新車登録台数が緩やかに増加、EVは減少で普及に遅れ(オーストリア)
国内自動車産業は低迷

2025年7月3日

オーストリアの自動車市場は2024年、新車登録台数が前年比8.2%増の36万9,246台になった。うち、乗用車は6.1%増の25万3,789台で、2019年(32万9,363台)以来の高水準となった。内燃機関車(ガソリン、ディーゼル)の登録は3.4%増の12万8,136台となり、依然として半数以上のシェアを占めるが、ガソリンおよびディーゼル車以外(本稿では「代替燃料車」(注)と呼称)は9.0%増の12万5,653台となり、シェアを49.5%に拡大した。日本メーカーの新車登録台数は20.9%増の3万3,055台だった。

乗用車登録台数は2019年以来の高水準に

オーストリア統計局は2025年1月14日、2024年の乗用車と商用車の新車登録台数を発表した。乗用車は前年比6.1%増の25万3,789台で、新型コロナ禍前の2019年の32万9,363台以来の最も高い水準になった。二輪車は25.5%増の5万8,006台で大幅に伸び、トラックも8.9%増の3万7,535台と順調に拡大した(表1参照)。

表1:主な車種別新車登録台数(2024年)(単位:台、%)(△はマイナス値)
種別 台数 シェア 前年比
乗用車 253,789 68.7 6.1
二輪車 58,006 15.7 25.5
トラック 37,535 10.2 8.9
トラクター 6,627 1.8 △ 5.0
トラクター(トレーラ用) 3,523 1.0 △ 16.8
バス 1,018 0.3 △ 12.7
合計(その他を含む) 369,246 100 8.2

出所:オーストリア統計局

乗用車の新車登録をエンジン種別でみると、内燃機関車と代替燃料車はそれぞれ前年比3.4%、9.0%と増加したが、シェアでは前者が1.3ポイント減で50.5%、後者が1.3ポイント増で49.5%となった。内燃機関車のうち、ガソリン車は8.6%増の8万4,004台に増加した。一方、ここ数年減少が続いているディーゼル車は2024年、5.2%減の4万4,132台になり、シェアは2015年の58.3%から2024年は17.4%に下落した。代替燃料車では、電気自動車(EV、本稿ではバッテリー式電気自動車を指す)は6.3%減の4万4,622台になったが、ハイブリッド車(本稿では、プラグインハイブリッド車もハイブリッド車に含める)は19.9%増の8万1,018台でシェアを3.6ポイント増の31.9%に拡大した(表2参照)。

表2:エンジン種別新車(乗用車のみ)登録台数(2024年)(単位:台、%)(△はマイナス値)
種別 台数 シェア 前年比
ディーゼル 44,132 17.4 △ 5.2
ガソリン 84,004 33.1 8.6
代替燃料車 125,653 49.5 9.0
階層レベル2の項目ハイブリッド(注) 81,018 31.9 19.9
階層レベル2の項目電気 44,622 17.6 △ 6.3
階層レベル2の項目天然ガス・ガソリン併用 1 0.0 △ 80.0
階層レベル2の項目天然ガス 11 0.0 83.3
階層レベル2の項目燃料電池 1 0.0 △ 90.0
合計 253,789 100 6.1

注:プラグインハイブリッドを含む。
出所:オーストリア統計局

代替燃料車の増加にもかかわらず、乗用車の電動化のペースは遅い。2024年末にオーストリアで登録されている乗用車約523万台のうち、EVのシェアは3.8%、ハイブリッドおよびその他代替燃料車は6.4%で、合計しても1割強を占めるに過ぎない(図1参照)。

図1:乗用車登録台数(累積台数)の動向(2014年~2024年)
2024年の乗用車登録台数は523万1,893台。内訳はディーゼル251万99台、ガソリン218万6,500台、電気20万603台、ハイブリッドおよびその他33万4,691台。 2014年の乗用車登録台数は469万4,921台、ディーゼル266万3,063台、ガソリン201万1,104台、電気3,386台、ハイブリッドおよびその他1万7,368台。

出所:オーストリア統計局 

なお、2025年1~4月は、オーストリアの乗用車市場が活発になった。新車登録台数は前年同期比7.4%増の9万872台になり、うちEVが41.6%増の1万9,867台、ハイブリッド車は33.0%増の3万3,364台でともに大幅に増加し、全体の58.6%を占めた。ガソリン車とディーゼル車の登録台数はともに大幅に減少した(それぞれ8.1%減、32.7%減)。

VWグループは新車登録台数の約4割を占める

2024年の乗用車新車登録台数をメーカー・ブランド別でみると、フォルクスワーゲン(VW)グループは、VW(シェア14.2%)、シュコダ(10.1%)、アウディ(6.0%)、セアト(4.9%)とトップ10のうち1、2、4、5位を占める(表3参照)。グループ全体(前述のほかに、クプラ、ポルシェ、ランボルギーニ、ベントレー)の台数は前年比4.6%増の9万7,655台に上昇したが、シェアは0.5ポイント減の38.5%となった。韓国の現代(前年比8.8%減、1万1,369台)以外、トップ10のブランドはすべて台数を伸ばした。中国のEVメーカーの比亜迪(BYD)は前年から4倍の3,946台となり22位に上昇した。一方、米国のEVメーカーであるテスラは8.8%減(7,680台)となった。2025年に入り、テスラの人気はさらに下がった。2025年第1四半期には、EVの好況にもかかわらず、テスラの登録台数は前年同期比48%減となった(「ディープレッセ紙」2025年4月9日)。

表3:メーカー・ブランド別新車登録台数とシェア(2024年) (単位:台、%、ポイント)(△はマイナス値、-は値なし)
順位 メーカー・ブランド 台数 前年比
(台数)
シェア 前年比
(シェア)
1 VW 35,977 7.1 14.2 0.1
2 シュコダ 25,529 7.8 10.1 0.2
3 BMW 19,002 6.0 7.5 0.0
4 アウディ 15,244 0.0 6.0 △ 0.4
5 セアト 12,357 3.0 4.9 △ 0.1
6 メルゼデス・ベンツ 12,221 0.5 4.8 △ 0.3
7 現代 11,369 △ 8.8 4.5 △ 0.7
8 トヨタ 11,131 13.4 4.4 0.3
9 ダチア 10,772 12.5 4.2 0.2
10 プジョー 7,801 64.3 3.1 1.1
11 テスラ 7,680 △ 8.8 3.0 △ 0.5
12 ルノー 7,514 △ 13.7 3.0 △ 0.6
13 起亜 7,033 △ 22.4 2.8 △ 1.0
14 マツダ 6,976 4.4 2.7 △ 0.1
15 クプラ 6,722 △ 6.9 2.6 △ 0.4
16 フォード 6,656 △ 22.4 2.6 △ 1.0
17 スズキ 6,095 42.8 2.4 0.6
18 オペル 5,908 13.5 2.3 0.1
19 ボルボ 4,609 40.3 1.8 0.4
20 三菱自動車 4,161 74.2 1.6 0.6
合計(その他を含む) 253,789 6.1 100

出所:オーストリア統計局

日本メーカーの新車登録台数は、前年比20.9%増の3万3,055台となり、シェアは1.4ポイント増の12.9%に上昇した(表4参照)。特にスズキ(42.8%増、6,095台)と三菱自動車(74.2%増、4,161台)が好調だった。

表4:日本メーカー・ブランド別新車登録台数とシェア(2024年) (単位:台、%、ポイント)(△はマイナス値)
順位 メーカー・
ブランド
台数 前年比
(台数)
シェア 前年比
(シェア)
8 トヨタ 11,131 13.4 4.4 0.3
14 マツダ 6,976 4.4 2.7 △ 0.1
17 スズキ 6,095 42.8 2.4 0.6
20 三菱自動車 4,161 74.2 1.6 0.6
25 日産 2,804 11.0 1.1 0.0
31 ホンダ 1,105 15.7 0.4 0.0
33 レクサス 518 89.1 0.2 0.1
35 スバル 265 △ 37.4 0.1 △ 0.1
合計 33,055 20.9 12.9 1.4

出所:オーストリア統計局

モデル別でみると、VW「ゴルフ」は2024年に発売された新バージョンが売り上げを伸ばし、前年比61.2%増の8,670台と、2018年以来6年ぶりに1位になった(表5参照)。ここ数年1位だったシュコダ「オクタビア」は14.5%増の7,876台で2位、EVのテスラ「モデルY」は9.4%減の5,470台で2023年の2位から3位に下がった。日本メーカーで唯一、上位40モデルに入っているトヨタ「ヤリス」は4.4%減の4,137台で、2023年の4位から8位に後退した。

表5:モデル別新車登録台数とシェア(2024年)(単位:台、%、ポイント)(△はマイナス値、-は値なし)
順位 メーカー・ブランド 台数 前年比
(台数)
シェア 前年比
(シェア)
1 VW「ゴルフ」 8,670 61.2 3.4 1.2
2 シュコダ「オクタビア」 7,876 14.5 3.1 0.2
3 テスラ「モデルY」 5,470 △ 9.4 2.2 △ 0.3
4 BMW「X1」 4,818 19.9 1.9 0.2
5 セアト「イビザ」 4,809 58.6 1.9 0.6
6 ダチア「サンデロ」 4,542 15.0 1.8 0.1
7 VW「ティグアン」 4,521 20.6 1.8 0.2
8 トヨタ「ヤリス」 4,137 △ 4.4 1.6 △ 0.2
9 シュコダ「ファビア」 3,882 38.3 1.5 0.3
10 シュコダ「カロク」 3,709 20.5 1.5 0.2
11 ダチア「ダスター」 3,696 32.7 1.5 0.3
12 VW「バス」 3,433 14.9 1.4 0.2
13 VW「ポロ」 3,250 18.1 1.3 0.1
14 現代「テュソン」 2,891 △ 5.4 1.1 △ 0.2
15 VW「キャディー」 2,714 △ 10.2 1.1 △ 0.2
16 シュコダ「カミク」 2,589 12.5 1.0 0.0
17 VW「Tクロス」 2,503 41.1 1.0 0.3
18 BYD「シール」 2,489 14541.2 1.0 1.0
19 起亜「シード」 2,481 13.9 1.0 0.1
20 オペル「コルサ」 2,442 63.6 1.0 0.4
合計(その他を含む) 253,789 6.1 100

出所:オーストリア統計局

EV普及は減速傾向も、2025年第1四半期には拡大

2024年に、EV新車の登録は前年比6.3%減の4万4,622台で、伸び率は2013年以降初めてマイナスになった。一方、ハイブリッドの新車登録は19.9%増の8万1,018台で大幅に拡大した(2025年1月27日付ビジネス短信参照)。EV購入者の76.5%が法人、23.5%が個人で、ハイブリッド車ではその割合はそれぞれ66.6%、33.4%だ。個人ユーザーにとって、EVの購入の最大のハードルは従来通り購入価格とみられている。個人ユーザーは2万ユーロ前後の価格で航続距離500キロメートルのEVモデルを望むとの見方があるが、そのようなモデルはまだ市場には出ていない。

EVの新車登録台数をメーカー別でみると、テスラは前年比8.8%減の7,680台で1位を保ったが、2位のBMWは23.1%増の7,196台で、首位テスラに500台ほどの差まで迫っている(表6参照)。VWグループのブランドはそろって大幅に減少し(グループ合計で前年比28.4%減、1万419台)、グループのシェアも7.3ポイント減少し23.3%に縮小した。中国のBYDは比較的安価なエントリーレベルのモデルで前年から約4倍の3,840台となり、3位に上昇した。ボルボも新モデルの「EX30」が好調で、登録台数を2023年から倍増させて1,886台となり9位に上昇した。

表6:メーカー・ブランド別のEV新車登録台数とシェア(2024年)(単位:台、%、ポイント)(△はマイナス値、-は値なし)
順位 メーカー・ブランド 台数 前年比
(台数)
シェア 前年比
(シェア)
1 テスラ 7,680 △ 8.8 17.2 △ 0.5
2 BMW 7,196 23.1 16.1 3.8
3 BYD 3,840 275.0 8.6 6.4
4 VW 3,319 △ 35.3 7.4 △ 3.4
5 アウディ 2,861 △ 5.8 6.4 0.0
6 シュコダ 2,310 △ 38.3 5.2 △ 2.7
7 メルセデスベンツ 2,035 △ 3.0 4.6 0.2
8 クプラ 1,929 △ 27.2 4.3 △ 1.3
9 ボルボ 1,886 96.9 4.2 2.2
10 MG 1,756 △ 13.9 3.9 △ 0.4
合計(その他を含む) 44,622 △ 6.3 100

出所:オーストリア統計局

モデル別でみると、テスラの「モデルY」は1位の座を維持したものの前年比9.4%減の5,470台、「モデル3」は6.7%増の2,077台で6位になっている(表7参照)。VWグループのモデルは減少が著しく、3位のシュコダ「エンヤク」は38.3%減、7位のアウディ「Q4」は14.6%減、8位のVW「ID.4」は33.7%減だった。一方、BMWのモデルは好調で、特に新モデルの「I5」は5倍以上も増加して1,014台で11位になった。BYDのSUV(スポーツ用多目的車)「シール」は2,383台を記録し、2023年の17台から2位に上昇した。

表7:EVのモデル別新車登録台数とシェア(2024年)(単位:台、%、ポイント)(△はマイナス値、-は値なし)
順位 メーカー・ブランド 台数 前年比
(台数)
シェア 前年比
(シェア)
1 テスラ「モデルY」 5,470 △ 9.4 12.3 △ 0.4
2 BYD「シール」 2,383 13917.6 5.3 5.3
3 シュコダ「エンヤク」 2,310 △ 38.3 5.2 △ 2.7
4 BMW「X1」 2,291 26.4 5.1 △ 1.3
5 BMW「I4」 2,086 8.3 4.7 0.7
6 テスラ「モデル3」 2,077 6.7 4.7 0.6
7 アウディ「Q4」 1,599 △ 14.6 3.6 △ 0.3
8 VW「ID.4」 1,527 △ 33.7 3.4 △ 1.4
9 クプラ「ボーン」 1,497 △ 43.5 3.4 △ 2.2
10 ボルボ「EX30」 1,112 8453.8 2.5 2.5
11 BMW「I5」 1,014 562.7 2.3 2.0
12 BMW「X3」 938 △ 24.7 2.1 △ 0.5
13 BYD「アット」 899 22.5 2.0 0.5
14 MG「4」 886 11.0 2.0 0.3
15 メルセデスベンツ「EQE」 813 69.4 1.8 0.8
16 VW「ID.7」 726 578.5 1.6 1.4
17 ミニクーパー 635 36.0 1.4 0.4
18 アウディ「Q6」 611 1.4 1.4
19 起亜「EV6」 588 △ 42.2 1.3 △ 0.8
20 VW「ID.3」 585 △ 66.8 1.3 △ 2.4
合計(その他を含む) 44,622 △ 6.3 100

出所:オーストリア統計局

2025年に入って、EVの新車登録が拡大した。2025第1四半期には前年同期比31.2%増の1万4,177台、2025年4月には前年同月比76.1%増の5,690台に拡大した。BYDの第1四半期の登録台数が1,400台で、前年同期より倍増し、テスラ(1,300台)を上回った。これによりBYD のシェアは10.2%となり、BMW(12.8%)とVW(10.9%)に続いて3位に上昇し、テスラは4位に後退した。テスラの不調は、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の政治活動の不評のほか、テスラのモデルチェンジの戦略がうまくいかなかったことや競合相手、特に中国メーカーが技術的に追いついてきていることが原因だとみられる(「クリアー」紙2025年4月24日)。

2025年には、EV購入の政府による支援策、優遇措置に大きな変化が起きる。過去5年間、個人が購入した6万2,000台のEVに支援金が支給されたが、2025年3月まで申請可能な購入支援金の予算である4,600万ユーロはすでに2月中旬で枯渇した(「デア・スタンダード」紙2025年2月11日)。2025年3月に発足した連立政権が合意した緊縮政策によって、EVの購入支援金は一切廃止され、2025年4月からEVの「出力に応じた保険税」の免税も廃止される(「デア・スタンダード」紙2025年5月14日)。これによって、EVの購入価格も経常費も大幅に高くなるため、需要に打撃を与える恐れがある。

自動車産業の動向

国際自動車工業連合会(OICA)によると、2024年のオーストリアの乗用車生産台数は7万1,785台で、前年比37%減と過去10年間で最低の落ちこみとなった(図2参照)。そのすべてはオーストリア南部、グラーツ市にあるマグナ・シュタイヤーで生産された。同社はオーストリア唯一の完成車メーカーで、生産開始以来11社から、34モデル合計400万台を受託生産しているが、報道によると、2024年には生産台数が前年より3万3,300台減少した。主な原因は2024年9月の米国EVメーカーのフィスカーの倒産で、もともと4万台の予定だった同社車両の生産台数が、結局は1万台にとどまった。2024年末にジャガーも「E-Pace」と「I-Pace」の生産を停止し、2026年にはトヨタの「スープラ」とBMWの「Z4」の生産も終了するため、マグナ・シュタイヤーは新しい顧客を獲得しようとしている。中国の広州汽車集団(GAC)との交渉は前進しており、同社の「アイオンV」の生産を2025年以内に開始する可能性がある。ほかには、中国メーカーの奇瑞汽車(チェリー)、吉利汽車(ジーリー)、BYD、小鵬汽車(XPeng)と交渉を行っており、XPengから生産を受注する可能性がある。(「インデゥストリーマガツィン」誌2025年3月21日)

図2:オーストリアの乗用車生産台数の動向
2015年約10万9,000台、2016年約9万台、2017年約8万1,000台、2018年約14万5,000台、2019年約15万8,000台、2020年約10万5,000台、2021年約12万5,000台、2022年約10万8,000台、2023年約10万2,000台、2024年約7万2,000台。

出所:国際自動車工業連合会(OICA)

自動車・部品産業は約150社で従業員3万5,900人(前年比7.5%減)、総売り上げ175億ユーロ(7.4%減)、輸出比率は84%で、オーストリアの主要産業部門の1つである。2024年の道路輸送機器(SITC78)の輸出は、前年比6.6%減の176億5,000万ユーロだった。ドイツへの輸出は2.5%増の57億3,000万ユーロで比較的好況だったが、米国と英国への輸出はそれぞれ19.5%減、23.9%減と大幅に減少した(表8参照)。

表8:道路輸送機器(SITC78)の輸出国上位10カ国(単位:ユーロ、%)(△はマイナス値)
順位 国名 2023年 2024年 シェア 前年比
1 ドイツ 5,591,528,189 5,731,429,230 32.5 2.5
2 米国 1,874,176,107 1,509,471,509 8.6 △ 19.5
3 チェコ 936,795,700 897,265,460 5.1 △ 4.2
4 ハンガリー 885,232,174 878,475,269 5.0 △ 0.8
5 英国 986,402,822 750,808,489 4.3 △ 23.9
6 スロバキア 695,737,695 709,079,714 4.0 1.9
7 ルーマニア 647,811,827 646,135,108 3.7 △ 0.3
8 イタリア 613,089,278 534,374,721 3.0 △ 12.8
9 中国 538,382,542 478,729,166 2.7 △ 11.1
10 ポーランド 456,041,012 465,954,737 2.6 2.2
合計 18,892,629,169 17,651,229,858 100.0 △ 6.6
EU 12,494,851,198 12,362,269,828 70.0 △ 1.1
EU以外 6,397,777,971 5,288,960,030 30.0 △ 17.3

出所:オーストリア統計局

乗用車の輸出(SITC781)は、前年比9.8%減の75億ユーロとなった。特に米国(19.4%減)、英国(22.5%減)、ベルギー(26.3%減)の減少幅が大きかった。輸出国上位10カ国のうち、ルーマニア(9.7%増)、日本(8.4%増)とスロバキア(9.7%増)への輸出のみが拡大した(表9参照)。

表9:乗用車(SITC781)の輸出国上位10カ国(単位:ユーロ、%)(△はマイナス値)
順位 国名 2023年 2024年 シェア 前年比
1 ドイツ 1,437,390,428 1,340,424,366 17.9 △ 6.7
2 米国 1,237,413,633 996,996,433 13.3 △ 19.4
3 チェコ 580,345,821 514,413,446 6.9 △ 11.4
4 ハンガリー 468,066,852 450,742,876 6.0 △ 3.7
5 中国 445,815,407 409,063,011 5.5 △ 8.2
6 英国 508,867,486 394,267,371 5.3 △ 22.5
7 ルーマニア 333,949,652 366,330,121 4.9 9.7
8 日本 332,485,772 360,524,688 4.8 8.4
9 スロバキア 319,478,581 350,370,362 4.7 9.7
10 ベルギー 416,941,714 307,091,870 4.1 △ 26.3
合計 8,317,240,143 7,505,398,587 100.0 △ 9.8
EU 4,588,998,345 4,394,298,656 58.5 △ 4.2
EU以外 3,728,241,798 3,111,099,931 41.5 △ 16.6

出所:オーストリア統計局

自動車部品(SITC784)の輸出は、前年比5.9%減の46億4,000万ユーロになった。ドイツへの輸出(前年比8.6%減の22億1,000万ユーロ)は全体の47.8%を占め、オーストリアの自動車部品メーカーにとってのドイツの自動車産業の重要性を示している。2、3、4位の輸出国(シェア合計17.8%)は2022年と同様、隣国のハンガリー、スロバキア、チェコだった。EU以外の国への輸出の緩やかな伸び(2.1%増の6億5,000万ユーロ)は主に中国と韓国の大幅な拡大(それぞれ51.1%増、29.1%増)によるものだ(表10参照)。

表10:自動車部品(SITC784)の輸出国上位10カ国(単位:ユーロ、%)(△はマイナス値)
順位 国名 2022年 2023年 シェア 前年比
1 ドイツ 2,422,455,277 2,214,837,855 47.8 △ 8.6
2 ハンガリー 313,301,729 329,833,036 7.1 5.3
3 スロバキア 301,019,561 292,075,943 6.3 △ 3.0
4 チェコ 200,664,856 203,757,324 4.4 1.5
5 米国 181,432,491 176,273,683 3.8 △ 2.8
6 ルーマニア 175,493,622 155,312,582 3.3 △ 11.5
7 イタリア 169,027,418 146,651,808 3.2 △ 13.2
8 ポーランド 170,276,808 143,333,758 3.1 △ 15.8
9 スペイン 132,400,180 129,098,589 2.8 △ 2.5
10 英国 131,649,431 124,926,523 2.7 △ 5.1
13 中国 41,045,106 62,026,978 1.3 51.1
14 韓国 46,362,361 59,866,212 1.3 29.1
合計 4,929,922,682 4,636,707,490 100.0 △ 5.9
EU 4,290,990,388 3,984,424,430 85.9 △ 7.1
EU以外 638,932,294 652,283,060 14.1 2.1

出所:オーストリア統計局


注:
代替燃料車は、BEV、PHEV、FCV、およびハイブリッド車(HV)、天然ガス自動車(NGV)、液化石油ガス(LPG)自動車を含む。
執筆者紹介
ジェトロ・ウィーン事務所
エッカート・デアシュミット
ウィーン大学日本学科卒業、1994年11月からジェトロ・ウィーン事務所で調査(オーストリア、スロバキア、スロベニアなど)を担当。