卸・小売りの外資開放に向けた動きが加速

(ミャンマー)

ヤンゴン発

2018年08月06日

ミャンマー商業省は7月26日、卸・小売り分野の外資開放に関する「優先品目リスト」を公表、30日には認可に向けた具体的な手続きを定めた「Standard Operation Procedure」に関する説明会を開催するなど、外資開放の動きを加速させている。5月に公布した同省通達(2018年5月22日記事参照)により、一定条件の下で卸・小売り分野における100%外資の投資が認められたが、その後、国内企業からの反発を受けて規制の再強化を検討する動きもあり、動向が注目されていた。

「優先品目リスト」は、100%外資企業でも取り扱い可能な品目として、日用品や電化製品など24品目を規定している。リストの品目は抽象的に規定されているが、商業省の説明によると厳密な意味でのポジティブリストではないため、「リスト非掲載品は取り扱い不可」と考えるのではなく、「あくまでも優先される業態を参考までに規定しただけ」と解釈するのが妥当と考えられる。国内企業からの反発を受けて、ある程度開放を制限する姿勢を見せながら、規制再強化に反対する外資企業の意向も踏まえる必要があったことから生まれた苦肉の策だったと推測される。

通達に従うと、卸・小売業に参入するためには商業省への登録手続きを進めることになるが、具体的な手続きは今後公表される「Standard Operation Procedure」に規定される予定だ。これは外資企業だけではなく内資企業にも適用される手続き規程で、これまで無許可・無免許で事業を行ってきた内資企業に対しても是正を促すものとなっている。ミャンマーでこうした規程が公表されることはほとんどなく、その内容が注目される。

(下田聡)

(ミャンマー)

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