中国がアフリカ9カ国に対する輸入関税免除措置を開始

(アフリカ、中国、米国、ベナン、ブルキナファソ、ギニアビサウ、レソト、マラウイ、サントメプリンシペ、タンザニア、ウガンダ、ザンビア)

中東アフリカ課

2022年12月13日

中国政府は12月1日から、アフリカ諸国とアフガニスタンから輸入するタリフラインの98%の品目に対する輸入関税をゼロとする措置を開始した。対象となるアフリカの国は、ベナン、ブルキナファソ、ギニアビサウ、レソト、マラウイ、サントメプリンシペ、タンザニア、ウガンダ、ザンビアの9カ国。

一方、これら9カ国を含むアフリカ54カ国・地域と中国との貿易を見ると、中国のアフリカからの輸入は約1,000億ドル、輸出が約1,480億ドルと、アフリカの貿易赤字が近年続いている(添付資料図参照)。品目で見ると、輸入は原油や鉱物資源が占め、輸出では電気製品や機械類、輸送機器類が占める。国別では、輸入では南アフリカ共和国、アンゴラ、コンゴ民主共和国、輸出ではナイジェリア、南ア、エジプトなどが上位を占めている(添付資料表1、表2参照)。

アフリカの対中貿易赤字については、アフリカ諸国から是正を求める声が強まっている。これを受け、2021年11月に開催された中国・アフリカ協力フォーラムでは、2024年までにアフリカの対中輸出を3,000億ドルにするという目標が掲げられ、さまざまな支援措置が講じられることが合意されている(2022年3月1日付地域・分析レポート参照)。

アフリカ諸国に対する特恵待遇を供与する枠組みとしては、米国が2000年から実施しているアフリカ成長機会法(AGOA)が代表的だ。しかし、2025年9月末にはAGOAが失効するため、動向が注目されている。米国は2022年7月にケニアと戦略的貿易・投資パートナーシップ(STIP)の立ち上げを発表しており(2022年7月15日記事参照)、今後はより互恵的な措置を求めていくとの見方もある。また、12月13~15日には「米国・アフリカリーダーズサミット」を開催するなど、経済や安全保障、気候・エネルギー分野など幅広い分野でアフリカとの関係強化に向けて動いている(2022年11月29日記事参照)。

(佐藤丈治)

(アフリカ、中国、米国、ベナン、ブルキナファソ、ギニアビサウ、レソト、マラウイ、サントメプリンシペ、タンザニア、ウガンダ、ザンビア)

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