ルーマニアの貿易投資年報

要旨・ポイント

  • 2025年の実質GDP成長率は税率とエネルギー価格上昇により0.7%と前年から鈍化。
  • 輸出入はいずれも過去最高額を記録。
  • 対日輸出は計測・検査機器が好調、対日輸入は機械類・輸送用機器が減少。
  • 対内直接投資は、防衛・製造業分野の生産拠点拡大が進展。
  • 日系企業はインフラ分野でのプロジェクト参画や設備投資を拡大。

公開日:2026年9月14日

マクロ経済

2025年の実質GDP成長率は減速

2025年の実質GDP成長率は0.7%と、前年の0.9%から鈍化した。GDPを需要項目別に見ると、民間最終消費支出が0.6%増(寄与度0.4ポイント)と前年の4.7%増から大幅に減少した。高止まりするインフレ、2025年7月に行われた家庭向け電力価格の上限撤廃に加え、付加価値税(VAT)の標準税率19%が8月1日から21%に引き上げられたことや、飲食物やレストラン利用料などの軽減税率(飲食物9%、レストラン利用料 5%))が廃止され、単一軽減税率(11%)が導入されたことなどが背景にある。また、財政赤字是正の影響を受け、政府最終消費支出も前年の5.2%増からマイナスに転じて5.4%減(寄与度マイナス0.6ポイント)となった。一方で国内総固定資本形成は、引き続きEU復興基金などを活用したインフラやエネルギー分野での公共投資の拡大、民間投資の緩やかな回復により3.4%増(寄与度0.9ポイントで最大)となった。財・サービスの輸出は前年の2.5%減からプラスに転じ4.3%増、輸入は4.9%増と輸出を上回る増加となった。GDPを産業別に見ると、建設業は前年の2.8%減から6.9%増となったほか、農業は前年に気候条件の悪化などで5.7%減となった反動もあり、6.6%増に回復した。情報通信は4.1%増で、前年の0.4%増から成長が加速した。不動産も前年の0.9%減から0.6%増とプラスに転じた。サービス業(文化、レクリエーション、修理など)は0.5%増だったが、前年の6.8%増から伸びが大きく鈍化した。一方、専門・科学技術、業務支援は4.0%減と、前年の0.4%減から減少幅が拡大し、鉱業・製造業は0.2%減と、前年の0.5%減に続きマイナス成長となった。卸売・小売・宿泊・飲食業も前年の1.9%増から0.2%減となった。

欧州委員会が2026年5月に発表した春季経済予測では、ルーマニア経済は財政引き締めやエネルギー価格上昇により引き続き消費や輸入が減少し、景況感の悪化を背景に内需の弱さが続くと見込んでいる。輸出は緩やかに増加を維持するものの伸び率は鈍化する見通しである。一方、国内総固定資本形成は2025年の回復に続き、2026年には伸びがさらに加速すると見込まれている。住宅や公共インフラを中心に投資は回復が続くとされている。しかし、地政学的リスクや国内政治の不透明感などが上半期の民間投資の「おもし」となる見方から、2026年の実質GDP成長率は0.1%と予測されている。

2025年の企業倒産件数は全体で前年比3.8%増の7,553社となり、新型コロナウイルス感染拡大の影響で倒産が急増した2021年(6,144社)や2022年(6,649社)を上回り、増加傾向が続いている。また、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格上昇を受け、2022年には13.8%に達した消費者物価指数(CPI)上昇率は、その後2024年には5.6%までに低下した。しかし、2025年には電力価格の上限撤廃や付加価値税の引き上げといった制度変更に加え、最低賃金の上昇などの影響により、7.3%に再び上昇しており、内需回復への影響が懸念される。

表1 ルーマニアの需要項目別実質GDP成長率(単位:%)(△はマイナス値)〔注1〕四半期の伸び率は前期比。季節調整済み。 〔注2〕 2024年は暫定値、2025年は推定値。
項目 2023年 2024年 2025年
年間 Q1 Q2 Q3 Q4
実質GDP成長率 2.3 0.9 0.7 △ 0.5 1.0 △ 0.1 △ 1.8
民間最終消費支出 2.6 4.7 0.6 △ 0.8 1.1 0 △ 1.2
政府最終消費支出 4.4 5.2 △ 5.4 △ 19.0 9.4 △ 1.1 △ 6.5
国内総固定資本形成 12.3 △ 2.5 3.4 5.6 △ 0.4 1.6 0.4
財・サービスの輸出 △ 1.3 △ 2.5 4.3 4.3 1.6 1.0 0.1
財・サービスの輸入 △ 1.5 4.0 4.9 1.9 0.4 2.8 △ 2.0

〔注1〕四半期の伸び率は前期比。季節調整済み。
〔注2〕 2024年は暫定値、2025年は推定値。

[出所]ルーマニア国家統計局

貿易

モルドバ向けエネルギー輸出が急増

2025年の貿易は、輸出が前年比4.2%増の966億800万ユーロ、輸入が2.6%増の1,293億5,100万ユーロとなり、輸出入額ともに過去最高を記録した。

輸出を品目別に見ると、最大品目の機械類・輸送用機器類(構成比46.6%)が前年比3.6%増と堅調な伸びを示した。うち道路走行車両(構成比17.5%)は6.3%増となり、内訳をみると、乗用車(8.8%)が14.3%増と全体の伸びを押し上げた。一方で自動車部品(7.5%)は1.3%減少した。鉱物性燃料、潤滑油等(5.9%)は18.8%増となり、うちガス・天然ガス(1.4%)、電力(1.5%)がそれぞれ48.6%、41.6%増加した。食料品・動物(7.7%)は12.9%増、食用でない原材料(4.2%)は採油用種子・果実(2.2%)が前年の悪天候による収穫減少の反動から60.4%増と大幅に伸びたことにより、24.6%増加した。

輸出を国・地域別に見ると、全体の約7割(構成比71.1%)を占めるEUは前年比3.3%増となった。最大の輸出先であるドイツ(20.0%)は1.3%増とわずかに増加した一方、オランダ(4.1%)は16.2%増、ベルギー(2.3%)は17.8%増と好調だった。中・東欧各国向けの輸出では、ハンガリー(5.5%)が8.2%増、ポーランド(4.0%)は3.9%増、ブルガリア(4.3%)は1.7%増、チェコ(3.2%)も1.3%増と堅調だった。

EU域外では、トルコ(構成比4.0%)が前年比17.3%増、モルドバ(3.0%)は29.1%増と急増した。トルコ向けについては、干ばつによるヒマワリの種子(油糧種子)の不作を背景に同国における輸入需要が拡大し、ルーマニアからの植物油などの供給が増加したことが要因であった。一方、モルドバ向けについては、2025年1月からのロシアによるモルドバ向けガス供給停止に伴うエネルギー危機で電力・供給不足が生じた結果、ルーマニアからの電力・天然ガスなど鉱物性燃料の輸出が急増したことが要因である。その他、英国(3.0%)は0.0%増と横ばいとなった一方、関税措置の影響を受け、米国(2.2%)は7.1%減となった。また、前年に引き続き、ウクライナ(1.7%)は13.0%減、韓国(0.2%)は24.0%減、ロシア(0.1%)は25.7%減となった。

表2 ルーマニアの主要品目別輸出入(単位:100万ユーロ、%)(△はマイナス値)〔注〕EU域外貿易は通関ベース、EU域内貿易は各企業のインボイス報告などに基づく。
品目 輸出(FOB) 輸入(CIF)
2024年 2025年 2024年 2025年
金額 金額 構成比 伸び率 金額 金額 構成比 伸び率
機械類・輸送用機器類 43,487 45,054 46.6 3.6 45,940 47,782 36.9 4.0
道路走行車両 15,946 16,946 17.5 6.3 12,479 12,682 9.8 1.6
電子・電気機器 14,771 14,849 15.4 0.5 13,848 14,985 11.6 8.2
一般産業機械・設備 5,470 5,537 5.7 1.2 6,422 6,654 5.1 3.6
通信・録音機器 1,939 2,135 2.2 10.1 3,957 3,986 3.1 0.7
発電機 1,999 2,059 2.1 3.0 2,493 2,846 2.2 14.2
その他輸送機器 1,560 1,646 1.7 5.6 966 848 0.7 △ 12.2
事務機器 532 602 0.6 13.3 1,719 1,819 1.4 5.8
原料別製品 14,119 13,806 14.3 △ 2.2 21,292 21,666 16.7 1.8
ゴム製品 3,322 3,511 3.6 5.7 1,820 1,836 1.4 0.9
金属製品 2,929 2,715 2.8 △ 7.3 4,898 5,097 3.9 4.1
鉄鋼 2,480 2,139 2.2 △ 13.7 5,095 5,396 4.2 5.9
繊維 1,386 1,324 1.4 △ 4.4 2,698 2,633 2.0 △ 2.4
雑製品 12,330 11,902 12.3 △ 3.5 14,650 14,871 11.5 1.5
専門機器・計測機器・制御機器 2,753 2,648 2.7 △ 3.8 2,438 2,594 2.0 6.4
家具 2,457 2,486 2.6 1.2 1,442 1,488 1.2 3.2
衣類 2,234 2,259 2.3 1.1 2,848 2,958 2.3 3.9
食料品・動物 6,577 7,424 7.7 12.9 11,472 11,329 8.8 △ 1.2
鉱物性燃料、潤滑油等 4,828 5,737 5.9 18.8 10,369 10,376 8.0 0.1
原油・石油製品 2,888 2,933 3.0 1.6 7,772 6,632 5.1 △ 14.7
電力 1,010 1,430 1.5 41.6 1,521 1,977 1.5 30.0
ガス・天然ガス 921 1,369 1.4 48.6 905 1,709 1.3 88.9
化学工業製品 5,000 5,259 5.4 5.2 17,846 18,706 14.5 4.8
医薬品 1,931 2,138 2.2 10.7 6,178 6,704 5.2 8.5
肥料 102 199 0.2 95.1 850 1,231 1.0 44.9
食用でない原材料(鉱物性燃料除く) 3,230 4,025 4.2 24.6 2,930 2,881 2.2 △ 1.7
飲料・たばこ 2,462 2,526 2.6 2.6 1,216 1,286 1.0 5.8
たばこ 2,047 2,149 2.2 5.0 466 523 0.4 12.3
合計(その他含む) 92,675 96,608 100.0 4.2 126,091 129,351 100.0 2.6

〔注〕EU域外貿易は通関ベース、EU域内貿易は各企業のインボイス報告などに基づく。

〔出所〕 ルーマニア国家統計局

表3 ルーマニアの主要国・地域別輸出入(単位:100万ユーロ、%)(△はマイナス値)〔注〕EU域外貿易は通関ベース、EU域内貿易は各企業のインボイス報告などに基づく。
国・地域 輸出(FOB) 輸入(CIF)
2024年 2025年 2024年 2025年
金額 金額 構成比 伸び率 金額 金額 構成比 伸び率
EU 66,484 68,694 71.1 3.3 90,881 93,242 72.1 2.6
ユーロ圏 49,568 50,992 52.8 2.9 63,789 64,806 50.1 1.6
ドイツ 19,042 19,292 20.0 1.3 23,512 23,184 17.9 △ 1.4
イタリア 8,848 8,558 8.9 △ 3.3 10,443 10,359 8.0 △ 0.8
フランス 5,867 6,052 6.3 3.1 5,329 5,206 4.0 △ 2.3
オランダ 3,376 3,924 4.1 16.2 5,433 5,985 4.6 10.1
スペイン 2,879 2,853 3.0 △ 0.9 3,849 4,033 3.1 4.8
ベルギー 1,876 2,210 2.3 17.8 3,134 3,157 2.4 0.7
スロバキア 2,045 2,126 2.2 4.0 2,584 2,614 2.0 1.2
オーストリア 1,885 1,934 2.0 2.6 3,905 4,033 3.1 3.3
ギリシャ 1,238 1,380 1.4 11.4 1,985 2,243 1.7 13.0
非ユーロ圏 16,916 17,702 18.3 4.6 27,092 28,436 22.0 5.0
ハンガリー 4,923 5,325 5.5 8.2 8,319 8,873 6.9 6.7
ブルガリア 4,107 4,176 4.3 1.7 5,645 6,094 4.7 8.0
ポーランド 3,714 3,859 4.0 3.9 8,007 8,293 6.4 3.6
チェコ 3,087 3,126 3.2 1.3 3,632 3,603 2.8 △ 0.8
トルコ 3,324 3,899 4.0 17.3 7,106 7,194 5.6 1.2
モルドバ 2,256 2,911 3.0 29.1 1,129 998 0.8 △ 11.6
英国 2,901 2,901 3.0 0.0 1,217 1,238 1.0 1.7
米国 2,286 2,123 2.2 △ 7.1 1,316 1,401 1.1 6.4
ウクライナ 1,873 1,629 1.7 △ 13.0 1,225 1,243 1.0 1.4
スイス 1,382 1,362 1.4 △ 1.4 1,570 1,512 1.2 △ 3.7
日本 773 801 0.8 3.6 448 394 0.3 △ 11.9
中国 719 715 0.7 △ 0.6 7,840 9,107 7.0 16.2
インド 269 256 0.3 △5.0 710 882 0.7 24.3
韓国 197 149 0.2 △24.0 859 683 0.5 △ 20.4
ロシア 184 137 0.1 △25.7 143 145 0.1 1.0
カザフスタン 92 86 0.1 △6.8 2,580 2,497 1.9 △ 3.2
合計(その他含む) 92,675 96,608 100.0 4.2 126,091 129,351 100.0 2.6

〔注〕EU域外貿易は通関ベース、EU域内貿易は各企業のインボイス報告などに基づく。

〔出所〕 ルーマニア国家統計局

輸入は過去最高、電子機器・自動車を中心に増加

過去最高額となった輸入を品目別に見ると、最大品目の機械類・輸送用機器類(構成比36.9%)は前年比4.0%増となった。うち電子・電気機器(11.6%)は8.2%増、発電機(2.2%)は14.2%増、一般産業機械・設備(5.1%)は3.6%増だった。また、乗用車(3.5%)が3.9%増となった道路走行車両(9.8%)は1.6%増加した。その他の主要品目は、化学工業製品(14.5%)が4.8%増加し、そのうち医薬品(5.2%)が8.5%増を記録した。鉱物性燃料、潤滑油等(8.0%)は0.1%増と横ばいとなったが、そのうちガス・天然ガス(1.3%)が88.9%増、電力(1.5%)が30.0%増と大幅に増加し、全体を下支えした。

輸入を国・地域別に見ると、輸出と同様に全体の約7割(構成比72.1%)を占めるEUは、前年比2.6%増だった。最大の輸入元であるドイツ(17.9%)が1.4%減となった一方、オランダ(4.6%)は10.1%増加した。中・東欧各国からの輸入ではハンガリー(6.9%)が6.7%増、ブルガリア(4.7%)が8.0%増、ポーランド(6.4%)が3.6%増と堅調だった。

EU域外では、最大の輸入元である中国(7.0%)が16.2%増、次ぐトルコ(5.6%)は1.2%増となった。一方、韓国(0.5%)とカザフスタン(1.9%)は昨年に引き続き、それぞれ20.4%減、3.2%減を記録した。ウクライナ(1.0%)は1.4%増、ロシア(0.1%)は1.0%増と前年から微増となった。

対内・対外直接投資

対内直接投資は前年比45.4%増

ルーマニア国立銀行(NBR、中央銀行)によると、2025年の対内直接投資(国際収支ベース、ネット、フロー)は前年比45.4%増の81億4,807万ユーロとなった。

2025年に発表された主な対内直接投資案件では、再生可能エネルギー(再エネ)分野に加え、食品サービスの進出と製造業における生産拠点の拡大が進んだほか、医療、金融、不動産分野でも企業買収の動きが見られた。

製造業では防衛・軍需分野において、 韓国の防衛大手ハンファ・エアロスペース(Hanwha Aerospace)が2026年2月、ドゥンボヴィツァ県で欧州初の生産拠点の起工式を行った。同拠点をルーマニアとの長期的なパートナーシップの要(かなめ)として位置付け、同国の防衛産業基盤の強化支援を目的とした投資であることを発表した。ロシアによるウクライナ侵攻に起因する継続的な安全保障上の課題と脅威に対応するため、ルーマニアの軍事近代化とNATO東部戦線の強化に不可欠な支援を提供するため、同社は2024年11月に現地子会社を設立以降、同国の防衛分野における関与を強めている。2026年には韓国の輸出信用機関が中・東欧の新規市場に進出する韓国企業を支援するため、ルーマニア財務省に先行融資を実施することを決定した。ルーマニア政府は、韓国企業の参加を条件とした防衛資材調達支援を含めた政府による支援事業実施に同融資を活用することを発表するなど、両国間における協力拡大の動きも見られる。加えて、ドイツの防衛装備大手のラインメタル(Rheinmetall)は2025年11月、同社とルーマニア国営防衛企業ロマルム(Romarm)傘下のピロキム・ビクトリア(Pirochim Victoria)が5億3,500万ユーロを投じ、ブラショフ県に弾薬用推進薬およびモジュール式発射装薬を生産する合弁会社ラインメタル・ビクトリア(Rheinmetall Victoria)を設立することを発表した。また、 ドイツの複合企業ディール(Diehl)傘下で航空機用の機内装備などを手がけるディール・アビエーション(Diehl Aviation)は2025年4月、ルーマニアに新たな製造拠点を開設することを発表した(金額非公表)。

そのほか、ドイツの清掃機器メーカーのケルヒャー(Kärcher外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は2025年5月、1億1,500万ユーロを投じ、アルジェシュ県にルーマニア国内3カ所目の工場を開設した。ドイツの建材メーカーのクナウフ・インシュレーション(Knauf Insulation)は2025年1月、1億4,000万ユーロ超を投資して、ムレシュ県に同社最先端の技術拠点となるガラス繊維断熱材の新たな生産ラインが稼働したことを発表した。

再エネ分野では、デンマークのユーロウィンド・エナジー(Eurowind Energy)が2025年6月、ドゥンボヴィツァ県ヴィシナにおいて、出力220メガワット(MW)の太陽光発電所を開発するため1億7,480万ユーロの投資を発表した。 欧州最大級の再エネ事業者であるオーストリアのフェアブント(Verbund)のルーマニア子会社フェアブント・ウィンドパワー・ルーマニア(VERBUND Wind Power Romania)は2025年12月、ルーマニアのエンジニアリング企業シムテル(Simtel)との間で約1,910万ユーロの太陽光発電プロジェクト契約を締結した。 また、トルコの石油精製会社テゥプラシュ(Tupras)の孫会社エンスパイア・エネルジ(Enspire Enerji)は、イスラエル企業からエコ・サン・ニクレシュティ(Eco Sun Niculesti)およびユーロメック・チオカナリ(Euromec Ciocanari)を買収し、太陽光発電事業に参入した。

サービス分野では、米国のファストフード大手ウェンディーズ(Wendy's)が2025年3月、カナダのJKCキャピタル(JKC Capital)とのフランチャイズ契約を通じ、ルーマニア市場への進出を発表し、10年間で2億ドル超を投資する計画を示した。

医療分野では、フィンランドの総合型医療サービス大手メヒライネン(Mehiläinen)が2025年12月、民間医療大手レジナ・マリア(Regina Maria)を買収したことを発表した。

表4-1 ルーマニアの主な対内直接投資案件(2025年)〔M&A以外〕
業種 企業名 国籍 時期 投資額 概要
防衛・軍需 ハンファ・エアロスペース(Hanwha Aerospace) 韓国 2026年2月 非公表
(報道では13億ユーロ)
韓国の防衛大手ハンファ・エアロスペースは2026年2月、ドゥンボヴィツァ県ペトレシュティで欧州初の生産拠点の起工式を行った。同拠点をルーマニアとの長期的なパートナーシップの要(かなめ)として位置付け、技術移転や現地での緊密な連携を通じて、国内の防衛製造能力の拡大や欧州の防衛産業エコシステムへの積極的な貢献を目指す同国の取り組みを支援すると発表した。
防衛・軍需 ラインメタル(Rheinmetall) ドイツ 2025年11月 5億3,500万ユーロ
(ラインメタル社51%、ピロヒム・ビクトリア社49%の出資)
ドイツの防衛装備大手ラインメタルとルーマニア国営防衛企業ロマルム(Romarm)傘下のピロキム・ビクトリア(Pirochim Victoria)は、合弁会社ラインメタル・ビクトリア(Rheinmetall Victoria)を設立し、ルーマニア中部ブラショフ県で弾薬用推進薬とモジュール式装薬を生産する工場を建設することを発表した。年間生産能力はモジュラー装薬約30万個を見込み、2028年に生産を開始し、約700人の雇用を創出する見込みである。
再生可能エネルギー ユーロウィンド・エナジー(Eurowind Energy) デンマーク 2025年6月 1億7,480万ユーロ デンマークの再生可能エネルギー会社ユーロウィンド・エナジーは、ドゥンボヴィツァ県ヴィシナで、同社最大規模の太陽光発電所(出力220MW)を開発する計画を発表した。同発電所は年間約400GWhの発電を見込み、約15万世帯の電力をクリーンエネルギーで賄う。
建材 クナウフ・インシュレーション(Knauf Insulation) ドイツ 2025年1月 1億4,000万ユーロ超 ドイツの建材メーカーのクナウフ・インシュレーションは、ムレシュ県トゥルナヴェニで同社最先端の技術拠点となるガラス繊維断熱材の新たな生産ラインの正式稼働を発表した。年間75,000トンを超えるグラスウール生産能力により、中東欧における顧客需要の高まりに対応する。
再生可能エネルギー フェアブント(Verbund) オーストリア 2025年12月 1,910万ユーロ 欧州最大級の再生可能エネルギー事業者であるオーストリアのフェアブントのルーマニア子会社フェアブント・ウィンドパワー・ルーマニア(VERBUND Wind Power Romania)は、トゥルチャ県カシムチャで計画する設備容量60MWの太陽光発電所について、設計、建設および試運転をルーマニアのエンジニアリング企業シムテル(Simtel)に委託する契約を締結したと発表した。
航空機 ディール(Diehl) ドイツ 2025年4月 非公表
(報道では1,500 ~3,000万ユーロ)
ドイツの複合企業ディール傘下で航空機用の機内装備などを手がけるディール・アビエーション(Diehl Aviation)は、ルーマニアに新たな製造拠点を開設すると発表した。航空産業からの需要拡大に応え、主に旅客機向けの製品や部品を生産する。

〔出所〕 各社発表および報道などから作成

表4-2 ルーマニアの主な対内直接投資案件(2025年)〔M&A〕
被買収企業(事業) 買収企業 時期 投資額 概要
業種 企業名 企業名 国籍
銀行 アルファ・バンク・ルーマニア(Alpha Bank Romania) ユニクレディット(Unicredit) イタリア 2025年8月 約2億5,500万ユーロ(+株式交換) イタリアの銀行ユニクレディトは、ギリシャを拠点とする銀行アルファ・サービシズ・アンド・ホールディングス(Alpha Services and Holdings SA)のルーマニア子会社アルファ・バンク・ルーマニアとの合併を完了したと発表した。
不動産 MAS PLC(マスPLC) Mコア(M CORE) 英国 2025年1月 4,900万ユーロ 英国不動産投資会社Mコアグループは、中・東欧で不動産事業を展開するMAS PLC)から、ルーマニア国内に立地するストリップモール(小規模のショッピングモール)7施設の買収を完了した。
再生可能エネルギー エコ・サン・ニクレシュティ(Eco Sun Niculesti)/ユーロメック・チオカナリ(Euromec Ciocanari) テゥプラシュ(Tupras) トルコ 2025年1月 3,320万ユーロ トルコ最大の石油精製会社テゥプラシュの電力子会社エンテック・エレクトリック(Entek Elektrik)の全額出資子会社エンスパイア・エネルジ(Enspire Enerji)は、イスラエルのエコナジー・インターナショナル(Econergy International)から、ルーマニアで太陽光発電事業を開発するエコ・サン・ニクレシュティおよび用地保有会社ユーロメック・チオカナリの全株式を取得する契約を締結した。
医療 レジナ・マリア(Regina Maria) メヒライネン(Mehiläinen) フィンランド 2025年12月 非公表 欧州最大級の統合型医療サービス事業者であるフィンランドのメヒライネンがルーマニアの民間医療大手レジナ・マリアの買収完了を発表した。この取引完了に伴い、米国のヘルマン・アンド・フリードマン(Hellman & Friedman)が、大手プライベートエクイティ投資家であるCVCキャピタル・パートナーズ(CVC Capital Partners)と並ぶ主要株主となった。

〔出所〕 各社発表および報道などから作成

対外直接投資は引き揚げ超過額が拡大

NBRによると、2025年の対外直接投資(国際収支ベース、ネット、フロー)は1,581万ユーロの引き揚げ超過となり、前年の802万ユーロの引き揚げ超過から引き揚げ額が増加した。

一方で、2025年発表の主な対外直接投資案件は、エネルギーや小売りの買収や通信およびIT分野での拡張投資の動きも見られた。

通信分野では、ディジ・コミュニケーションズ(DIGI Communications)のスペイン子会社であるディジ・スペイン(Digi Spain)が2025年10月、スペイン・バレンシアに新たな自社運営の顧客サービスセンターを開設すると発表した。 また、ソフトウェア企業エー・ロブス・トランシルバニア・ソフトウェア(AROBS Transilvania Software)が2025年6月、米国のテクノロジーコンサルティング企業コーディングスケープ(Codingscape)の株式70%を取得したことを発表し、北米市場での事業基盤強化を図った。 さらに、サイバーセキュリティ企業ビットディフェンダー(Bitdefender)は同月、アイルランドのメールセキュリティ企業メッシュ・セキュリティ(Mesh Security)の買収合意を発表し、同社の技術を自社プラットフォーム に統合する計画を示した。

再エネ分野では、エネルギー大手プレミア・エナジー(Premier Energy)グループ傘下のナビタス・エナジー(Navitas Energy)が、2025年8月、モルドバのレオヴァ地区において出力1.9MWの太陽光発電所の稼働を開始したと発表した。 また、同社は同年9月、ハンガリー企業iG TECH CCと共同で約 1億7,120万ユーロを投じ、スペインのイベルドローラ(Iberdrola)からハンガリーの風力発電事業を取得することに合意したと発表した。

小売り分野では、ホームセンター大手デデマン(Dedeman)を傘下に持つルーマニアの投資会社パヴァル・ホールディング(Pavăl Holding)が2025年7月、ギリシャのホームセンターチェーン、プラクティケル・ヘラス(Praktiker Hellas)の買収完了を発表した。

表5-1 ルーマニアの主な対外直接投資案件(2025年)〔M&A以外〕
業種 企業名 投資先国 時期 投資額 概要
再生可能エネルギー プレミア・エナジー(Premier Energy) モルドバ 2025年8月 非公表 エネルギー大手プレミア・エナジーグループのナビタス・エナジー(Navitas Energy)はモルドバのレオヴァ地区で1.9MWの太陽光発電所の稼働を開始したと発表した。同発電所は年間約304万kWh以上のグリーン電力を生産する見込みであり、このプロジェクトにより、同社の系統接続済み太陽光発電容量は約30MWに達した。
情報・通信 ディジ・コミュニケーションズ(DIGI Communications) スペイン 2025年10月 非公表 通信大手ディジ・コミュニケーションズのスペインの子会社であるディジ・スペインは、バレンシアに新たな自社運営の顧客サービスセンターの開設を発表した。150人以上の雇用を創出し、顧客体験を向上させることによりサービス向上を図るとした。
再生可能エネルギー シムテル(Simtel) スウェーデン 2025年10月 非公表 再エネ関連エンジニアリング企業シムテルは、スウェーデン・ストックホルムに子会社シムテル・ノルディックス(Simtel Nordics)を設立し、北欧市場への事業拡大を進めると発表した。蓄電池システムの運用・保守サービスに加え、エネルギー貯蔵やハイブリッドプロジェクトの設計・調達・建設に注力する。

〔出所〕 各社発表および報道などから作成

表5-2 ルーマニアの主な対外直接投資案件(2025年)〔M&A〕
買収企業 被買収企業(事業) 時期 投資額 概要
企業名 業種 企業名 国籍
プレミア・エナジー(Premier Energy) エネルギー イベルドローラ(Iberdrola) スペイン 2025年9月 1億7,120万ユーロ スペインのエネルギー企業イベルドローラは、ハンガリーの風力発電事業をルーマニアのプレミア・エナジーおよびハンガリーのiG TECH CC.で構成されるコンソーシアムに売却することに合意したと発表した。
パヴァル・ホールディング(Pavăl Holding) 小売り プラクティケル・ヘラス(Praktiker Hellas) ギリシャ 2025年7月 非公表
(報道では1億2,000万ユーロ~1億3,000万ユーロ)
ホームセンター大手デデマン(Dedeman)を傘下に持つルーマニアの投資会社パヴァル・ホールディングは、デデマンにとって初の国際展開となるギリシャのホームセンターチェーン企業プラクティケル・ヘラスの買収完了を発表した。
エー・ロブス・トランシルバニア・ソフトウェア(AROBS Transilvania Software) ソフトウェア開発 コーディングスケープ(Codingscape) 米国 2025年6月 非公表
(報道では1,020万ユーロ)
ソフトウエア企業エー・ロブス・トランシルバニア・ソフトウェアは、米国のテクノロジーコンサルティング企業コーディングスケープの株式70%を取得し、買収を完了したことを発表した。今回の買収により、エー・ロブスは北米市場での事業基盤を強化し、米国の高度な技術エコシステムへの参画という戦略目標を強化する狙い。
ビットディフェンダー(Bitdefender) サイバーセキュリティ メッシュ・セキュリティ(Mesh Security) アイルランド 2025年6月 非公表 グローバルなサイバーセキュリティ企業ビットディフェンダーは、高度なメールセキュリティソリューションを提供するアイルランドの企業メッシュ・セキュリティを買収することで合意したと発表した。同社のメールセキュリティ機能を自社のセキュリティ、コンプライアンス、リスク分析プラットフォームに統合することで、世界中の顧客に信頼できるメール保護を提供する能力をさらに強化する。
アクイラ(Aquila) 卸売・流通 キタックス(Kitax) ハンガリー 2025年3月 非公表 消費財流通大手アクイラは、化学品などの卸売事業を手がけるハンガリーのキタックスの買収手続きを完了したと発表した。モルドバに続く2カ国目の国外進出となる。
メドライフ(MedLife) 医療 オール・クリニック(All Clinic) モルドバ 2025年3月 非公表 民間医療大手メドライフは、隣国モルドバの同業オール・クリニックの株式の過半数を取得したと発表した。MedLifeグループにとって、ルーマニア国外への2度目の事業拡大となる。オール・クリニックは、モルドバの国立医療保険機関と契約を結ぶ3つの民間総合診療クリニックを運営し、20の診療科の外来医療サービスを提供。

〔出所〕 各社発表および報道などから作成

対日関係

主要輸入品目の機械類・輸送用機器が減少

2025年の対日貿易は輸出が前年比3.6%増の8億100万ユーロ、輸入が11.9%減の3億9,400万ユーロだった。前年に引き続き対日貿易収支は黒字で、黒字額は4億700万ユーロとなった。

対日輸出を主要品目別に見ると、約8割(構成比77.1%)を占める最大品目の飲料・たばこのうち、たばこ・たばこ製品(77.0%)が前年比8.1%増と加熱式製品を中心に好調で輸出全体の伸びを押し上げた。また、専門機器・計測機器・制御機器(4.3%)が45.7%増と高い伸びを示し、雑製品(6.1%)は全体で28.7%増加した。一方、原材料としてのコルク・木材(4.5%)は33.5%減と前年の反動で大幅に減少し、製品としてのコルク・木製品(4.2%)も26.6%減少した。さらに電子・電気機器(4.5%)が6.4%減と不振であったことから、機械類・輸送用機器類(5.6%)全体も6.3%減となった。食料品・動物(0.5%)はチョコレート・ココア製品(0.2%)の統計が新たに計上されたことにより42.4%増となったが、天然蜂蜜(0.2%)は14.0%減と前年に続き減少傾向が続いた。

対日輸入を主要品目別に見ると、最大品目の機械類・輸送機器類(構成比67.1%)が前年比15.4%減となった。道路走行車両(44.4%)が11.0%減となり、そのうち、乗用車(39.8%)は11.0%減、自動車部品(2.9%)は19.2%減といずれも減少したことが影響した。また、半導体(3.0%)が48.9%減と大幅に減少し、電子・電気機器(10.1%)が全体で27.0%減、一般産業機械・設備(4.5%)も19.5%減となった。一方、生ゴム(4.8%)が43.4%増となり、食用でない原材料(5.0%)は全体で32.3%増加した。原料別製品(13.0%)は、非鉄金属(1.0%)が84.3%減、鉄鋼(2.6%)が36.7%減となった結果、全体で31.5%減となった。しかし、金属製品(4.9%)は7.0%増、繊維(2.9%)は32.0%増と一部品目は増加した。化学工業製品(5.6%)は4.3%増となったが、うちプラスチック(1.2%)は23.8%減と大きく減少し、全体を押し下げた。

表6-1 ルーマニアの対日主要品目別輸出(FOB)〔通関ベース〕(単位:100万ユーロ、%)(△はマイナス値)
品目 2024年 2025年
金額 金額 構成比 伸び率
飲料・たばこ 571 617 77.1 8.1
たばこ・たばこ製品 570 617 77.0 8.1
雑製品 38 49 6.1 28.7
専門機器・計測機器・制御機器 23 34 4.3 45.7
衣類 8 6 0.7 △ 30.0
家具 2 3 0.4 91.2
建築・暖房・照明用品 2 3 0.4 37.1
原料別製品 56 46 5.7 △ 18.1
コルク・木製品 45 33 4.2 △ 26.6
ゴム製品 8 8 1.0 △ 6.0
機械類・輸送用機器類 47 44 5.6 △ 6.3
電子・電気機器 39 36 4.5 △ 6.4
自動車部品(SITC-3) 3 5 0.7 51.3
食用でない原材料(鉱物性燃料除く) 55 39 4.8 △ 30.1
コルク・木材 54 36 4.5 △ 33.5
食料品・動物 3 4 0.5 42.4
天然蜂蜜(SITC-4) 2 2 0.2 △ 14.0
化学工業製品 3 3 0.4 △ 10.8
プラスチック 2 2 0.3 16.5
合計(その他含む) 773 801 100 3.6

〔出所〕 ルーマニア国家統計局

表6-2 ルーマニアの対日主要品目別輸入(CIF)〔通関ベース〕(単位:100万ユーロ、%)(△はマイナス値)
品目 2024年 2025年
金額 金額 構成比 伸び率
機械類・輸送用機器類 313 265 67.1 △ 15.4
道路走行車両 197 175 44.4 △ 11.0
電子・電気機器 54 40 10.1 △ 27.0
一般産業機械・設備 22 18 4.5 △ 19.5
産業用機械 16 14 3.6 △ 10.8
原動機 12 11 2.8 △ 9.1
原料別製品 75 51 13.0 △ 31.5
金属製品 18 19 4.9 7.0
繊維 9 11 2.9 32.0
鉄鋼 16 10 2.6 △ 36.7
非鉄金属 24 4 1.0 △ 84.3
雑製品 23 35 8.9 55.3
光学機器(SITC-3) 2 12 3.1 437.8
専門機器・計測機器・制御機器 11 11 2.7 △ 5.3
化学工業製品 21 22 5.6 4.3
化学材料および化学製品 8 9 2.2 8.9
プラスチック 6 5 1.2 △ 23.8
食用でない原材料(鉱物性燃料除く) 15 20 5.0 32.3
生ゴム 13 19 4.8 43.4
合計(その他含む) 447 394 100 △ 11.9

〔出所〕 ルーマニア国家統計局

日系企業はインフラ分野でプロジェクト参画や設備投資の動き

2025年の日本企業による投資事例では、インフラ分野でのプロジェクト参画や設備投資強化、製造業での工場拡大などの動きが見られた。

横浜ゴムは2025年5月、ルーマニア南西部、セルビアとの国境に接するドロベタ=トゥルヌ・セヴェリン市に所在する閉鎖工場の土地、建物、オフザロード(OTR)のタイヤ生産設備を3,500万ドルで取得したと発表した。約20万平方メートルの敷地を活用し、欧州における建設・鉱山機械用のタイヤ生産能力強化を図る。

また、日本たばこ産業(JT)子会社のJTインターナショナル(JTI)は2025年11月、首都ブカレスト郊外北部のイルフォブ県シュテファネシュティ・デ・ジョスに最新鋭の新工場を建設する計画を発表した。既存工場の代替施設として、製造能力の向上とオペレーションのさらなる強化を目的とする。完成は2027年を予定している。

現地に拠点を設立する動きも見られる。光学部品メーカーのオカモトオプティクス(本社:横浜市)は2025年12月、ルーマニアに子会社を設立した。同社は、2023年に日・ルーマニア両国首脳立ち会いのもと締結された協力覚書に基づき、ルーマニアの極限レーザー核物理研究所(ELI-NP)や大阪大学との共同研究開発に取り組んでおり、その一環として2025年12月、ブカレスト近郊のマグレレ市で高出力光学センター(Center for High Power Optics:COMP)の起工式を実施した。

インフラ関連のプロジェクトでは、2025年4月、ブカレストで進められている空港アクセス用地下鉄6号線(M6)の建設に用いられるトンネル掘削機の発進式が実施された。同事業にはパシフィックコンサルタンツ傘下の国際開発コンサルティング企業パデコが参画し、入札・契約支援、施工監理、試験走行管理を担っている。

二国間関係では2025年6月、「運輸・エネルギー・デジタル化に関するルーマニア・日本戦略対話 2025」をブカレストで共同開催し、ルーマニアの運輸・インフラ省、エネルギー省、経済・デジタル化・起業・観光省と日本の経済産業省が共同声明に署名した。日本政府は、ウクライナ復興支援にもつながるルーマニアを含む中・東欧地域への日本企業進出を後押しするため、1億6,000万ユーロ規模のファンドを準備していることを明らかにし、継続的な経済協力と官民連携の重要性を強調した。

基礎的経済指標

(△はマイナス値) 〔注〕 1人当たりGDP:2025年のみ暫定値 消費者物価上昇率:年平均 貿易収支:財のみ 貿易収支、経常収支:国際収支ベース 貿易収支、経常収支、対外債務残高:2025年のみ暫定値
項目 単位 2023年 2024年 2025年
実質GDP成長率 (%) 2.3 0.9 0.7
1人当たりGDP (米ドル) 18,254 20,199 22,725
消費者物価上昇率 (%) 10.4 5.6 7.3
失業率 (%) 5.6 5.4 6.1
貿易収支 (100万ユーロ) △ 29,012 △ 32,966 △ 32,329
経常収支 (100万ユーロ) △ 21,491 △ 28,853 △ 30,127
外貨準備高(グロス) (100万米ドル) 66,129 64,699 76,096
対外債務残高(グロス) (100万ユーロ) 183,239 203,510 227,347
為替レート (1米ドルにつき、ルーマニア・レイ、期中平均) 4.57 4.60 4.47

〔注〕
1人当たりGDP:2025年のみ暫定値
消費者物価上昇率:年平均
貿易収支:財のみ
貿易収支、経常収支:国際収支ベース
貿易収支、経常収支、対外債務残高:2025年のみ暫定値

〔出所〕
実質GDP成長率、消費者物価上昇率、失業率:ルーマニア国家統計局
貿易収支、経常収支、対外債務残高:ルーマニア国立銀行
1人当たりGDP、外貨準備高、為替レート: IMF