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2020年は輸出入ともマイナス、対中輸入は2桁増(英国)
対日貿易赤字は縮小

2021年8月26日

2020年の英国は、新型コロナウイルス感染拡大を受け、経済活動が縮小した。貿易は輸出が14.3%減、輸入が9.6%減と、ともに大きく落ち込んだ。一方、新型コロナ禍での巣ごもり需要などを背景に、中国からの輸入がパソコンや衣類などを中心に15.2%増加。米国を抜いて第2の輸入相手国となった。対日貿易は、輸出入ともに最大品目の機械類・輸送機器類が大幅に減少。対日貿易赤字は12億9,700万ポンド(約1,984億4,100万円、1ポンド=約153円)縮小し、25億2,800万ポンドとなった。対外通商関係では、2020年12月にEUとの間で通商・協力協定(TCA)に合意した。このほか、同年末までのEU離脱移行期間中に日本を含む33カ国・経済圏との間で、EUが締結するFTAの後継となる協定を締結した。

新型コロナ禍で、輸出入ともに大幅な落ち込み

2020年の貿易は、輸出が前年比14.3%減の3,150億3,400万ポンド、輸入が9.6%減の4,934億900万ポンドだった。3月から続いた新型コロナ感染拡大の影響を受け経済活動が縮小、輸出入ともに減少した。貿易収支は1,783億7,500万ポンドの赤字。赤字幅は、前年より4億600万ポンド拡大した。

輸出を品目別にみると、構成比の大きい品目の多くで前年比減となった(表1参照)。

例えば、最大品目の機械類・輸送機器類(構成比:34.5%)は、前年比20.1%減。乗用車(6.6%)が31.5%減だった道路走行車両(8.7%)の28.6%減、ターボジェット(2.4%)や内燃エンジン(1.4%)が不調だった原動機(7.1%)の23.0%減が響いた。

第2位の化学工業製品(16.8%)は、2.4%減だった。この中では、有機化学品(3.0%)とその他化学品(2.2%)が増加した。しかし、医薬品(6.5%)などの減少により相殺された。

雑製品(13.9%)は、19.9%減だった。芸術作品・骨董品(1.7%)の46.2%減や、金銀細工・宝飾品(0.9%)の46.1%減を受けたその他雑製品(6.2%)の減少が影響した。

鉱物性燃料、潤滑油等(6.6%)は、原油価格の大幅な下落により34.1%減となった。特にオランダや中国など主要輸出先国向けが減少幅が大きい。

他方、原料別製品(10.7%)は5.0%増と好調だった。特に非鉄金属(4.7%)のうち銀・プラチナ(3.8%)が89.8%増と伸びた。プラチナは、南アフリカ共和国の産出減少などを受けて2020年春以降に価格が上昇し、投資需要が高まっている。

表1:英国の主要品目別輸出入(単位:100万ポンド、%)(△はマイナス値)
品目 輸出 輸入
2019年 2020年 2019年 2020年
金額 金額 構成比 伸び率 金額 金額 構成比 伸び率
機械類・輸送機器類 136,199 108,791 34.5 △ 20.1 183,896 150,995 30.6 △ 17.9
階層レベル2の項目道路走行車両 38,474 27,479 8.7 △ 28.6 57,824 44,425 9.0 △ 23.2
階層レベル2の項目原動機 29,232 22,512 7.1 △ 23.0 24,152 16,517 3.3 △ 31.6
階層レベル2の項目その他の一般用工業用機械など 15,362 13,580 4.3 △ 11.6 17,705 14,572 3.0 △ 17.7
階層レベル2の項目電子・電気機器 14,218 13,015 4.1 △ 8.5 24,582 21,912 4.4 △ 10.9
階層レベル2の項目その他輸送機器 16,274 12,363 3.9 △ 24.0 11,211 7,720 1.6 △ 31.1
階層レベル2の項目産業用機械 8,539 7,430 2.4 △ 13.0 8,077 6,662 1.4 △ 17.5
階層レベル2の項目通信・音響機器 7,214 6,325 2.0 △ 12.3 23,367 22,169 4.5 △ 5.1
化学工業製品 54,105 52,786 16.8 △ 2.4 57,580 53,666 10.9 △ 6.8
階層レベル2の項目医薬品 22,656 20,581 6.5 △ 9.2 22,621 20,988 4.3 △ 7.2
階層レベル2の項目有機化学品 8,770 9,341 3.0 6.5 8,131 7,595 1.5 △ 6.6
階層レベル2の項目その他化学品 6,055 6,777 2.2 11.9 5,937 6,679 1.4 12.5
雑製品 54,720 43,842 13.9 △ 19.9 79,081 71,599 14.5 △ 9.5
階層レベル2の項目その他雑製品 27,512 19,584 6.2 △ 28.8 25,686 22,065 4.5 △ 14.1
階層レベル2の項目専門機器・計測機器・制御機器 11,240 9,942 3.2 △ 11.5 10,482 10,328 2.1 △ 1.5
階層レベル2の項目衣類 7,141 6,815 2.2 △ 4.6 20,802 20,555 4.2 △ 1.2
原料別製品 32,101 33,704 10.7 5.0 56,721 53,458 10.8 △ 5.8
階層レベル2の項目非鉄金属 9,463 14,671 4.7 55.0 12,173 13,764 2.8 13.1
階層レベル2の項目その他金属製品 6,527 5,869 1.9 △ 10.1 12,701 10,062 2.0 △ 20.8
未分類のその他製品 27,593 26,392 8.4 △ 4.4 64,436 77,011 15.6 19.5
階層レベル2の項目非貨幣用金 18,757 17,116 5.4 △ 8.8 56,328 69,803 14.1 23.9
階層レベル2の項目特殊取扱品(種類別に分類されないもの) 8,259 8,787 2.8 6.4 6,113 5,602 1.1 △ 8.4
鉱物性燃料、潤滑油など 31,672 20,887 6.6 △ 34.1 43,972 26,251 5.3 △ 40.3
階層レベル2の項目原油・石油製品 29,224 19,304 6.1 △ 33.9 35,431 20,252 4.1 △ 42.8
食料品・動物 15,805 15,191 4.8 △ 3.9 40,946 40,661 8.2 △ 0.7
食用でない原材料(鉱物性燃料除く) 6,880 6,458 2.1 △ 6.1 10,951 11,588 2.3 5.8
飲料・たばこ 8,015 6,457 2.0 △ 19.4 6,596 6,683 1.4 1.3
合計(その他含む)(注1) 367,614 315,034 100.0 △ 14.3 545,583 493,409 100.0 △ 9.6

注:EU域外貿易は通関ベース、EU域内貿易は各企業などのインボイス報告に基づく。
出所:英国歳入関税庁

表2:英国の主要国・地域別輸出入(単位:100万ポンド,%)(△はマイナス値)
国・地域名 輸出(FOB) 輸入(CIF)
2019年 2020年 2019年 2020年
金額 金額 構成比 伸び率 金額 金額 構成比 伸び率
欧州 199,120 179,337 56.9 △ 9.9 332,232 287,027 58.2 △ 13.6
階層レベル2の項目EU 170,538 148,484 47.1 △ 12.9 269,940 229,117 46.4 △ 15.1
階層レベル3の項目ユーロ圏 150,751 128,982 40.9 △ 14.4 231,949 195,553 39.6 △ 15.7
階層レベル4の項目ドイツ 36,307 32,286 10.2 △ 11.1 66,910 56,570 11.5 △ 15.5
階層レベル4の項目アイルランド 21,922 21,508 6.8 △ 1.9 13,926 13,288 2.7 △ 4.6
階層レベル4の項目オランダ 23,844 19,696 6.3 △ 17.4 42,534 35,511 7.2 △ 16.5
階層レベル4の項目フランス 24,630 18,480 5.9 △ 25.0 29,870 22,322 4.5 △ 25.3
階層レベル4の項目ベルギー 12,928 10,620 3.4 △ 17.9 25,332 22,139 4.5 △ 12.6
階層レベル4の項目スペイン 10,741 8,633 2.7 △ 19.6 16,752 14,173 2.9 △ 15.4
階層レベル4の項目イタリア 9,992 8,564 2.7 △ 14.3 20,279 17,492 3.5 △ 13.7
階層レベル3の項目非ユーロ圏 18,445 16,127 5.1 △ 12.6 36,342 30,386 6.2 △ 16.4
階層レベル4の項目ポーランド 5,339 4,588 1.5 △ 14.1 11,247 10,642 2.2 △ 5.4
階層レベル4の項目スウェーデン 5,007 4,340 1.4 △ 13.3 6,527 5,778 1.2 △ 11.5
階層レベル2の項目スイス 12,074 15,171 4.8 25.6 20,588 10,861 2.2 △ 47.2
階層レベル2の項目トルコ 5,023 4,952 1.6 △ 1.4 9,664 9,081 1.8 △ 6.0
階層レベル2の項目ノルウェー 3,445 4,110 1.3 19.3 15,861 10,988 2.2 △ 30.7
階層レベル2の項目ロシア 2,643 2,263 0.7 △ 14.4 11,169 19,042 3.9 70.5
北米 62,610 50,598 16.1 △ 19.2 63,960 57,467 11.6 △ 10.2
階層レベル2の項目米国 57,392 44,692 14.2 △ 22.1 51,066 45,204 9.2 △ 11.5
階層レベル2の項目カナダ 5,215 5,903 1.9 13.2 12,892 12,264 2.5 △ 4.9
アジア大洋州(注1) 63,996 50,382 16.0 △ 21.3 105,986 113,685 23.0 7.3
階層レベル2の項目中国 23,610 14,474 4.6 △ 38.7 46,375 53,430 10.8 15.2
階層レベル2の項目ASEAN 10,094 8,712 2.8 △ 13.7 15,856 13,867 2.8 △ 12.5
階層レベル3の項目シンガポール 5,385 4,427 1.4 △ 17.8 3,343 3,238 0.7 △ 3.1
階層レベル2の項目香港 8,770 8,265 2.6 △ 5.8 8,333 16,418 3.3 97.0
階層レベル2の項目日本 6,527 5,656 1.8 △ 13.4 10,352 8,184 1.7 △ 20.9
中東および北アフリカ 20,455 15,916 5.1 △ 22.2 13,905 8,829 1.8 △ 36.5
階層レベル2の項目アラブ首長国連邦 7,776 4,891 1.6 △ 37.1 2,766 1,904 0.4 △ 31.2
中南米 6,457 5,210 1.7 △ 19.3 8,601 8,058 1.6 △ 6.3
サブサハラアフリカ 5,928 4,547 1.4 △ 23.3 9,800 8,598 1.7 △ 12.3
階層レベル2の項目南アフリカ共和国 1,840 1,316 0.4 △ 28.4 6,500 5,869 1.2 △ 9.7
合計(その他含む)(注2) 367,614 315,034 100.0 △ 14.3 545,583 493,409 100.0 △ 9.6

注1:アジア大洋州はASEAN+6(ASEAN、日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、インド)に香港、台湾を加えた合計値。
注2:EU域外貿易は通関ベース,EU域内貿易は各企業のインボイス報告などに基づく。
出所:英国歳入関税庁

輸出を国・地域別にみると、最大の米国(構成比:14.2%)が前年比22.1%減。2位のドイツ(10.2%)は11.1%減となった(表2参照)。いずれも、乗用車や航空機・関連機器、医薬品などの減少が影響した。

アイルランド(6.8%)は、医薬品や通信・音響機器、電子・電気機器が好調だった。しかし、原油・石油製品の42.7%減により相殺され、1.9%減となった。

オランダ(6.3%)は、航空機向け燃料需要の縮小から原油・石油製品が落ち込み、17.4%減だった。フランス(5.9%)は、航空機・関連機器が不調で25.0%減だった。

多くの主要輸出先国向け輸出が前年比減となった一方、スイス(4.8%)は、前年減少した非貨幣用金がほぼ倍増となったことにより、25.6%増となった。

中国からの輸入は好調

輸入を品目別にみると、最大品目の機械類・輸送機器類(構成比:30.6%)が前年比17.9%減となった。乗用車(5.5%)や自動車部品(1.9%)などが減少した道路走行車両(9.0%)の23.2%減が響いた。

原料別製品(10.8%)は、5.8%減に転じた。内訳をみると、銀・プラチナ(1.9%)を含む非鉄金属(2.8%)が13.1%増、繊維(1.7%)が49.4%増だった。しかし、第2四半期に製造業の生産が落ち込んだ影響で、卑金属などその他金属製品(2.0%)が20.8%減。この両者が相殺した結果だ。

鉱物性燃料、潤滑油等(5.3%)は、輸出と同様に原油価格の下落を受け、40.3%減だった。

一方、未分類のその他の製品(15.6%)は好調だった。前年同様に非貨幣用金(14.1%)の23.9%増により、19.5%増となった。その背景には、新型コロナ禍で安全資産として金需要が高まり価格が上昇したことがある。さらに11月の米国大統領選挙や、12月末の英国のEU離脱移行期間終了などの地政学的要因も投資需要を押し上げたと考えられる。イングランド銀行も、2020年下半期から金の保有量を増加させている。

輸入を国・地域別にみると、輸入第2位の中国(構成比:10.8%)が前年比15.2%増と好調だった。新型コロナ禍での巣ごもり需要を背景に、ノートパソコンなど自動データ処理機械が31.9%増、衣類が52.4%増、繊維が3.8倍となった。

ロシア(3.9%)と香港(3.3%)も、非貨幣用金の増加が寄与。それぞれ70.5%増、97.0%増と著増した。

しかし、最大輸入相手国であるドイツ(11.5%)が主要産業の乗用車や自動車部品の減少により15.5%減だったのを筆頭に、多くの国で前年比で減少した。米国(9.2%)とノルウェー(2.2%)は、原油・粗油の不調が響き、11.5%減、30.7%減だった。オランダは(7.2%)は16.5%減、フランス(4.5%)は25.3%減で、ともに機械類・輸送機器類と食料品・動物が減少した。スイス(2.2%)は、前年に増加した非貨幣用金が59.8%減少して、47.2%減となった。

2021年3月以降も、コロナ禍前と比べると低空飛行が続く

また、2021年第1四半期は、輸出が前年同期比1.4%減の830億3,100万ポンド、輸入が8.4%減の1,117億7,200万ポンドで、輸出入ともに減少した。

1月単月では、輸出は前月比27.2%減の210億4,100万ポンド、輸入は21.5%減の350億7,800万ポンド。前年同月比でもそれぞれ25.6%減、15.5%減と減少した。新型コロナウイルス感染拡大に加え、2020年12月末のEU離脱移行期間終了に備えた在庫積み増しなどがあり、特に対EU貿易が輸出入とも大きく落ち込んだ。

3月以降は前年同月を上回り、4月単月では輸出は前年同月比18.5%増の280億5,900万ポンド、輸入は31.3%増の389億5,100万ポンドだった。新型コロナ禍前の2019年の同月と比較すると、輸出は6.3%減、輸入は3.1%減だった。ただしEU向け輸出に限ると、2019年同月比でも5.1%増となる。特に非貨幣用金(9.1%)は2019年同月比10倍、医薬品(4.8%)の14.8%増、ターボジェット(2.3%)の4.3倍、などが貢献した。逆に、EUからの輸入は2019年同月比16.3%減と、輸入全体以上に大きく落ち込んだ。乗用車を含む道路走行車両(15.3%)の29.1%減、その他雑製品(3.9%)の31.9%減などが響いた。

対日貿易は多くの品目で輸出入減

2020年の対日貿易は、対日輸出が前年比13.4%減の56億5,600万ポンド、対日輸入が20.9%減の81億8,400万ポンドだった。その結果、対日貿易赤字は25億2,800万ポンドと前年より12億9,700万ポンド減少した(表3参照)。日本は英国にとって、輸出では14位、輸入では17位の貿易相手国となっている。

主な対日輸出品目をみると、最大品目の機械類・輸送機器類(構成比:40.8%)が前年比30.2%減となった。中でも、主要品目の道路走行車両(14.4%)が乗用車(12.8%)の減少が響き28.7%減、続く原動機(11.3%)がエンジン・モーター(8.8%)などの減少により46.8%減と大きく落ち込んだ。化学工業製品(13.8%)は、医薬品(8.1%)の大幅減などにより、30.1%減となった。雑製品(13.4%)は、専門機器・計測機器・制御機器(5.2%)やその他の雑製品(4.7%)などが減少して、25.0%減となった。一方、原料別製品(25.3%)は2.1倍となり、中でも脱炭素化技術に必要となるプラチナが大幅に増加し非鉄金属(21.5%)が3.2倍となった。

表3:英国の対日主要品目別輸出入(通関ベース)(単位:100万ポンド、%)(△はマイナス値)
品目 輸出(FOB) 輸入(CIF)
2019年 2020年 2019年 2020年
金額 金額 構成比 伸び率 金額 金額 構成比 伸び率
機械類・輸送機器類 3,301 2,306 40.8 △ 30.2 6,116 4,343 53.1 △ 29.0
階層レベル2の項目道路走行車両 1,143 815 14.4 △ 28.7 1,993 1,835 22.4 △ 7.9
階層レベル2の項目原動機 1,203 640 11.3 △ 46.8 1,195 642 7.8 △ 46.3
階層レベル2の項目電子・電気機器 344 323 5.7 △ 6.1 994 664 8.1 △ 33.1
階層レベル2の項目その他の一般工業用機械など 258 211 3.7 △ 18.1 534 437 5.3 △ 18.2
階層レベル2の項目産業用機器 130 126 2.2 △ 2.8 517 345 4.2 △ 33.4
階層レベル2の項目その他の輸送機器 129 99 1.8 △ 23.1 399 36 0.4 △ 91.0
原料別製品 692 1,433 25.3 107.2 639 528 6.5 △ 17.4
階層レベル2の項目非鉄金属 383 1,215 21.5 217.6 287 211 2.6 △ 26.6
階層レベル2の項目その他金属製品 146 99 1.8 △ 31.9 110 103 1.3 △ 6.6
化学工業製品 1,116 780 13.8 △ 30.1 654 659 8.1 0.8
階層レベル2の項目医薬品 740 460 8.1 △ 37.8 203 257 3.1 26.7
階層レベル2の項目その他化学品 144 131 2.3 △ 9.1 53 55 0.7 2.8
階層レベル2の項目有機化学品 67 57 1.0 △ 14.5 156 144 1.8 △ 7.5
雑製品 1,013 760 13.4 △ 25.0 920 741 9.1 △ 19.5
階層レベル2の項目専門機器・計測機器・制御機器 388 297 5.2 △ 23.5 389 339 4.1 △ 13.0
階層レベル2の項目その他の雑製品 343 267 4.7 △ 22.0 224 174 2.1 △ 22.4
階層レベル2の項目写真・光学用品・時計 121 76 1.3 △ 37.3 244 176 2.2 △ 27.7
未分類のその他の製品 34 53 0.9 53.6 1,460 1,413 17.3 △ 3.2
階層レベル2の項目非貨幣用金 2 0 0.0 △ 97.1 1,368 1,328 16.2 △ 2.9
合計(その他含む) 6,527 5,656 100.0 △ 13.4 10,352 8,184 100.0 △ 20.9

出所:英国歳入税関庁

日本からの輸入では、最大品目の機械類・輸送機器類(構成比:53.1%)が前年比29.0%減となった。中でも原動機(7.8%)が、エンジン・モーター(5.3%)や内燃機関(1.8%)の減少により、46.3%減と影響した。次に前年比で減少率が大きかったのは、雑製品(9.1%)で、専門機器・計測機器・制御機器(4.1%)や写真・光学用品・時計(2.2%)などが落ち込み、19.5%減となった。原料別製品(6.5%)も、非鉄金属(2.6%)の26.6%減が響き、17.4%減となった。そのほか、未分類その他の製品(17.3%)は、非貨幣用金(16.2%)が減少し、3.2%減となった。一方、化学工業製品(8.1%)は、医薬品(3.1%)の26.7%増が他の減少を相殺し、0.8%増となった。

EU離脱でFTA交渉を加速

2020年には、自由貿易協定(FTA)の締結も進んだ。2020年1月末のEU離脱以降、英国はEUや、EUとFTAを締結している国・地域との間で交渉を実施・加速させていた。

特に大きな課題だったのは、2020年末の移行期間終了後のEUとの将来関係だ。通商協定を含めた交渉は同年3月に開始された。しかし、公正な競争条件や漁業、ガバナンスをめぐる対立が続き難航した。しかし、移行期間終了目前の12月24日に英EU通商・協力協定(TCA)として妥結。2021年1月からTCAが暫定適用され、5月に正式に発効した。これにより、原産地規則を満たす全品目で、関税ゼロ・割当なしでの英EU間取引の継続が可能になった。他方、通関手続きや衛生植物検疫(SPS)などが復活したため、特に漁業、食品事業者などに、手続きの負担増や取引減少などの影響が生じた。また、金融サービスの相互承認や同等性などはTCAに含まれなかった(2021年8月時点でもなお、EUは英国に対して同等性を付与していない)。

また、EUが自由貿易協定(FTA)を締結している39カ国・経済圏とのFTAにつき、離脱前から順次始めていた個別交渉を加速させた。その結果、2020年10月に署名した日英包括的経済連携協定(EPA)のほか、移行期間中に32カ国・経済圏との間で、後継となる協定を締結した。

さらに英国は、2020年5~7月に米国、オーストラリア、ニュージーランドとのFTA交渉を開始。オーストラリアとは2021年6月に原則合意に至った。同月には「環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)」の加入交渉も開始するなど、新たなFTAの締結に意欲的に取り組んでいる。

執筆者紹介
ジェトロ・ロンドン事務所
杉田 舞希(すぎた まき)
2020年2月、ジェトロ・ロンドン事務所入所。
執筆者紹介
ジェトロ・ロンドン事務所
宮口 祐貴(みやぐち ゆうき)
2012年東北電力入社。2019年7月からジェトロに出向し、海外調査部欧州ロシアCIS課勤務を経て2020年8月から現職。
執筆者紹介
ジェトロ・ロンドン事務所 次長
宮崎 拓(みやざき たく)
1997年、ジェトロ入構。ジェトロ・ドバイ事務所(2006~2011年)、海外投資課(2011~2015年)、ジェトロ・ラゴス事務所(2015~2018年)などを経て、2018年4月より現職。

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