と公告の 2 ヵ月後以降) 
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                            9法務局へ子会社(日本法人)の清算結了の登記申請 
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                            10閉鎖登記事項証明書の取得(登記申請の約 2 週間後) 
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                            11税務官庁等に子会社(日本法人)の清算結了の届出 
目次
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                    1.1
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                    1.2
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                    1.3
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                    1.4
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                    1.5
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                    1.6
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                    1.7
参考
会社設立の手続き パンフレット
 
                    
                                日本での会社設立に関わる基本的な法制度情報や各種手続きをまとめた冊子(PDF)を提供しています。8種類の言語(日本語、英語、ドイツ語、フランス語、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)、韓国語、ベトナム語)で作成しています。
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Section 1:株式、持分等の取得に関する届出・報告
| Section | 事前届出・事後報告の対象 | 説明箇所 | 管轄省庁等 | 
|---|---|---|---|
| 1-3 | 事前届出を必要とする業種 ※国の安全、公の秩序、公衆の安全の観点から定められたもの   | 対内直接投資審査制度について→関連法令→指定業種を定める告示→別表第一 | 財務省   | 
| 1-3 | 事前届出を必要とする業種 ※わが国経済の円滑運営の観点から定められたもの   | 対内直接投資審査制度について→関連法令→指定業種を定める告示→別表第二 | 財務省   | 
| 1-3 | 事後の報告を必要とする業種   | 対内直接投資審査制度について→関連法令→指定業種を定める告示→別表第三 | 財務省   | 
| 1-3 | 事前届出対象外の国・地域一覧   | 外為法の報告書についてよく寄せられる質問と回答→【参考資料2】掲載国 | 日本銀行国際局   | 
Section 1:登記 各種申請書類
| Section | 申請書式名 | 申請書式掲載箇所 | 管轄省庁等 | 
|---|---|---|---|
| 1-2 | 株式会社の定款記載例2(中小規模の会社) ※非公開、取締役1名以上、取締役会費設置、監査役非接地会社   | 定款の記載例→株式会社の定款→2 中小規模の会社 | 日本公証人連合会公証役場   | 
| 1-2 | 実質的支配者となるべき者の申告書(株式会社用)   | 公証事務 9-4 定款認証→実質的支配者となるべき者の申告書→株式会社用 | 日本公証人連合会   | 
| 1-3 | 株式、持分、議決権若しくは議決権行使等の権限の取得又は株式への一任運用に関する報告書   | 報告書様式および記入の手引等(2014年以降適用)→6. 外為法第55条の5、6および8に係る→対内直接投資等・特定取得、技術導入→直投命令第6条の2、第6条の3、第7条に基づく報告→様式11(直投命令) | 日本銀行国際局国際収支課   | 
| 1-3 | 宣誓供述書   | 第7 外国会社→7-2外国会社の営業所設置登記申請書→記載例 8頁 | 法務省民事局   | 
| 1-3 | 株式会社設立登記申請書   | 第1 株式会社→1 設立→1-3株式会社設立登記申請書(取締役会を設置しない会社の発起設立)→ 記載例 | 法務省民事局   | 
| 1-3 | 印鑑(改印)届書   | 第8 印鑑届書→8-1 印鑑届書(株式会社・記載例) | 法務省民事局   | 
| 1-3 | 外国会社営業所設置登記申請書   | 第7 外国会社→7-2外国会社の営業所設置登記申請書→記載例 | 法務省民事局   | 
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