外資に関する規制

最終更新日:2016年03月22日

規制業種・禁止業種

2002年から「貿易業(Trading;貿易業を含む卸売業、小売業)」として、外国企業の企業登記が凍結されており、現状、ミャンマー現地企業のみの登記が可能である。
しかし、2015年11月11日、商業省通達により、ミャンマー会社との外資合弁会社に貿易業の参入を認め、外資規制を緩和した。

規制緩和により、外国企業であっても、[1]農業用の肥料、[2]種子、[3]殺虫剤・駆除剤、[4]医療機器の4分野において、また、委託加工業者および製造業者の場合は、原材料、加工品等の輸出入は可能である。サービス業の場合も、所管官庁の許可があれば、サービスに付随する材料、スペアーパーツなどの輸入は可能。前述の「貿易業」はいわゆる農水産品等の物品貿易取引を対象としたものである。

(注1)ミャンマー投資委員会(MIC)通知49号により、貿易業を目的とする外国会社の登記が可能となったとの見解もあるが、ミャンマー政府は未だに外国会社の登記を認めていない(2016年1月25日時点)。
(注2)1株でも外国資本が入ったミャンマー会社は外国会社として扱われる。
(注3)通商弘報「外資合弁企業の貿易取引、4品目に限り解禁」2015年12月15日を参照。
(注4)CMP(Cutting, Making and Packingの略)企業とは、委託加工業者。輸入した原材料をすべて加工して輸出したうえ加工賃収入を得る業態で、一般に縫製業等に多い。原材料は免税で輸入可能、かつて徴収されていた10%の輸出税は現在廃止されている。CMP形態を希望する場合は、外国投資法の下で企業登記を行う(MIC認可を得る)。既存企業が後から業務内容にCMPビジネスを加えることはできないため、新たに会社設立する必要がある。


I. 国営企業法に基づき民間参入が制限される分野
国営企業法において、ミャンマー政府から認められた場合を除き、原則として、次の12分野への民間企業の参入は認められない。
1. チーク材の伐採とその販売・輸出
2. 家庭消費用薪材を除くすべての植林および森林管理
3. 石油・天然ガスの採掘・販売
4. 真珠・ひすい、その他宝石の採掘・輸出
5. 魚・海老の養殖
6. 郵便・通信事業
7. 航空・鉄道事業
8. 銀行・保険事業
9. ラジオ・テレビ放送事業
10. 金属の採掘・精錬と輸出
11. 発電事業
12. 治安・国防上必要な産品の生産


II. 外国投資法に基づき制限が課されている分野
「外国投資法規則」において、ミャンマー国民のみが従事できる25分野が規定されている。
外資法施行細則7条ないし10条PDFファイル(132KB)参照。


III. MIC通知
投資が禁止または制限される業種のみを列挙するネガティブリスト方式が採られており、MIC通知49号1条に規定されていない事業について、100%外資による投資が認められる旨規定されている(MIC通知49号2条)。ただし、実態としてはリストになくても、実質的に制限を受ける分野もあるので、投資窓口・所管官庁と相談する必要がある。

1. MIC通知49号(2014年8月14日交付)PDFファイル(244KB) 
(1) 禁止される経済活動リスト11分野(電力の売買、航空業務等)
(2) ミャンマー国民との合弁事業の形態においてのみ許可される経済活動リスト30分野(多くの分野の製造業、建設業、観光業等)
(3) 特別な条件の下で許可される経済活動
a. 関係省庁の承認があり、合弁であれば許可される経済活動リスト(43分野)
b. 一定の条件を満たし、合弁であれば許可される経済活動リスト(21分野)

2. MIC通知50号(2014年8月14日交付)PDFファイル(136KB) 
環境影響評価を行う必要のある経済活動のリスト(30分野)

3. MIC通知51号(2014年8月19日公布)
関税および商業税の減免を享受できない9分野、ならびに商業税の減免を享受できない1分野を規定している。

<関税および商業税の減免措置を付与されない経済活動リスト>

 番号  投資事業
 (1)  酒、ビール、たばこおよび類似品の生産およびその他関連業務
 (2)  石油、ディーゼル油、燃料および天然ガスの販売
 (3)  自動車の修理およびその他の関連業務
 (4)  先進技術を用いない少額資本の産業(労働集約型事業は除く)
 (5)  長期貸与に基づく(公有の保護林および保安林の)開墾および樹木伐採
 (6)  天然資源(原油および天然ガスは除く)の探査
 (7)  建物の建築および転売事業
 (8)

 自動車および機械の賃貸業

 (9)

 飲食店および食品販売 

 

<商業税の減免を享受できない1分野>
牛乳および乳製品ならびに、これらに関連するその他の食品に係る事業


IV. 特別法に基づき所管官庁の許認可を要する分野
1.ホテル業
会社または個人が事業を始める前にホテル観光省に事前承認を求め、その承認を得てホテル観光局に事業許可(ライセンス)を申請する。ライセンスは2年間有効、かつ申請により延長可。

2. 観光業
旅行企画・運営業、旅行代理店、旅行運送業、ツアーガイドを行おうとする会社または個人は、ホテル観光省からライセンスを取得しなければならない。ライセンスは2年間有効、かつ申請により延長可。

3. 金融業
金融業には商業銀行、投資または開発銀行、ファイナンス会社、信用組合等が含まれる。国営、民間共同事業、民間の如何を問わず、金融業を興そうとする者はミャンマー中央銀行の事前許可を取得しなければならない。外国の金融業者(銀行を含む)が駐在員事務所を開設する場合も中央銀行の事前承認が必要。証券事業を興そうとする者はミャンマー証券取引委員会の事前許可を取得しなければならない。
なお、2016年1月現在、ミャンマー政府は日本のメガバンク3行を含む外銀9行に対し銀行ライセンスを発給し、支店としての営業が認められた。2016年中に、さらに数行にライセンスが発給される予定である。

<参考>
通商弘報「外資規制の104分野を削減、投資加速図る-外国投資法の新たな施行細則を公表(1)」2014年10月1日

通商弘報「小売り分野になお不透明さも、商業省に確認の必要-外国投資法の新たな施行細則を公表(2)」2014年10月2日

出資比率

合弁での法人設立が求められる業種で、外国企業の参入禁止または制限された業種において、外資法施行細則で外資の出資比率が80%を上回ってはならない旨規定している。しかし、禁止または制限業種の明確な定義は存在せず、99%まで認められることもある。
なお、外国企業からの出資が1株でも入っていれば、「外国企業」と定義される。

外国企業の土地所有の可否

外国人(法人も含む)の土地所有は不可。代わりに、土地使用権の賃借により不動産を確保する。土地はミャンマー政府、または民間から借り受けられる。
会社法に基づく企業の場合、土地・建物は原則1年契約となる。
外国投資法に基づく投資許可の取得企業の場合は最大70年間、経済特区法に基づく投資許可の取得企業の場合は最大75年間、土地使用権を得られる。


外国投資法の認可を受けると、政府および地場民間が使用権を持つ土地を最大50年間、使用・借用することができ、さらに10年間の延長が2回可能(最大70年間)となっている。

経済特区法の投資許可を取得すると、50年間の土地賃借、さらに25年間の延長(最大75年間)が認められる。

会社法に基づく企業の場合には、これら土地所有権に関連する恩典を得られず、原則1年ごとの賃借契約が必要となってくる。比較的小資本で始められるサービス業、例えば、法務、会計事務所、ITオフショア開発を行う会社などは、この会社法に基づいて現地法人(子会社)を作る例が多い。

一方、「1年以上の土地・建物の使用が必要」となるような製造業・ホテル業の場合、外国投資法に基づく法人設立が事実上、必須となってくる。

資本金に関する規制

会社法に基づく企業の場合、最低資本金等は製造業15万ドル、サービス業5万ドル。
外国投資法に基づく投資許可の取得企業の場合、ミャンマー投資委員会(MIC)が事業内容に基づき、判断するとされ、法律上明示されていない。
経済特区法に基づく投資許可の取得企業の場合、経済特区法施行細則に業種ごとに最低資本金等が規定されている。


従来の外国投資法(1988年制定。旧法)で投資認可を得る場合、「製造業は50万ドル、サービス業は30万ドル」以上の最低資本金・投資額(現物出資も可)が求められていたが、2012年11月2日に成立した現在の外国投資法では、業種ごとの最低資本金・投資額を、MICが投資事業の業態に鑑み、政府の承認を得て決定することとされている。
経済特区法に基づく投資許可の取得企業の場合、経済特区法施行細則に11の業種について、最低資本金または要件等が規定されている。

その他規制

特になし

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