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米商務省BIS、輸出管理の関連事業体ルールの適用停止を2027年1月10日まで延長
(米国、中国)
調査部米州課
2026年11月06日
米国商務省産業安全保障局(BIS)は11月5日、輸出管理規則(EAR)上の「関連事業体ルール(Affiliates Rule)」の適用停止期限を、従来の2026年11月9日から2027年1月10日まで延長する最終規則
を公表した。11月9日に官報に正式に掲載する。
BISは2025年9月、EAR上のエンティティー・リスト(EL、注1)などに掲載された事業体との取引に加え、リスト掲載事業体が50%以上を所有する事業体との取引も規制の対象とする関連事業体ルールの適用を開始した(2025年9月30日記事、2025年10月3日記事参照)。ただし、2025年10月に韓国・釜山で開催された米中首脳会談で、同ルールの1年間の適用停止に合意したことを受け(釜山合意)、米国は2026年11月9日まで同ルールの適用を停止していた(2025年11月11日記事参照)。
その後、米中首脳は2026年9月に米国の首都ワシントンで再度会談し、この際、スコット・ベッセント財務長官は、釜山合意に基づく措置の適用停止期限を2027年1月まで延長することで中国と合意したと明らかにしていた(2026年9月28日記事参照)。今回の発表はこの合意に沿った措置とみられる。従来の適用停止期限が延長されなければ、2026年11月10日から関連事業体ルールの適用が復活する可能性があったが(注2)、同ルールの適用再開は2027年1月10日以降に先送りされた。
なお、釜山合意に基づき、米国側は主に(1)関連事業体ルールの適用停止、(2)中国籍船などに対する1974年通商法301条に基づく入港料金措置の適用停止、(3)中国に対する国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく追加関税措置の適用停止、の3つの措置を講じていた。このうち、(2)入港料金措置についても、米国通商代表部(USTR)が2027年1月まで期限を延長する手続きを進めている(2026年10月27日記事参照、注3)。また、(3)追加関税措置については、米国連邦最高裁判所が2026年2月にIEEPAに基づく関税措置を認めない判断を下しており(2026年2月24日記事参照)、措置が復活することは想定されない。そのため、今回の関連事業体ルールの適用停止期限の延長をもって、2026年9月の米中の合意に基づく米国側の対応は、おおむね実行に移されたことになる。
今後、米中両首脳は、2026年11月に中国で開催されるAPEC首脳会議、12月に米国で開かれるG20サミットに出席する意向を示しており、これらの機会に再度首脳会談が行われるとみられる。関連事業体ルールを含む各種措置について、2027年1月以降の取り扱いは、こうした首脳会談を通じて決定される可能性が高い。
(注1)商務省が、米国の国家安全保障または外交政策上の利益に反する行為に関与している、またはその恐れがあると米国政府が判断した企業や個人を掲載するリスト。リスト掲載事業体に対して、EAR対象品目を輸出・再輸出・みなし輸出する場合、BISの輸出許可(ライセンス)が必要となる。BISは、ライセンスの審査方針を「不許可」または「原則不許可」とすることが多く、実質的に輸出が禁止されるケースも少なくない。このため、ELは輸出管理上のいわゆる「ブラックリスト」と位置付けられている。
(注2)EARは、米国からの輸出だけでなく、日本からの輸出に際しても、米国産品を一定割合以上組み込んだ製品などに域外適用される可能性がある。関連事業体ルールが適用されれば、日本企業もEAR対象品目の輸出などに際し、取引相手がELに掲載されていないかだけでなく、EL掲載企業に50%以上所有されていないかを確認する必要が生じる。
(注3)ただし、現時点で延長の正式な決定は未了。
(葛西泰介)
(米国、中国)
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