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25年以上にわたり、日本産を中心とする確かな品質のオーガニック食品を「クリアスプリング」のブランド名で商品化し、英国をはじめ世界各地に届け続けているオーガニック食品総合商社「クリアスプリング」。代表取締役社長のクリストファー・ドウソンさんが母国ニュージーランド、英国でオーガニックを学び、日本でオーガニック・マクロビオティック食品の商社にて伝統食品の輸出に尽力したのちに、ロンドンを拠点に立ち上げた。創業当時は社員10人ほどだったが、今では50人ほどのスタッフを抱える。商品数は300点近く、毎年30点以上の新商品を世に送り出している。

同社の商品のほとんどは基準が厳しいソイルアソシエーションからオーガニック認定を受けている。英国内の主要スーパーマーケット・チェーンや健康食料品店で取り扱われているほか、品質への信頼の高さからレストランでも愛用されている。また海外50以上の国々へも輸出する。売り上げは毎年順調に伸び続けており、今や英国におけるオーガニック食品のトップブランドのひとつとしての地位を確立した。

運営にあたりクリアスプリング社が念頭に置くのは、次世代のために環境を守ること。同社で商品化することによってオーガニックに取り組む生産者や真摯な作り手が安定し、持続可能な農業や産業への貢献につながる。ひいては土壌が豊かになり、環境や生態系など次世代のために世界を守ることができる。それゆえ、「私たちが最重視するのは利益よりもサステイナビリティーです。」とクリストファーさんは断言する。「日本の生産者は国内需要の少なさや近隣農家との兼ね合いなどを心配して、オーガニックへの移行をためらっているかもしれません。しかし、英国をはじめヨーロッパには確実に需要があります。有機の基準を満たせるならば、商品化する準備はできています」と語気を強める。

クリストファーさんは日本食の魅力についてこう語る。「日本ほど穀物や野菜から人間が必要とする栄養素を効率よく、美味しく引き出す食事を工夫して作ってきた国はありません。また日本には味噌や醤油など、たくさんの発酵食品もあります」。ただ、その一方で、「残念ながら、日本の食事はどんどん欧米化され、昔に比べて肉・魚が中心となっています。そればかりか、昔から伝わる医食同源の知恵、旬を生かした食事などが忘れ去られつつあるように思います」と日本へのもどかしい思いを抱く。日本の昔ながらの食事に共通する点の多いマクロビの考え方に沿った商品の取り扱いを通し、「日本の伝統食品を守っていくのも弊社の大きな課題です」とクリストファーさんは力を込める。

さらに、デンマークなど欧州のいくつかの国が政府主導でオーガニックを推進していることを例に挙げ、オーガニック生産者への日本政府からの援助が少ないことや、日本ではオーガニックに対する関心が低いことを指摘。「私たちだけでできることには限界がありますが、政府や関連機関からもっとサポートが得られれば、日本の素晴らしい食文化がますます世界に広がり、結果、日本社会に貢献することができます。日本の生産者には国際市場でクリアスプリングのブランドを活用して欲しい。それは結果として日本のためになるのですから」と呼びかけている。

Clearspring(クリアスプリング)
19A Acton Park Estate
London W3 7QE
+44 20 8749 1781
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