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メキシコでクリーンエネルギー発電投資が活性化

2017年12月25日

メキシコは気候などの自然条件が太陽光発電や風力発電に向いており、再生可能エネルギーなどクリーンエネルギー発電に高いポテンシャルを持つ。2013年末のエネルギー改革の実現を契機に電力卸売市場の整備が進み、2016年から本格的に始動した電力市場の下で、クリーンエネルギー発電事業の競売が行われるようになった。欧米企業に加え、日本や中国などアジアの企業も参入し、激しい競争が繰り広げられている。

年々上昇するクリーンエネルギー競争力

国際的なエネルギー部門の調査研究機関であるブルームバーグ・ニューエナジー・ファイナンスが毎年発表する報告書「Climate Scope」によると、メキシコのクリーンエネルギー国別競争力順位は2017年に世界第4位となり、前年の9位から五つ上昇した。同報告書は世界の新興国・途上国(先進国を除く)のクリーンエネルギー市場を分析し、定量的な評価を基に各国がクリーンエネルギー関連の企業やプロジェクトを誘致する能力の順位付けをしたものである。さまざまなデータや指標を用いて総合スコアを付けており、0が最低点、5が最高点となる。2012年に最初の報告書を発表した後、毎年分析の対象となる国を増やしてきており、2017年のレポートでは71カ国のランク付けを行っている。

表1:主要新興国・途上国のクリーンエネルギー競争力指数
順位 2014年 2015年 2016年 2017年
国名 スコア 国名 スコア 国名 スコア 国名 スコア
1 中国 2.23 中国 2.29 中国 2.53 中国 2.52
2 ブラジル 2.17 ブラジル 2.12 チリ 2.36 ブラジル 2.21
3 南アフリカ 1.92 チリ 1.97 ブラジル 2.29 ヨルダン 2.17
4 インド 1.85 南アフリカ 1.91 ウルグアイ 2.29 メキシコ 2.03
5 チリ 1.79 インド 1.81 南アフリカ 2.21 インド 1.97
6 ウルグアイ 1.75 ケニア 1.74 インド 2.17 南アフリカ 1.97
7 ケニア 1.73 メキシコ 1.72 ウガンダ 2.05 チリ 1.96
8 メキシコ 1.57 ウルグアイ 1.69 ホンジュラス 2.03 ケニア 1.92
9 インドネシア 1.52 ウガンダ 1.68 メキシコ 2.02 ウルグアイ 1.83
10 ウガンダ 1.52 ネパール 1.63 ケニア 2.01 ベトナム 1.80
11 ペルー 1.50 インドネシア 1.61 ヨルダン 1.87 セネガル 1.68
12 コスタリカ 1.45 ナイジェリア 1.58 パキスタン 1.87 インドネシア 1.64
13 ベトナム 1.41 パキスタン 1.53 ルワンダ 1.73 パキスタン 1.60
14 ニカラグア 1.37 ホンジュラス 1.50 インドネシア 1.69 ホンジュラス 1.58
15 パキスタン 1.36 コスタリカ 1.49 パナマ 1.62 トルコ 1.58
16 コロンビア 1.33 ペルー 1.44 ペルー 1.60 ルワンダ 1.56
17 ネパール 1.31 ルワンダ 1.41 ベトナム 1.56 ウガンダ 1.47
18 バングラデシュ 1.26 グアテマラ 1.40 ネパール 1.54 コスタリカ 1.42
19 エチオピア 1.25 コロンビア 1.39 タンザニア 1.53 エジプト 1.41
20 アルゼンチン 1.24 アルゼンチン 1.39 コスタリカ 1.51 アルゼンチン 1.40
注:
順位は2014~15年は55カ国、2016年は58カ国、2017年は71カ国中の順位。スコアは5点が最高点。
出所:
Bloomberg New Energy Finance, Climate Scope 2017(2017年11月)

分析対象国の数が年によって異なるために順位は変動しやすいが、メキシコの場合は順位付けの根拠となるスコアが年々上昇しているため、クリーンエネルギー市場の整備が着実に進んでいることがうかがえる。2017年のメキシコのスコアは2.03ポイントであり、3年前の2014年の1.57と比べると0.46ポイント上昇している(表1参照)。

Climate Scopeは各新興国・途上国のスコアを作成するのに際し、「有効な制度・枠組み」、「関連投資および資金調達」、「関連ビジネスのバリューチェーン」、「温室効果ガス(GHG)対策」の四つの分野で合計50の指標を用いている。各分野のスコア(5が最高)と主要な関連データを上位国で表2のとおり比較した。

表2:クリーンエネルギー競争力上位8ヵ国(注)の代表的な評価指標比較

中国・ブラジル・ヨルダン・メキシコ
分野・指標 単位 中国 ブラジル ヨルダン メキシコ
有効な制度・枠組み 最高5.0 1.69 2.05 2.28 1.31
クリーンエネルギー政策 最高8.0 7.0 8.0 6.0 3.0
電力市場構造 最高16.0 6.9 10.5 6.7 7.5
クリーンエネルギー発電能力 MW 316,006 28,929 626 6,389
クリーンエネルギー発電量 GWh 600,294 94,398 1,074 20,758
関連投資および資金調達 最高5.0 2.35 1.07 2.71 1.16
クリーンエネルギー投資額 100万ドル 85,764 9,641 1,101 1,361
関連ビジネスのバリューチェーン 最高5.0 5.00 4.35 1.64 4.23
金融機関の存在・関与 最高5 5 5 4 5
バリューチェーン 最高38 38 29 5 32
サービスプロバイダー 最高20 20 19 5 14
温室効果ガス(GHG)対策 最高5.0 2.57 2.75 1.33 3.47
総合指数 最高5.0 2.52 2.21 2.17 2.03
注:
指標の計算方法が異なる系統電力網以外の電力供給が重要な国であるケニアを除く。
クリーンエネルギー発電には大規模水力発電を含まない。
出所:
Bloomberg New Energy Finance, Climate Scope 2017(2017年11月)
インド・南アフリカ・チリ・ウルグアイ
分野・指標 単位 インド 南アフリカ チリ ウルグアイ
有効な制度・枠組み 最高5.0 1.70 1.16 1.64 2.15
クリーンエネルギー政策 最高8.0 8.0 4.0 4.0 5.0
電力市場構造 最高16.0 8.2 3.7 9.7 7.6
クリーンエネルギー発電能力 MW 51,479 3,252 3,716 1,725
クリーンエネルギー発電量 GWh 86,599 7,646 12,531 5,693
関連投資および資金調達 最高5.0 1.62 1.62 1.75 1.99
クリーンエネルギー投資額 100万ドル 10,942 894 1,208 1,121
関連ビジネスのバリューチェーン 最高5.0 4.16 4.21 3.70 2.04
金融機関の存在・関与 最高5 5 5 5 4
バリューチェーン 最高38 30 26 22 12
サービスプロバイダー 最高20 15 20 16 4
温室効果ガス(GHG)対策 最高5.0 1.18 2.56 1.49 0.47
総合指数 最高5.0 1.97 1.97 1.96 1.83
注:
指標の計算方法が異なる系統電力網以外の電力供給が重要な国であるケニアを除く。
クリーンエネルギー発電には大規模水力発電を含まない。
出所:
Bloomberg New Energy Finance, Climate Scope 2017(2017年11月)

2017年の報告書は主に2016年までのデータでスコアを作成しているため、後述する電力卸売市場がスタートしたばかりのメキシコは、クリーンエネルギー市場に関連する「有効な制度・枠組み」については上位の中国やブラジルなどと比べるとスコアが低い。「関連投資および資金調達」の分野も、現時点では中国、ブラジル、インドに遠く及ばない。しかし、「関連ビジネスのバリューチェーン」についてはスコアが相対的に高く、上位国とも大きな差はない。メキシコのスコアが高いのは「GHG対策」の分野であり、この分野では中国やブラジルを上回っている。

メキシコは、途上国の中では温室効果ガスの排出削減に以前から積極的な国であり、2015年11月30日~12月12日までパリで開催された国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)に先立ち、温室効果ガス削減に向けて各国が自主的に決定する約束草案(INDC)を2015年3月30日に、新興国の中で最初に提出した国である。メキシコのINDCでは、2030年に黒色炭素の排出をベースライン比51%、温室効果ガスを同22%削減する目標を盛り込んでいる。政府は2015年末にエネルギー転換法を公布し、INDCで掲げた目標を達成するためにクリーンエネルギーの開発を促進している。エネルギー転換法の付則3条では、2018年にクリーンエネルギーの発電比率を25%、2021年に30%、2024年に35%にする目標を掲げている。

太陽光と風力に高いポテンシャル

エネルギー省によると、2016年のメキシコの発電能力に占めるクリーンエネルギー発電(大規模水力も含む)の比率は28.8%、総発電量に占める同比率は20.3%であり、依然として化石燃料による発電が大半を占めている。メキシコは、国際的にみても非常に競争力がある安価な米国の天然ガス(シェールガス)をパイプラインで輸入しているため、天然ガス・コンバインドサイクル発電に発電能力の約4割を依存している。しかし、近年は政府の促進策もあり、恵まれた自然環境により特別なインセンティブがなくてもある程度採算が取れる風力発電、2013年末のエネルギー改革に基づき創設された電力卸売市場を視野に入れた太陽光発電のプロジェクトが増えており、これらの発電能力および総発電量は急速に増加している(表3参照)。

表3:メキシコの発電源別発電能力・発電量

2014、2015年
電源別 2014年 2015年
発電能力 発電量 発電能力 発電量
MW GWh MW GWh
再生可能エネルギー 16,077 52,796 17,098 47,549
水力 12,429 38,822 12,489 30,892
風力 2,036 6,426 2,805 8,745
地熱 813 6,000 884 6,331
バガス 599 1,221 670 1,187
太陽光 114 135 170 190
バイオガス 85 191 81 204
その他クリーンエネルギー 1,991 12,579 2,125 15,403
高効率コジェネレーション 559 2,892 583 3,795
原子力 1,400 9,677 1,510 11,577
その他 33 10 32 31
クリーンエネルギー合計 18,068 65,375 19,224 62,952
化石燃料発電 47,470 236,172 48,801 246,601
合計 65,538 301,547 68,025 309,553
出所:
エネルギー省(SENER), Reporte de Avances de Energía Limpia 2015, 2016
2016年、伸び率(16/14年)
電源別 2016年 伸び率(16/14年)
発電能力 発電量 発電能力 発電量
MW GWh
再生可能エネルギー 18,503 25.2 49,206 15.4 15.1 △ 6.8
水力 12,589 17.1 30,909 9.7 1.3 △ 20.4
風力 3,735 5.1 10,463 3.3 83.4 62.8
地熱 909 1.2 6,148 1.9 11.7 2.5
バガス 798 1.1 1,276 0.4 33.2 4.6
太陽光 389 0.5 215 0.1 240.4 58.5
バイオガス 83 0.1 195 0.1 △ 2.5 1.8
その他クリーンエネルギー 2,676 3.6 15,662 4.9 34.4 24.5
高効率コジェネレーション 1,036 1.4 5,053 1.6 85.4 74.7
原子力 1,608 2.2 10,567 3.3 14.9 9.2
その他 32 0.0 42 0.0 △ 1.2 309.8
クリーンエネルギー合計 21,179 28.8 64,868 20.3 17.2 △ 0.8
化石燃料発電 52,331 71.2 254,496 79.7 10.2 7.8
合計 73,510 100.0 319,364 100.0 12.2 5.9
出所:
エネルギー省(SENER), Reporte de Avances de Energía Limpia 2015, 2016

国際再生可能エネルギー機関(IRENA)の2015年の報告書によると、メキシコの日射量は全国平均で1日1平方メートル当たり 5.5kWh、北部の最も日差しが強い時間帯では 8.5kWhを超える恵まれた日照環境にある(東京の 1990~2009年の1日1平方メートル当たり年平均日射量は 3.3kW)。バハ・カリフォルニア州東部やソノラ州などの乾燥地帯はほとんど雨が降らないため、安定的な日照環境が保たれている。

また、オアハカ州やバハ・カリフォルニア州などは風が強く、風力発電に適した土地が存在する。メキシコ風力発電協会(AMDEE)は、国内の風力発電ポテンシャルを 5 万 MW以上と推計している。オアハカ州のテワンテペック(Tehuantepec)地峡は大西洋側から太平洋側に風が間断無く吹き抜け、風力発電の最適地である。谷あいを吹き抜ける風は秒速 10 メートルに達し、樹木がまっすぐに生育せず、風が吹き抜ける方向に向かって生えている。同地峡における風力発電能力は合計 2,000MW を超えるといわれている。

電力卸売市場の創設により新規発電プロジェクトが急増

2013年末に憲法改正を伴うエネルギー改革が実現するまでは、メキシコの電力市場は原則として電力庁(CFE)1社が支配する国家独占の状況であった。上流の発電事業には民間資本も独立発電事業者(IPP)、あるいは自家発電事業者として参入できたが、IPPの場合は発電した電力の全てをCFEに売却する契約となっており、自家発電事業者の場合は資本関係のある企業以外への売電が禁止されていた。したがって、家庭や企業は自家発電を行っている場合を除き、CFEから電力を調達する以外の手段がなく、政府の補助金が支給される一般家庭向けを除けば、電力料金は国際的に見ても割高なものであった。2013年までのクリーンエネルギー発電事業は、主にCFEあるいはCFEと契約したIPP、大口需要家が出資して設立された自家発電事業者によるものが多く、特に恵まれた自然環境があり、CFEの電力販売価格の高さが故に、特にインセンティブが無くても採算が取れた風力発電がその大半を占めていた。

このような状況を一変させたのが、2013年末に実現したエネルギー改革である。国家電力系統システム(SIN)や送配電網は国家エネルギー管理センター(CANACE)の管理下にはおかれるものの、憲法の改正により発電事業は民間資本に完全に開放され、電力卸売市場(MEM)も創設し、使用電力が1MW以上の大口需要家は、CFE以外の事業者からも自由に電力を調達できるようになった。

MEMは、2014年8月11日付官報で交付された電力産業法に基づき、2016年から本格的に運用が開始された。MEMには、スポット市場(1日前市場、リアルタイム市場)、中期電力競売、長期電力競売、供給能力バランス市場、クリーンエネルギー証明書(CELs)取引市場などがある。クリーンエネルギーによる電力量や供給能力に関する取引は、国の政策として主に長期電力競売を通じて行われる。

長期電力競売では、電力量(MWh)、供給能力クレジット(MW)、CELsの三つが競売にかけられる。CELsは、クリーンエネルギー発電事業者に対してエネルギー規制委員会(CRE)が発電量に応じて発行する証明書であり、MEMで自由に売買される。2018年以降は電力産業法に基づき、電力卸売市場に直接参加する資格がある電力の大口需要家(需要電力が5MW以上かつ年間の消費電力量が20GWh以上)、あるいは電力調達先を自由に選択できる需要家(需要電力が1MW以上)に代わってMEMで電力を調達して販売する卸売り事業者は、1年間の総消費(購入)電力量の一定比率(2018年は5%)以上の電力量に相当するCELsを取得し、精算(注1)しなければならない。CELsの取得・精算義務を満たさない大口需要家や卸売り事業者に対しては、罰金が科される。

MEMの創設により、再生可能エネルギー発電事業にはCELs売却収入というメリットが加わったため、これまで以上に多くのプロジェクトが計画されるようになった。長期電力競売は2016~2017年にかけて3回実施されたが、同3回の競売で落札した企業による新規発電能力の構築は、太陽光で5,393MW、風力で2,290MW、水力で65MW、地熱で25MWに達し、合計で7,773MWのクリーエネルギー発電能力の増強につながる(表4)。

表4:長期電力調達入札に基づく新規発電能力構築(単位:MW)
発電源 第1次
2016年1Q
第2次
2016年3Q
第3次
2017年4Q
合計
太陽光 2,191 1,879 1,323 5,393
風力 562 1,039 689 2,290
水力 0 65 0 65
地熱 0 25 0 25
合計 2,753 3,008 2,012 7,773
出所:
国家エネルギー管理センター(CENACE)

激しい競争により電力価格は低下に向かう

これまで3回行われたクリーンエネルギーによる長期電力競売では、第1~2回まではCFEしか買い手として参加しなかったが、第3回からは民間の電力供給事業者も2社買い手として参加した。電力の売り手としては、第1回に69社(うち11社が落札)、第2回に68社(17社が落札)、第3回に46社が参加した。

これまでに落札した発電事業者をみると、スペインのアクシオナ(Acciona)やアルデサ(Aldesa)、イタリアのエネル(Enel)、フランスのEDFやエンジー(Engie)などこれまでもメキシコの再生可能エネルギー発電事業に投資を行ってきた欧州企業に加え、米国のセンプラエナジー(メキシコ子会社IEnovaが落札)やカナディアンソーラーなどの北米企業も落札している。さらに中国の晶科能源控股(ジンコソーラー)も第1回競売で3件を落札し、ハリスコ州とユカタン州に合計188MWの太陽光発電プラントを建設して、CFEに対して電力とCELsを販売する。日本企業では、双日が第2回競売で太陽光発電プロジェクト2件を落札したオランダのアルテン社(Alten Renewable Energy Developments)のメキシコ事業会社2社の株式20%を取得し、アグアスカリエンテス州にそれぞれ180MWと168MWの2カ所の太陽光発電所を建設し、CFEに対して電力とCELsを販売する。さらに、2017年11月22日に落札者が決まった第3回長期電力競売において、三井物産が中国のトリナ・ソーラー(Trina Solar)と組んだコンソーシアムが落札し、サカテカス州に80MWの太陽光発電所を建設し、電力とCELsを販売する。

欧米およびアジア企業が激しい競争を繰り広げる中で、メキシコのクリーンエネルギーで発電された電力の価格は低下傾向にある。過去3回の落札価格を比べてみると、第1回競売の落札価格では太陽光による電力が1MWh当たり9.2~34.4ドル、風力で16.6~30.5ドルであった。第3回の落札価格をみると、太陽光は12.6~15.5ドル、風力は11.8~13.0ドルで落札されており、最低価格と最高価格の差は縮まり、全体的に第1回よりも低い価格帯に収束しつつある。CELsの価格も第1回の1CEL当たり4.6~19.8ドルから第3回には5.9~7.8ドルに下がっている。

表5:長期電力競売における落札価格帯
項目 電力価格(ドル/MWh) CELs 供給能力
太陽光 風力 (ドル/CEL) (千ドル/MW)
第1回 9.2~34.4 16.6~30.5 4.6~19.8 落札なし
第2回 12.4~24.4 17.6~24.5 6.8~18.4 9.0~51.9
第3回 12.6~15.5 11.8~13.0 5.9~7.8 22.8~36.7
出所:
PWC資料から作成

現時点で大口需要家として直接MEMに参加している企業はなく(注2)、電力調達先を選べる需要家は卸売事業者(CFEの子会社及び民間企業)を通じて電力やCELsを調達している。需要電力が5MW以上かつ年間の消費電力量が20GWh以上あれば、MEMに買い手として直接参加し、販売価格の低下の恩恵を直接的に享受することが可能だ。今後は電力を大量消費する産業を中心に民間企業が買い手としてCENACEに登録し、電力市場の取引がより活発になることで、クリーンエネルギーの普及に加え、電力価格の低減というユーザーサイドの効果が増していくことが期待される。


注1:
CELsは電力卸売市場で取得した後、他の需要家に転売することが可能だ。電力の大口需要家が取得したCELsを自らの義務履行のために使用することを「精算」と呼び、精算後のCELsは市場で取引することはできない。未清算のCELsであれば何回でも転売することは可能。
注2:
CENACEのウェブサイトによると、2017年10月末時点でドイツの自動車部品(照明機器)メーカーであるヘラーのメキシコ工場(Hella Automotive México)が大口需要家として登録されているが、同時点ではMEMにおける活動を開始していない。
執筆者紹介
ジェトロ海外調査部米州課 課長代理(中南米)
中畑 貴雄(なかはた たかお)
1998年、ジェトロ入構。貿易開発部(1998~2002年)、海外調査部中南米課(2002~2006年)、ジェトロ・メキシコ事務所(2006~2012年)を経て現職。単著『メキシコ経済の基礎知識』、共著『FTAガイドブック2014』、共著『世界の医療機器市場』など。

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