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タイ米USTR代表、同盟・友好国と連携した民主主義、労働基本権などの推進強調

(米国)

ニューヨーク発

2021年06月14日

キャサリン・タイ米国通商代表部(USTR)代表が6月10日に米労働総同盟・産業別組合会議(AFL-CIO)の集会で行った「労働者中心の通商政策」に関する演説外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、(1)通商政策の形成過程に労働者を取り込む、(2)WTOが労働者を重視するよう改革を進める、(3)同盟・友好国と連携してさまざまな課題に対処する、(4)産業界とも緊密に連携するの4点を強調した(2021年6月14日記事参照)。本稿では、(3)以降に焦点を当てる。

タイ代表は(3)に関して、バイデン大統領は国内の経済や中間層を再建するまでは新たな通商協定に参加しないと約束する一方、世界は待ってはくれない点も認識しているとし、そのために同盟・友好国や多国間枠組みを通じて、民主主義、労働基本権、経済安全保障を推進していくとした。具体的には、G7やG20での国際的な最低法人税率や強制労働に関する議論や(2021年6月7日記事参照)、重要製品のサプライチェーンに関する同盟国との連携(2021年6月10日記事参照)を挙げた。また、米国の競争力を害する専制主義や非市場経済による政策にも対抗していくとし、同盟国の民主主義国とともに通商法の執行に取り組むとしている。加えて、政権のサプライチェーン強化策の一環で、USTRが通商法執行を主眼としたタスクフォースを主導する点も紹介した(2021年6月11日記事参照)。

同盟国との個別の協議については、バイデン大統領が6月15日に参加する米EU首脳会談にタイ代表も同行し、EU側の通商代表と、長年の懸案である航空機補助金紛争(注1)と鉄鋼・アルミニウム関税(注2)の問題について交渉を行うとした。また、鉄鋼・アルミニウムの国際市場については、米国・EUの双方とも中国による過剰供給が問題の根源との意識を共有していることから、中国およびその他の国の有害な産業政策に対抗するための新たな基準策定にも触れるとしている。

(4)に関しては、産業界こそが市場アクセス機会や不公正な貿易慣行、戦略的で強靭(きょうじん)なサプライチェーンの構築に関するノウハウと専門性を有しているとして、「メード・イン・アメリカ」の製品を世界の隅々にまで輸出するとともに、国内の労働者とコミュニティに投資するために、緊密に連携していくとした。

(注1)米国とEUは16年以上にわたり、それぞれボーイング、エアバスへの補助金がWTO違反として争っており、実際にWTOで認められた対抗措置として追加関税を課し合う事態に至っていた。しかし、2021年3月に米国はEUおよびEUを離脱した英国との間で4カ月間、交渉のために追加関税の適用を停止することに合意している(2021年3月5日記事3月8日記事参照)。

(注2)2018年3月に米国の当時のトランプ政権が1962年通商拡大法232条に基づき発動した鉄鋼・アルミニウム製品への追加関税に対して、EUも同年6月から対抗措置として米国からの鉄鋼・アルミニウム製品や食品などに報復関税を課しており、現在に至っている。双方は2021年5月に、本件に関する正式な協議を開始した(2021年5月20日記事参照)。

(磯部真一)

(米国)

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