1. サイトトップ
  2. 国・地域別に見る
  3. アジア
  4. シンガポール
  5. 技術・工業および知的財産権供与に関わる制度

技術・工業および知的財産権供与に関わる制度

最終更新日:2018年12月05日

技術・工業および知的財産権供与に関わる制度

ロイヤルティーへの源泉課税率は10%。商標、著作権、集積回路レイアウト・デザイン、特許、植物品種、意匠権などが保護される。

税制および助成制度

概要

非居住者に支払う著作権、意匠権やノウハウなどの使用に対する一般的なロイヤルティーの源泉課税率は、2005年1月1日より10%に引き下げられた。知財立国を目指すシンガポールの政策として、知的財産を競争優位の源泉とする国際的企業の誘致(知的財産誘致)が重視されている。1990年代以降、シンガポールで研究開発や特許等登録を行う海外企業の免税措置が拡大され、2003年には関連するほぼすべての企業所得が免税されるようになった。すなわち、シンガポールで取得された広範な知的財産(特許権、著作権、商標権、意匠権、企業秘密情報等)については、それがシンガポールの法人に帰属することを条件に、キャピタルアローワンス(税務上の減価償却)や研究開発事業資金免税のほか、特許権については特許登録費用の所得控除なども認められている。
次に、知的財産関連のインセンティブ制度を紹介する。

  1. 企業向け研究インセンティブ制度(Research Incentive Scheme for Companies:RISC)

    企業が科学技術に関するR&D活動に対して相当の投資を行う際、人件費、研修費、装置、知的財産権管理や専門サービス等をはじめとする諸費用の最大30%を助成する制度。地場企業は最大50%の援助を得ることが可能。結果的に、とりわけ科学者・エンジニアの雇用促進と固定資産への投資が資格対象となる。

    申請窓口:EDB "Schemes & Grants外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

  2. 知的財産買収に係る減価償却控除(所得税法19B項:Writing Down Allowance for Intellectual Property Acquisition

    本制度は2020賦課年度までの時限措置である。本制度は、2017年賦課年度以前であれば、企業が第三者の保有する経済的かつ法的な知的財産権を買収する際に5年間の自動減価償却により全額を税額控除することができる制度である。2017年賦課年度以降、納税者は、減価償却期間を柔軟に選択することが可能である。会社は、知的財産権取得のための資本支出があった賦課年度から始まる、変更不能の定額減価償却控除期間を5年間、10年間、15年間から選択することができる。2009年1月22日以降に買収するフィルム、テレビ番組、デジタルアニメ、デジタルゲーム、他のメディアコンテンツのうち、認定された知的財産権は、2018賦課年度まで2年間の加速減価償却が認められている。本スキームの終了に伴い、メディアおよびデジタルエンターテイメント会社は、前述の知的財産権取得のための資本支出に関する減価償却控除を行うに際し、減価償却期間を5年間、10年間、15年間の3つの期間から選択することが可能となる。この知的財産権買収に係る減価償却は、PICスキーム(後述の「6.生産性・革新クレジット」を参照)を活用することにより、さらに最高400%まで適格支出の税額控除を受けることができる。

    申請窓口:IRAS "Writing-Down Allowances for Intellectual Property Rights外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

  3. 研究開発支出の追加控除(所得税法14DA項および14E項)

    企業がシンガポール国内でR&D業務を行う場合、もしくは国内の第三者機関にR&D業務を委託する場合、適格R&D支出の200%(14項、14D項、14DA項、14E項)までの追加的税額控除が認められる制度である。14DA項の規定は2014年度政府予算案により2025賦課年度まで10年間延長され、2018賦課年度まではPICスキームの一部として提供され、その適用対象金額に上限が設けられている。一方、14E項の規定は2014年度政府予算案により2020年3月31日まで5年間延長され、PICスキームの上限を超える部分にも適用が可能である。2018年予算の期間中、自国のイノベーション促進を支援すべく、政府はシンガポールで実施された特定のR&Dに支出された人件費や消費財の課税控除を150%から250%へ増加させるという発表がなされた。その他のスキームの条件に変更はない。この変更は、2019年賦課年度から2025年賦課年度の間は有効となる。

    申請窓口:IRAS "IRAS e-Tax GuidePDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(628KB)"

  4. 事業開発助成制度(Enterprise Development Grant:EDG)

    2018年10月25日、事業開発助成制度(EDG)がスタートした。 EDGは、従来の能力助成制度(Capability Development Grant:CDG)やグローバル企業パートナー助成制度(Global Company Partnership Grant:GCPG)に取って代わる制度であり、能力開発および国際化の点から、[1]コア機能および能力、[2]イノベーションおよび生産性、[3]市場およびビジネス開発、の3領域において企業を援助する。当該助成制度は、SME企業は該当活動につき最大70%、非SME企業は最大50%の助成を受けることが可能となる。

    EDGに申請するには、以下の要件を満たす必要がある。

    • シンガポールで登録および事業を営んでいること
    • 現地の企業および人が最低30%の株式を有していること
    • 本制度を開始・遂行するための財政的な見込みがあること

    [参考]Enterprise Singapore "Budget 2018 Capability upgrading, innovation and internationalization外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

  5. 生産ソリューション助成制度(Production Solution Grant:PSG)

    生産性ソリューション助成制度は2018年4月1日から開始された助成制度であり、業務プロセス改善のためにITソリューションやIT機器を導入する予定の企業を援助し、最大70%の助成を受けることが可能となる。当該助成は、第一段階として、セクターごとを基準とする助成を行う。助成対象となるのは、小売、食品、ロジスティック、精密工学、建設や造園業の他、デジタル顧客関係管理や人的資本管理システム等の業種を超えたソリューションへの援助も対象としている。

    参考:

  6. 生産性・革新クレジット(Productivity and Innovation Credit:PIC)

    2010年度予算に盛り込まれた企業の生産性向上や新規事業・技術革新に繋がる投資を促進する支援税制として生産性・革新クレジットが導入され、2011~2018賦課年度の8年間にわたって、「研究・開発投資」、「デザイン投資」、「知的財産権買収」、「知的財産権登録」、「自動化投資」、「研修訓練」の6分野について、1分野あたり年間40万Sドルを上限に400%分の税額所得控除、もしくは中小企業には適格PIC支出(年間上限10万Sドル)の60%(2016年8月1日以降は40%)の現金払い戻しが受けられるようになった。2016年度の予算案より、2019賦課年度以降は廃止されることになった。
    「デザイン投資」については支援を受けるデザイン活動が商品化に結び付くとともに、シンガポール知的財産庁(IPOS)に意匠または特許として新規登録される知的財産権の創出に繋がることが条件となっており、デザイン活動の支援税制の運用は、情報通信省(MCI)傘下のデザイン・シンガポール評議会(DSC)が担当する。
    このPIC税制は2013年度の税制改正により、PICボーナス制度の導入(2015賦課年度で終了)、自動化設備に関するPIC適用要件の緩和、IPライセンス契約への適用範囲の拡大の3つの点で強化された。
    さらに2014年度政府予算案により、2015賦課年度より2018賦課年度まで、適格PIC支出の上限が40万Sドルから60万Sドルまで引き上げられ、400%分の税額所得控除が受けられるようになった(PICプラス・スキーム)。
    2016賦課年度に発表されたとおり、PICスキームは2018年財政年度後に終了する。

    問い合わせ窓口:IRAS "Productivity and Innovation Credit Scheme外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

税制および助成制度に関する問い合わせ先
  • 経済開発庁(Economic Development Board of Singapore:EDB外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

    250 North Bridge Road
    #28-00 Raffles City Tower
    Singapore 179101
    Tel:+65-68326832
    Fax:+65-68326565

  • 内国歳入庁(Inland Revenue Authority of Singapore:IRAS外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

    55 Newton Road
    Revenue House, Singapore 307987
    Tel:+65-63568622
    Fax:+65-63514360

  • エンタープライズ・シンガポール(Enterprise Singapore外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

    230 Victoria Street
    Level 10, Bugis Junction Office Tower
    Singapore 188024
    および
    1 Fusionopolis Walk
    #01-02 South Tower, Solaris
    Singapore 138628
    Hotline:+65-68981800

知的財産権の登録手続き

シンガポール知的財産庁(IPOS)では知的財産の権利化に欠かせない特許、意匠や商標等のあらゆる知的財産に関する申請について、IP2SGというオンラインポータル出願サービス(eFiling)を提供している。さらに、知的財産の創造で重要となる研究開発の許認可や補助金等の申請、免税等の申請など手続きも電子政府の一環としてオンライン化されている。これらの手続きに要する期間は総じて短く、シンガポールにおける知的財産経営の促進や、海外からの優秀な企業の誘致や人材確保に貢献しているといわれる。

知的財産インフラ関連

  1. 政府は、商標、特許に関する規制や登録事務を手掛けていた団体を2001年4月、法務省傘下の法定機関としてシンガポール知的財産庁(IPOS)に改組した。
  2. 2002年9月には特許や商標、著作権などを専門に裁く「知的財産裁判所(Intellectual Property Court)」が高等裁判所(High Court)ビル内に設置されている。この法廷は、特許・意匠・商標事件の第1審裁判所の機能を有しており、第2審を担当する控訴裁判所(Court of Appeal)とともに侵害事件を審理する。
  3. 知的所有権の保護や管理などについて講習や訓練を行う「知的所有権アカデミー(IP Academy)」も2003年1月に開設された。

    IPOS:IP Academy外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

  4. IPOSの組織は、CEオフィス部(CE Office Department)、コーポレートサービスクラスタ(Corporate Services Cluster)、登録クラスタ(Registries Cluster)、商業化クラスタ(Commercialisation Cluster)の4部で構成される。登録クラスタの中に、[1]特許、意匠、植物品種登録局(Registries of Patents, Designs & Plant Varieties)と[2]商標登録局(Registry of Trade Marks)の2局が設置されており、それぞれの審査・登録業務が行われている。

    IPOS:Organisational Chart外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

  5. 2013年3月、知的財産権(IP)ハブマスタープランが発表され、シンガポールをアジアにおける「IPハブ」と位置付け、同国が権利保護の強化やIPそのもの、またはこれを利用した国内・国際取引の拡大を図るための、信頼性ある中立的な拠点となることが提唱された。このIPハブマスタープランでは、[1]IP取引・管理、[2]IP登録、[3]IP紛争解決、のハブとなることの3点を通じて、シンガポールがIP関連取引の活発かつ持続的な拠点になることを掲げている。

    2017年5月、IPハブマスタープランが改訂され、大きな進展が見られた。革新的企業がIPをベースとして商業化および収入化できるような次のステップが、以下の3つの目標により推し進められている。1つ目はIP専門家を増やすことによるIP専門家領域の拡大である。2つ目はシンガポールにおけるIPおよびイノベーション計画の改良である。そして3つ目は、2019年までに1,500の企業が、それぞれが有するIPの価値を理解できるような効果的市場の創設に努めること、および企業の性質に合ったIP監査人の提供、そして150の企業に対するIPの戦略的支援である。

    IPOS:IPハブマスタープラン改訂版 "UPDATE TO THE Intellectual Property Hub Master Plan外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

  6. IPOSは2015年9月1日からASEANの知財庁として初めて特許協力条約(PCT)の国際機関となり、PCT国際出願に対する国際調査機関(ISA)・国際予備審査機関(IPEA)として本格稼働を開始した。IPOSがPCT国際機関となったことで、シンガポール企業の知的財産の迅速な保護にも繋がるとみられている。

    問い合わせ先:
    シンガポール知的財産庁(The Intellectual Property Office of Singapore:IPOS外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    51 Bras Basah Road #01-01
    Manulife Centre Singapore 189554
    Tel:+65-6339 8616
    Fax:+65-6339 0252

シンガポールで保護される知的財産権の概要

シンガポールは1990年に世界知的所有権機関(WIPO)設立条約に加盟し、1995年に世界貿易機関(WTO)の貿易関連知的所有権協定(TRIPS)、パリ条約、特許協力条約(PCT)、2000年に商標の国際登録に関するマドリッド議定書、2004年に植物新品種保護条約(UPOV)などと主要な知的財産に関する条約に加盟し、それと共に知的財産法制の整備も進めてきた。シンガポールはコモンローの国であり、知的財産権は制定法とコモンローの両方によって保護されている。制定法としては、特許法(Patents Act)、登録意匠法(Registered Designs Act)、著作権法(Copyright Act)、集積回路配置設計法(Layout-Design of Integrated Circuits Act)、地理的表示法(Geographical Indications Act)、植物品種保護法(Plant Varieties Protection Act)が制定されている。また営業秘密やグッドウィルは、コモンローによって保護されている。

特許権

  1. 1994年に特許法が制定されるまで、英国の特許または欧州特許条約(EPC)による英国を指定した特許を、一定期間内に登録することにより保護されていた。
  2. シンガポールはパリ条約(Paris Convention)、特許協力条約(PCT)、ブタペスト条約(Budapest Treaty)などに加盟している。
  3. シンガポールで特許の保護を得るには、[1]国内ルート、すなわちIP2SGと呼ばれるIPOSにより創設された電子ポータルサイトを利用して、パリ条約上の優先権制度とともにシンガポール国内から直接申請する手段、または、[2]IP2SGを用いたシンガポールでの申請とともに、PCTを利用してシンガポールを指定国とすることによるエントリー、のいずれかが考えられる。
  4. 出願人は、シンガポール以外の国に同一の発明を出願し(対応外国出願)、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、英国、韓国、米国、日本および欧州特許庁(英語による出願申請)のいずれかで認められた場合、当該国での最終調査および審査結果もしくはシンガポールで認められた特許審査に対して、依拠することができる。この制度は補充審査と呼ばれる。補充審査の際、IPOSは、方式要件(クレーム内容がシンガポール以外の国でのクレームと一致しているか、公序良俗に反しないか、医療手法に該当しないか、診断に関するサポート要件でないか、関連性、二重特許や新規事項の有無)について審査を実施する。しかし、自前の実体審査はほぼ実施せず、外国の所定特許庁の審査結果をそのまま認証する方向で、調査と審査報告書の添付もしくは、認められた特許および当該クレームとの関連性を示すクレーム対応票の提出を義務付けるにとどめている。

    IPOSの情報

  5. 特許権の存続期間は、出願日から20年。
  6. 日本の特許庁とIPOSは2009年6月、特許審査手続きの迅速化に向けて「特許審査ハイウエー(PPH)」と呼ぶニ国間協力の枠組みを導入することで合意した。PPHは、一方の国で認められたものと同じ内容の特許出願を他方の国が受けた場合に、相手国の審査結果を活用することで審査作業の重複を省く仕組み。特許審査期間の短縮や特許の質の向上、特許審査機関の負担軽減といった効果が見込まれている。シンガポールは米国と2009年2月からPPHの試行を開始しており、ニ国間PPHでは日本が2国目となる。
  7. 2014年2月に改正特許法が施行され、特許審査における「自己評価」制度から「Positive Grant System」への変更、弁理士(Patent Agent)制度の一部自由化、医薬品の所管法令変更などが行われた。
  8. 2017年10月30日、修正特許法および修正特許規則が施行された。当該修正法および規則は猶予期間の拡張および補充審査の変更という重要な点が含まれる。猶予期間の拡張期間中、申請者は特許申請の前に開示されている状態であっても、特許保護を受ける機会を有する。補充審査に関しては、2020年1月1日以降の申請分については利用することができなくなる。

    Singapore Statutes Online

意匠権

  1. シンガポール独自の登録意匠法が2000年11月に施行され、シンガポールで意匠の保護を求めるにはオンライン出願サービス「IP2SG」を利用するか、またはIPOSの意匠登録局へ出願しなければならない。
  2. シンガポールでは、意匠出願に関し方式的な審査のみで、実体審査は行われない(意匠法19条は登録要件を審査しない旨を明記している)。ただし、明らかに新規性がない、あるいは不登録事由に該当しているとIPOSが判断した場合、出願は拒絶される。
  3. 2005年1月に施行された意匠(改正)法で、国際登録協定である「ハーグ協定」に加盟することにより意匠の国際登録が簡素化された。「ハーグ協定」に加盟すれば世界知的所有権機関(WIPO)を窓口とした意匠登録が加盟国内で一括適用されるようになる。
  4. 意匠権の存続期間は登録日から当初5年間で、以後2回まで更新可能で、最長存続期間は15年間となる。
  5. 2017年10月30日、修正登録意匠法およびそれに対応する下位法規則が施行された。当該修正法規の特徴は以下の3点である。
    1. 登録可能な意匠の範囲を拡張し、現在は非物質的商品に適用される意匠の特徴や意匠の特徴の一つである色の特徴などを含んでいる点。
    2. 意匠の権利は原則として設計者に帰属するが、これは職務中の設計如何による。
    3. 設計者に端を発する意匠の開示が保護される範囲が拡張し、猶予期間が意匠申請日までの直近12カ月に拡張された。
  6. 近年改正された登録意匠法により、著作権法70条、73条、および74条がそれぞれ修正され、シンガポールにおいて著作権領域と登録意匠が相互に作用していた領域がより明確になった。重要な点として、量産品のデザインに知的財産の保護を及ぼす場合、その保護は登録意匠法で行われるものであり、著作権法の保護下ではないという点がある。製品が量産品であるという判断がなされた場合、著作権の保護からは外れることになる。

    Singapore Statute Online

商標権

  1. 商標法は1998年施行され、シンガポールが加盟している主な国際条約は、WTO、パリ条約、マドリッド議定書、ニース協定など。
  2. シンガポールでの出願は、オンライン出願サービス「IP2SG」を利用するか、またはIPOS商標登録局に提出し、出願された商標が不登録事由に該当しないときは識別力を含む実体要件の審査が行われる。審査後、出願公告され、2カ月以内に異議申立がなければ登録される。
  3. 2004年7月に施行された2004年商標(改正)法において、周知商標の定義が明確化され、周知商標と類似する商標の登録拒否と周知商標所有者に対する保護が法制化されている。
  4. 商標権の存続期間は出願日から10年間で、その後、10年ごとに更新が可能。

著作権

  1. 著作権法は1987年に制定された。シンガポールはベルン条約およびWTOのTRIPS協定に加盟しており、当条約の下、所有権者はシンガポールで登録することなく、自動的に保護される。シンガポール国民または居住者によって創造された作品(出版されているか否かを問わない)は、通常、米国やカナダ等ベルン条約やWTOのTRIP協定の加盟国で著作権を出願しており、所有権者となれば、シンガポールのみならず米国、日本など100以上の加盟国で著作権が保護される。シンガポールはこの他、パリ条約、パテント協力条約、ブダペスト条約という3つの国際的著作権協定のメンバーである。
  2. 著作権法は2005年1月に改正法が施行され、インターネットを通じた音楽、映画、コンピュータープログラムの不法ダウンロードは犯罪行為と見なされ、2万Sドル以下の罰金か6カ月以下の禁固、あるいはその両方が科される。従来規定では、著作権者が容疑者を相手取り民事訴訟を起こす必要があり、罰金額も不法行為対策、訴訟費用以下というケースが多かった。改正は、米国・シンガポール自由貿易協定(FTA)の要件を満たすための措置で、甚だしく、あるいは商業的利益を目的に著作権を侵害したものは起訴対象となる。
  3. 著作権法はさらに2014年12月に改正法が施行され、音楽や動画ファイルなどの違法ダウンロード対策として、ケーブルテレビ会社などのコンテンツ保有者は裁判所命令を取得し、著作権を著しく侵害する違法サイトへのアクセスをインターネット接続事業者(ISP)に遮断させることが可能となった。
  4. 著作権に関する侵害については「著作権仲裁所(Copyright Tribunal)」が担当しており、著作権に関する紛争解決、著作物の使用に際する公正な報酬の決定等を手掛けている。著作権仲裁所の事務局はIPOSが担当している。
  5. 著作権の存続期間は、次のとおりである。
    1. 公表された文学作品、ドラマ、ミュージカル、美術作品の場合、創作者の没後70年間。創作者の没後に初めて公表された作品は、初公表日から70年間。
    2. 文学作品、ドラマ、ミュージカル、美術作品の編集著作物(配列)は、最初の編集日から25年間。
    3. テレビ番組、ラジオ番組の場合、最初の放送日から50年間。
    4. 音楽、映画作品の場合、最初の発表日から70年間。
    5. 演劇の場合、最初の公演日から70年間。

    Singapore Statutes Online

集積回路配置設計

  1. 1999年2月に集積回路配置設計法が施行され、集積回路(IC)の配置設計の所有権者に対して制定法上の保護が与えられた。
  2. シンガポールでは集積回路配置設計を保護するための出願・登録は不要であり、配置設計の所有権者がシンガポール、WTO加盟国または別途規定される特定国の市民または居住者であれば、集積回配置設計法において定められた保護条件を満たす限りにおいて、自動的に保護される。
  3. 集積回路配置設計の存続期間は、配置設計完成から5年以内に商業生産が開始された場合には、商業生産開始時から10年間、または配置設計完成時点から15年間。

地理的表示

  1. 地理的表示法が1999年1月に施行され、この法律により、地理的表示が特定する商品の生産業者および商取引業者に制定法上の保護が与えられた。
  2. シンガポールでは地理的表示を保護するための出願・登録は不要であり、WTO加盟国、パリ条約加盟国等の地理的表示のうち、地理的表示法において定められた保護条件を満たす限りにおいて、自動的に保護される。

植物品種保護

  1. 植物品種保護法が2004年6月に制定され、この法律により植物の新品種に対する開発者の権利保護が認められるようになった。植物品種保護法の下で保護されている新品種は蘭8種、観葉・水生植物5種、地元の野菜2種。植物品種保護法および植物品種保護規則は2014年7月30日付で一部改正され、同法の適用範囲が、現在15品種からすべての品種に拡大され、審査手続きにつき、他国の審査官への権限移譲が可能となった。
  2. 植物新種の存続期間は権利付与日から25年間。

IPOS:IP関連法規の改正状況 "IP Legislation外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"
「知的財産に関する情報」のページもご参照ください。

ご相談・お問い合わせ

現地日系企業の皆様

最寄りのジェトロ事務所にご連絡ください。

  1. サイトトップ
  2. 国・地域別に見る
  3. アジア
  4. シンガポール
  5. 技術・工業および知的財産権供与に関わる制度

マイリスト マイリストを開く 追加

閉じる

マイリスト
マイリスト機能を使ってみませんか?
ジェトロ・ウェブサイトのお好きなページをブックマークできる機能です。
ブックマークするにはお好きなページで追加ボタンを押してください。