2026年1月
「風の国」秋田が拓く 洋上風力発電の新時代
2026年01月15日
秋田港の洋上風車(提供:秋田洋上風力発電株式会社)
10月15~17日、世界洋上風力サミット(Global Offshore Wind Summit – Japan 2025 :GOWS-Japan2025)が秋田市で開催されました。風車を海に浮かべる「浮体式」などの最新技術や、事業の安定性確保策、人材育成などさまざまなテーマや課題に関する発表とパネルディスカッションが行われ、企業や自治体による展示ブースでは熱心な商談や説明が続きました。参加したのは世界20カ国・地域から集まった約750人。日本の洋上風力発電市場への関心と期待の高さを窺わせました。
「未来像」示す秋田の産業振興
サミット会場となった秋田県は、海からの強い風が吹き、全国に10ある洋上風力発電の「促進地域」のうち最多4海域を抱える洋上風力のトップランナーです。開会式に登壇した鈴木健太知事は「秋田県はこれからも恵まれた風況を活かしながら、再生可能エネルギーの最先進地域として力強く歩み続けていく。引き続き官民を挙げて、関連産業の振興と導入拡大にまい進する」と力を込めました。
県は、電力供給を風力をはじめとする「県産の再生可能エネルギー」ですべて賄う「再エネ工業団地」の建設計画を掲げ、風車のメンテナンス人材の育成などにも力を入れています。サミット開催に合わせて実施された県内関連施設の見学ツアーには、日本市場への進出や事業拡大を目指す海外の企業関係者も複数参加し、洋上風車の作業技師向けの訓練を実施する風と海の学校あきた(男鹿市)などを視察しました。同施設は地域の人材育成を行うとともに県外からの訓練者も呼び寄せ地域の活性化にも貢献しています。
産官学の連携が進む秋田県について、世界風力エネルギー会議(GWEC:Global Wind Energy Council)のRebecca Williams副CEOは、サミットに寄せたビデオメッセージで「日本の洋上風力の未来像を示している地域」と語りました。
秋田市で開催された世界洋上風力サミット
サミットで挨拶する鈴木健太・秋田県知事
意欲的な導入目標と市場安定化策
日本政府は2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、洋上風力発電を将来の主要電源のひとつに位置付けています。導入目標を30年までに10ギガワット(GW)、40年までに30~45GWとする意欲的な計画を掲げています。目標の拡大は、世界のエネルギー企業にとって大きなビジネスチャンスを意味します。
政府は、発電所の長期占用期間を現行30年に設定して、洋上風力発電市場の安定化を図り、海外企業を含む事業者の参入を促していますが、今後期間をさらに延長することを検討しています。洋上風力発電市場の安定化を図り、海外企業を含む事業者の参入を促しています。電力の固定価格買取制度(FIT)から市場価格に連動し補助金を上乗せするFIP制度への移行は、高い技術力を持つ海外企業にとって、日本の成長市場での長期的な収益確保を可能にする強力な後押しとなります。
大きな成長ポテンシャル 海外企業にも好機
MHIベスタスジャパンの後藤克繁社長
日本の洋上風力市場は急速な発展を遂げる一方で、サプライチェーン構築など産業基盤の確立は緒についたばかり。それだけに事業実績のある企業の知見やノウハウが強く求められており、外資系企業にとって参入余地の大きな市場といえます。
秋田・能代港湾区域の洋上風力発電所の風力発電機を製造し、運転・保守(O&M)サービスを提供するのは、風力発電機で世界トップシェアを誇るデンマークのベスタスです。同社と三菱重工業株式会社による合弁会社でベスタス風力発電機の国内販売を担うMHIベスタスジャパンの後藤克繁社長は「世界第5位の電力需要を持ち、領海とEEZ(排他的経済水域)を合わせた広さが世界第6位の日本は、非常に大きな洋上風力導入のポテンシャルを持っており有望な市場だ」と指摘します。
今回のサミットにも参加した後藤社長は「議論を通じ、政府・業界関係者の『洋上風力を日本の主力電源の一つとして確立する』との強い思いとコミットメントを感じた」といいます。持続可能で実現性の高いオークション制度の確立など事業環境の整備・改善と、優れた立地条件、サプライチェーンの形成などが組み合わさることで「前途有望な市場であることは間違いない」と強調。「ベスタスのグローバルな風力発電機メーカーとしての知見やソリューションを提供することで、その成功に貢献したい。」と語りました。官民を挙げた産業振興が進む秋田と、四方を海に囲まれる日本の洋上風力に期待が高まっています。
サミットに合わせて実施された見学ツアー(提供:JWPA)
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