12月の主な動きはアフリカ戦略での中国への対抗と、同盟国との連携、ジェトロ月例レポート(2022年12月)

(米国、中国)

米州課

2023年01月24日

ジェトロは1月23日、米国の対中国関連政策についてまとめた2022年12月分の月例レポートを公表した。このレポートは、日本企業が米中関係に関する米国の動向を把握できるよう、2021年7月から毎月分を作成して特集ページに連載している。

米国のバイデン政権が2022年12月に取り組んだ中国を念頭に置いた施策には、12月13~15日にワシントンで開催された米国・アフリカ首脳会議(2022年12月19日記事参照)が挙げられる。バイデン政権は同首脳会議で、今後3年間で550億ドルをアフリカに投資する計画を発表したほか、自由貿易制度の拡大を通じた米・アフリカ間の貿易拡大、アフリカ諸国へのデジタル技術導入、公衆衛生の改善に向けた支援などを協議した。また、同首脳会議開催中の12月13日には、米国通商代表部(USTR)のキャサリン・タイ代表がアフリカ諸国の貿易相を招いてアフリカ成長機会法(AGOA、注)閣僚会合を主催した(2022年12月14日記事参照)。

中国はアフリカ諸国にとって12年連続で最大の貿易相手国であり(2022年3月1日付地域・分析レポート参照)、12月1日からアフリカ諸国に対し輸入関税免除措置を開始するなど、アフリカ諸国の対中貿易赤字の是正に向け、互恵性を重視した政策を取っている(2022年12月13日記事参照)。今回のサミット開催をはじめとする米国の取り組みは、これら中国による働きかけへの対抗策の一環と位置付けられると考えらえる。

今回の月例レポートは、バイデン政権の主要閣僚による取り組みも時系列でまとめている。12月5日に米EU貿易技術評議会の第3回閣僚会議(2022年12月6日記事参照)、6日に米国とオーストラリアの外務・防衛閣僚協議、8日にジーナ・レモンド商務長官と西村康稔経済産業相の電話会談などが実施された。これらは、価値観を共有する同盟諸国との緊密な連絡や共同対応に向けた取り組みとして総括されている。

連邦議会関連の動向としては、12月23日に2023会計年度の国防授権法(NDAA)が成立した(2022年12月19日記事参照)。同法には、連邦政府機関が5年後に、中国共産党や中国人民解放軍と関係を有する特定の中国企業が生産した半導体部品を含む電子部品、製品、サービスを調達することを禁止する条項(5949条)や、台湾に対する安全保障面での支援強化を規定する台湾強靭(きょうじん)性促進法案(2022年9月16日記事参照)が盛り込まれた。中長期的な観点に基づいて対中政策の基本方針を規定する法律が超党派の支持を得て成立したことから、政権だけでなく連邦議会も、中国に厳しい姿勢を持ち合わせていると考えられる。

米国の対中政策・措置や米国側から見た米中関係の動向について、行政府、連邦議会、産業界、学会に分けて解説する月例レポートは、こちらの特集ページからさかのぼって閲覧が可能。米中関係に関する中国の動向も確認できる。

(注)米国がアフリカ・サブサハラ諸国の発展に関与すべく、2000年に成立した法律で、条件を満たす国からの輸入に対し、無関税の特恵待遇を与えるもの。同法は2025年9月末に失効することとなっており、2021年から延長に向けた議論が米国内で始まっている(2021年11月4日記事参照)。

(滝本慎一郎)

(米国、中国)

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