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インド標準規格(BIS)強制認証取得が難化
コロナ禍で新規認証が望めない問題も

2021年5月31日

インドの標準規格(BIS、Bureau of Indian Standards)で、強制認証が適用される品目が拡大している。それに伴い、日本企業からの問い合わせが増加している。その内容は、輸出品目に関する認証の必要からBIS規格の取得手続きまで、多岐にわたる。強制認証の取得手続きを円滑に進めるには、BIS当局への確認だけでは足りない。各品目の所轄官庁、税関など複数機関への確認が必要だ。そのため、対応に手間と時間がかかるのが実情だ。

強制認証品目はBISサイトで確認

日本からの輸出者はまず、事前に当該輸出製品が強制認証を要する製品に該当するかどうかを確認する必要がある。そのためには、BISのウェブサイトに掲載されている強制認証品目リスト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます が有用だ。自動車部品、空調機器、冷蔵設備、機械部品、玩具、靴などは、特に強制認証が必要とされることが多い。その上で、当該品目を所管する官庁(鉄鋼省、商工省、重工業省、電子情報技術省など)が出している通達を確認しなければならない。しかし、一般的に各省庁の通達には、当該製品の説明だけでHSコードは記載されていない。そのため原則的に、別途、税関のデータベースと照合することが必要になる。例外は、鉄鋼製品だ。鉄鋼省の通達には、強制認証が必要な品目とHSコードが一覧化されている。

税関のデータベースから強制認証要否を確認するには

インド税関によるBIS強制認証を必要とする製品の関税品目コード(HSコード)は、ICEGATE外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます に記載されている。同サイトではまず、個人認証の数値入力を要する(図1参照)。画面に表示されている番号と同じ番号を入力することで、輸入メニューに切り替わる(図2参照)。

図1:ICEGATEでの最初の画面
Central Board of Indirect Taxes & CustomsのIndian Customs EDI Systemのトップページ。認証のため、上段に表示されている数字を下段に 入力し、「Submit」をクリックする。

出所:Central Board of Indirect Taxes & Customs ウェブサイトからジェトロ作成

図2:輸入データの場合
輸入データの場合、表示される4つの項目の右端にある「Trade Guide On Imports」を選択する。

出所:図1に同じ

ここで、輸入メニューをクリックし、画面上で対象とする製品のHSコードを入力する(図3参照)。次の画面で、入力した品目コードごとに、関税率の内訳や輸入の際の順守条件欄(CCR)の画面が現れる。画面の下段にあるCCR欄で、BIS規格の強制認証などの輸入ライセンスの要否を確認することができる。強制認証の該当品目なら、BIS番号や注意事項が表示される(図4参照)。一方、輸入ライセンス不要なら、このCCR項目は空欄になる。同欄に単に「BISポリシー」と記入されている場合は、BISへの事前確認を勧められていることになる(図5参照)。

図3:HSコード入力画面
HSコード入力画面になったら、「CTH」とある欄にHSコードを入力する。

出所:図1に同じ

図4:強制認証の事前取得が記載されている場合
入力したHSコードの詳細が表示される。強制認証の事前取得が必要な場合は、下段の「Compulsory compliance Requirements(CCRs)」に記載がある。

出所:図1に同じ

図5:BIS当局への事前確認を促す記載
下段の「Compulsory compliance Requirements(CCRs)」に「BIS POLICY」と記載がある場合は、BIS当局に事前確認されたい。

出所:図1に同じ

この場合、前述したBISウェブサイトや所轄官庁の通達に基づいて、製品仕様を再確認する必要がある。不明点がある場合は、BIS当局や所轄官庁に直接問い合わせできる。この事前の手順を経ずに強制認証該当品目を輸入した場合、税関で拒絶され、商品が廃棄される可能性もあるという。

申請手続き簡素化の動きも

BISの強制認証対象品目は、ここ数年の間に、鉄鋼製品、自動車部品、空調機器、冷蔵機器、機械部品、玩具、靴など、産業横断的に拡大してきた。また、製品仕様や品質の高度化とともに、求められる品質管理に対するBIS当局からの指示も複雑化してきた。そのため、所轄の官庁に直接確認しなければ、該当製品が強制認証品目なのかどうか判明しない場合もある。在印日系自動車部品工場の代表によると、製品の強制認証の確認について「BIS当局ではなく所轄の鉄鋼省に確認するよう、税関から指示」された。あわせて、「当社が扱う磁気鉄鋼材はインド市場では調達できず、日本からの輸入に依存している。にもかかわらず、鋼材の表面が研磨されている事実を基に強制認証対象品との疑いを持たれた。最終的には、今後、同製品の現地調達のノルマ達成に関する定期報告書を鉄鋼省へ提出するという条件で、輸入が許可された。このような不必要な輸入規制の撤廃を(当局に)お願いしている」と語った。

一方、インド政府は4月13日、認証登録のオンライン申請を目指すe-BISの導入や認証システムの改善などからなる改革の概要を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 。強制認証の確認ができる税関データベースとも連動させ、簡素化されたシステムの導入を目指すという。品質適合の検査のための最新設備の導入や認証取得期間の短縮化、所轄官庁とのタイムリーな連携なども盛り込まれた。既存の認証システムでは、手続きが複数の省庁にまたがり、時間や手間がかかっている。この現状を改善したい意向だ。

コロナ禍で新規BIS規格取得が不可能に

当該輸出製品がBIS規格の強制認証品目であることが事前に判明した場合、輸出者は何に注意すべきなのか。インド国外に製造拠点を持つ事業者が強制認証品目に該当する製品をインドへ輸出するには、事前に国外製造資格スキーム(FMCS)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます に則し、品目ごとの品質の適合性を満たしておかなければならない。その上で、輸入ライセンスを取得する必要がある。同スキームによると、インド国外製造業者はその製造工場でBISからの視察を受け入れ、設備や機械の詳細、製造工程の説明、サンプル品の提供や試運転などの実地検査を受ける必要がある。しかし、この海外工場への視察が、コロナ禍により実施することができず、新たな認証取得ができない状況が続いている。早期の状況改善が難しい中、これに代わる対策が求められている。不明点についてBIS当局外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます は、直接当局担当者へ問い合わせるよう呼びかけている。

執筆者紹介
ジェトロ・ニューデリー事務所 海外投資アドバイザー
大穀 宏(だいこく ひろし)
2006年7月から現職。

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