外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用

最終更新日:2024年02月09日

外国人就業規制

2017年10月1日に在留許可法が改定され、新たな就労・在留許可「企業内転勤(ICT)」が導入された。これにより、欧州経済領域(EEA)外の国籍者がオーストリア国内で就労を希望する場合、企業内転勤(ICT)、(オーストリア国旗にちなんだ)赤・白・赤カードまたは赤・白・赤プラスカード、EUブルーカードから選択することになった。

  1. 企業内転勤異動(ICT)
    ICTは、EU指令に基づき導入されたもので、オーストリア国内の拠点に転勤するグローバル企業の経営管理職、専門家、研修生を対象とする。最長で3年(研修生は1年)滞在できるが、延長は不可。転勤前の9カ月の勤務実績(研修生は6カ月)、企業内転勤異動の必要性を示す契約書、および職業上の知識や経験を証明する文書(研修生は大卒資格)などが必要となる。対象者への一定水準以上の給与支給が前提になっており、労働市場サービス(AMS)による審査もある。
  2. 赤・白・赤カード
    就労滞在期間は2年間。対象者の技能、学歴、語学力、年齢などに基づくポイント制がとられており、次のようなカテゴリー(一例)に分かれている。
    1. 特別高技能者
      大卒以上の学歴、年収5万ユーロ超、職業経験、オーストリアでの勤務経験6カ月以上、などが評価項目となっている。
    2. キーパーソン
      大卒以上の学歴、ドイツ語ないし英語力、職業経験年数、オーストリアでの勤務経験年数、一定の専門知識、年齢が低いことなどが評価項目となっている。
    3. 人材不足の業種の技能者
      オーストリアで技術者が不足する指定業種への就業予定者が対象となり、職業経験数、語学力などが評価項目となっている。

    このカードの在留期間が過ぎると、赤・白・赤プラスカードの申請が可能となる。

  3. EUブルーカード
    ICTと同様、マネージャーや技術者、研修生を対象とする。大卒(教育課程3年以上)で、オーストリアで1年以上の雇用があり、年収は学歴に応じた平均額であること、また、労働市場サービス(AMS)が雇用主に当該ポストに対する人材を紹介できなかった場合などが条件とされる。
  4. 赤・白・赤プラスカード
    赤・白・赤カードやEUブルーカードの保有者は一定期間雇用を継続した場合、申請が可能になる。このカードの保有者は自営や、就労・在留許可が失効することなく雇用主の変更(転職)が可能となる。

詳細は、次のオーストリア電子政府のウェブサイトを参照。

在留許可

欧州経済地域(EEA)外の国籍者が長期間(日本国籍の場合は半年を超える期間)オーストリア国内に滞在する場合には、在留許可が必要となる。在留許可には労働許可が含まれるもの(「赤・白・赤カード」「赤・白・赤カードプラス」、「EUブルーカード」、一般的な「定住許可」など)もあり、労働内容に制限のある在留許可資格もあるので、申請時に確認する必要がある。

現地人の雇用義務

義務なし。

その他

特になし。