外資に関する規制

最終更新日:2016年11月10日

規制業種・禁止業種

2015年7月1日から有効となっている投資法67/2014/QH13は、投資禁止および経営禁止分野と条件付き経営投資分野について明記している。


関連法
1996年:在ベトナム外国投資法公布
1998年:内国投資奨励法公布
2000年:在ベトナム外国投資法の一部条項の補足、改正法公布
2005年:1996年の在ベトナム外国投資法、2000年の外国投資法の一部条項の補足、改正法、1998年の投資奨励法に代わる投資法(2006年7月1日より施行)が2005年11月29日に国会を通過。
2014年:ベトナムにおける投資活動およびベトナム国外における海外投資活動に関する投資法(2015年7月1日より施行)が2014年11月に国会を通過。以降、投資家の国籍に関わらず、ベトナムにおいて投資・経営活動を行う場合、当法律に従うこととなった。


投資経営禁止業種、条件付き事業分野

  1. 禁止経営投資分野
    a. 投資法67/2014/QH13別表第1に記載される各麻薬物質に関する事業 
    b. 投資法67/2014/QH13別表第2に記載される各種化学物質、鉱物に関する事業 
    c. 投資法67/2014/QH13に定める、絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)の別表第1に記載される各種野生植物、動物の標本、および当条約の別表第3に記載されるグループIにおける、絶滅の恐れのある希少な各種野生植物、動物の標本に関する事業
    d. 売春事業 
    e. 人身、人の身体組織、部位の売買に関する事業
    f. 人の無性生殖に関する事業

  2. 条件付経営投資分野
    条件付き経営投資分野は、当該分野の経営投資活動を実施するにあたり、国防、国家の治安、社会の秩序、安全、社会道徳、市民の健康の保持を理由とする条件を満たさなければならない。詳細は別添のとおり。
    「各種規制(条件付経営投資分野リスト、投資優遇分野リスト)」PDFファイル(599KB)    

    水文気象法90/2015/QH13の54条に基づき、「水文気象の予想、警報」の事業は、投資法67/2014/QH13の条件付経営投資分野のリストである付録の4に追加された分野である。

    投資法67/2014/QH13の一部条項のガイダンスである政令118/2015/ND-CP(2015年11月12日発行、2015年12月27日より有効)によると、書面によるライセンス、条件充足の承認書、行為許可書、事業責任保険承認書、各書類の承認書を取得し条件を満たした後に実施が出来る分野と規定されているが、書面による上記の承認書を取得する必要なく条件を満たすことにより条件付経営投資事業を実施できる分野もある。



WTO加盟に伴うサービス分野の開放
ベトナムは、2007年1月に正式に世界貿易機構(WTO)に加盟。これにより、それまで規制分野であった金融・商業・運輸などのサービス分野の多くが、加盟後5年以内に開放されることとなった。しかし、運輸業や教育業の一部では、従前の100%外資が認められていたにもかかわらず、合弁でしか認められないように改定され、開放に逆行した業種もある。また、すべての分野で開放されている業種においても確実に承認される訳でなく、輸入販売や小売業など開放後の事業分野でもラインセンスが認可されにくいケースも存在する。


外資系企業による輸入と販売
政府は、在ベトナム外資系企業の商品販売および商品販売に直接関連する活動についての商法の細則を定める2007年2月12日付政令23/2007/ND-CPを公布した。これにより、次の要件を満たす場合に、外資系企業による販売会社設立が認可されるようになった。

・出資者の国籍のある国・地域が、ベトナムの加盟する国際条約(WTO公約など)の締結国であり、またその国際条約に基づき、ベトナムが商品販売および商品販売に直接関連する活動にに対して市場開放を約束している場合。
・投資形態が、ベトナムの加盟する国際条約に定める市場開放政策の内容に該当し、ベトナムの法律に規定されている。
・取り扱う商品・サービスが、ベトナムが約束する市場開放政策の内容に該当し、ベトナムの法律に規定されている。
・業務内容が、ベトナムが約束している市場開放政策の内容に該当し、ベトナムの法律に規定されている。
・上記条件以外に、別途ベトナムの管轄当局により認可される。

2013年12月24日、商工省は、ベトナムにおける外資企業の販売活動および商品販売に直接関連する活動の実行ロードマップについての決定10/2007/QD-BTMに代わる通達34/2013/TT-BCTを交付した。
通達34/2013/TT-BCTには商品販売活動および外資企業が運営できる品目が明確に規定されている。商品は消去法で規定されおり、同通達の附属書1、2、3に該当しなければ、外資企業は輸入権、輸出権、販売権を実行することができる。しかし、3つの附属書に該当しない商品の輸入・輸出・販売を行う際は、ベトナム法律のその他の規定を遵守する必要がある。


外資系企業による物品売買に関する2007年2月12日付政令23/2007/ND-CPの新たな施行ガイダンス
商工省は、2013年4月22日付通達08/2013/TT-BCTを発行し、以前の通達09/2007/TT-BTMと通達05/2008/TT-BCTに代わり、商法に基づく外国投資企業による商品売買および商品販売に直接関連する活動に関する2007年2月12日付政令23/2007/ND-CPの施行ガイダンス細則を案内している。
通達08/2013/TT-BCTの重要な改正規定は次のとおりである。

  1. EPE企業の輸出入・販売運営許可証について
    従来までは、EPE企業の輸出入および販売運営許可証の取得可否や税務の優遇措置の取扱いについて一部不明確な点もあった。しかし、本通達により[1] EPE企業が輸出入・販売運営許可証の取得・実施が可能であること、[2] EPE企業の税務優遇について、輸出入・販売活動については、適用外であることが明確になった。 本通達において次のとおり記載されている。
    ・輸出入を許可されたEPE企業は、本通達の第3条および第4条の規定のとおりに輸出入を行う。
    ・販売事業を許可されたEPE企業は、本通達の第5条の規定のとおりに販売事業を行う。
    ・EPE企業に対する税務優遇措置については、輸出入・販売活動には適用されない。

  2. Economic Needs Test(ENT)の例外規定について
    従来、商品販売業務が許可される外資系企業は、最初の小売店を開設する際に小売店設立手続を行う必要がないが、2店舗目の小売店からは省級の人民委員会により小売店舗を設置する地域において経済需要をチェックされる(ENT)必要があると規定されていた。しかし、通達08/2013/TT-BCTでは、ENTを受ける必要がない例外が規定され、物品取引活動のために計画され既にそのインフラ設備の建設が完了している地域においては、面積が500平方メートル未満の小売店舗であればENTが適用されないことが定められた。

  3. 輸出権の内容の明確化
    従来の実務上、販売会社を設立する場合は投資ライセンス内に「輸出権の実施範囲には、輸入商品を輸出することは含まれない」と記載されることが多かった。当該文言の意図・効力については法令根拠もなく、また当局へ問い合わせを行っても明確な回答は得られなかった。
    しかし、通達08/2013/TT-BCTによると、輸出権が認可される外資企業は、自社の輸入商品または購入した他社(企業登録済みまたは商品輸入権、販売権を有するベトナム企業)の輸入商品を輸出することが可能であると規定されている。
    ただし、輸出商品を保管する拠点の開設を含め、輸出のためにベトナム国内流通網から商品の購入を行うことはできない。また、輸入権が認可される外資企業は、企業登録済みまたは商品輸出権・販売権を有するベトナム企業に対して該当商品を直接販売できるが、ベトナム国内におけるその他の企業に対して当該商品の販売を行うことができない。



外資系企業による投資分野の規制に関する現行法令
詳細は、別添のとおり。
「各事業分野での規制」PDFファイル(319KB)  

・会計法03/2003/QH11(2016年12月31日まで有効)
・会計法88/2015/QH13(2017年1月1日より有効)
・独立監査法67/2011/QH12
・税金管理法78/2006/QH11、税金管理法78/2006/QH11の一部条項の補充、改正法21/2012/QH13
・都市区画法30/2009/QH12
・広告法16/2012/QH13
・金融機関法47/2010/QH12
・商業銀行、外国銀行支店、外国金融機関・ベトナムにて銀行業務を展開する他の外国組織のベトナム駐在員事務所の設立、運営、管理に関しての国家銀行発行の2011年12月15日付通達40/2011/TT-NHNN
・商業銀行、外国銀行支店、外国金融機関・ベトナムにて銀行業務を展開する他、当該外国組織の駐在員事務所の設立、運営、管理を定める2011年12月15日付通達40/2011/TT-NHNNの一部条項の補充、改正をする2015年6月30日付国家銀行の通達08/2015/TT-NHNN 
・商務裁定官法54/2010/QH12
・通信法41/2009/QH12
・郵便法49/2010/QH12
・映画法62/2006/QH11、2006年の映画法の一部条項の補足、改正法31/2009/QH12
・不動産事業法66/2014/QH13
・弁護士に関する法65/2006/QH11、法65/2006/QH11の一部条項の補充、改正法20/2012/QH13、刑事訴訟法101/2015/QH13
・ベトナム民間航空法66/2006/QH11、2006年の民間航空法の一部条項の補充、改正法61/2014/QH13
・情報技術法67/2006/QH11
・基準および技術認証法68/2006/QH11
・証券法70/2006/QH11、証券法の一部条項の補充、改正法62/2010/QH12
・建設法50/2014/QH13(有効中)、建設法16/2003/QH11
・環境保護法55/2014/QH13(2015年1月1日から有効)
・保険事業法24/2000/QH10、2010年保険事業法の一部条項の補充、改正法61/2010/QH12
・診断治療法40/2009/QH12
・観光法44/2005/QH11
・ゴールド事業活動管理に関する政令24/2012/ND-CP
・ベトナムにて外資企業の商品販売および商品販売に直接関連する活動についての商法の細則を定める政令23/2007/NĐ-CP
・薬事法一部条項の施行の細則を定める政令79/2006/ND-CP、政令79/2006/ND-CPの一部条項の補充、改正政令89/2012/NĐ-CP
・自動車輸送事業および運営条件に関する政令86/2014/ND-CP
・住宅法の一部条項の細則を定め、施行をガイドする政令99/2015/ND-CP(政令71/2010/ND-CPに変わる)
・建設投資案件の管理に関する政令59/2015/ND-CP(政令12/2009/ND-CPに変わる)
・廃棄物および排出物質案管理に関する政令38/2015/NĐ-CP
・2005年観光法の一部条項の実施細則を定める政令92/2007/NĐ-CP、政令92/2007/NĐ-CPの一部条項の補充、改正をする政令180/2013/NĐ-CP
・海運送事業条件および海運送サポートサービスに関する政令30/2014/NĐ-CP
・国内水路運送事業条件を定める政令110/2014/NĐ-CP
・自動車運送事業条件および運営事業に関する政令86/2014/NĐ-CP
・ロジスティクス事業条件およびロジスティクス事業を実施する商人の責任の範囲に関する商法の細則を定める政令140/2007/NĐ-CP

出資比率

現時点でベトナムにおいては、一部の事業については外国投資家による投資が完全にはまだ認められていない。
ロジスティクス分野や通信分野、娯楽サービス、鉄道便サービス、運搬サービス、ゲーム事業サービスなどの条件付投資分野の事業については、外国投資家による100%外国資本による会社の設立はまだ許可されていない。上記の各事業分野においては外国投資家による投資は制限されている。

外国企業の土地所有の可否

外資系企業、あるいは事業協力契約の外国当事者は、投資案件の実施にあたり土地を所有することは認められず、ベトナム政府から土地使用権を取得する形になる。


土地使用権
ベトナムでは、土地は国民の共有財産であるとともに、政府の管理下に置かれている。政府が土地を使用する者に土地使用権を付与する。外国の組織は、外交の機能を営むものを除き、土地使用権の付与の対象にはならない。外国の組織が土地使用権者から転借することは可能である。
他方、外資系企業は、次の特定の場合には土地使用権を取得することが可能である。
・外資系企業が現物出資として土地使用権を受け入れる場合
・外資系企業が、販売および賃貸の目的で居住用家屋を建設する投資プロジェクトを実施するため、政府から土地使用権の割当を受ける場合
・外資系企業が土地使用権を保有するその他の会社を取得することにより、土地使用権を取得する場合
・土地使用権を保有するベトナム現地企業が、外国の投資家の出資を受けることにより外資系企業となる場合


土地使用権および土地に付着する資産の証明書に関する法令
天然資源環境省は、2014年5月19日付で通達17/2009/TT-BTNMTに代わり通達23/2014/TT-BTNMTを発行し、土地使用権および土地に付着する資産の証明書(レッドブック)に関するガイドラインを公表した。
通達23はレッドブックに記載される内容について詳細に規定している。具体的には、土地使用権および土地に付着する資産を譲渡、贈与、賃貸、または資本拠出する場合、土地使用権者は地域の資源環境局に登録を行う必要がある。
申請書類は次のとおり。
・申請書式
・譲渡、賃貸、資本拠出の契約書
・土地使用権および土地に付着する資産の証明書の原本
・管轄当局の承認(例えば、現物出資による土地所有権の受入れの場合、変更された企業登録証明書)

必要書類を完成後、土地使用権保有者は申請書類を土地使用権証書登録局とその他管轄当局に提出する。また、海外在住ベトナム人やベトナム滞在外国人の土地使用権と関連する家屋の所有に関する情報は天然資源環境省の公式ウェブサイト上で公表される。

資本金に関する規制

一部の条件付投資分野に関しては法定資本が定められている(銀行業、保険業、海外向け労働者派遣、不動産事業、航空サービス、映画制作など)。


法定資本比率
従前のベトナムにおける外国投資法では、「合弁会社の法定資本金には外国投資家の出資比率については制限がなく、各出資者の合意に従うものとする。ただし、合弁会社の法定資本の30%以上に設定しなければならない(1990年ベトナム外国投資法の第1条5項)。特別の場合には、総投資額の法定資本比率は30%を下回ることもできるが、投資および協力についての国営委員会の承認による(1991年政令28-HĐBTの第30条)」とされていた。

2005年投資法および2014年投資法においては、そのような法定資本の規制は廃止された。ただし、条件付投資分野に該当する業種の中には、法定資本が定められている業種(銀行業、保険業、海外向労働者派遣、不動産、航空サービス、映画作成など)もある。
「法定資本が必要となる投資分野、外資系企業に対する出資比率の制限」PDFファイル(290KB) 

その他規制

投資形態および会社形態の制限
ベトナム証券市場における外資投資家保有率の拡大
各事業分野での規制 など


投資形態および会社形態の制限
投資法67/2014/QH13によると、2015年7月1日から外国投資家は、次の形態で投資活動を行うことを選択できる。

  1. 2015年会社法の規定に従う経済組織(企業)の設立
  2. 企業への追加出資:企業の株または持分の買収
  3. PPP契約
    Public-Private Partnership contract:国営サービスの提供、インフラ構造プロジェクトを実施・管理・運営するために権限を有する国家機関と投資家、プロジェクト企業との間で締結される契約。
  4. BCC契約(Business cooperation contract:事業協力契約)


また、1.の形態について、企業法に基づき、会社形態は個人事業、合名会社、有限会社、株式会社の4種類から選択が可能となる。その中でも設立についての手続きが明確な有限会社が一般的に多くの投資家に選択される。有限会社の中でも、出資者(有限会社の場合、社員という)が1人の場合を1人有限会社、出資者が2人以上の場合を2人以上有限会社と定義される。規定上、外資系企業は株式会社の設立の権限はあるが一般的ではない。
注:株式会社の設立のために、投資家は3人以上必要である(2014年企業法第119条1項)。


ベトナム証券市場における外資投資家保有率の拡大
証券法の一部条項の修正・追加法、証券法の条項の一部実行のガイドラインおよび詳細を規定する政令58/2012/ND-CPを修正する政令60/2015/ND-CPが2015年6月26日に公布され、同年9月1日より施行された。
公開企業における外国投資家の保有比率についての規程に関する決定55/2009/QĐ-Ttg第2条の規程に従い、外国投資家は、公開株式会社の総株券を最大49%保有できる。ただし、2015年9月1日から有効となった政令60/2015/ND-CPによると、ベトナムの公開企業における外資比率は次のとおり規定される。

・ベトナムが加盟する国際条約で外資比率が定められている場合は、それに従う。 
・投資法または関連法にて、外資比率の定めがある業種におけるベトナム公開企業の場合、外資比率はその法令に従うものとする。外国投資家に対する条件が定められている業種の企業で、外資比率に関する具体的な規定がなければ、外資比率は最大49%とする。
・公開企業が複数の事業を行い、それらの事業それぞれに対して法律で外資比率が規定されている場合、外資比率の上限はそれらの事業に認められた外資比率のうち最も低いものに従うものとする。国際条約に他の規程がある場合を除く。
・上記の場合に該当しない公開企業の外資比率には制限を設けない(ただし、会社定款に別の定めがある場合を除く)。


各事業分野での規制
「各事業分野での規制PDFファイル(319KB) 」

関連情報

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