外資に関する規制

最終更新日:2023年04月26日

規制業種・禁止業種

防衛、治安、国外産出の有害物質・放射能物質の処理・廃棄を除き、どの経済分野への外国投資も認められている(2015年政令1068号)。また少数の分野を除いて、事前承認も不要。ただし中央銀行への届け出は必要で、届け出の期限や条件は、投資の種類や形態によって異なる。必要な場合、有効期間延長の申請も可能であるが、最初の期間に加えて3カ月以内が最長と規定されている。

事前承認が必要な投資

  1. 金融機関・保険部門への投資(金融監督局:Superintendencia Financiera de Colombia)(1993年政令第663号:金融制度基本法、2014年政令第1150号18条)
    次に該当する場合、国内外の投資家は金融監督局の事前承認を得なければならない。
    • 同監督局の監督下にある会社(機関)の資本金あるいは資本剰余金の10%以上に相当する株式を取得する場合。
    • 発行済み株式の5%以上、または株式転換社債の5%以上を、直接あるいは間接的に取得する場合。
    • 議決権付き株式の5%以上を得るために、外国投資基金を通じて投資を行う場合。
  2. 炭化水素分野、鉱業への投資(鉱業・エネルギー省)(2000年政令第2080号20、21、22条、25条、2003年政令1844号23条)
    探査と採掘にかかる権利は、政府との契約により付与される。
  3. 証券投資
    直接の投資ではなく、外国投資ファンドを通じての証券投資。この場合、当該外国投資ファンドが、金融監督局より事前許可を取得する(2005年政令第1866号26条)。
  4. 環境関連規制
    1. 法的枠組み
      1974年に発効した天然資源と環境保護規則(El Código Nacional de Recursos Naturales Renovables y de Protección al Medio Ambiente:CRR)は、環境保護への基本的規則を含むいくつかの政令で補足された。1991年には、同規則は「みどりの憲法(La Constitución verde)」として、世界的な環境基準を反映した法的枠組みとなった。
      同憲法は、環境計画と環境保護、環境保護に責任をもつ公団(Corporación)の各州における管轄について定めている。主要官庁には、環境・持続的開発省、管轄地域での天然資源と環境を管理しその継続的な発展の責任を持つ地域公団(Corporación Autonoma Regional:CAR)、都市部においてCARと同様の役割を持つ都市環境局(Autoridad Ambiental Urbana:AAU)、環境ライセンスの付与や管理を行う国家環境ライセンス機関(Autoridad Nacional de Licencias Ambientales:ANLA)がある。
    2. 環境ライセンス

      環境ライセンスとは、天然資源や景観を害する恐れのあるプロジェクトや工事に関し、ANLAが発行する認可であり、これに基づいて工事や活動による環境的被害の予防、緩和、修復、補正、管理が履行されねばならない。ライセンスを取得しようとする企業は、プロジェクトが環境に与えるかもしれない影響や被害を予防し、コントロールする方法についての検討書を提出しなければならない。この取り決めは1993年法律第99号に含まれており、1999年法律第491号によって環境損害保険の提出に関する項目が追加された。

      環境ライセンスは、予防、軽減、修正、工事や承認された活動による環境への影響の補償と管理措置について定めており、その有効期間は、プロジェクトや工事の期間、または承認された活動期間と同一である。また、本ライセンスは、プロジェクトや工事、または活動の開始に先立って取得されなければならない。

      同様に、環境ライセンスは、プロジェクトの実施に必要な天然資源の利用にかかるすべての許可、承認および権利を含んでいるので、一度本ライセンスが取得されたプロジェクトについては、再度ライセンスを取る必要はない。環境ライセンスが一旦付与されると、その活動はライセンスで定められた期間と条件によってのみ、制限されることになる。
      そのため、申請の段階でプロジェクトの一部についての許可や承認を省略すると、当該部分に関する活動は実施不可能となるので注意を要する。

      環境ライセンスの取得を必要とする主なプロジェクト、工事、活動は次のとおり。

      • 炭化水素部門
      • 鉱山部門
      • ダム、貯水池の建設
      • 原子力発電プロジェクト
      • インフラ建設
      • 国内河川交通ネットワークにかかる公共事業
      • 国立自然公園地域に影響するプロジェクト

      再生可能な天然資源を利用または開発したり、環境に影響を与えたりするような活動を実施するために必要な管理・規制措置については、影響を受ける可能性のある天然資源によって分類されている。

      環境ライセンスに関する情報については、ANLA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますウェブサイトを参照。

出資比率

外国資本による投資は、出資額の多寡にかかわらず可能である(一般に外資比率の規制はなく、外資100%による企業設立も可能)。ただし、コンセッションによるTV放送事業に関しては、上限40%という制限がある(2001年法律第680号)。また、同部門への投資については、技術移転を含むものでなければならない。そして、投資国は交換条件として、コロンビア企業に同等の投資機会を提供しなければならないという、国家テレビ委員会(Comisión Nacional de Televisión)が評価の基準とする2条件を満たさなければならない。

外国企業の土地所有の可否

外国企業による土地所有は可能である。ただし、土地利用計画(Plan de Ordenamiento Territorial:POT)による利用規制地区については、管轄の地方自治体への確認が必要となる。

外国企業による土地購入にかかる規則については、PROCOLOMBIAのウェブページ(HOW TO BUY REAL STATE外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を参照。

また、外国人による不動産購入の手順については、ジェトロ調査レポート「コロンビア投資環境ガイド(2018年3月)」を参照。

資本金に関する規制

金融関係を除き、最小払込資本金についての規定はない(2014年政令第1150号第18条)。
金融機関の投資には、金融監督局の許可が必要(2014年政令第1150号第18条)。

その他規制

組み立て工業を除き、国産化率は設けられていない。
政府調達契約においては、特別な規定が設けられている。

国産化率

国産化率は、組み立て工業以外では設けられていない。
部品・原材料に優遇関税が適用される自動車および二輪車の組み立て工業の場合、組み立て工業規定(Regimen de Transformación o Ensamble)に基づく投資家と商工観光省との契約により、ケース・バイ・ケースで国産化率が設定される。
コロンビアが締結する二国間FTA、アンデス共同体(CAN)などに基づき、コロンビア産品として輸出相手国で優遇関税を受ける場合は、定められた域内付加価値比率等を満たす必要がある。

政府調達

国家による契約に関して規定する1993年法律第80号に基づき、政府機関と民間が締結する契約に関しては、特別な取り決めがなされる。

また、2007年法律第1150号3条および2008年政令第066号に従い、公的契約のための電子システム(SECOP)上での情報提供を目的として、統一契約ポータルサイト*(PUC)が開設された。これは、国家機関が契約前段階から契約段階終了までの契約プロセスを公開するためのツールである。2008年政令第066号によれば、すべての国家機関は、同サイトにおいて公開入札プロセス、少額競売、人材の競争採用試験、直接契約に関する契約情報を公開する義務がある。

また同ポータルサイトを通じ、コロンビア国内外のいかなる個人・企業・組織も、コロンビア政府による商品やサービスに対する需要関連情報、すなわち契約プロセスの基本書類、公開入札、少額競売、人材の競争採用試験、特別契約制度などの契約前の段階から、契約後までの情報を取得することが可能となる。さらに、同サイトを通じ、国際機関の資金で実施する契約プロセスの情報も取得することができる。

単一入札者登録(Registro Único de Proponentes:RUP)

これは各企業を管轄する商工会議所で行われる義務的な登録であり、コロンビア政府機関との契約締結を望む、すべてのコロンビア国内の自然人、法人、コロンビアに住所を置く自然人、法人、または外国企業の支店は、これに従わなくてはならない。商工会議所は、申請者の適正を確認し、政府機関との契約選定プロセスに参加するために、請負業者の契約能力を明示した証明書を発行する。ただし、直接契約、保健医療にかかる請負契約、国有財産の譲渡にかかる契約など、RUPへの登録が必要ない契約もあり、それらについては、契約当事者である政府機関が対象者の資質を審査する。

詳細については、ボゴタ商工会議所のウェブページ Registro Único de Proponentes外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。