外資に関する奨励

最終更新日:2026年02月24日

奨励業種

ルーマニアは、2つの主要な資金源を通じて、地域開発を積極的に推進し、低炭素経済への移行を加速させている。政府は国家予算から、製造業とリサイクルへの大規模投資を支援し、国の貿易収支の改善と産業成長の促進を目指している。同時に、EUの近代化基金を通じて、ゼロエミッション車への資金提供、エネルギー効率の低い機器の交換、高度な充電インフラと再生可能エネルギーインフラの開発など、運輸部門の脱炭素化を目指す複数の重点プログラムが実施されている。これらの措置は、企業にとって持続可能な技術への投資機会となり、ルーマニアの長期的な競争力向上に貢献すると考えられる。

各種優遇措置

外資のみを対象とした優遇措置はない。最恵国待遇の原則に従い、投資家は、あらゆる分野への投資の自由、投資方法と投資形態の自由、国営化や収用に対する保証、配当および外国為替通貨清算による金額を海外へ移転する権利(ルーマニアで適用される税金等の支払いを条件として)が保証される。また投資家は、国際仲裁(投資紛争解決国際センター(ICSID)、国際連合国際商取引委員会(UNICTRAL))もしくは国内裁判所のいずれかを選択する権利が保証される(直接投資に関する政府緊急政令1997年92号)。さらに、いかなる投資家も、優遇措置利用時の平等な扱い(優遇措置付与方法と申請基準を差別しないことを意味する)、透明性、効率性と資金調達源に関する機密性と適合基準が保証される(投資誘致に関する政府緊急政令2008年85号)。

以下の優遇措置は、ルーマニア国内に法人登記する全企業が対象となり、そこには外資も含まれる。

主な税制優遇措置

  1. 海外子会社のための配当金や利益などの海外送金は、金額に制限を設けない(ルーマニア中央銀行規制2005年4号)。
  2. 機械・機器、コンピュータなどの加速減価償却(税法2015年227号)。
  3. 欠損金
    2024年または2024年開始の修正課税年度から発生する欠損金は、その後5年間連続して得られた課税所得の70%の割合で回収(相殺)される。2023年12月31日現在、2024年より前の年度に発生した欠損金で、2023年12月31日現在で回収可能なものについては、欠損金計上年度から連続する7年間における残りの回収可能期間において、課税所得の70%を限度として回収(相殺)される(条例2023年155号第2章(15))。
  4. 利益を生産設備・機器などへ再投資(購入も含む)する際、当該利益(再投資利益)を課税対象外とする(税法2015年227号)。
  5. 研究開発費の50%を税控除対象とする。また研究開発部門の設備および装置などは加速償却の対象とする(税法2015年227号)。
  6. 研究開発のみを行う企業は、国家補助制度の遵守を条件として最初の10年間、法人税を免除する。さらに、研究開発やイノベーション活動によって個人が得た給与収入は、一定の条件が満たされれば個人所得税が免除される(税法2015年227号)。
  7. 法定準備金
    法定準備金の設定は法人税目的で損金算入されるため、準備金が株主資本の20%に達するまで、「会計上の利益+法人税額」の5%まで、納税者は利益を社内に留保することができる。
  8. スポンサーシップ活動に対する税額控除
    スポンサーシップ法と財政法は、法人税納税者である企業が、特定の分野(文化、教育、人道支援など)で行われる活動について、非営利団体/公的機関/個人にスポンサーシップを提供することを認めており、特定の条件下で減税の恩恵を受けることができる。スポンサーシップ費用は控除対象外だが、税額控除となる場合がある(つまり、スポンサーシップ全額について法人税減額に使用できる可能性がある)。財政法では、法人税の20%と会社の売上高の0.75%という制限(最低)が定められている。資格を得るには、受益者が国家財政庁(NAFA)に登録されている必要がある。企業はフォーム107を使用してスポンサーシップを毎年報告する必要がある。
  9. エンジェル投資家に対する配当所得税の免除
    中小企業(SME)に資本を提供する、または中小企業の株式を取得する投資家(個人)は、政令2015年第120号に基づき、3年間の配当所得税の免除の恩恵を受けることができる。資格を得るには、投資先の中小企業が有限会社(S.R.L.)として登録され、別法人として運営され、破産または倒産していない必要がある。さらに、金融、保険、コンサルティング、資本市場、ギャンブル、不動産などの分野に関与してはならない。
  10. フリートレードゾーン(自由貿易地域)
    フリートレードゾーンで活動を行う企業には、以下の税制上の優遇措置が適用される。[1]付加価値税(VAT)の免除は、フリートレードゾーンに置かれる非共同体商品の供給、およびフリートレードゾーンで行われるそれぞれの商品の供給に適用される。[2]保管目的でフリートレードゾーンに持ち込まれる非共同体商品には関税がかからない。[3]フリートレードゾーンで行われる投資には国家援助が受けられる。
  11. 資本企業に対する減税
    2021年から2025年の期間に自己資本増加のために法人税、零細企業税、特定税を支払う納税者には、一定の条件の下で最大15%の減税が与えられる。減額のパーセンテージは次のとおり。税金が支払われる年の会計資本の価値がプラスで、引き受けた株式資本の価値の少なくとも半分の場合は2%。調整後資本の年間増加額は増加率に応じて5%から10%の間で、納税者が2020年と比較して一定の目標割合で調整後資本の増加を登録した場合、2022年からは3%となる(法律2020年153号)。
  12. 工業団地
    工業団地内にある建物と土地を所有する企業は、建物税と土地税が免除される。
  13. 税務コンプライアンスを遵守する納税者に対する減税
    税務上のコンプライアンス基準を満たす納税者には、2024年度の法人税(CIT)または小規模企業所得税(MET)が3%減額される。対象となる法人は、必要なすべての納税申告書を提出し、期限内に全額を納付し、未払いの債務がないことが条件となる。税務当局はこれらの条件を自動的に確認し、減額の決定を下す。つまり、納税者による申請は不要である(政府緊急指令条例2025年/第540号)。

国家予算からの補助金制度

ルーマニアの貿易収支改善を目的とした地域開発の促進に向けた国家援助(政令2024年300号)

既存企業や新規創業企業が行う有形・無形資産への初期投資をサポートする。農業、鉄鋼、造船、運輸、エネルギーなど一部の業種を除き、ほぼ全業種が対象となる。
総予算は4億5,000万ユーロ。財務省を通じて割り当てられた。

  1. 受益者の条件
    1. 最低初期投資は1,000万ユーロ(付加価値税を除く)
    2. 助成期間は2024~2026年。財務省と受領企業との間の融資契約に基づき、資金提供は2026年12月31日までに承認され、支払いは2032年までに行われる予定(補助金に割り当てられた予算の範囲内で)
    3. 財政的支援は、最大5,775万ユーロの返還不要な地域国家補助金で構成されている(地域により異なる)。大企業の場合は対象となる費用の最大70%
    4. 対象業種:製造業およびリサイクル業(廃棄物の収集、処理、処分、リサイクル可能な材料の回収活動)
  2. 資金提供による設備投資
    1. 建設、技術設備、機械および装置に代表される有形資産
    2. 特許、ライセンス、ノウハウ、その他の知的財産権などの無形資産

ゼロエミッションモビリティーへの補助金(EU近代化基金)

道路貨物輸送用大型車両および鉄道・海上・内陸水路による旅客・貨物輸送のゼロエミッション車両取得に対する国家優遇措置(指令2025年756号)

道路、鉄道、海上・内陸水路輸送用のゼロエミッション大型貨物車の取得に対する財政支援。

  1. 概略
    1. 運輸・インフラ省(MTI)が管理するプログラム
    2. 助成金の配分期間は2025~2028年
    3. 助成金の支払期限:2030年12月31日
    4. 初回公募は2026年第1四半期を予定。
    5. 総予算:2025年から2028年にかけて約2億9,900万ユーロが配分され、年間予算は約1億4,950万ユーロと見込まれている。
  2. 受益者の資格条件
    1. 対象となる申請者は、有効な国家免許/証明書を有する認可輸送事業者であり、これには道路貨物事業者(N2≥3.5トンおよびN3カテゴリー)、鉄道貨物事業者、海上および内陸水路輸送事業者(旅客および貨物)が含まれる。
    2. この財政支援は、従来型車両と比較したゼロエミッション車両の購入差額をカバーし、償還不要。
    3. 融資対象となる設備投資:道路、海上、鉄道輸送用のゼロエミッション大型車両
    4. 受益者1人当たりの融資対象車両の最大台数:10台
    5. 受益者1人当たりの現金助成金の最大額:1,800万ユーロ

運輸部門におけるエネルギー効率の低い機械設備の交換に対する補助金(指令2025年755号)

運輸部門における老朽化したエネルギー効率の悪い機械設備を、新たなゼロエミッション代替品に交換するための支援。

  1. 概略
    1. 申請資格を有するのは、有効な国家免許/証明書を有する認可輸送事業のあらゆる規模の企業(中小零細企業、大企業)。国有企業、航空輸送地上サービス、港湾運営会社およびターミナル運営会社、鉄道・海上関連サービスが含まれる。
    2. 助成金の配分期間は2025~2028年
    3. 初回公募は2026年第1四半期を予定。
    4. 財政支援は、対象費用の100%を上限とする、返還不要の現金助成金で構成され、受給者1人当たりの上限額は3,000万ユーロである。
    5. 本プログラムは運輸・インフラ省(MTI)が管理し、総予算は約2億9,900万ユーロで、以下の事業に充当される。
      1. サブ施策1(エネルギー効率):海事・航空:2億ユーロ
      2. サブ施策2(エネルギー効率と新技術によるCO2排出量の削減):鉄道・水上関連サービス:9,900万ユーロ
    6. 年間予算は約1億4,950万ユーロ
  2. 受益者の適格条件
    1. 航空輸送:地上支援設備(GSE)のゼロエミッション設備への更新。
    2. 港湾部門:クレーン、フォークリフト、ターミナルトラクター、その他の港湾荷役設備の更新。
    3. 鉄道・水上輸送補助サービス:補助設備(例:入換機関車)の更新。

企業と地域社会を支援するゼロエミッション充電インフラを促進するためのE-Move RO助成金(指令2025年1318号)

ルーマニアにおける電気自動車充電のための近代的かつ効率的なインフラ整備を支援する投資プロジェクトの実施であり、企業専用および一般利用の両方を目的とした充電ステーションへの投資を促進する。

  1. 概略
    1. 対象となる受益者は、ルーマニアに設立された中小・小規模企業および大企業(公的自治体を含む)である。
    2. 助成期間は2025~2028年で、最初の公募は2026年第1四半期を予定。
    3. 財政支援は、対象費用の100%を上限とする、返還不要の現金助成金で構成され、受益者1人当たりの上限額は2,500万ユーロである。
    4. 本プログラムは、運輸・インフラ省(MTI)が管理する。
    5. 総予算:約2億5,000万ユーロが、以下の項目に配分される。
      1. サブ施策1(充電インフラのみ):1億100万ユーロ
      2. サブ施策2(充電インフラ+再生可能エネルギー):1億4,900万ユーロ
    6. 推定年間予算は約1億2,500万ユーロ
    7. 充電インフラは、誰でもアクセス可能(24時間365日)でなければならない。
  2. 受益者の資格条件
    1. ゼロエミッション車用充電インフラの建設、設置、近代化、または拡張。
    2. インフラに接続された敷地内の再生可能エネルギー発電および貯蔵ユニット。

電気自動車充電インフラ整備のためのE-Move RO補助金(指令2025年1319号)

ルーマニアの高速道路、幹線道路、および国道に戦略的に配置された、効率的かつ信頼性の高い電気自動車用ゼロエミッション充電ステーションの整備。

  1. 概略
    1. 受益者は、ルーマニア法に基づき合法的に設立された小規模企業、中小企業、および大企業。
    2. 財政支援は、対象費用の100%を上限とする、返還不要の現金給付で構成され、受給者1人当たりの上限額は3,000万ユーロである。
    3. このプログラムは、運輸・インフラ省(MTI)が管理する。
    4. 総予算は約2億9,900万ユーロ、年間予算は約1億4,950万ユーロと見込まれている。
    5. 最初の公募は2026年第1四半期を予定。
    6. 助成期間は2025~2028年で、最初の公募は2026年第1四半期を予定。
  2. 助成対象プロジェクト
    1. 高速道路、幹線道路、国道沿いの公共充電ステーションの設置、建設、近代化、拡張
    2. 接続設備の建設工事および修正・補完

スマート成長、デジタル化、金融プログラム(PoCIDIF)

Ministerul Investițiilor și Proiectelor Europene:Programul Creștere Inteligentă, Digitalizare și Instrumente Financiare 2021-2027 / The Smart Growth, Digitalization and Financial Instruments Program 2021-2027外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

デジタル変革の加速と経済競争力の強化を目的とした、中小企業および公共機関の研究、開発、イノベーション、デジタル化に関する国家レベルの対策。

  1. 概略
    1. 投資・欧州プロジェクト省(MIPE)が管理するプログラム。
    2. 予算規模:総額21億ユーロ(欧州地域開発基金(ERDF)と国家予算・地方予算の補完)
    3. 投資分野:スマートスペシャライゼーション、中央行政のデジタル化、教育・文化分野のデジタルサービス改善、中小企業(IMM)向け金融商品、欧州向け戦略的技術(STEP)の開発など、国家・地域レベルの発展を支える重点分野に投資する。
    4. 対象根拠
      プログラムの重点分野は、ルーマニアの開発ニーズ分析、パートナーシップ協定(PA)における資金提供の優先順位、およびEU・国家レベルの関連戦略文書に基づき設定されている。
    5. 対象領域
      研究、開発、イノベーション、欧州向け戦略的技術(STEP)、文化分野を含むデジタル化など、デジタル変革と公共サービスの質向上を支援する国家施策を対象としている。

その他

特になし。