2019年上半期の貿易・国際収支動向(トルコ)
2019年9月18日
内需が低迷傾向にあるトルコにおいて、外需が好調である。2019年上半期の輸出は前年同期比1.9%増の837億1,637万ドル、輸入は19.8%減の985億6,584万ドルとなり、貿易赤字は前年同期の408億366万ドルから63.6%減少し148億4,947万ドルとなった。同様に、経常赤字も310億4,900万ドルから89.5%減少して、32億5,900万ドルに圧縮されたが、構造的な改善ではなく、景気が上向けば赤字は再び拡大すると見られている。
EU向け輸出が減速傾向
トルコ統計機構(TUIK )の発表(7月31日付、暫定値)によると、2019年上半期の輸出は前年同期比1.9%増の837億1,637万ドル、輸入は19.8%減の985億6,584万ドルとなった。
輸出を品目別にみると、石油・歴青油の調整品を中心とした鉱物性燃料が、前年同期比(以下同じ)85.9%増と急伸した(表1参照)。金などの貴金属類も13.6%増と好調だった。他方、最大の輸出品目である自動車・同部品が、全体の77.5%を占めるEU向けの減速を主因に5.5%減だった。同様に、ニット衣類も主力のEU向けの冷え込みから1.6%減となり、他方、ニットを除く衣類は中東向けの好調に牽引され、2.7%増だった。なお、トルコ輸出業者会議によれば、防衛・航空宇宙産業の輸出額は12億8,226万ドルで、カタールなど中東向けを中心に41.4%増と急伸している。
品目名 | 2018年上半期 | 2019年上半期 | |||
---|---|---|---|---|---|
金額 | 金額 | 構成比 | 伸び率 | 寄与度 | |
自動車・同部品 | 13,747,370 | 12,997,826 | 15.5 | △ 5.5 | △ 0.9 |
一般機械 | 7,766,880 | 8,040,025 | 9.6 | 3.5 | 0.3 |
鉄鋼 | 5,249,642 | 5,334,477 | 6.4 | 1.6 | 0.1 |
ニット衣類 | 4,440,131 | 4,370,214 | 5.2 | △ 1.6 | △ 0.1 |
電気機器 | 4,277,351 | 4,108,692 | 4.9 | △ 3.9 | △ 0.2 |
鉱物性燃料 | 1,850,185 | 3,440,241 | 4.1 | 85.9 | 1.9 |
貴金属類 | 2,948,727 | 3,350,981 | 4.0 | 13.6 | 0.5 |
ニットを除く衣類 | 3,220,422 | 3,307,030 | 4.0 | 2.7 | 0.1 |
鉄鋼製品 | 3,118,204 | 3,108,382 | 3.7 | △ 0.3 | △ 0.0 |
プラスチック製品 | 3,011,122 | 3,091,574 | 3.7 | 2.7 | 0.1 |
果実・ナット・豆類 | 1,871,493 | 1,679,316 | 2.0 | △ 10.3 | △ 0.2 |
総計 | 82,163,186 | 83,716,369 | 100.0 | 1.9 | 1.9 |
出所:トルコ統計機構(TUIK)
地域・国名 | 2018年上半期 | 2019年上半期 | |||
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金額 | 金額 | 構成比 | 伸び率 | 寄与度 | |
EU | 42,192,983 | 41,394,351 | 49.4 | △ 1.9 | △ 1.0 |
ドイツ | 8,223,049 | 7,693,579 | 9.2 | △ 6.4 | △ 0.6 |
英国 | 5,213,729 | 4,990,567 | 6.0 | △ 4.3 | △ 0.3 |
イタリア | 5,042,496 | 4,677,381 | 5.6 | △ 7.2 | △ 0.4 |
イラク | 3,885,329 | 4,117,045 | 4.9 | 6.0 | 0.3 |
スペイン | 3,890,008 | 3,978,600 | 4.8 | 2.3 | 0.1 |
米国 | 3,839,805 | 3,923,230 | 4.7 | 2.2 | 0.1 |
フランス | 3,815,476 | 3,878,993 | 4.6 | 1.7 | 0.1 |
オランダ | 2,414,213 | 2,516,757 | 3.0 | 4.2 | 0.1 |
イスラエル | 1,955,552 | 2,081,768 | 2.5 | 6.5 | 0.2 |
ルーマニア | 1,916,023 | 1,944,641 | 2.3 | 1.5 | 0.0 |
日本 | 252,971 | 260,668 | 0.3 | 3.0 | 0.0 |
総計 | 82,163,186 | 83,716,369 | 100.0 | 1.9 | 1.9 |
出所:トルコ統計機構(TUIK)
国・地域別にみると、全体の49.4%を占めるEU向けが1.9%減となった(表2参照)。国別では、最大の輸出相手国のドイツや、英国、イタリア、ベルギー(17.8%減)が冷え込んでいる。また、中国向けが14.6%減となり、米国の制裁を受けているイランが10.2%減だった。他方、イラク、イスラエル、アラブ首長国連邦(29.2%増)、サウジアラビア(28.7%増)など、中東向け(18.4%増)が好調だった。
トルコ・リラ減価と内需減退により輸入が急減
輸入は、全体の78.8%を占める中間財が16.7%減となり、資本財(24.3%減)、消費財(35.9%減)も内需の低迷を反映している。品目別にみると、最大の輸入品目である鉱物性燃料は、原油価格が2018年10月をピークに下落に転じたこともあり、1.9%増にとどまった(表3参照)。他方、自動車・同部品、一般機械、貴金属類、鉄鋼、電気機器などの主力品目も、通貨トルコ・リラ減価と内需の減退によって軒並み2桁のマイナスとなった。
自動車工業会(OSD(803KB))によると、自動車は、国内での販売台数(卸売り)が49.4%減となったこともあり、自動車の輸入台数は52.5%減と冷え込みが著しい。トルコの自動車部門は、生産(12.4%減)の86.2%を輸出(5.0%減)し、販売市場の58.9%を輸入車が占めるという特殊な構造を持っている。また鉄鋼は、リラ安に加え、国内建設需要の低迷を背景に落ち込みが続いており、29.8%減だった。
品目名 | 2018年上半期 | 2019年上半期 | |||
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金額 | 金額 | 構成比 | 伸び率 | 寄与度 | |
鉱物性燃料 | 20,589,109 | 20,982,990 | 21.3 | 1.9 | 0.3 |
一般機械 | 14,093,557 | 10,344,020 | 10.5 | △ 26.6 | △ 3.0 |
鉄鋼 | 10,313,391 | 7,242,024 | 7.3 | △ 29.8 | △ 2.5 |
電気機器 | 9,299,188 | 7,135,507 | 7.2 | △ 23.3 | △ 1.8 |
プラスチック製品 | 7,283,391 | 5,934,734 | 6.0 | △ 18.5 | △ 1.1 |
自動車・同部品 | 8,272,313 | 4,251,602 | 4.3 | △ 48.6 | △ 3.3 |
貴金属類 | 8,990,386 | 5,256,916 | 5.3 | △ 41.5 | △ 3.0 |
有機化学品 | 3,301,947 | 2,821,883 | 2.9 | △ 14.5 | △ 0.4 |
光学・精密機器 | 2,577,709 | 2,156,878 | 2.2 | △ 16.3 | △ 0.3 |
医薬品 | 2,392,619 | 2,266,464 | 2.3 | △ 5.3 | △ 0.1 |
総計 | 122,966,848 | 98,565,835 | 100.0 | △ 19.8 | △ 19.8 |
出所:トルコ統計機構(TUIK)
地域・国名 | 2018年上半期 | 2019年上半期 | |||
---|---|---|---|---|---|
金額 | 金額 | 構成比 | 伸び率 | 寄与度 | |
EU | 45,962,669 | 33,484,928 | 34.0 | △ 27.1 | △ 10.1 |
ロシア | 11,424,329 | 10,542,010 | 10.7 | △ 7.7 | △ 0.7 |
中国 | 11,737,263 | 8,594,214 | 8.7 | △ 26.8 | △ 2.6 |
ドイツ | 11,180,729 | 8,427,515 | 8.6 | △ 24.6 | △ 2.2 |
米国 | 6,259,983 | 5,326,586 | 5.4 | △ 14.9 | △ 0.8 |
イタリア | 5,676,568 | 4,100,208 | 4.2 | △ 27.8 | △ 1.3 |
インド | 3,753,769 | 3,251,373 | 3.3 | △ 13.4 | △ 0.4 |
フランス | 4,425,794 | 3,022,846 | 3.1 | △ 31.7 | △ 1.1 |
韓国 | 3,597,831 | 2,878,494 | 2.9 | △ 20.0 | △ 0.6 |
イラン | 3,810,401 | 2,718,133 | 2.8 | △ 28.7 | △ 0.9 |
英国 | 4,839,512 | 2,467,109 | 2.5 | △ 49.0 | △ 1.9 |
日本 | 2,235,554 | 1,776,364 | 1.8 | △ 20.5 | △ 0.4 |
総計 | 122,966,848 | 98,565,835 | 100.0 | △ 19.8 | △ 19.8 |
出所:トルコ統計機構(TUIK)
国・地域別では、全体の34.0%を占めるEUが27.1%減となった。ドイツ、イタリア、フランス、英国などのEU諸国だけでなく、中国などのアジアや中東諸国も軒並み、2桁のマイナスだった。このため、トルコの貿易赤字は63.6%も減少し、輸出額の輸入額に占める比率も前年同期の66.8%から84.9%に拡大した。なおトルコ政府は、日本との経済連携協定(EPA)交渉だけでなくタイ、ウクライナなどとの自由貿易協定(FTA)交渉の加速化を表明している。
トルコの貿易収支をセクター別に見ると、経常赤字の主因となる鉱物性燃料・同関連品を除けば、各産業の輸入依存度の高さが概観できる。また、2018年上半期と2019年上半期を比較すると、輸入車が激減した自動車・同部品が黒字のトップに躍り出ることで、内需の減退を表し、同様に鉄鋼の輸入依存度低下が、建設セクターの冷え込みが続いていることを示している(図参照)。他方、原料から完成品まで、輸入依存度の低い衣料品や繊維など軽工業を中心としたセクターは、貿易収支が常に黒字を計上している。
景気低迷による経常収支の改善
トルコ・リラの対ドル売りレートは、2018年の年初に3.77であったものが、8月のトルコ・ショックによって大きく下落し、同年末は5.26と年初から4割近い減価を見せ、2019年も8月末現在で年初より10%近い下落の5.7リラ前後で推移している状況だ。海外からの借り入れ依存が強いトルコ経済は、通貨安の直撃によって内需が鈍化するなど活動を鈍化させ、2018年第4四半期と2019年第1四半期はマイナス成長に落ち込み、リセッションに入った。
他方、リラ安は外需拡大に寄与しており、貿易収支の改善傾向は、これを主因とした経常赤字の縮小にもつながっている。トルコ中央銀行発表 (8月9日付、暫定値)によると、6月の経常収支は、市場予測の2億6,500万ドルを大きく上回る5億4,800万ドルの赤字だったが、1~6月では、前年同期比(以下同)89.5%減の32億5,900万ドルと赤字額が大幅に縮小した(表5参照)。直近12カ月の累計で求めた年ベース換算値では、2002年11月以来初めてとなる5億3,800万ドルの黒字となった。この黒字の積み上げは10月まで続くと予測されている。サービス収支においても、治安の安定と通貨安による観光収支が好調で、全体の牽引力となっている(2019年5月29日付地域・分析レポート参照)。
経常赤字の主因となる原油価格は、2019年4月から軟調な動きを見せていたが、米国のイランの対立が先鋭化したこともあり6月に反発して上昇に転じており、赤字拡大の懸念材料となっている。貿易収支の改善は、輸出の強化よりも輸入の圧縮によるものと見る向きが強い。
総括表 | 2018年上半期 | 2019年上半期 | |
---|---|---|---|
金額 | 金額 |
増減率 (前年同期比) |
|
経常収支 | △ 31,049 | △ 3,259 | △ 89.5 |
貿易収支(財のみ) | △ 33,691 | △ 8,094 | △ 76.0 |
輸出 | 85,776 | 89,078 | 3.8 |
輸入 | 119,467 | 97,172 | △ 18.7 |
非貨幣用金 | △ 7,582 | △ 3,571 | △ 52.9 |
輸出 | 789 | 699 | △ 11.4 |
輸入 | 8,371 | 4,270 | △ 49.0 |
サービス収支 | 8,568 | 10,853 | 26.7 |
受取 | 20,232 | 22,058 | 9.0 |
支払 | 11,664 | 11,205 | △ 3.9 |
観光(旅行)収支 | 7,135 | 8,805 | 23.4 |
第1次所得収支 | △ 6,124 | △ 6,284 | 2.6 |
第2次所得収支 | 198 | 266 | 34.3 |
資本収支 | 32 | 18 | △ 43.8 |
金融収支 | △ 21,414 | △ 3,402 | △ 84.1 |
直接投資 | △ 3,233 | △ 3,112 | △ 3.7 |
対外直接投資(ネット) | 2,024 | 1,486 | △ 26.6 |
対内直接投資(ネット) | 5,257 | 4,598 | △ 12.5 |
株主資本(ネット) | 2,509 | 3,055 | 21.8 |
流入 | 2,912 | 3,100 | 6.5 |
撤退 | 403 | 45 | △ 88.8 |
その他資本(ネット) | 484 | △ 680 | △ 240.5 |
不動産(ネット) | 2,264 | 2,223 | △ 1.8 |
証券投資(ネット) | 121 | △ 1,592 | △ 1,415.7 |
資産 | 362 | 2,025 | 459.4 |
負債 | 241 | 3,617 | 1,400.8 |
株主投資 | △ 782 | 858 | △ 209.7 |
債券投資 | 1,023 | 2,759 | 169.7 |
その他投資 | △ 10,543 | 2,940 | △ 127.9 |
外貨準備 | △ 7,759 | △ 1,638 | △ 78.9 |
誤差脱漏 | 9,603 | △ 161 | △ 101.7 |
出所:中央銀行
地域・国名 | 2018年上半期 | 2019年上半期 | |||
---|---|---|---|---|---|
金額 | 金額 | 構成比 |
増減率 (前年同期比) |
寄与度 | |
欧州 | 2,055 | 1,519 | 49.0 | △ 26.1 | △ 18.4 |
EU | 1,881 | 1,416 | 45.7 | △ 24.7 | △ 16.0 |
英国 | 169 | 579 | 18.7 | 242.6 | 14.1 |
オランダ | 243 | 240 | 7.7 | △ 1.2 | △ 0.1 |
ドイツ | 126 | 214 | 6.9 | 69.8 | 3.0 |
スペイン | 88 | 136 | 4.4 | 54.5 | 1.6 |
フランス | 51 | 65 | 2.1 | 27.5 | 0.5 |
イタリア | 443 | 62 | 2.0 | △ 86.0 | △ 13.1 |
ベルギー | 20 | 57 | 1.8 | 185.0 | 1.3 |
ルクセンブルク | 225 | 50 | 1.6 | △ 77.8 | △ 6.0 |
その他の欧州 | 174 | 103 | 3.3 | △ 40.8 | △ 2.4 |
スイス | 57 | 84 | 2.7 | 47.4 | 0.9 |
ロシア | 5 | 13 | 0.4 | 160.0 | 0.3 |
アフリカ | 1 | 31 | 1.0 | 3000.0 | 1.0 |
モーリシャス | 1 | 27 | 0.9 | 2600.0 | 0.9 |
米州 | 218 | 194 | 6.3 | △ 11.0 | △ 0.8 |
米国 | 200 | 171 | 5.5 | △ 14.5 | △ 1.0 |
バージン諸島 | 18 | 18 | 0.6 | 0.0 | 0.0 |
中東・アジア | 638 | 1,356 | 43.7 | 112.5 | 24.7 |
中東 | 431 | 1,267 | 40.9 | 194.0 | 28.7 |
湾岸諸国 | 213 | 681 | 22.0 | 219.7 | 16.1 |
カタール | 85 | 601 | 19.4 | 607.1 | 17.7 |
クウェート | 117 | 46 | 1.5 | △ 60.7 | △ 2.4 |
アゼルバイジャン | 212 | 544 | 17.5 | 156.6 | 11.4 |
ヨルダン | 0 | 15 | 0.5 | 純増 | 0.5 |
アジア | 207 | 89 | 2.9 | △ 57.0 | △ 4.1 |
日本 | 34 | 37 | 1.2 | 8.8 | 0.1 |
韓国 | 47 | 13 | 0.4 | △ 72.3 | △ 1.2 |
タイ | 85 | 18 | 0.6 | △ 78.8 | △ 2.3 |
香港 | 15 | 12 | 0.4 | △ 20.0 | △ 0.1 |
世界合計 | 2,912 | 3,100 | 100.0 | 6.5 | 6.5 |
出所:中央銀行
他方、金融収支から外貨準備高を控除した資本流入は鈍化しており、前年同期の136億5,500万ドルから17億6,400万ドルに大きく縮小している。誤差脱漏による流出は1億6,100万ドルで、外貨準備高は前年同期の77億5,900万ドルから16億3,800万ドルまで縮小した。
トルコへの対内直接投資のうち、株主資本の流入はテロなどによる治安リスクが後退した後も低迷が続き、2018年は通年で9.0%減だったが、2019年の上半期は6.5%増と回復傾向を見せている。特に、カタール、英国、アゼルバイジャンからの投資が目立つ(表6参照)。カタールは、2018年8月にトルコ政府と約束した150億ドル規模の投資を進めており、これまでに金融、不動産、病院などへの投資が行われた模様。また、アゼルバイジャンのSOCARによるスター・リファイナリーへの投資が大きい。全体の45.7%を占めるEUからの投資は24.7%減だったが、英国からの投資が際立った伸びを見せている。また、通貨安がM&A案件に好感し始めているようだ。他方、トルコの対外直接投資のうち、株主資本の流出は、2018年は39億9,700万ドル,前年比25.8%増であった。2019年上半期は例年どおり、オランダを中心に米国、ドイツ、スイスなどに流れているが、前年同期比15.9%減だった。
- 執筆者紹介
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ジェトロ・イスタンブール事務所 調査担当ディレクター
中島 敏博(なかじま としひろ) - 1995年関西大学大学院博士課程後期課程修了。1988~95年桃山学院高校で非常勤講師(世界史)。1995~99年カナダ・マギル大学(McGill University)イスラーム研究所PhD3単位修得後退学。2000年から現職。共著『イスタンブールに暮らす』JETRO出版、共著『早わかりトルコ・ビジネス』日刊工業刊、寄稿『トルコを知るための53章』明石書店刊、寄稿『NHKデータブック 世界の放送2009年~2016年、NHK放送文化研究所編』NHK出版刊