外資に関する規制

最終更新日:2026年02月24日

規制業種・禁止業種

ルーマニアには、外国/EU投資家からの投資を受け入れるという強い伝統がある。ただし、(投資家がEU加盟国であるか非EU加盟国であるかに関係なく)投資を実行する前に承認を得る必要がある特定の機密産業がある。機密産業としては、エネルギー、電気通信、金融、セキュリティー、農業などが挙げられる。規制対象となる機密産業の完全なリストについては、以下セクションを参照。

ルーマニアへの外国直接投資(FDI)

ルーマニアへの外国直接投資(FDI)は、[1]緊急政令2022年46号、[2]外国直接投資審査委員会の組織および機能に関する規則(2022年10月28日)、[3]欧州連合への外国直接投資の審査の枠組みを確立する欧州規則(欧州議会・理事会規則2019/452)、[4]法律1996年21号、および[5]緊急政令2022年46号第3条第5項の規定を適用して発行された2025年の指示による。
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適用法では、投資家 (非EUまたはEUの投資家) が以下の投資をする場合、外国直接投資の許可が必要であると規定している。[1]特定の機密性の高い事業分野における200万ユーロ超の投資、または[2]基準額200万ユーロを下回るが国家安全保障や公序良俗に関する懸念を引き起こす投資。2025年の指示によれば、ルーマニア人(自然人または法人)もEU投資家とみなされ、従ってその投資が法的基準を満たしている場合は通知する必要があることが明確にされている。
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FDI審査は、外国直接投資審査委員会(ルーマニア語:Comisia pentru examinarea investiţiilor străine directe、略称CEISD)によって行われ、外国直接投資のスクリーニングにあたっての枠組み(欧州議会・理事会規則2019/452)を国内法に落とし込んだものである。

審査対象となる様々なセクターについては、国防最高評議会決定2012年73号によって定められている。

  1. 市民と地域社会の安全保障
  2. 国境の安全保障
  3. エネルギー安全保障
  4. 輸送の安全保障
  5. 重要資源の供給に関する安全保障
  6. 重要インフラの安全保障
  7. IT・通信システムの安全保障
  8. 金融・税務・銀行・保険活動の安全保障
  9. 武器、軍需品、爆発物、毒性物質の制度・流通の安全保障
  10. 産業の安全保障
  11. 災害からの保護
  12. 農業と環境の保護
  13. 国営企業またはそれらの民営化時の経営の保護

緊急政令2022年46号によって確立された外国直接投資の審査に関する法的枠組みは2023年6月7日の法令2023年164号、2023年12月6日の緊急政令2023年108号、および2024年7月21日の法令2024年231号により改正された。本改正は審査手続きをより厳格化するアプローチを伴うもので、当初の審査の対象であったEU域外の投資家のみならず、ルーマニアを含むEU域内の投資家も審査の対象とした。

EU域内の投資家とは、以下である。

  1. ルーマニアへの投資を行ったことがある、または行う予定のあるEU加盟国の国民である自然人。
  2. ルーマニアに投資を行った、または行う予定の、EU加盟国に登記上の事務所を有する法人。
  3. EU加盟国に登記上の事務所を置き、ルーマニアへの投資を行った、または行う予定の法人で、直接的または間接的に、EU加盟国の国民である自然人、EU加盟国に登録事務所を置く法人、またはEU加盟国の法律に基づいて組織された法人格を持たない別の法人、によって支配されている法人。

なお、現行の審査手続きは、投資家がCEISDに承認を求める申請を(該当する場合には国防最高評議会や他の関係当局の意見書を含めた)すべての必要書類とともに提出する。CEISDは、申請通知が完了したとみなされる日から60日以内に当該投資に関する判断を下す。
CEISDにより投資を承認する判断がなされた場合、当該判断は競争評議会へ転送され、同評議会は受領後30日以内に当該判断に基づく外国直接投資を承認するか否かの決定を下す。最終決定は競争評議会により行われる。
CEISDによる判断が条件付きの承認であった場合か拒否された場合、当該判断を決する政府決定を発行するため、政府に転送される。CEISDが下した判断結果に従う形で政府が最終決定を行う。

許可なくFDIを実施した場合、通知当事者の前会計年度に実現した全世界売上高の最大10%の罰金が科せられる。当局が禁止決定を出した場合、取引は取り消される可能性もある。この制裁は、FDI申請書が提出されたものの承認されなかった場合のみならず、当局の決定が下される前にFDIが実施された場合にも適用される可能性がある。

FDI審査の手数料は1万ユーロで、申請書の提出前月末日のルーマニア国立銀行提供為替レートで計算される。この手数料は、CEISDが各投資のFDI審査条件を満たしていないと判断した場合に返金される。

2025年の指示を通じて、当局は、実施手段に基づいて投資の価値を決定する際に、いくつかの重要なガイドラインを示している。

  1. 株式取引
    投資家が提供した株式および/または資本の対価。
  2. 株式資本の増資または譲渡を伴わない株式資本へのその他の形態の拠出
    拠出総額(株式の額面金額と、該当する場合は株式資本プレミアムの両方を含む)。ただし、会社の支配権または経営権を変更することなく、既存株主または新規株主が行う株式資本の拠出またはその他の形態の株式資本への拠出は、外国直接投資またはEU投資には該当しない。
  3. 代金の支払いを伴わないその他の場合
    当該事業のために買収者が独自に作成した評価に基づいて算出された、取得した株式/資産の市場価値。この場合、買収者による評価は、各価値の算定方法の入手可能性に応じて、市場価値、会計上の価値、または税務上の価値に基づいて算出される。または、投資価値を決定するために評価報告書が使用される場合もある。
  4. 融資または資金調達の供与

    投資家に提供される、または投資家もしくは事業の当事者である投資家が提供する、関連する利息を含む融資または類似の資金調達契約の総額。ただし、これは、認可金融機関(銀行、非金融機関など)がルーマニアにおける通常の融資業務の遂行過程において供与する融資/資金調達には適用されず、当該融資/資金調達に基づき、当該金融機関は借入先に対する管理権または支配権を取得しない。

    また、投資が複数管轄区域にまたがる取引の一部であり、ルーマニアにおける企業/資産に割り当てられた価格が個別に設定されていない場合、ルーマニアに登録/所在する企業/資産に関して当事者が独自に提供した評価額が考慮されることが明確化された。評価額が存在しない場合には、投資の価値は複数管轄区域にまたがる取引の合計価値とみなされる。さらに、複数の段階にわたる投資の場合、投資価値は各段階に関連する価値を合計して算出される。

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主な規制業種の担当省庁

詳細問い合わせ先

外国直接投資審査委員会(The Commission for the Examination of Foreign Direct Investments / Comisia pentru examinarea investiţiilor străine directe、略称CEISD):競争評議会(The Competition Council外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます / Consiliul Concurenţei外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)の傘下組織として外国直接投資を審査
所在地:Piaţa Presei Libere, nr. 1, corpD1, Sector 1, 013701, Bucureşti, Oficiul Poştal 18, Ghişeul. 3
問い合わせ:Contact外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
Tel:+40-21-405-44-20
E-mail:office@consiliulconcurentei.ro

出資比率

外資についての制限はない。ただし、いくつかのケースでは満たさなければならない特定の条件(金融機関については株式会社とすることが求められる、株式会社は少なくとも2つの株主が要求される、等)がある。

外国企業の土地所有の可否

在EU/EEA企業による不動産取引は、原則として自由であるが、売買契約書について公証人の公証が必要となる。

ルーマニア人、EU市民およびEU企業(EUもしくは欧州経済領域(EEA)の国籍保有者)である自然人および法人(株主の国籍に関わらず)は、ルーマニア人と同じ条件で自由に土地の購入が可能。外国人(非EU/EEA市民)の場合、ルーマニアおよび当該国が締結した国際条約の互恵待遇協定に基づいてのみ、個人・法人に限らず土地を購入することができる(法令2005年312号)。
ただし、使用権は国籍や居住地にかかわらず、取得することができる。

また2014年4月11日から、EU加盟国国籍保有者とEU域外の国籍保有者(個人・法人)についても、互恵待遇協定に基づく国際協定で認められる条件に従い、農地を購入できることになった(法令2014年17号)。農地の売却は優先買取権の対象となるが、優先権の所有者が45営業日以内に権利を行使しない場合は、前述の条件の下でその土地を売却することができる。ルーマニアの特定地域の農地(ルーマニア語でextravilan)の売却については追加の条件と規定が適用される(法令2014年17号を法令2020年175号、2022年104号および2024年116号により修正)。これらの新規定により、以下などが定められた。

  1. 優先買取権を持たない個人や法人に対する新たな制限
  2. 取得日から8年以内に売却した場合(不動産取引税に加え)80%相当の税金(公証人役場が作成した専門家による指標値、または公証人役場が実施した市場調査による最低価格に基づき算出された対象農地の売却日の算定価格と、購入日の価格のプラスの差額に対して課される)を、取引無効化の制裁の下で、売主が払うこと
  3. 通知の義務付けなど手続き上の変更

いずれのケースも、売買契約は公証人事務所(Notaryと呼ばれる)で、ルーマニア法務省認定通訳の立会いの下で行われる。
土地・アパートを購入した場合、固定資産税を毎年支払う必要がある。固定資産税の税額は、所在地と広さによって決定される(法令2015年227号)。
なお、不動産の権利は、国家動産登録簿への登録によって取得、修正、または消滅する。

資本金に関する規制

有限会社の最低資本金は200レイ(約45ユーロ)とされていたが撤廃されたため、特に規制はない。一方、株式会社の最低資本金は9万レイ(約2万ユーロ)。
さらに、有限会社の株式資本に関する規則の改正を提案する法案が提出されている。

現在、有限会社の株式資本に関する規則の改正を提案する法案(ルーマニア上院法案 L213/2025)が提出されている。
当該改正がいつ発効するかは明らかではないが、当該法案は、会社の純売上高に基づいて、以下のとおり最低株式資本を導入することを意図している。[1]純売上高が40万レイ(約8万ユーロ)以下の場合、最低株式資本は500レイ(約100ユーロ)。[2]純売上高が40万レイ(約8万ユーロ)を超える場合、最低株式資本は5,000レイ(約1,000ユーロ)。

Portal LegislativLEGE 239 15/12/2025外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

その他規制

特になし。