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テック系グローバル企業がミャンマーのスタートアップを支援
インキュベーション施設「Phandeeyar」CEOに聞く

2019年5月22日

ミャンマーでは2011年の民政移管以降、欧米のアクセラレーターや投資家の支援を受け、起業家を取り巻くエコシステムが育ってきている。テック系スタートアップにフォーカスしたインキュベーション施設を運営するPhandeeyar外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます のジェス・ピーターセンCEO(最高経営責任者)に話を聞いた。(4月30日)

質問:
Phandeeyarの概要を教えてほしい。
答え:
Phandeeyarは、2014年12月にオーストラリア人の起業家が設立したスタートアップ支援機関である。Phandeeyarはミャンマー語で「創造性のための場所」を意味する。テクノロジーを活用し、ミャンマーにおける変革と開発を加速することを目的としている。これまで70社を支援しており、定期的にセミナーやワークショップ、資金調達支援などを実施している。Phandeeyarの活動については、欧米のドナーをはじめ、グーグルやフェイスブック、ヒューレットパッカード、テレノールといったテック系グローバル企業が支援してくれている。

Phandeeyarの様子(ジェトロ撮影)
質問:
ミャンマーにおいてはどのような技術が有望なのか。
答え:
90%以上のスマートフォン普及率を誇るミャンマーでは、スマートフォン向けアプリの開発が期待されている。ミャンマーの大手金融機関も、フィンテック系のスタートアップ企業の技術を導入し、サービスを展開している。注力している産業分野は、アグリテック(農業)、eコマース、エデュテック(教育)、雇用・人材、フィンテック、ロジスティクスである。テクノロジーを通じて、社会的な課題の解決を目指している。現在の支援企業の例としては、フードデリバリーサービスの「yangon door2door」や、オンラインゲーム開発の「myplay」、フリーランスワーカーのマッチングプラットフォームを展開する「chate sat」などがある。

Phandeeyarのジェス・ピーターセンCEO(ジェトロ撮影)
質問:
ミャンマーのスタートアップ企業の出口戦略には、どのような形があるのか。
答え:
第1に、ミャンマーの大手財閥系企業への技術供与あるいはM&Aが挙げられる。金融、不動産、農業、輸入販売業といったミャンマーの伝統的な財閥は、自社のビジネスにIoT(モノのインターネット)を導入するなど、近代的な経営を目指している。そうした流れの中で、スタートアップ企業からの技術調達にも関心を寄せている。第2は、ミャンマーの国内市場向けにビジネス展開の計画を持つグローバル企業との提携や、そうした企業からのM&Aだ。Phandeeyarの支援企業の中には、既にミャンマー国内におけるプラットフォームリーダーとなっている企業がある。グローバル企業は、これらプラットフォーム企業を買収したり、提携したりすることを通じて、ミャンマー国内市場への参入が容易になる。一方、新規上場(IPO)については、まだミャンマー国内では現実的ではないので、シンガポールなどでIPOを目指すことになる。
質問:
今後の活動方針を教えてほしい。
答え:
Phandeeyarとしては、まずは3万ドルから20万ドルのマイクロファンドを立ち上げ、向こう2年で200万ドルの資金調達を行う予定だ。この資金を使い、ミャンマーのスタートアップ企業に投資を行っていく。もちろん、日本の投資家からの出資も歓迎だ。
執筆者紹介
ジェトロ・ヤンゴン事務所長
田中 一史(たなか かずふみ)
中堅・中小企業のミャンマー進出および日緬企業の業務提携の推進、両国の人材交流に注力している。

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