米USTR代表、AGOA閣僚会合を開催、米アフリカ間の貿易投資拡大を確認

(米国、アフリカ)

ニューヨーク発

2022年12月14日

米国通商代表部(USTR)のキャサリン・タイ代表は12月13日、アフリカ諸国の貿易相を招き、アフリカ成長機会法(AGOA)閣僚会合を主催した。バイデン政権は12月13~15日に、首都ワシントンにアフリカ諸国の首脳陣を招いて「米国・アフリカリーダーズサミット」を開催中で、その機会を捉えて開催された(2022年11月29日記事参照)。

AGOAは、米国がアフリカ・サブサハラ諸国の発展に関与すべく、2000年に成立した法律で、条件を満たす国からの輸入に対し、無関税の特恵待遇を与えるもの。AGOA対象国と認める条件として、市場経済や法の支配、政治的な多元性、適正な法手続きの確立、米国の貿易・投資に対する障壁の撤廃、貧困削減、腐敗撲滅、人権保護に関する政策の実施などを設定している。米国政府は、これら条件を満たさなくなったと判断した国を対象外にすることが可能で、直近では2022年11月に、法の支配や政治的な多元性が保護されていないことを理由に、ブルキナファソに対し2023年1月からAGOAの適用を終了すると発表している(2022年11月4日記事参照)。2025年9月末にはAGOA自体が失効することになっており、米国内でも延長に向けた議論が2021年ごろから始まっている(2021年11月4日記事参照)。

USTRが公表した会合要旨には、AGOAの延長は明示されていないが、「閣僚会合では、アフリカ大陸と貿易・投資を拡大することへの米国のコミットメントを再確認するとともに、アフリカの人々のために機会を具体的な利益に変換するため、AGOAの実施強化と現代化が必要である点で広く合意した」として、今後具体的な議論を進めていく姿勢が示された。タイ代表は閣僚会合の開会あいさつ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの中で、改善が必要な点として、特にアフリカの小国や後発開発途上国においてどのようにAGOAの利用率を高めるか、社会のあらゆる分野にAGOAの利益を届けるためにどうすべきか、といった点を例示している。

(磯部真一)

(米国、アフリカ)

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