米パシフィック・ノースウエスト水素ハブ、バイデン政権の7つの水素ハブの1つに選定

(米国)

サンフランシスコ発

2023年11月01日

米国のバイデン政権が10月13日に発表した国内7カ所の水素ハブ(2023年10月16日記事参照)のうちの1つに、パシフィック・ノースウエスト水素ハブ(Pacific Northwest Hydrogen Hub)が選定PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)された(注)。

ワシントン州、オレゴン州、モンタナ州にまたがる同水素ハブには、最大10億ドルが提供される。州間高速道路に沿って8つの水素の製造拠点が設けられる予定で、他のハブと異なり、電力のみで水素を製造することが特徴の1つという(「シアトル・タイムズ」電子版10月13日)。

同ハブの提案は、英国に本社を置き、エンジニアリングや調達、建設のコンサルティングなどを担うアトキンスによって作成され、パシフィック・ノースウエスト水素協会、地元コミュニティーやパートナーからフィードバックを受けた。また、同ハブにはアマゾンや三菱パワーアメリカ、ポートランドゼネラルエレクトリック、北西港湾連合(シアトル港湾局、タコマ港湾局)、アトラス・アグロなど17の組織・企業がハブの一部のプロジェクトを提案している。同ハブのプロジェクトにより、ガソリン車550万台分の年間排出量と同等の2,500万トンの二酸化炭素(CO2)を削減できるほか、1万人以上の雇用創出などが見込めるという。

同ハブ理事長のクリス・グリーン氏は「エネルギー省が、米国のグリーン水素市場を加速させる優れた能力をわれわれが持っていると認めたことを喜ばしく思う」「われわれはこの投資を太平洋岸北西部の産業の脱炭素化と、未来のグリーン雇用の創出に役立てることにうれしく思っている」と述べた。

(注)他の6つのハブに関する個別発表は次の記事を参照。

(芦崎暢)

(米国)

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