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デジタル分野での日本企業との協業メリットを語る(マレーシア)
「日マレーシア・デジタルトランスフォーメーション・ウェビナー」を開催

2020年7月9日

ジェトロは6月5日、マレーシアデジタルエコノミー公社(MDEC)と共催で、「日マレーシア・デジタルトランスフォーメーション・ウェビナー」を開催した。

新型コロナウイルス流行に伴う外出制限や渡航制限などで、対面型でのビジネス創出機会が停滞。こうした中、デジタル産業への参入やオンライン上でのビジネスマッチングのニーズが高まっている。このことを受け、日本とマレーシアのデジタル分野での協業支援を目的に開催された。ウェビナーには、マレーシアのデジタル市場への参入や地場スタートアップ企業との協業に関心のある日本企業など約230人が参加した。本レポートでは、同ウェビナーで登壇したマレーシアのスタートアップ企業で、すでに日本企業と協業している3社を取り上げる。3社は、コロナ禍におけるビジネスチャンス、自社の取り組みと今後の展望に加え、日本企業との協業のポイントについても紹介した。

ドローン技術やフィンテック分野の先駆的企業が登壇

エアロダイン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます は、ドローンを活用したインフラ点検サービスを提供する企業だ。設立5年目で、日本を含む25カ国に展開する。日本のドローンファンドなどから資金調達している。2020年3月18日から、新型コロナウイルスの影響で外出などが制限されたマレーシア全土にドローンを飛行させ、交通規制などを中心とした警察や軍隊の取り締まり支援を行った事例を紹介した。


移動制限令下の交通規制など、ドローンを使って支援(エアロダイン提供)

2000年に設立され、ASEANを中心に8カ国に展開するアイペイ88外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます は、パソコンやモバイルを通じた電子商取引(EC)決済代行事業大手だ。2015年に、NTTデータの子会社になった。ウェビナーでは、自社独自の決済代行サービスを紹介した。この決済サービスは、オンラインネットワークをオフラインに統合するO2O(オンライン・トゥ・オフライン)に強みを持つ。統合されるオンラインサービスは、さまざまなプレーヤーが参入するeコマース、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)、電子決済サービスなど、あらゆるものを含む。コロナ禍の結果としてキャッシュレス決済の利用が進み、小売業のO2Oへの需要はさらに高まるとの見通しを示した。


アイペイO2Oオムニチャンネル概要(アイペイ88提供)

ソフトスペース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます は、銀行や決済業界に対して決済サービスを提供。2012年に創業し、アジア大洋州地域を中心に10カ国にサービス展開する。2017年にはアウトソーシングサービス業のトランスコスモスと、2018年に三井住友カードと、それぞれ資本・業務提携した。ウェビナーでは、コロナ禍を背景にオンライン取引、キャッシュレス・非接触型決済の活用が世界中で加速すると指摘。その上で、同社のキャッシュレス決済ソリューションを紹介した。この決済ソリューションには、ビッグデータによるマーケティングやロイヤルティサービスなど、顧客満足度を高める機能が付加されている。


ソフトスペースの非接触型決済サービス(ソフトスペース提供)

日本との協業ポイントは信頼関係の構築

日本企業との協業におけるメリットについて、3社とも、日本の企業文化や幅広いネットワークを挙げた。ソフトスペースのクリス・レオン最高戦略責任者は「一度信頼関係を築けば、長く続けることができる」と、日本企業の長期志向を利点に挙げた。アイペイ88のチャン・コック・ロン共同創業者兼エグゼクティブダイレクターは、NTTデータの子会社化に当たり、「マレーシアでの日系企業との取引拡大という相乗効果を得られた」と語った。エアロダインのカマルラズマン・ムハマド最高経営責任者は、日本企業の強みについて「問題点を明確にするのが得意」とした。一方で、協業の難しさとして「意思決定と信頼関係の構築に時間がかかる」点を指摘した。

非接触型決済などに可能性

登壇したスタートアップ企業3社は、新型コロナウイルスを契機としたデジタル化・オンライン化の加速に、日本での新たなビジネスチャンスを感じているようだ。ソフトスペースは、日本における非接触型カードの発行数が2019年末時点で1,900枚と、2018年末から3.8倍伸びていると指摘した。日本の非接触型決済市場の拡大に可能性を感じている、という。

日本とマレーシアのデジタル分野での協業支援を目的としたテーマでのセミナーは、7月末までさらに2回行う予定だ。

執筆者紹介
ジェトロ・クアラルンプール事務所
田中 麻理(たなか まり)
2010年、ジェトロ入構。海外市場開拓部海外市場開拓課/生活文化産業部生活文化産業企画課/生活文化・サービス産業部生活文化産業企画課(当時)(2010~2014年)、ジェトロ・ダッカ事務所(実務研修生)(2014~2015年)、海外調査部アジア大洋州課(2015~2017年)を経て、2017年9月より現職。

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