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中国の消費、自動車が落ち込み鈍化

2019年4月3日

2018年は中国の消費(社会消費品小売総額)の伸びが10%を割り込んだ。品目別にみると、従来消費を大きく左右してきた自動車が、2年以上にわたる減税の終了もあり落ち込んだことが大きい。インターネット通販は好調だが、既存の小売店の売り上げからのシフトとみられ、モノの消費全体としては減速している。統計上、消費の回復は自動車次第といえる。自動車販売減速の主因は減税対象車種の落ち込みだが、減速はそれ以外のセグメントにも広がっている。そうした中、2019年1月末に発表された消費刺激策では、自動車の買い替えのほか、サービス消費や農村の消費の促進が打ち出された。消費の安定的な拡大に向け、自動車以外の柱を育てることができるのか、その成否が注目される。

小売総額は減速

中国の消費関連統計の中で「社会消費品小売総額」は、マクロの消費動向をみる際に最も参照される統計の一つであろう。ここ数年、総額の伸びは10%台で推移していたが、2018年(9.0%増)は10%を割り込んだ(表1参照)。うち、「一定規模以上の企業」〔主業務の年間収入が2,000万元(約3億4,000万円、1元=約17円)以上の卸売業、500万元以上の小売企業、200万元以上のホテルや飲食業〕の小売額は5.7%増で、前年から2ポイント以上の鈍化となった。同統計としては、大きな減速といえる。

表1:社会消費品小売総額(億元、%) (△はマイナス値、―は値なし)
項目 2015 2016 2017 2018
金額 前年比 金額 前年比 金額 前年比 金額 前年比
小売全体の総額 300,931 10.7 332,316 10.4 366,262 10.2 380,987 9.0
階層レベル2の項目 一定規模以上の企業 142,558 7.8 154,286 8.1 160,613 8.1 145,311 5.7
階層レベル2の項目 (全体に占める割合) 47.4 46.4 43.9 38.1
インターネットの小売額 38,773 33.3 51,556 26.2 71,751 32.2 90,065 23.9
(総額に比べた規模) 12.9 15.5 19.6 23.6
階層レベル2の項目 インターネット小売額(実物商品) 32,424 31.6 41,944 25.6 54,806 28.0 70,198 25.4
階層レベル2の項目 (総額に占める割合) 10.8 12.6 15.0 18.4
階層レベル2の項目 インターネット小売額(非実物商品) 6,349 42.4 9,612 51.4 16,945 76.3 19,867 17.2
階層レベル2の項目 (総額に比べた規模) 2.1 2.9 4.6 5.2
都市の小売額 258,999 10.5 285,814 10.4 314,290 10.0 325,637 8.8
(全体に占める割合) 86.1 86.0 85.8 85.5
農村の小売額 41,932 11.8 46,503 10.9 51,972 11.8 55,350 10.1
(全体に占める割合) 13.9 14.0 14.2 14.5
飲食の小売額 32,310 11.7 35,799 10.8 39,644 10.7 42,716 9.5
(全体に占める割合) 10.7 10.8 10.8 11.2
階層レベル2の項目 一定規模以上の企業 8,667 7.0 9,213 6.0 9,751 7.4 9,236 6.4
階層レベル2の項目 (飲食全体に占める割合) 26.8 25.7 24.6 21.6
商品の小売額 268,621 10.6 296,518 10.4 326,618 10.2 338,271 8.9
(全体に占める割合) 89.3 89.2 89.2 88.8
階層レベル2の項目 一定規模以上の企業 133,891 7.9 145,073 8.3 150,861 8.2 136,075 5.7
階層レベル2の項目 (商品全体に占める割合) 49.8 48.9 46.2 40.2

注1:インターネット小売額とは、公開のウェブサイトのプラットフォームを通じた商品およびサービスの小売売上高。
注2:インターネット小売額と社会消費品小売総額は、完全な包含・被包含関係にはない。社会消費品小売総額は、インターネット小売額の実物商品を含むが、非実物商品(バーチャルグッズ、サービス類の商品)、生産に投入される・転売される一部の商品を含まない。
注3:インターネット小売額(非実物商品)の2016年以降(太字部分)のデータは国家統計局の発表資料に示されていないため、全体から実物商品を差し引きして算出。太字部分の伸び率は金額に基づき計算したが、この統計は公表されている金額から計算した伸び率と公表されている伸び率が合わないので、あくまで参考値。
資料:中国国家統計局

「一定規模以上」の代表性

地域別にみると、都市より農村のシェアが高まる傾向にある。現状、農村の市場規模は都市より格段に小さいが、成長は都市より速い。

また企業規模別にみると、「一定規模以上の企業」の割合が低下しているのも特徴といえる。飲食の場合、「一定規模以上の企業」の売り上げの構成比が2017年から2018年にかけて3ポイント低下し、商品の場合は6ポイントもの低下となった。

「一定規模以上の企業」のデータについては、総額よりも精度が高いとの見方があるが、これは「一定規模以上の企業」が全数調査(一定規模未満はサンプル調査)であるためと思われる。他方、金額で総額の4割に満たない「一定規模以上の企業」が消費全体の動きを代表できるかには疑問もある。また、この統計は金額から計算した伸び率と公表されている伸び率が一致しない場合がある。実際、社会消費品小売総額は2015年に続き、2018年に公表値と計算値に大きな乖離(かいり)が生じた。「一定規模以上の企業」の伸び率は毎年のように公表値と計算値の乖離がみられるものの、増減の方向自体が異なるのは2018年が初めてである(表2参照)。

表2:社会消費品小売総額および一定規模以上の売上高の伸び率 (△はマイナス値)
総額 一定規模以上の企業
金額(億元) 伸び率(%) 金額(億元) 伸び率(%)
公表値 公表値 計算値 公表値 公表値 計算値
2010 154,554 18.4
2011 181,226 17.1 17.3 84,609 22.9
2012 207,167 14.3 14.3 101,129 14.6 19.5
2013 234,380 13.1 13.1 118,885 11.6 17.6
2014 262,394 12.0 12.0 133,179 9.3 12.0
2015 300,931 10.7 14.7 142,558 7.8 7.0
2016 332,316 10.4 10.4 154,286 8.1 8.2
2017 366,262 10.2 10.2 160,613 8.1 4.1
2018 380,987 9.0 4.0 145,311 5.7 △ 9.5

資料:中国国家統計局

中国国家統計局ウェブサイトに公開された2018年通年データの発表資料の注釈には、「前年の社会消費品小売総額は第三次全国農業センサスの結果および関連制度・規定に基づき修正し、比較可能にして伸び率を計算した」とある。2015年通年データの発表資料の注釈にも、「第三次経済センサス結果に基づき2013年社会消費品小売総額のデータに修正を行い、2014年の社会消費品小売総額のデータにも相応の調整を施した」と記されている。2018年も2015年も、総額の伸び率が、金額を基にした計算値と大きく乖離した年である。

他方、「一定規模以上の企業」は毎年のように乖離が生じている。しかし、2015、2018年以外は発表資料に乖離の説明は見当たらない。ここで、「一定規模以上の企業」のデータは工業企業利潤や文化関連産業企業営業収入などの統計でも公表されていることから、それらの発表資料を見てみると、注釈には概略以下の内容が記されている。

「一定規模以上の企業」は全数調査ではあるが、企業の中には前年は一定規模以上ではなかったが当年は一定規模以上となる場合やその逆もあるほか、新設される企業や倒産する企業もあるので、それらの出入りを勘案して、当年の一定規模以上の企業の実績と比較できるように前年実績を調整し、当年の伸び率を計算する、ということである。

2018年の社会消費品小売統計で、「一定規模以上」の金額が前年より小さくなったにもかかわらず伸び率がプラスである理由については、詳細は不明だが、2017、2018年とも「一定規模以上」の基準をクリアした企業は売り上げが増えたものの、2017年から2018年にかけ「一定規模以上」から降格した企業が昇格した企業よりも多かった、ということが一つの可能性として考えられる。

近年、中国では起業が盛んに行われている(中小・零細企業、個人企業の増加)一方で、大手の百貨店など従来型の小売企業がインターネット通販に押されていることから、「一定規模以上の企業」のパフォーマンスは全体より悪い部類に入ることも考えられる。統計の精度の高さはマクロ的な代表性を伴うとは限らない。消費全体の動向は、総額で見た方がよいのではないだろうか。

消費者は既存の小売業態からインターネット通販にシフトか

2018年の社会消費品小売総額の伸びは10%を割り込んだが、インターネット小売額は前年比23.9%もの増加となった。前年(32.2%増)に比べて鈍化したとはいえ、伸びそのものは高い。恒例の「独身の日」(11月11日にインターネット通販大手が行う販売イベント)の売り上げも拡大を続けており、アリババの電子商取引(EC)サイトの売上高は2017年の1,682億元(約2兆8,594億円、1元=約17円)に対し、2018年は2,135億元(約3兆6,295億円)と3割近い増加だった。

国家統計局のウェブサイトの注釈によれば、インターネット小売額は「実物商品」と「非実物商品」から成り、「実物商品」のみ社会消費品小売総額の内数である。それにもかかわらず、社会消費品小売総額の伸びが鈍化しているということは、インターネット通販は活況だが、実店舗の販売は不振であり、モノの売れ行き全体としてはやや減速していると考えられる。なお、国家統計局貿易外経司の蘭涛司長によれば、インターネット小売りの実物商品増加の社会消費品小売総額に対する寄与率は45%超となっている(中国経済網2019年1月22日付「消費市場提質拡容消費結構優化昇級」)。

図1は、「一定規模以上の企業」の社会消費品小売総額の伸び率を品目で寄与度分解したものである。本来は総額の分析が望ましいが、品目別のデータは「一定規模以上の企業」についてしか開示されていない。国家統計局ウェブサイトで公表されている各年の「社会消費品小売総額」および品目別データが基になっているが、寄与度を算出する際、各年の前年の金額は公表値を用いず、各年の金額と前年比から計算した値を用いた。

図1:社会消費品小売総額(一定規模以上の企業)の伸びに対する品目別寄与度
2013年から2018年の各年について、「一定規模以上の企業の社会消費品小売総額」の前年比増減率を、「食品・飲料・タバコ」「衣料」「化粧品」「アクセサリー」「日用品」など13の品目で寄与度分解したものである。特徴としては、「自動車」の寄与度が一貫して大きい。また、「自動車」の寄与度が自動車購入税減税の実質的初年度である2016年に非常に大きい反面、減税終了翌年の2018年にマイナスとなっている。「一定規模以上の企業の社会消費品小売総額」の各年の前年比増減率は12.7%、9.8%、7.9%、8.3%、8.2%、5.7%である。うち、同期間の「自動車」の寄与度は2.8、2.1、1.5、2.8、1.6、マイナス 0.7である。

資料:中国国家統計局

図をみると、「自動車」「石油およびその製品」の寄与度は以前から大きいことがわかる。特に自動車は、景気テコ入れのため自動車購入税(中国語では購置税)減税が行われていた2016年が大きい(同様の減税が行われた2009年は全体の伸び17.6%のうちの7.7ポイント、2010年も29.9%のうち9.6ポイントが自動車であった)。自動車購入税減税が2017年で終了し、2018年は寄与度がマイナスとなっている。

図1は、消費の伸びの鈍化が減税の終了に伴う自動車需要の減少で起こったことを示しているが、それ以上に重要なこととして、以前から社会消費品小売総額(一定規模以上の企業)は自動車販売に大きく左右されてきたことが分かる。なお、減税効果の剥落に比べれば影響ははるかに小さいものの、2018年については人気のスポーツ用多目的車(SUV)やそれまで増勢だった排気量1.6リットル超2リットル以下のセグメントも減少に転じ、自動車販売は牽引役不在となっている(図2参照)。

図2(a):乗用車販売台数の推移(車種別)
2010年から2018年の中国の乗用車販売台数を4つの車種について示している。4つの中で増加が最も急なのはSUVである。しかしSUVも、2018年については減少に転じた。 以下、2010年から2018の順に示すと、セダンは9,304,958台、9,936,801台、10,581,267台、11,832,048台、12,234,583台、11,580,336台、12,051,611台、11,769,569台、11,448,506台である。MPVは、433,042台、491,315台、490,482台、1,284,018台、1,911,640台、2,105,014台、2,493,269台、2,085,849台、1,728,157台である。SUVは1,198,085台、1,487,270台、1,875,053台、2,845,113台、3,938,115台、6,055,878台、8,741,251台、10,001,362台、9,724,652台である。クロスオーバー車は、2,491,704台、2,258,436台、2,256,260台、1,641,065台、1,332,101台、1,099,172台、724,536台、547,018台、458,190台である。

資料:CEIC

図2(b):乗用車販売台数の推移(排気量別)
2010年から2018年の中国の乗用車販売台数を排気量別に4つに分けて示している。4つの中で増加が最も急なのは「1リッター超1.6リッター以下」のセグメントであるが、このセグメントは2017年に頭打ちとなり、2018年は大きく減少に転じた。「1.6リッター超2リッター以下」のセグメントは右肩上がりが続いていたが、2018年に減少に転じた。 以下、2010年から2018の順に示すと、「1リッター超1.6リッター以下」は7,485,959台、7,971,714台、8,870,756台、10,833,680台、12,572,301台、14,076,233台、17,128,510台、16,889,180台、15,676,929台である。「1.6リッター超2リッター以下」は2,681,804台、3,106,508台、3,473,904台、4,180,162台、4,839,453台、5,102,818台、5,499,396台、6,129,913台、6,098,658台である。「2リッター超」は1,285,604台、1,228,118台、1,325,900台、1,498,468台、1,430,965台、1,265,992台、990,432台、779,467台、650,376台である。「1リッター以下」は1,974,316台、1,867,467台、1,532,502台、1,089,934台、573,720台、395,357台、392,329台、134,808台、141,265台である。

資料:CEIC

サービス消費と農村市場に着目した消費刺激策

消費の減速を受け、政府は2019年1月28日、「さらなる供給の改善と消費の安定成長の推進による強大な国内市場形成促進の実施方案(2019年)」(発改総合〔2019〕181号)を発表した。6章からなる「実施方案」は冒頭、「一、多くの措置を同時に行い自動車購入を促し、国民のモビリティー需要をさらに充足させる」と題する自動車購入の促進策を打ち出したことから、「実施方案」を自動車販売のてこ入れ策とみる報道もある。「実施方案」の発表記者会見で、国家発展改革委員会総合司の劉宇南巡視員も、社会消費品小売総額の伸び率が2018年に前年より1.2ポイント低下したうち、0.8ポイントと大きな部分が自動車類の商品であったことを、自動車重視の理由の1つに挙げた。

しかし、「実施方案」が2017年に終了した小型自動車減税の復活かといえば、そのようには見えない。少なくとも、単純に自動車の購入税を引き下げ購入を促すといったものではない。「実施方案」の自動車販売促進策の特徴として、3点指摘できる。

第1に、地方政府に政策の裁量を認めた点である。「古いディーゼルトラックを廃棄更新し新エネルギー車の使用を広めるなど大気汚染防止策の効果が顕著な地方に対し、中央政府財政は関連資金を配分する際に、適宜傾斜配分を行う」など、地方政府にインセンティブを与えると同時に、自動車購入の足かせとなっている措置を適宜緩和するよう指示した。第2に、自動車の普及率や普及の中身の点で遅れている農村を1つのターゲットにしている。農村部の100世帯当たりの自動車保有台数(2017年)は19.3台と都市部(37.5台)の半分しかなく、販売の伸びしろは大きいと考えられる。「農民が三輪自動車を廃棄し3.5トン以下のトラックまたは排気量1.6リットル以下の乗用車を購入することに対し、適度な補助を与える」といったように、具体的な補助対象が盛り込まれた。第3に、「廃車の再利用禁止5大部品の再生再利用を、規則に従って緩和する」「中古車使用制限の全面的撤廃政策を徹底し、制限政策復活を厳しく防止する。中古車販売業者が中古車を販売する際、中古品の販売に適用する増値税政策を適用し、3%の徴収率を2%に縮減する」など、中古車も販売促進の対象となった。新車より安価な中古車の販売促進は、自動車購入の裾野を広げることになるものと思われる。

そのほか、「実施方案」をみると、「二、都市の消費の不足を補い都市化と高齢化のニーズをより充足させる」では、高齢者の住環境整備、農村から都市への移転人口の住宅ニーズへの対応、子育てサービスの拡充などが企図されている。

また、「三、農村消費のグレードアップを促進し、都市と農村の消費の連動を促進する」では、農村部でのオンラインショッピングの普及、コンビニエンスストアの展開、流通する商品の質の向上などを目指している。農村部の消費市場は都市部に比べてはるかに小さく、1世帯の可処分所得も都市部の3分の1程度にすぎないものの、携帯電話の保有台数では都市部を上回る(100世帯当たり、都市部235.4台、農村部246.1台)。また、パソコン(PC)の保有台数では都市部との差が大きいが(100世帯当たり、都市部80.8台、農村部29.2台)、スマートフォンの利用環境を整え、ネットショッピングの利用を増やす道もあるだろう。

さらに、「五、高品質の商品とサービスの供給を拡大し、高品質の消費へのニーズをさらに満たす」では、情報消費の促進策として5G(第5世代移動通信システム)商用ライセンスの交付加速が打ち出されたほか、超高細密映像製品の購入促進に向け、ラジオ・テレビ、テレコムネットワークのアップグレードによる超高精細映像の伝送力強化、超高精細度テレビ、セットトップボックス、バーチャルリアリティー(VR)/拡張現実(AR)感装置などの宣伝・利用への補助金付与などの方針も示された。

自動車以外の柱を育て消費の牽引力を維持

本稿で取り上げた社会消費品小売総額という統計は、商品の売り上げのほか飲食の売り上げをカバーしているが、そのほかのサービスは対象外である。これに対し、産業別GDPや雇用において第三次産業は、近年最も安定的に拡大している(図3参照)。これらをみると、社会消費品小売総額は消費の重要な部分をカバーできない統計になりつつあるようにみえる。ちなみに、2018年の消費支出に占めるサービス消費の割合は49.5%(前年比0.3ポイント増)となっている(2019年1月29日開催の国家発展改革委員会記者会見における商務部市場運行司・王斌副司長の発言より)。

図3:産業別名目GDPの前年差
2000年から2018年の中国の名目GDPの対前年増加額を、第一次産業、第二次産業、第三次産業それぞれについて示したものである。第三次産業のみ、ほぼ右肩上がりとなっている。また2012年以降は、額が一番大きい。10億元単位で示すと、第一次産業は16.84、78.51、68.77、78.00、393.41、90.24、151.03、435.71、479.00、111.97、484.70、635.06、430.31、394.36、259.82、214.83、236.46、196.03、263.45である。第二次産業は458.39、399.58、444.48、859.19、1158.95、1379.75、1627.74、2227.18、2332.29、1021.51、3145.81、3540.90、1760.44、1731.28、1561.58、446.84、1450.74、3619.50、3325.83である。第三次産業は496.35、580.20、572.18、633.27、889.45、1077.88、1433.19、2402.49、2103.93、1793.83、2729.64、3406.14、2873.22、3312.69、3010.34、3809.55、3719.59、4253.82、4366.29である。

資料:中国国家統計局、CEIC

表1にあるインターネット小売額も、非実物商品(サービスおよびバーチャルグッズ)は社会消費品小売総額の内数ではない。非実物商品の販売額はインターネット小売額の公表が始まった2015年から2018年にかけて3倍強になり、社会消費品小売総額と対比した規模で言えば2.1%(2015年)から5.2%(2018年)に拡大している。

社会消費品小売総額の伸びは2017年の10.2%増から2018年に9.0%に鈍化したが、消費(実質)のGDP寄与度は3.9%から5.0%に高まった。こうした方向感の違いは、実質と名目の違い、伸びと寄与度の違いによるものだろうか。

GDPベースの消費(実質)についてはGDP成長率に対する寄与度が発表されているが、金額や伸び率は発表されていないため、2017年の実質GDPを100として、各年の成長率から各年のGDPを計算し、寄与度から消費・投資・純輸出の増減を計算する。ここで、2017年については実質も名目も消費・投資・純輸出の構成比が等しいものと仮定し、これらを基に消費・投資・純輸出の水準を割り出し、さらにGDPベースの消費(実質)の伸び率を計算してみた。これを試算値として、社会消費品小売総額(実質)の伸び率(2017年は不明)と比べたものが図4である。実質の伸び率でみても、社会消費品小売総額でGDPベースの消費の変動を説明することは難しいものと思われる。

図4:社会消費品小売総額(実質)とGDPベースの消費(実質)の
伸び率
社会消費品小売総額(実質)とGDPベースの消費(実質、試算値)の前年比増減率(%)を示したもの。 社会消費品小売総額(実質)は2011年から順に、11.6、12.1、11.5、10.9、10.6、9.6、なし、6.9。 GDPベースの消費(実質、試算値)は2011年から順に、11.5、8.2、6.9、6.8、8.0、8.5、7.3、9.4。

注:社会消費品小売総額(実質)の2017年の伸び率は不明。
資料:中国国家統計局、CEIC

おわりに

中国政府は、過剰設備や債務の圧縮を主導している。このため中国経済は、投資が鈍化傾向にあり、成長率の維持に消費の拡大が従来にも増して重要となっている。

統計上、消費の回復は自動車次第と言える。自動車販売減速の主因は減税対象車種の反動減だが、減速は減税対象車種以外にも広がっており、消費の回復は当面難しいものと思われる。

ただし、社会消費品小売総額は元来、自動車販売に左右されやすい統計であり、また飲食以外のサービス消費を捕捉できない。近年、サービス消費が消費支出の半分を占めようになり、この統計で消費の趨勢(すうせい)を説明することが難しくなっているようにも見える。

1月末に打ち出された「さらなる供給の改善と消費の安定成長の推進による強大な国内市場形成促進の実施方案(2019年)」では、「農村」や「サービス消費」が重視されている。農村消費やサービス消費の促進には、自動車購入税減税終了で生じた消費の落ち込みをカバーする即効性があるようには見えないものの、消費の安定的拡大のためには自動車以外にも柱となるものが必要であり、その成否が注目される。

執筆者紹介
アジア経済研究所新領域研究センター主任調査研究員
箱﨑 大(はこざき だい)
都市銀行に入行後、日本経済研究センター、銀行系シンクタンク出向、香港駐在エコノミストを経て、2003年にジェトロ入構。北京事務所次長、海外調査部中国北アジア課長を経て2018年より現職。編著に『2020年の中国と日本企業のビジネス戦略』(2015)、『中国経済最前線―対内・対外投資戦略の実態』(2009)がある。

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