山東省上半期経済、企業景況感は好調、新エネルギー投資79%増
(中国)
青島発
2025年08月18日
中国・山東省統計局の7月21日の発表によると、同省の2025年上半期の域内総生産(GRP)は5兆46億元(約105兆966億円、1元=約21円)で、前年同期比5.6%増となった。産業別では、第一次産業が3.9%増の3,015億4,000万元、第二次産業が5.6%増の1兆9,799億元、第三次産業が5.8%増の2兆7,231億元となった。
第二次産業の一定規模以上の工業企業(注1)による工業生産増加額(付加価値ベース)は、前年同期比7.7%増となった。同局は、工業のモデル転換やグレードアップが継続的に加速しているとし、ハイテク製造業の付加価値は11.1%増加した。製品別の生産量をみると、ミドル・ハイエンド製品の生産量が急速に増加しており、高速列車、工業用ロボット、リチウムイオン電池などの製品はそれぞれ50.1%、58.6%、35.7%増加した。
同省の8,104社の一定規模以上の工業企業を対象に行った生産経営および景気状況調査によると、第2四半期において、93.1%の企業は経営状況が正常または良好であると判断している。また、91.8%の企業が次の四半期の経営状況について、正常または比較的楽観的であると予想している。
同省上半期の固定資産投資は0.2%減少したものの、技術改良への投資が堅調に増加している。同省は、産業チェーンの高付加価値化、スマート化、グリーン化転換を加速させており、上半期の工業技術改良投資は5.5%増加し、投資総額の21.9%を占めた。また、ダブルカーボン目標(2025年3月6日記事参照)とエネルギー安全保障戦略などの政策方針の下、新エネルギー分野への投資は急速な成長を遂げている。太陽光発電、風力発電、原子力発電への投資は合計で79.4%増加した。
社会消費品小売総額は5.6%増の2兆142億1,000万元となった。一定額以上のスマート家電・AV機器と通信機器の小売額はそれぞれ48.4%増、27.0%増と高い伸びを示した。同局は買い替え支援策の効果が持続し、国の補助金政策に牽引されたとしている。また、一定額以上の新エネルギー自動車小売額は20.5%増加し、自動車全体の30.1%を占めた。
上半期の住民1人当たり可処分所得は、5.3%増の2万2,592元となり、うち都市住民の可処分所得は4.7%増の2万8,306元となった。
また、同局は、2024年の同省都市部の非民営企業(注2)と民営企業の従業員の年間平均賃金も発表した。非民営企業の従業員の年間平均賃金は前年比0.9%増の10万8,131元、民営企業の従業員の年間平均賃金は前年比0.2%増の6万1,196元となった。
青島税関の発表によると、山東省の上半期の貿易総額は前年同期比6.8%増の1兆7,288億3,000万元だった。うち輸出額は6.0%増の1兆524億3,000万元で、輸入額は8.1%増の6,764億1,000元となった。米国との貿易総額は8.7%減の1,350億6,000万元だった。
(注1)その年の主な業務による売上高が2,000万元以上の工業企業。
(注2)国有企業、香港・マカオ・台湾企業、外資企業などを指す。
(董玥涵)
(中国)
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