日本からの輸出に関する制度

水産物

EUの輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2018年10月

東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により、福島、岩手、宮城、茨城、栃木、群馬、千葉県産の水産物のうち、HSコード0302、0303、0304、0305、0308、1504.10、1504.20および1604に該当するもの(ただし、甲殻類、軟体動物、ブリ・ヒラマサ、カンパチ、マダイ、シマアジ、クロマグロ、マサバ、海藻および活魚を除く)またはこれらを50%以上含む食品をEU域内に輸入する際は、政府作成の放射性物質検査証明書が必要です。その他の都道府県産の水産物の場合は産地証明書が必要です。いずれの場合も、輸入国においてサンプリング検査が行われる場合があります。

欧州議会・理事会規則規則(EC)853/2004 ANNEX III、SECTION VIIIのCHAPTER Vに基づき、

  • フグ科
  • マンボウ科
  • ハリセンボン科
  • キタマクラ科

については、有毒な魚類として上市(市場での販売)が禁止されています。

なお、本項目に関して、主要加盟国(英国、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ)において、EU規制に上乗せで課される独自規制は確認されていませんが、加盟国によってEU規制の運用が異なる場合があることに留意が必要です。

また、日本からの輸入が禁止されている魚種として、次が指定されています(厚生労働省「対EU輸出水産食品の取扱要領」別添12)。

  1. ふぐ毒を含有するおそれのある魚種
    • フグ科 Famille CANTHIGASTERIDAE
    • ハリセンボン科 Famille DIODONTIDAE
    • マンボウ科 Famille MOLIDAE
    • マフグ科 Famille TETRAODONTIDAE
  2. シガテラ魚による健康被害を起こすおそれのある魚種
    • アカマダラハタ Epinephelus fuscoguttatus(Forsskal)
    • アマダレドクハタ Plectropomus oligacanthus(Bleeker)
    • バラハタ Variola louti(Forsskal)
    • バラフエダイ Lutjanus bohar
    • フエドクタルミ Lutjanus gibbus(Forsskal)
    • オニカマス Spyraena barracuda(Walbaum)(Picuda)
  3. ワックスによる健康被害を起こすおそれのある魚種
    • アブラソコムツ Lepidocybium flavobrunneum
    • バラムツ Puvettus
  4. ビタミンAによる健康被害を起こすおそれのある魚種
    • イシナギ Stereolepis ischinagi

※本項以降では、EU規制に加え、主要EU加盟国がEU規制に上乗せで定めている独自規制についても言及していますが、これは、ジェトロで把握できた範囲において言及しているものであり、各加盟国の独自規制を網羅しているものではありません。また、各項目で明示的な言及がない加盟国については、記載できる情報がないということであり、独自規制が存在しないということではありません。

関連リンク

2. 施設登録、商品登録、輸入許可等(登録に必要な書類)

調査時点:2018年10月

欧州委員会規則(EC)1005/2008に基づき、日本船籍の漁船により漁獲された水産物をEU域内に輸出する際は、当該水産物が違法・無報告・無規制(IUU:Illegal, Unreported and Unregulated)漁業で漁獲されたものではない旨を証明するため漁獲証明書の提出が必要です。
また、日本船籍以外の漁船で漁獲された水産物を日本で加工した上でEU域内に輸出する場合には、当該船籍国の漁獲証明書に加えて加工証明書が必要です。

ただし、前述の漁獲証明書・加工証明書の提出を求められるのは、次のHSコードに該当する水産物をEU域内に輸出する場合に限られます。

  • 03類(HSコードの先頭が03の魚ならびに甲殻類、軟体動物およびその他の水棲無脊椎動物)
  • 1604(調製または保存処理済みの魚)
  • 1605(調製または保存処理済みの甲殻類、軟体動物およびその他の水棲無脊椎動物)

漁獲証明書、加工証明書については水産庁で発行していますが、加工証明書の発行には漁獲船の船籍国が発行した漁獲証明書が必要です。発行に係る詳細については、水産庁ウェブサイトで確認が可能です。
また、規則(EC)No 1005/2008のANNEX Iに列記された品目(養殖魚、淡水魚など)はIUU漁業規則の対象外とされており、日本産ホタテ・ハマチ・ブリ・太平洋サケは養殖・人口ふ化放流が行われているため、漁獲証明書の提出義務の対象外です。

なお、本項目に関して、主要加盟国(英国、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ)において、EU規制に上乗せで課される独自規制は確認されていませんが、加盟国によってEU規制の運用が異なる場合があることに留意が必要です。

関連リンク

根拠法等
規則(EC)No 1005/2008(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
その他参考情報
水産庁「EUのIUU漁業規則について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ「IUU漁業規則と水産食品の対EU輸出(2014年3月)」
ジェトロ「EU食品輸出ガイドブック(2018年2月)」

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2018年10月

EU域内にブリを含む水産物(海藻類を除く)を輸出するためには、国レベルでは、次の(1)(2)の要件を満たす必要があります。

  1. 欧州理事会指令96/23/ECに基づき、『残留物質モニタリング計画』の承認を受ける
  2. 欧州委員会決定2006/766/ECの『第三国リスト』に掲載されている
    また、事業者レベルでは、次の(3)(4)が必要となります。
  3. 輸出元国などにおいて登録(必要に応じて欧州委員会に通報)された漁船・市場などを経由する
  4. 輸出元国の所轄当局にEU規則に基づく衛生およびHACCP管理基準を満たしている旨の認定を受けた加工施設などで加工する

これらの要件を満たした上で、EU域内への水産物輸出に際しては、輸出元国の所轄当局が発行する衛生証明書を提出の上、動物検疫を受ける必要があります。動物検疫の対象となる食品のリストは、欧州委員会決定2007/275/ECのANNEX Iに示されています。衛生証明書の雛形については、欧州委員会規則(EC)2074/2005のANNEX VIにおいて確認することができます。日本から輸出する場合の衛生証明書の発行は、厚生労働省で施設認定を受けた場合は都道府県などの衛生部局、水産庁で施設認定を受けた場合は水産庁となります。

また、EU域内に輸出される水産物には、当該水産物の加工などを行った認定施設の施設番号と、当該施設の所在国名(「JP」などISO基準の2文字略号も可能)を記した「識別マーク」(identification mark)が必要です(規則(EC)No 853/2004 Article 5およびANNEX II Section I)。識別マークは、原則、個々の商品パッケージに貼付または印字する必要があります。ただし、輸送用の容器に入れられており、さらなる小分け、加工などがされるものについては、当該輸送用容器の外面に識別マークを貼付することも認められます。

日本は、水産物に関して、残留物質モニタリング計画の承認を受け、第三国リストに掲載されているため、認定施設で生産・加工された水産物は、衛生証明書を添付してEU域内に輸出することが可能です〔ただし、二枚貝、棘皮動物(ヒトデ、ウニ、ナマコなど)、ホヤ、腹足類(巻貝など)については、冷凍または加工処理を施したものに限りEU域内への輸出が認められています〕。

加工施設などの認定を受けるための手続きは、厚生労働省管轄下の都道府県あるいは水産庁が実施しており、認定取得後も定期的な監視・検査が行われます。

認定を受けた加工施設などのリストは、厚生労働省および水産庁のウェブサイトにおいて確認することができます。

なお、本項目に関して、主要加盟国(英国、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ)において、EU規制に上乗せで課される独自規制は確認されていませんが、加盟国によってEU規制の運用が異なる場合があることに留意が必要です。

関連リンク

関係省庁
水産庁外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
厚生労働省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
決定2006/766/EC(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
指令96/23/EC(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
決定2007/275/EC(英語) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EC)No 2074/2005(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EC) No 853/2004外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
その他参考情報
厚生労働省「対EU輸出水産食品の取扱要領」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
水産庁「水産物のHACCP関連情報への入口」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
水産庁「その他の対EUHACCP関連情報」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ「EU食品輸出ガイドブック(2018年2月)」

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