外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用

最終更新日:2016年10月14日

外国人就業規制

あらゆる職種やレベルにおいてマレーシア人が訓練され、雇用されるようにするのが政府の方針である。しかし、訓練を受けたマレーシア人が不足している職種には、外国人の雇用が認められる。

1. 関連法
外国人の就労査証については、出入国管理法(Immigration Act 1959/63)で定められている。

2. 関係機関
○ 人的資源省(Ministry of Human Resources外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

○ 内務省(Ministry of Home Affairs)
入国管理局(Immigration Department外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

eXpats Service Centre外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
情報通信技術分野の雇用パスの申請窓口。

Talent Corporation Malaysia Berhad外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 
外国人の優秀な人材の誘致を目的とするレジデンス・パスの申請窓口。

在留許可

マレーシアにおける就労ビザは、駐在員のための長期滞在・就労のための雇用パス(Employment Pass)と機械設置や研修などの短期就労のためのプロフェッショナル・パス(Professional Visit Pass)などがある。


1. 外国人の就労枠(Key Post永久ポスト/Time Post期限付きポスト)の取得
MIDAでは、製造業や、国際調達センター(IPC)/地域流通センター(RDC)/経営統括本部(OHQ)のステータス会社について、外国人就労枠(Key Post永久ポスト/Time Post 3~5年の期限付きポスト、申請により10年までの延長も可)の申請を受け付けている。

マルチメディア開発公社(MDeC)では、マルチメディア・スーパー・コリドー(MSC)ステータスの企業については、必要に応じて外国人駐在員を認めるとしている。
なお、上述の外国人就労枠の認可を得ていない販社やサービス会社は、後述の雇用パス取得の手続きに従う。


2. 就労査証(就労ビザ)
就労を目的とする滞在には、短期でも就労ビザの取得が必要である。就労ビザは、雇用パスとプロフェッショナル・パス、外国人労働者(ワーカー)に対するワークパーミットなどが主なものである。これらの申請は、入国管理局に対して行う。

(1) 雇用パス(Employment Pass)
雇用パスは、通常マレーシアの雇用主(マレーシアで法人化された子会社、マレーシアで登記された外国企業の支店、マレーシアの駐在員事務所)に雇用される管理職・専門職の外国人に発給される。

内務省は2015年7月より、外国人の雇用パスの発給について、最低月額給与をベースに3つのカテゴリーに大別している。

カテゴリー 最低月額給与 雇用期間 家族帯同の可否 メイド雇用の可否 更新
カテゴリーI 5,000リンギ以上 2年以上 更新時に考慮される
カテゴリーII 5,000リンギ以上 2年未満 更新時に考慮される
カテゴリーIII 2,500~4,999リンギ 1年以下 不可 不可 更新は最高2回まで



<主な取得要件>
a. 最低払込資本金(2016年9月時点)

資本構成 払込資本金
・100%ローカル資本(マレーシア) 25万リンギ
・ローカルと外資の合弁(外資30%以上) 35万リンギ
・100%外国資本 50万リンギ
・流通・サービス取引を行う外資51%以上の会社およびレストラン 100万リンギ
・国内取引・協同組合・消費者省(MDTCC)の管轄下に新たに入った
他の法令で規定されていないサブセクター(The sub sectors on unregulated
services)においてサービス取引を行う外資51%以上の会社
・外資との合弁会社でManaging Director等の重要ポストを占める外国人の
雇用パスを申請する場合 
50万リンギ
(外資保有分につき)

出所:入国管理局の外国人サービス部門(Expatriate Service Division:ESD)
ESDオンラインガイドブック"ESD Online Guidebook V3 2016外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"


b. 最低月額給与
通常、駐在員の最低月額給与は5,000リンギである(上表カテゴリーI、II)。カテゴリーIIIを申請する会社は、内務省より最低月額給与5,000リンギの要件免除の認可を取得しなければならない。この認可後カテゴリーIIIの申請が可能になる。
雇用期間は、給与額、役職によって1年から5年である。雇用パスの発給を受けるためには、申請者のパスポートの有効期間は最低12カ月必要である。なお、2016年9月時点、駐在員の年齢制限は設けられていない。また、雇用パスの更新には、個人所得税の納付証明が必要である。


<申請の手続き>
2014年4月よりオンラインでの申請が導入され、雇用パス申請は新規でも延長でもオンラインでの申請が必須である。まず、入国管理局の外国人サービス部門(Expatriate Service Division:ESD)にオンラインで会社を登録し、登録完了後、申請者の雇用パス申請をオンラインで行う。申請手続きの詳細については、下記ガイドブックを参照されたい。
ESDオンラインガイドブック"ESD Online Guidebook V3 2016外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

2016年8月1日よりカテゴリーI、II、IIIの雇用パス申請者については、マレーシア入国の際に入国管理局のカウンターで認可書を提示することとなった。つまり、雇用パスの申請は、マレーシア国外にいるうちに行い、雇用パスの発給を受けるためには、認可書入手後、マレーシアに入国しなければならない。雇用パス申請中に既にマレーシアに滞在している場合は、認可が下りた後一旦出国し、再入国する必要がある。入国の際、入国管理局のカウンターで認可書を提示すると、通常30日の滞在許可が得られ、その間に雇用パスの発給を行う。マレーシア入国管理局の発表については、下記サイトを参照されたい。
カテゴリーI、II、IIIの雇用パス申請の新規要件
NEW REQUIREMENT FOR EMPLOYMENT PASS CATEGORY I,II & III外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます


MIDAより就労枠の認可を得ている場合、雇用パスの発給申請は、2016年9月時点、入国管理局窓口へ提出する。

ICT企業*(MSCステータスを持たない会社も含む)の雇用パスの申請は、Multimedia Development Corporation (MDeC)のeXpats Service Centreにオンラインで行う。
*情報通信技術(Information and Communications Technology)

eXpats Servisce Center:雇用パス申請手続き "Working in Malaysia-Employment Pass外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

(2) レジデンス・パス(Residence Pass)
国家重要経済分野において、外国人の優秀な人材をマレーシアへ誘致することを目的に、2011年4月から導入されたパス。申請は、Talent Corporation Malaysia Bhd外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのウェブサイトにて行う。申請資格条件などの詳細は同ウェブサイトを参照。主な特典は次のとおり。
・マレーシアで最長10年の就労・滞在が可能
・パスを更新せず、就労先が変更可能
・配偶者および18歳未満の同伴家族も当該パスの申請が可能であり、配偶者も雇用パスの取得なしに就労可能
・18歳以上の同伴家族、両親、義理の両親にも5年の滞在ビザ(Social Visit Pass)の申請が可能

(3) プロフェッショナル・パス(Professional Visit Pass)
プロフェッショナル・パスは、マレーシア国外の会社に籍を置いたまま、マレーシア国内で短期就労を行う外国人に発給される。2014年10月1日より、プロフェッショナル・パスについてもオンライン申請が導入された。申請する会社は、まず入国管理局のESDにオンラインで会社を登録する必要がある。

申請する会社は、申請理由などを記載したカバーレターおよびマレーシア国内の保証人の保証書を添えて、パス申請者のマレーシアでの活動予定表を提出する。

プロフェッショナル・パスは、契約内容、目的等によって最長1年まで認められる。ただし、同パス取得者は、2016年9月時点、家族の帯同は認められていない。

2016年8月1日よりプロフェッショナル・パス申請者についても、雇用パス申請者と同様、マレーシア入国の際に入国管理局のカウンターで認可書を提示することとなった。入国の際、入国管理局のカウンターで認可書を提示すると、14日の滞在許可が得られ、この間にプロフェッショナル・パスの発給を行う。申請手続き詳細については、上述のESDオンラインガイドブックを参照されたい。

(4) 雇用パスを取得している駐在員の配偶者・子供の滞在ビザ(Dependent Pass)および就労許可(Permission to Work
駐在員の雇用パス取得後、帯同する家族は、滞在ビザ(ディペンデントパス)を申請し発給を受けることが可能となる。このパスの有効期間は、駐在員の雇用パスの有効期間と一致する。
学童の就学には、ディペンデントパスに加え、就学許可(Study Approval)の取得が必要。駐在員の配偶者が就労する場合、ディペンデントパスを保持したまま、就労許可の取得が必要。

(5) マレーシア人の外国人配偶者の就労許可
マレーシア人の配偶者である外国人が、配偶者として1年以上の長期滞在ビザを取得した上で就労する場合、就労許可を取得できる。長期滞在ビザは、最長5年の期間で許可が得られる。外国人配偶者の場合、年齢、給与の最低限度の基準は適用されず、職位についても制限がない点が、雇用パスの認可基準と異なる。



3. 半熟練または非熟練外国人労働者
(1) 外国人労働者の雇用
マレーシア政府は、「マレーシア人の雇用第一(Malaysians First)」という政策を掲げ、マレーシア人の雇用確保を方針としている。外国人労働者の雇用が認められるセクターおよび外国人労働者の送出が認められる国は限定される。また外国人労働者には、年次雇用税が課せられる。
2016年3月、年次雇用税の引き上げが発表された。また、外国人労働者の新規受け入れについては、2016年2月に家政婦を除いて全面的に凍結するとの発表があり、2016年9月現在、外国人労働者の新規雇用は凍結されているが、産業界、外国人労働者からの反発もあり、現在政策の見直しがなされている。内務省の担当官によれば、2016年9月時点では正式な発表はされていないが、製造業、プランテーションおよび建設業の3セクターに限って、2016年7月より外国人労働者の新規雇用について内務省の外国人労働者管理局(Foreign Workers Management Division)の窓口でアピール申請を受け付けているとのことである。
外国人労働者の雇用・送出が認められる国、外国人労働者に課せられる年次雇用税は、次のPDFを参照。

外国人労働者の雇用が認められている業種及び外国人労働者の送出が認められている国PDFファイル(94KB)
外国人労働者に課せられる年次雇用税PDFファイル(139KB) 


(2) 外国人労働者のワークパーミット
外国人労働者のワークパーミット取得手続きは、下記のとおりである。

a. 外国人労働者を雇用しようとする会社は、まず人的資源省の労働力局およびJobMalaysiaという求人・求職のマッチングサイトに登録の上、求人を行う。マレーシア人の労働者が得られなかった場合、外国人労働者を雇用してもよいとする確認書を労働力局から取得する。

b. 次に、内務省に必要人数、送出国等の申請を行い、認可され、雇用税を支払った後、外国人労働者雇用の認可書を得る。

c. 会社は、外国人労働者の採用決定後、当該外国人労働者の雇用および雇用に関する書類について、送出国の大使館の認証を得る。

d. 入国管理局に当該外国人労働者の照会ビザ(Visa with reference:VDR)およびワークパーミットを申請する。2015年6月よりVDRの申請は外国人労働者集中管理システム(FWCMS)を通してオンラインで行うこととなっている。窓口での申請は2015年7月1日をもって終了。
外国人労働者集中管理システム"Foreign Workers Centralized Management System:FWCMS外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

e. 上記d.の認可後、入国のため、外国人労働者送出国のマレーシア大使館・領事館で照会ビザを取得する。

f. 外国人労働者の入国の際には、申請会社の人事担当者・取締役が入国管理局で入国手続きをとる。入国手続きは、外国人労働者が入国後24時間以内に行わなければならない。通常30日の滞在パスが発給される。この間に、会社は当該労働者の健康診断を行い、健康上適格という診断を得た上で、ワークパーミットのエンドース申請を行う。ワークパーミットの認可期間は1年である。毎年更新を行い、通常3年間認められる。

g. 2011年4月1日より、10年までの延長が認められることとなった。

現地人の雇用義務

マレーシア政府は、マレーシア社会の民族構成比を反映した従業員構成となるよう、すべての企業に対し努力を求めている。

あらゆる職種においてマレーシア人が訓練を受け、雇用されること、および従業員構成がマレーシア社会の民族構成比を反映することがマレーシア政府の希望である。1955年雇用法(Employment Act 1955)では、雇用主は外国人労働者を雇用を目的として、マレーシア人従業員の雇用契約の解除が禁止されている。また、雇用法は会社の従業員を削減する場合、雇用主に対し、マレーシア人従業員を解雇する前に、同程度の能力の外国人労働者の解雇も要請している。

雇用法は、西マレーシアにおける雇用に関するすべての事項を規定し、(公務員および国家機関に雇用される者を例外として)雇用主と雇用契約を結んだ、または雇用契約に基づき就労する者で、1カ月の賃金が2,000リンギを超えない者を対象としている。雇用法はまた、(1カ月の賃金が2,000リンギを超える、超えないにかかわらず)肉体労働に従事するすべての従業員、機械のオペレーター(ドライバーを含む)を対象としている。その他のすべての労働者は、雇用契約書およびコモンローに規定される。コモンローは、従業員および雇用主に所定の基本的な義務を課しているが、このような従業員の雇用条件は、従業員と雇用主間の同意に任されている。

マレーシアは、2020年までに「高所得国」への移行を目指しており、2012年最低賃金令(Minimum Wages Order 2012)が2013年1月1日より施行された。最低賃金は、半島マレーシアで月額900リンギ、サバ、サラワク、ラブアンでは、同800リンギであったが、2012年最低賃金令に代わり、2016年7月1日より2016年最低賃金令(Minimum Wages Order 2016)が施行され、それぞれ月額1,000リンギ、同920リンギに引き上げられた。

また、2012年最低退職年齢法(Minimum Retirement Age Act 2012)が2013年7月1日より施行され、60歳定年が法的に民間企業に導入された。これに伴い、従業員積立年金制度(Employees Provident Fund:EPF)の拠出も60歳の定年までは、同様に継続することが義務付けられた。

2012年に改正された雇用法では、セクシャルハラスメントに関する規定が導入され、2012年4月1日より施行している。
2012年改正雇用法 "EMPLOYMENT (AMENDMENT) ACT 2012"  (391KB)

その他

特になし

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