日本からの輸出に関する制度

水産物

品目の定義

本ページで定義する水産物のHSコード

(いずれにも「ブリ(セリオーラ属のもの)」が含まれる。)
0304.49 :『その他の魚のフィレ(生鮮のものおよび冷蔵したものに限る)』のうち『その他のもの』(※2)
0304.59 :『その他のもの(生鮮のものおよび冷蔵したものに限る。)』(※1)のうち『その他のもの』(※2)
0304.89 :『その他の魚のフィレ(冷凍したものに限る)』のうち『その他のもの』(※2)
0304.99 :『その他のもの(冷凍したものに限る)』(※1)のうち『その他のもの』(※2)

※1 この『その他のもの』とは、『HSコード0304 魚のフィレその他の魚肉(生鮮のものおよび冷蔵しまたは冷凍したものに限るものとし、細かく切り刻んであるかないかを問わない)」のうち「フィレ」以外のものが該当する。
※2 この『その他のもの』には、「まぐろ」「ブリ(セリオーラ属のもの)」のほか、ほかのいずれの関税分類にも属さない魚種が含まれる。

調査時点での最新情報を記載していますが、2019年12月14日から2021年4月にかけて混合食品含め、植物衛生、動物衛生、公的管理の規則が新制度に移行中のため、記載事項は常に変更される可能性がある点に留意してください。
また、新制度については、ジェトロ「EUにおける新しい公的管理・植物衛生・動物衛生制度に関する調査(2020年3月)」も参照してください。

関連リンク

根拠法等
規則(EEC)No 2658/87(英語) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
その他参考情報
財務省貿易統計外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロレポート「EUにおける新しい公的管理・植物衛生・動物衛生制度に関する調査(2020年3月)」

EUの輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2020年10月

東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により、福島県産の水産物のうち、HSコード0302、0303、0304、0305、0308、1504.10、1504.20および1604に該当するもの(ただし、甲殻類、軟体動物、ブリ・ヒラマサ、カンパチ、マダイ、シマアジ、クロマグロ、マサバ、海藻および活魚を除く)またはこれらを50%以上含む食品をEU域内に輸入する際は、政府作成の放射性物質検査証明書が必要です。その他の都道府県産の水産物の場合は産地証明書が必要です。また、2019年11月14日以降、証明書の様式が変更となっています。いずれの場合も、輸入国においてサンプリング検査が行われる場合があります。

欧州議会・理事会規則規則(EC)853/2004 ANNEX III、SECTION VIIIのCHAPTER Vに基づき、次の魚類については、有毒な魚類として上市(市場での販売)が禁止されています。

  • フグ科(Tetraodontidae
  • マンボウ科(Molidae
  • ハリセンボン科(Diodontidae
  • キタマクラ科(Canthigasteridae

さらに、クロタチカマス科(Gempylidae)、バラムツ(Ruvettus pretiosus)およびアブラソコムツ(Lepidocybium flavobrunneum)に属する生鮮、調製済み、冷凍および加工済みの水産物は、ラッピングまたはパッケージングされた形態でのみ上市することが認められています。

また、ふぐ毒のほか、シガテラ毒など生物毒素を含む水産物の上市は禁止されており、日本からの輸出が禁止されている魚種として、厚生労働省により指定されています(農林水産省「英国、欧州連合、スイスおよびノルウェー向け輸出水産食品の取扱要綱」別添5)。

  1. ふぐ毒を含有するおそれのある魚種
    • フグ科 Famille CANTHIGASTERIDAE
    • ハリセンボン科 Famille DIODONTIDAE
    • マンボウ科 Famille MOLIDAE
    • マフグ科 Famille TETRAODONTIDAE
  2. シガテラ魚による健康被害を起こすおそれのある魚種
    • アカマダラハタ Epinephelus fuscoguttatus(Forsskal)
    • アマダレドクハタ Plectropomus oligacanthus(Bleeker)
    • バラハタ Variola louti(Forsskal)
    • バラフエダイ Lutjanus bohar
    • フエドクタルミ Lutjanus gibbus(Forsskal)
    • オニカマス Spyraena barracuda(Walbaum)(Picuda)
  3. ワックスによる健康被害を起こすおそれのある魚種
    • アブラソコムツ Lepidocybium flavobrunneum
    • バラムツ Puvettus
  4. ビタミンAによる健康被害を起こすおそれのある魚種
    • イシナギ Stereolepis ischinagi

※本項以降では、EU規制に加え、主要EU加盟国がEU規制に上乗せで定めている独自規制についても言及していますが、これは、ジェトロで把握できた範囲において言及しているものであり、各国の独自規制を網羅しているものではありません。また、各項目で明示的な言及がない国については、記載できる情報がないということであり、独自規制が存在しないということではありません。

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2021年10月

【認定施設について】

EU域内にブリを含む水産物(海藻類を除く)を輸出するためには、生産(養殖場、漁船)から加工・流通に至るまでEUの求める衛生基準を満たすことが求められており、国レベルでは、次の(1)、(2)の要件を満たす必要があります。

  1. 欧州委員会規則 (EU) 2017/625 に基づき、『残留物質モニタリング計画』の承認を受ける
  2. 欧州委員会実施規則(EU) 2019/626 ANNEX IとIIの『第三国リスト』に掲載されている

また、事業者レベルでは、次の(3)、(4)の条件を満たす必要があることから、加工施設のEU・HACCP認定取得だけでなく、加工施設に原料を供給する漁船や養殖場、市場を経由する場合は市場の登録も必要となります。

  1. 輸出元国などにおいて登録(必要に応じて欧州委員会に通報)された漁船・市場などを経由する
  2. 輸出元国の所轄当局にEU規則に基づく衛生およびHACCP管理基準を満たしている旨の認定を受けた加工施設などで加工する

日本は、水産物に関して、残留物質モニタリング計画の承認を受け、第三国リストに掲載されているため、認定施設で生産・加工された水産物は、輸出元国の所轄当局が発行する衛生証明書を添付してEU域内に輸出することが可能です。
ただし、二枚貝、棘皮動物(ヒトデ、ウニ、ナマコなど)、ホヤ、腹足類(巻貝など)については、冷凍または加工処理を施したものに限りEU域内への輸出が認められています。また、EU向け輸出の生産海域として指定され、貝毒などに関する海域のモニタリングを受ける必要があります。現在指定されている生産海域については水産庁のウェブサイトを確認してください。 養殖魚介類を原材料とした製品を製造している施設が認定を取得する場合は、水産庁に相談する必要があります。

認定を受けた加工施設などのリストは、農林水産省のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認することができます。衛生証明書に関しては、「3.動植物検疫の有無」を参照してください。

加工施設などの認定を受けるための手続きは、農林水産省食料産業局、厚生労働省地方厚生局、都道府県、保健所設置市または特別区の衛生部局が実施しており、認定取得後も定期的な監視・検査が行われます。なお、冷凍船を含む漁船や養殖場については都道府県の水産部局が、市場および加工船については農林水産省食料産業局が担当しています。

認定施設の基準の詳細については、「英国、欧州連合、スイスおよびノルウェー向け輸出水産食品の取扱要綱(農林水産省)」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(453KB)を参照してください。

【漁獲証明書について】

これらの認定施設の条件を満たしたのち、欧州委員会規則(EC)1005/2008に基づき、日本船籍の漁船により漁獲された、稚魚(養殖魚)、淡水魚を除く水産物をEU域内に輸出する際は、当該水産物が違法・無報告・無規制(IUU:Illegal, Unreported and Unregulated)漁業で漁獲されたものではない旨を証明するため漁獲証明書の提出が必要です。
また、日本船籍以外の漁船で漁獲された水産物を日本で加工したうえでEU域内に輸出する場合には、当該船籍国がEUから旗国通知を受けている必要があり、かつ当該国の漁獲証明書に加えて加工証明書が必要です。

ただし、漁獲証明書・加工証明書の提出を求められるのは、規則(EC)No 1005/2008のANNEX Iに列記された品目を除く、次のHSコードに該当する水産物をEU域内に輸出する場合に限られます。

  • 03類(HSコードの先頭が03の魚ならびに甲殻類、軟体動物およびその他の水棲無脊椎動物)
  • 1604(調製または保存処理済みの魚)
  • 1605(調製または保存処理済みの甲殻類、軟体動物およびその他の水棲無脊椎動物)


日本産ホタテ・ブリ(ハマチ)・太平洋サケ(シロザケおよびカラフトマス)は、稚魚および幼生を用いて生産された養殖水産製品であることを日本政府からEU担当局に説明しているため、漁獲証明書の提出義務の対象外です。万が一、ほかの加工貿易国を経由した場合などに、漁獲証明書の提出をEU加盟国から求められた場合は、水産庁の発行するレターを提示することで、「稚魚および幼生を用いて生産された養殖水産製品」であることを証明できます。

漁獲証明書、加工証明書については水産庁で発行しています。発行に係る詳細については、水産庁のウェブサイト「EUのIUU漁業規則について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認することが可能です。

なお、本項目に関して、主要加盟国(ドイツ、フランス、イタリア、オランダ)において、EU規制に上乗せで課される独自規制は確認されていませんが、加盟国によってEU規制の運用が異なる場合があるため留意が必要です。

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2021年1月

動物検疫の対象となる食品のリストは、欧州委員会規則 (EU) 2017/625および実施規則(EU) No 2019/2007のANNEX Iに示されています。衛生証明書の雛形については、欧州委員会実施規則(EU) 2019/628のANNEX IIIにおいて確認することができます。日本から輸出する場合の衛生証明書の発行は、厚生労働省または都道府県などで施設認定を受けた場合は都道府県などの衛生部局、農林水産省で施設認定を受けた場合は農林水産省食料産業局となります。

なお、EUにおいて、動物由来加工製品(動物性原材料)と植物性原材料の両方を含む食品(魚粉末やカツオエキスなど)を「混合食品」として、独自の規制を設けています。混合食品に関する詳細は、本ポータルサイト(EU)の「菓子」「調味料」「乳製品」および関連リンクにある農林水産省およびジェトロのウェブサイトを確認してください。

(注)『加工』とは加熱、くん製、保蔵、熟成、乾燥、マリネ、抽出、押出成型、またはそれらの組み合わせのことで、粉末化、製粉、スライス、急速冷凍のみは未加工品となる。

関連リンク

関係省庁
水産庁外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
厚生労働省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
規則(EU)2017/625(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
実施規則(EU) No 2019/2007(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
実施規則(EU) 2019/628 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EU)28/2012(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
決定 (EC)2007/275(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EU) 2019/759 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
その他参考情報
農林水産省「証明書や施設認定の申請」(欧州連合等)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農林水産省「英国、欧州連合、スイス及びノルウェー向け輸出水産食品の取扱要綱」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

EUでの輸入手続き

1. 施設登録、商品登録、輸入ライセンス等(登録に必要な書類)

調査時点:2020年10月

必要な輸入ライセンスはありません。

欧州委員会規則(EC)1005/2008に基づき、日本船籍の漁船により漁獲された水産物をEU域内に輸出する際は、当該水産物が違法・無報告・無規制(IUU:Illegal, Unreported and Unregulated)漁業で漁獲されたものではない旨を証明するため漁獲証明書の提出が必要です。
また、日本船籍以外の漁船で漁獲された水産物を日本で加工したうえでEU域内に輸出する場合には、当該船籍国の漁獲証明書に加えて加工証明書が必要です。

ただし、上記漁獲証明書・加工証明書の提出を求められるのは、次のHSコードに該当する水産物をEU域内に輸出する場合に限られます。

  • 03類(HSコードの先頭が03の魚ならびに甲殻類、軟体動物およびその他の水棲無脊椎動物)
  • 1604(調製または保存処理済みの魚)
  • 1605(調製または保存処理済みの甲殻類、軟体動物およびその他の水棲無脊椎動物)

漁獲証明書、加工証明書については水産庁で発行していますが、加工証明書の発行には漁獲船の船籍国が発行した漁獲証明書が必要です。発行に係る詳細については、水産庁ウェブサイト「EUのIUU漁業規則について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認することが可能です。
また、規則(EC)No 1005/2008のANNEX Iに列記された品目(養殖魚、淡水魚など)はIUU漁業規則の対象外とされており、日本産ホタテ・ブリ (ハマチ)・太平洋サケ(シロザケおよびカラフトマス)は稚魚および幼生を用いて生産された養殖水産製品であることを日本政府からEU担当局に説明しているため、漁獲証明書の提出義務の対象外です。万が一、ほかの加工貿易国を経由した場合などに、漁獲証明をEU加盟国から提出を求められた場合は、水産庁の発行するレターを提示することで、「稚魚および幼生を用いて生産された養殖水産製品」であることを証明できます。

なお、本項目に関して、主要加盟国(ドイツ、フランス、イタリア、オランダ)において、EU規制に上乗せで課される独自規制は確認されていませんが、国によってEU規制の運用が異なる場合があることに留意が必要です。

関連リンク

根拠法等
規則(EC)No 1005/2008(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2019年12月

日本からEU域内に水産物を輸入する際には、次の書類が必要になります。

  1. 通関申告書(単一管理文書 (SAD : Single Administrative Document)) EU域外の第三国とのすべての輸出入手続きに必要な共通申請書。様式は委員会実施規則(EU) 2016/341 Appendix B1に記載されています。
  2. インボイス(商業送り状)
  3. パッキングリスト(包装明細書: P/L)
  4. 価格申告書(Customs Value Declaration)
    CIF価格が2万ユーロを超える場合、SADとあわせて価格申告書の提出を求められます。様式は規則 (EU) 2016/341 ANNEX 8に記載されています。
  5. 船荷証券(Bill of Lading: B/L)/航空運送状(Air Waybill: AWB)
  6. 共通衛生入域文書(Common Health Entry Documents: CHED-P) /衛生証明書および識別マーク
  7. 放射性物質検査証明書または産地証明書(該当する場合)
  8. EUのIUU漁業規制に基づく漁獲証明書
  9. 加工証明書(該当する場合)

2019年12月14日から、公的管理の新規則 (EC)2017/625 が適用開始となり、貨物の到着1日前までに共通衛生入域文書(CHED : Common Healthy Entry Document)をTRACES などの電子システム経由で国境管理所(BCP:Border Control Post)に通知する必要があります。

通常の通関書類(インボイスおよびパッキングリスト)に加えて、放射性物質検査証明書または産地証明書(該当する場合)(「輸入規制」の「1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)」参照)、衛生証明書および識別マーク(「3. 動植物検疫の有無」参照)、EUのIUU漁業規制に基づく漁獲証明書(「2. 施設登録、商品登録、輸入許可等(登録に必要な書類)」参照)、加工証明書(該当する場合)(「2. 施設登録、商品登録、輸入許可等(登録に必要な書類)」参照)の提出が必要となります。

3. 輸入時の検査

調査時点:2020年10月

水産物の輸入時には動物検疫が課されます(「輸入規制」の「3.動植物検疫の有無」参照)。

動物検疫は、規則 (EU) 2017/625および 委員会実施規則(EU) 2019/1014に規定された国境検疫所(Border Inspection Post)で実施されます。このため、EUに輸出される水産物は、必ず、国境検疫所が設置されている港または空港を仕向地としなければなりません。

動物検疫の手続きなどについては、主として委員会規則 (EU) 2017/625に規定されています。

まず、動物検疫の対象となる食品をEUに輸出するには、国境検疫所に事前通知を行う必要があります。事前通知は、貨物が国境検疫所に到着するまでになされる必要があります。また、この事前通知には、輸出者、荷受人、貨物の責任者名、輸入者、原産地、貨物の出国地、衛生証明書の番号および発行日など、「共通検疫入国証」(Common Veterinary Entry Document)のPart 1で要求される情報を添える必要があります。共通検疫入国証は、動物検疫に合格した際に検査官から発行される書類で、実施規則(EU) 2019/2130および実施規則(EU)2019/628 ANNEX Iにおいて様式が規定されています。
この事前通知は、EUのウェブシステム「TRACES」を通して行うことができます。

動物検疫は、(1)文書検査(衛生証明書などの必要書類の確認、輸入条件への適合状況の確認など)、(2)同一性検査(貨物が提出書類と一致しているかの確認)、(3)現物検査(官能検査、簡単な化学検査、ラボラトリー検査)の3段階により行われます。(1)の文書検査において、衛生証明書は必ず原本でなければならず、コピーやファックスは認められません。また、(3)の現物検査については、過去の違反事例や健康被害リスクなどを踏まえ、検査官が必要と判断した場合に実施されます。動物検疫の結果、輸入条件に適合することが確認されると、検査官から共通検疫入国証が発行され、貨物を国境検疫所から移動させることができます。

これら動物検疫上の検査に加えて、食品添加物規制や残留農薬基準など、食品衛生に関するほかのEU規制についても、適合状況をあわせて検査される場合があります(規則(EU)2017/625 第44条)。

いずれの検査についても、要した費用は請求されます。
また、公的管理の強化期間中に同じ業者または国からの貨物が同じ違反を3回した場合は、欧州委員会は第三国の発送国の当局に対し必要な調査と是正を要請します。

関連リンク

根拠法等
規則(EU)2017/625(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
実施規則(EU) 2019/1014(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
実施規則(EU) 2019/2130(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
実施規則 (EU) 2019/628 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
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欧州委員会「TRACES」(英語) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

4. 販売許可手続き

調査時点:2020年10月

食品事業者はEUの衛生法または加盟国法に従い動物性由来の原材料を含む食品を取り扱う場合、第一次産業、家庭用消費を除き、管轄当局により各施設の登録、通知、または承認を受けることが義務付けられている場合があります(「一般食品に関する衛生規則」規則(EC) No 852/2004第6条ならびに「動物性食品に関する衛生規則」規則(EC)No 853/2004第4条)。

例えば、フランスの場合、個人消費者向けの小売りについては申請(Déclaration)を様式CERFA 13984 の「Section 2 ACTIVITÉS DE COMMERCE OU DE PRODUCTION FERMIÈRE(商行為または農産物の生産)」の欄に必要事項を記入して、管轄地域の住民保護局(DDPP : 競争・消費・不正抑止局DGCCRFに管轄される衛生面の監督局)にする必要があります。

一方、前述のとおり、動物性食品加工業者の施設だけでなく、プロ向けの卸売店(魚問屋)、鮮魚卸市場、冷凍・加工船に関しては、施設の衛生認定義務 (Agrément sanitaire)があり、CERFA 13983を送付し、住民保護局により認可を取得する必要があります(取り扱う販売量や販売形態により、申請(Déclaration)で済む場合もあるため最寄りの住民保護局に確認してください)。

なお、レストランの場合であっても、動物性食品を取り扱う場合、事業を開始する前に、住民保護局に申告をする必要があり、前述の所定の様式 「CERFA 13984」の「Section 1 – ACTIVITÉS DE RESTAURATION(外食事業)」に必要事項を記入して郵送するか、オンラインで申請をする必要があります。
この申請は、宅配サービス、遠隔販売(オンライン販売)、フードトラック、慈善活動、自宅で調理した料理の提供、公共給食の場合においても同様に必要となります。

これらの衛生に関する要件(「衛生パッケージ」)は、欧州議会・理事会規則(EC)No 178/2002、欧州議会・理事会規則 (EC) No 852/2004 (一般食品衛生規則)、欧州議会・理事会規則 (EC) No 853/2004 (動物由来食品衛生規則)そして、欧州議会・理事会規則 (EU) 2017/625(新公的管理規則)により補完されます。

関連リンク

根拠法等
規則(EC)No 852/2004 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EC)No 853/2004(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EC)No 178/2002(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EU)No 2017/625 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
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動物性食品市場の施設の衛生認定にかかる2006年6月8日のアレテ(仏語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

5. その他

調査時点:2020年10月

なし

EU内の輸入関税等

1. 関税

調査時点:2021年1月

EUは域外共通関税制度の下で、域外からの輸入品の関税率は域内各国で一律となっています。

関税および統計的分類表ならびに共通関税率に関する欧州理事会規則(EEC)No 2658/87では、共通関税を設定するために合同関税品目分類表(CN)とよばれる物品の分類表を設定しており、これはHSコードに相当します。そのため、当該合同関税品目分類表のCNコードの中から該当する品目の関税率を特定する必要があります。

また、2019年2月から、日本からEUへの輸出品は、日EU経済連携協定(以下「日EU・EPA」)の適用対象となります。日EU・EPA適用後の関税率は、「ブリが該当するCNコードと関税率」の表のとおりです。

日EU・EPAの適用を受けるには、当該輸出品の原産地が日本である旨を証明する原産地証明が必要となります。日EU・EPAでは、自己申告による原産地証明制度が採用されており、輸出者、輸入者または通関業者のいずれかが、自ら原産地を証明することになります。原産地証明に関する詳細は、税関のポータルサイトで確認することができます。また、商品に非日本産原料が含まれており、原産地の判断が困難な場合は、事前教示の制度により、税関当局に照会することができます。

「ブリ」が該当するCNコードと関税率
CNコード/品目 関税率:通常 関税率:EPA適用
0304.49.9090
生鮮または冷蔵されたその他の魚のフィレ(細かく切り刻んであるかないかを問わない)
18.0% 非課税
(0%)
0304.59.9090
生鮮または冷蔵されたその他の魚のフィレ以外の魚肉(細かく切り刻んであるかないかを問わない)
15.0% 非課税
(0%)
0304.89.9090
冷凍されたその他の魚のフィレ(細かく切り刻んであるかないかを問わない)
15.0% 非課税
(0%)
0304.99.9990
冷凍されたその他の魚のフィレ以外の魚肉(細かく切り刻んであるかないかを問わない)
7.5% 5.6%
※EPA発効8年後に非課税
(0%)

2. その他の税

調査時点:2020年10月

EUへの輸入には、輸入関税に加え、各国が独自に定める付加価値税(VAT)や物品税が課されます。これらの税率は国によって異なるため、最終消費国ごとに確認する必要があります。なお、VATに関する共通システムに関しては欧州理事会指令2006/112において規定されています。

ドイツの場合、5%のVATが課されます。フランスの場合、5.5%のVATが課されます。

イタリアの場合、10%のVATが課されます。オランダの場合、9%のVATが課されます。

関連リンク

根拠法等
指令2006/112(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。

3. その他

調査時点:2020年10月

なし

その他

調査時点:2021年1月

有機食品に関する規制
EU域内で有機食品を第三国から輸入、販売するための要件およびそのラベル表示に関する規制は、欧州理事会規則(EC)No 834/2007および 規則(EC)1235/2008で規定されていますが、新公的管理の規則(EU)No 2017/625に照らし合わせ、新規則 (EU) 2018/848が2022年1月1日から適用されます。
「ブリ」を含む水産物は、日本の有機JAS制度における認証の対象外となっているため、EU域内で有機商品として販売することを希望する場合は、EU有機の認定を取得する必要があります。ただし、EU規制における有機制度は養殖水産物には適用されますが、天然生物を漁獲したものについては有機生産とはみなされません。
日本国内にはEU有機の認定を行っている認定機関があります。EU有機は、有機JASと要求条件が異なる点があるため、取得に際しては注意が必要です。なお、EU輸出時に提出する有機証明書は、2017年10月19日からTRACESシステムを用いて電子的に提出することが義務付けられており、証明書を発行する登録認定機関がTRACESに登録されている必要があります。
輸入有機食品の場合、EUの有機ロゴ(ユーロリーフ)の使用は、任意となります。ロゴを使用する場合は、ラベルに「non-EU Agriculture」の表示を記載する必要があります。生産国が日本のみの場合は、「non-EU」を国名で代替・補足することも可能です。
欧州理事会規則(EC)No 834/2007および欧州委員会規則(EC)No 889/2008に基づき、EU域内に有機食品を輸入・流通させるにあたっては、EU側の輸入者・販売者にも当局への登録、査察の受け入れ、証明書の保持などが義務付けられています。このため、輸出に際してはEU域内の相手方事業者がこれらの要件を満たす事業者であるかどうかについて確認を行うことも必要です。
なお、本項目に関して、主要加盟国(ドイツ、フランス、イタリア、オランダ)において、EU規制に上乗せで課される独自規制は確認されていませんが、加盟国によってEU規制の運用が異なる場合があることに留意が必要です。