税制

最終更新日:2018年11月28日

法人税

所得税法(Income Tax Ordinance, 2001)における法人に関する制度としては、法人所得税(Corporate Income Tax)、源泉徴収税(Withholding Tax)、取引高税(Turnover Tax)、内部留保税(Tax on Undistributed Reserves)、一時避難民救済のためのスーパー・タックス(Super Tax)がある。

法人所得税(Corporate Income Tax

会計年度 企業 小企業 銀行
2017/18 30% 25% 35%
2018/19 29% 24% 35%
2019/20 28% 23% 35%
2020/21 27% 22% 35%
2021/22 26% 21% 35%
2022/23 25% 20% 35%

課税所得の算定においては、経費を差し引くことや、損失の繰越、タックス・クレジットの使用が可能である。

源泉徴収税(Withholding Tax)※前払い所得税

法人所得税は、普通、通常税方式(NTR)によって納付されるが、特定の支払い・受け取りを行った場合には、最終税方式(FTR)が適用されて前払い所得税が徴収されることがある。この場合、経費の差し引き、損失の繰越、タックス・クレジットの使用は認められない。FTRで課税された源泉所得には、他の税は課税されない。

この税が適用されるのは、輸入(6%)、輸出(1%)、銀行取引(0.3%)、配当受取(7.5~25%)、利子受取(15%)などである。

売上高税(Turnover Tax) ※最低税(Minimum Tax

売上総利益の黒字・赤字にかかわらず、当該年度における売上高の1.25%相当と法人所得税を比較し、より大きい金額の方を支払う制度。売上高税を払った場合、法人所得税より多く支払った過払い額については、5年間繰り越せる。しかし、純損失(赤字)により法人所得税が該当しない場合、繰り越せない。立ち上げ間もない企業への負担が大きい制度。

未配当利益税(Tax on Undistributed Profits

上場企業(銀行やムダラバを除く)が当期税引後純利益の最低20%を、税務年度終了後6カ月以内に配当しない場合、当該年度の税引前利益に対し5%課税される。

一時避難民救済のためのスーパー・タックス(Super Tax

該当する法人や個人が、課税所得に対して次の税率の通り納税義務を負う。

課税所得に対する税率
会計年度 銀行 5億ルピー以上の所得がある法人・個人
2017/18 0% 3%
2018/19 4% 2%
2019/20 3% 1%
2020/21 2% 0%

二国間租税条約

二国間投資条約および二重課税防止条約がある。

日本‐パキスタン租税条約

2008年11月に改正された日本‐パキスタン租税条約では、主に次の点が変更された。

  1. 事業利得に対する課税方式が、総合主義から帰属主義に変更された。
  2. 配当に対する源泉地国における限度税率は、配当受け取り側の法人が、配当を支払う法人の議決権のある株式の50%以上を保有している場合は5%、25%以上を保有している場合は7.5%、その他の場合は10%となった。
  3. 利子に対する源泉地国の限度税率は、それまでの30%が10%になった。
  4. ロイヤルティーに対する源泉地国の限度税率は10%。
  5. 技術上の役務の料金についての範囲が明確にされるとともに、限度税率が10%となった。
  6. そのほか、譲渡収益に関する条項が導入されるとともに、みなし外国税額控除は廃止された。

参考:日本・外務省「日・パキスタン租税条約の発効について外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

二重課税防止条約

  1. 締結国(65カ国)

    日本、韓国、中国、タイ、マレーシア、インドネシア、シンガポール、フィリピン、ベトナム、バングラデシュ、スリランカ、ネパール、モーリシャス、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン、カザフスタン、キルギス、アゼルバイジャン、アラブ首長国連邦、イラン、オマーン、カタール、バーレーン、サウジアラビア、クウェート、ヨルダン、レバノン、シリア、イエメン、トルコ、エジプト、リビア、チュニジア、モロッコ、南アフリカ共和国、ナイジェリア、英国、アイルランド、イタリア、フランス、ドイツ、ポーランド、スイス、オーストリア、オランダ、スペイン、ポルトガル、ベルギー、デンマーク、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、ルーマニア、セルビア、ベラルーシ、ウクライナ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マルタ、ハンガリー、米国、カナダ、ブルネイ、チェコ、香港

  2. 条約内容

    締結国の国内居住者に対して、もう一方の締結国内で発生した所得が支払われる際の二重課税を防ぐことを目的としている。非パキスタン居住者のパキスタン国内源泉所得への課税について、パキスタン国内の税法よりも租税条約上のルールが優先される。

二国間投資条約

  1. 締結国(48カ国)

    日本、韓国、中国、オーストラリア、インドネシア、シンガポール、マレーシア、フィリピン、ラオス、カンボジア、バングラデシュ、スリランカ、モーリシャス、ウズベキスタン、トルクメニスタン、カザフスタン、タジキスタン、キルギス、アゼルバイジャン、アラブ首長国連邦、オマーン、イラン、カタール、シリア、レバノン、イエメン、クウェート、エジプト、チュニジア、モロッコ、トルコ、英国、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、スペイン、ポルトガル、スイス、スウェーデン、デンマーク、ベラルーシ、ルーマニア、ブルガリア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、チェコ、ベルギー・ルクセンブルグ経済同盟、バーレーン

  2. 条約内容
    1. 契約当事者は、各自の投資分野において、他の契約当事者による投資を奨励すること。
    2. 国内投資家と第三国の外国投資家は、お互いに差別的な待遇をしないこと。
    3. 戦争、その他の武力紛争、国家非常事態宣言、徴用手段等に起因する損失に対する代償を行うにあたっては、平等/非差別的に対処すること。
    4. 投資やその他の独占的ではない個々の事業がもたらす利潤、配当金、利息、譲渡、もしくは清算による収益、ローンの返済金、給与、労賃に関しては、自由な送金が可能。
    5. 個々の協定の解釈に関する国家間の争議を解決するため、争議解決機構を設置する。
    6. 投資受け入れ国と外国投資家との間の争議を解決するための手順。

その他税制

個人所得税(Individual Income Tax)、売上税(Sales Tax)、連邦物品税(Federal Excise Duty)がある。関税については、「関税制度」の項を参照されたい。

個人所得税

給与所得が課税所得の5割以上の個人の場合(2018/2019年度)
所得額 税率(%)
Rs.400,000以下 0%
Rs.400,001~800,000以内 Rs.1000
Rs.800,001~1,200,000以内 Rs.2,000
Rs.1,200,001~2,500,000以内 Rs.1,200,000を超えた部分について5%
Rs.2,500,001~4,000,000以内 Rs.65,000+Rs.2,500,000を超えた部分について15%
Rs.4,000,001~8,000,000以内 Rs.290,000+Rs.4,000,000を超えた部分について20%
Rs.8,000,001以上 Rs.1,090,000+Rs.8,000,000を超えた部分について25%

※課税所得が80万ルピーを超える場合、最低納税額は2,000ルピーとなる。

売上税(Sales Tax

標準的な売上税率は、商品の場合は17%、サービスの場合は、サービス業者が所在する州またはサービスが利用される州により、13~16%。
関連法としては売上税法(Sales Tax Act, 1990)がある。

連邦物品税(Federal Excise Duty

特定の物品やサービスに課税される税金で、タバコ、ガソリン、航空、通信、金融サービスなどに賦課される。
関連法としては連邦物品法(Federal Excise Act, 2005)がある。

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