税制

最終更新日:2021年01月27日

法人税

16%

税率

  1. 法人税は、利益に対して一律16%
  2. 零細企業に対しては、1%もしくは3%の軽減税率を適用(税法2015年227号第47条~第51条)。
    零細企業(microîntreprindere/microenterprise)とは、前会計年度における売上高が100万ユーロを超えないルーマニア法人と定義され、適用される法人税率は次のとおり。
    1. 1人以上の被雇用者がいる場合、総売上高の1%
    2. 被雇用者がいない場合、総売上高の3%

    売上高が100万ユーロ以下のすべての企業に対しては、事業内容に関わらず零細企業用税制が適用される(資本金の増資により法人税を選択した会社を含む)。2018年4月1日より、最低でも4万5,000レイの資本があり、かつ、フルタイムの従業員が2名以上在籍する零細企業は、基本法人税制の適用を選択することが可能。零細企業は前述の条件が累積的に満たされた四半期から一度だけ、法人税支払いの選択が可能(緊急政令2018年25号)。

課税年度

納税年度は、原則として暦年であるが、企業の裁量によって暦年以外の12カ月を設定することも可能。

申告と納付

申告期限は、原則として四半期もしくは月ごとに翌25日まで。
確定申告は、納税者の関連するカテゴリーに応じて期限が異なる(政府緊急政令2017年79号)。

繰越欠損金

7年間の繰越が可能。

新型コロナウイルス感染拡大による特例

新型コロナウイルス感染拡大により、ルーマニアは2020年3月に納税に関する一連の特別措置を採用している。これにより財務諸表の提出期限は2020年7月31日までに延長され、一部の免税や減税等が導入された。加えて、2020年3月21日から12月31日までの間に税金の納付に遅滞が生じた場合、企業は遅滞による罰金および強制回収手続きの対象にならない(政府緊急政令2020年29号および181号)。現在の状況を鑑み、この特別措置の延長について議論されているが正式な決定はなされていない。しかしながら、本来の税金の納付期日自体については変更がないため、企業は本来の期日内に納付することが推奨される。

二国間租税条約

ルーマニアは、日本と二重課税防止条約を締結している。

日本・ルーマニア二重課税防止条約に基づき、次のように決められている。

  • 利子送金課税:10%(最高税率)
  • 配当送金課税:10%(最高税率)
  • ロイヤルティー送金課税:15%(工業的使用料)、10%(文化的使用料)

主な租税条約締結国・地域

アイルランド、アゼルバイジャン、アラブ首長国連邦、アルジェリア、アルメニア、スイス、イスラエル、イタリア、イラン、インド、インドネシア、ウクライナ、ウズベキスタン、英国、エクアドル、エジプト、エストニア、エチオピア、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カザフスタン、カタール、カナダ、韓国、北朝鮮、キプロス、クウェート、クロアチア、サウジアラビア、ザンビア、シンガポール、スウェーデン、スペイン、スリランカ、スロバキア、スロベニア、セルビア、モンテネグロ、タイ、チェコ、中国、デンマーク、トルクメニスタン、ドイツ、トルコ、日本、ノルウェー、パキスタン、ハンガリー、バングラデシュ、フィリピン、フィンランド、フランス、ブルガリア、米国、ベトナム、べラルーシ、ベルギー、ポーランド、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ポルトガル、北マケドニア(旧マケドニア)、マレーシア、南アフリカ共和国、ヨルダン、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、ロシア

その他税制

個人所得税(一律10%)、付加価値税(VAT:基本税率19%)、間接税、地方税(建物税、土地税、その他)など。
一部の対象企業には、環境基金への支払いや電子申告の義務がある。

個人所得税

税率は一律10%。ただし、配当所得に対する税率は5%(税法2015年227号、第43条)。
社会保障負担は、2018年1月1日より次の3項目のみ(政府緊急政令2017年79号)。

  1. 被雇用者によって支払われる社会保障費:社会/年金保険料(25%)、健康保険料(10%)
  2. 雇用によって支払われる社会保障費:労働保険料(2.25%)

なお、給与以外の付加給付(食事券など)は、社会保険料の対象外。

エンジェル投資家(個人)への配当所得税免税

中小企業に対して資金を供給するか中小企業の株式を買収するエンジェル投資家(個人)は、配当所得税が3年間免税される(法令2015年120号)。その場合、投資を受ける中小企業は、次の条件を満たす必要がある。

  1. 有限会社(S.R.L.)として登録されている。
  2. 独立した法人である。
  3. 支払不能または倒産状態ではない。
  4. 金融、保険、コンサルティング、資本市場、賭博、不動産等の分野に関わらない業務。

付加価値税(VAT)

一般には19%であるが、次のような例外がある。

  • 9%:医薬品、パン・小麦粉等、飲食料品(アルコールを除く)、調理用植物や種、農業用水、飲料水、下水処理および配水サービス(法令2018年175号により)。
  • 5%:書籍、博物館・映画館・スポーツ試合・見本市入場料等、広さが120平方メートル以下で価格が45万レイ(10万ユーロ)以下の住居(未婚者および家屋を購入したことのない家庭に限る)。キャンプ場を含むホテル等の宿泊施設・レストラン、ケータリングサービス(ビール以外のアルコール飲料は対象外)、娯楽施設やレクリエーション施設への入場料、運動や精神教育を目的としたスポーツ施設の使用料(緊急政令2018年89号)。なお、緊急政令2019年31号により5%の適用範囲が拡大され、山岳栽培やオーガニック製品、伝統的な製品などの高品質食品の配達が含まれることとなった。

源泉徴収税(配当金、ロイヤルティー、利子等への国外移転にかかる課税)

源泉徴収税率は16%。配当所得税率は5%(2016年1月~)。
租税条約によりその他様々な税率が適用される。徴収対象となる基本的な所得は、配当金、ロイヤルティー、利子、賞金など。

間接税

間接税は、対象となる品目を保管、生産、または輸入する会社、法人、個人事業者などに課せられる。
EU基準に準拠した範囲で、アルコールとアルコール飲料、タバコ、エネルギー(燃料油・電気等)が対象になる。物品と税率は間接税法によって定められている。
申告は月次で翌月25日までに行うとともに、年次申告は4月30日まで。

物品税(間接税)が廃止された品目

コーヒー、プラチナ・金製の宝飾品、服飾用の天然の毛皮、ヨット、プレジャーボートまたはそのエンジン、エンジン容量が3,000立方センチメートルの自動車、武器と弾薬。

物品税が課せられる品目

  • 電子たばこ(または、機器を使い吸い込むタイプのニコチン入り液体)(統計品目番号NC 2403 99 90、1ml当たり0.5レイ)
  • 加熱時に吸い込める蒸気を出すたばこ製品(統計品目番号 NC 3824 90 96、1kg当たり384レイ)

物品税(間接税)について、支払い後における還付が可能となった。対象となるのは、保税倉庫に再搬入された課税物、ルーマニアで物品税を支払った物品でEU内に輸出または販売される課税物品。

地方税

  1. 建物税
    1. 個人が所有している住宅用建物および別館の場合、課税額は評価額の0.08~0.2%。課税率は地方自治体が決定する。
      評価額は建物の構造(コンクリート、木造など)、タイプ(水道電気付きか否か)、面積、所在地などにより算出される。
    2. 個人が所有している非居住用建物の場合、課税額は評価額の0.2~1.3%。比率は地方自治体が決定する。
      評価額は、過去5年間における認定評価者が作成した評価報告書などに基づく。
    3. 農業活動のために使用される建物の場合、課税額は評価額の0.4%。
    4. 法人が所有している住宅用建物の場合、課税額は評価額の0.08~0.2%。比率は地方自治体が決定する。評価額は昨年度評価額などによる。
    5. 法人が所有している非居住用建物の場合、課税額は評価額の0.2~1.3%。比率は地方自治体が決定する。評価額は昨年度評価額などによる。

    なお、法人の場合、建物の評価額を3年ごとに更新する必要がある。過去3年以内に評価が更新されていない場合、課税率は、地方自治体によって5%まで引き上げられる(税法2015年227号第460条8)。

    また、工業団地や科学技術パーク内の建物(免税されていない場合に限る)、国有の建物、スポーツ関連施設などについては、免税扱いとなる。一方、風力発電機の支柱は建物とみなされ、建物税の課税対象となった(政令2014年1210号)。
    2016年には農業施設が免税され、2017年1月1日からは農業建設税が廃止された(税法2015年227号)。

  2. 土地税
    土地税は、地方自治体が定める分類に従い、土地の用途、場所、土地のランク、面積を考慮して算出され、前年度の12月31日に土地を所有している者が支払う。
    土地の上に建物が存在する場合の土地税免税は廃止された。つまり、建物が存在する土地の場合、2016年1月から、土地税および建物税のいずれも支払わなければならなくなった(緊急政令2017年3号)。
  3. 不動産売買取引税
    不動産の売買金額が45万レイを超えた部分に課税される不動産売買取引税の3%は、個人により売却された不動産にのみ適用される(緊急政令2017年3号)。
  4. 自動車税
    200ccごとに区分された税額を支払う。
    電気自動車や在庫品の中古車(業務使用されていない自動車)は免税される。ハイブリッドカーの場合、地方自治体が自動車税を少なくとも50%まで引き下げた。
  5. 広告税
    広告利用者は、紙面または映像音声によるマスメディアを除き、サービス利用額(税抜)の1~3%を自治体に支払う必要がある。
    広告ディスプレイの利用者は、場合により1平方メートル当たり23レイ以下、もしくは32レイ以下の税を自治体に支払う必要がある。
    年2回の均等払い(3月31日まで、9月30日まで)であるが、3月31日までの一括払いした場合、最高で10%の税額割引が可能。
  6. 地方税の特別税
    地方・産業によっては、各種の特別税が課せられる場合がある。
    たとえばブカレスト市は、市内の車両通行規制および環境対策として2020年1月1日より酸素税を導入した。これにより、土日祝日を除き7~22時の時間帯は、欧州の排ガス規制に基づく「ユーロ3」未満の車両については、「大気対策エリア」に指定された市内中心部の通行が禁止された。また、「ユーロ3」の車両については、酸素税チケットの購入により前述エリアの通行が可能となる。なお、2021年以降「ユーロ4」への課税開始、通行禁止エリアの拡大等の拡充措置が予定されている。
    • 地方自治体は、新関税制度で定められている地方税率(建物税、土地税、自動車税、広告税等)を引き上げることができるが、引き上げ最高限度は50%。
    • 2016年1月1日から、宿泊者にかかるホテル税が廃止された。

環境基金への支払義務

次の項目に該当する企業は、水・森林省環境基金行政局へ月次(品目によっては四半期または年次)ごとに翌月25日までに、各税額を支払う必要がある。
納税期日を超過した場合、1日当たり0.1%のペナルティーが加算される。

  1. 大気汚染物質(一酸化窒素、硫黄酸化物、水銀、鉛など)を排出している企業:1kgにつき0.02~20レイ
  2. 有害物質輸入・製造企業(医薬品製造用を除く):同物質価格の2%
  3. 鉄・非鉄廃棄物の販売企業:収益の3%
  4. 木工・木工製品を取り扱う企業:売上高の2%
  5. 鉱油輸入企業・製造企業:1キロ当たり0.3レイ(支払義務は1回のみ)
  6. 容器包装の供給会社:法定回収率を順守できなかった場合、法定回収率と実質回収率の差を支払う。1キロ当たり2レイ。
  7. タイヤ・メーカー:再生目標値を下回る部分について、1キロ当たり2レイ
  8. エコ税:バイオ素材以外の材料を使って買い物袋を製造するメーカーは、1袋につき0.1レイ

電子申告

中・大規模企業には、電子申告が義務付けられた。電子申告は、電子申告用ウェブサイトe-guvernare.ro外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを通して行われる。
そのために電子署名証書を取得する必要がある。

電子署名証書を発行している会社リスト(Ministerul Comunicațiilor și Societății Informaționale外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

電子申告手続き(INSTRUCŢIUNI DE UTILIZARE A SERVICIULUI DE DEPUNERE A DECLARAŢIILOR ON-LINE外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます