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EU・米国、民間航空機紛争に伴う追加関税を4カ月停止

(EU、米国)

ブリュッセル発

2021年03月08日

欧州委員会と米国通商代表部(USTR)は3月5日、大型民間航空機に関するWTO紛争に基づきEUと米国が相互に賦課している全ての追加関税を4カ月間の期限付きで停止することに合意したとの共同声明PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。両者の内部手続きが完了し次第、停止が実行される。前日の4日には英国と米国間で同じく追加関税を4カ月間停止する共同声明を発表しており(2021年3月5日記事参照)、これに続いた。

米国は2019年10月から、EUによる航空大手エアバスへの補助金の対抗措置として、WTO判断に基づき、EUからの輸入のうち年間約75億ドルの品目に対して追加関税を賦課している(2020年2月17日記事参照)。EUも2020年11月から、米国による航空大手ボーイングへの補助金の対抗措置として、同じく、米国からの輸入のうち年間約40億ドルの品目に対して追加関税を賦課している(2020年11月10日記事参照)。追加関税の対象はそれぞれ航空機だけでなく、農産品から工業製品まで幅広い品目に及ぶため幅広い産業に影響し、産業界からは米国のジョー・バイデン大統領就任を機に、事態の改善を求める声が上がっていた(2021年1月21日記事参照)。また、EUが12月2日に発表した、米国との新たな関係構築に向けたアジェンダでも、両者間の本件紛争の早期解決の必要性に言及していた(2020年12月4日記事参照)。

今回の共同声明では、追加関税停止は「EUと米国はそれぞれの産業界および労働者への負担を緩和し、WTOにおける長年の紛争の解決に向けて取り組むことを可能にする」とし、紛争の包括的で恒久的な解決策に達するべく、交渉することを約束した。また、前日の英国との共同声明と同様に、「中国など非市場経済からの航空産業への新規参入者がもたらす脅威に対処していく」と述べており、EUや米国をはじめ先進国が協調して貿易をゆがめるような慣行に対峙(たいじ)していく姿勢を示している。

欧州委のバルディス・ドムブロフスキス上級副委員長(通商担当)は共同声明の発表に伴い、「われわれの最大かつ経済的に最も重要なパートナーとの関係の刷新を示す重要な前進だ」とコメントした。ウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長も同日、バイデン大統領との電話会談を行った後、今回の合意について「EU・米国双方のビジネス・産業界にとって素晴らしいニュースであり、今後何年にもわたるEU・米国間の経済協力にとって非常に前向きなシグナルだ」との声明を発表している。

(安田啓)

(EU、米国)

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