外資に関する奨励

最終更新日:2020年12月10日

奨励業種

IT/情報通信技術が創るサービス、製造業(アパレル、プリント基盤、医療機器、ソーラーパネル製造、電子電気、自動車部品)、物流、ツーリズム・レジャー、食品加工ほか。

奨励業種は次のとおり。

  1. IT/情報通信技術が創るサービス
  2. 製造業(アパレル、プリント基盤、医療機器、ソーラーパネル製造、電子電気、自動車部品)
  3. 物流
  4. ツーリスム・レジャー
  5. 食品加工

スリランカ投資委員会(BOI)ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますInvestment Opportunitiesを参照。

各種優遇措置

2018年4月1日より施行された改正内国歳入法(Inland Revenue Act, No.24 of 2017)では、投資に対する新たな税制優遇(キャピタル・アローワンス)の規定が設けられ、2016年3月末に停止されていた法人税の軽減が2年ぶりに復活した。

税制優遇制度(キャピタル・アローワンス)

2018年4月1日より施行された改正内国歳入法(Inland Revenue Act, No.24 of 2017)第2表では、投資に対する新たな税制優遇(キャピタル・アローワンス)の規定が設けられた。
新規の投資に対して投資回収型の「キャピタル・アローワンス」と呼ばれる税務上の資本控除が適用される。
また、法人税の算出において、工場や機械などの固定資産や商標権などの無形固定資産の取得に要した支出は、資本取引とみなされ費用としては認められないのが一般的だが、「キャピタル・アローワンス」では、これらの支出を投資の初年度から税務申告書で費用(損金)として算入できる。
加えて、資本控除に充当できる金額が、投資規模や地域に応じて資産取得額の100~200%と割り増し設定されており、事業開始から数年間は税負担の軽減を享受できる。

  1. 割増原価償却(Enhanced depreciation allowance

    スリランカで賦課年度に投資(既存事業の拡大を除く)を行う者は、減価償却費に関する一層の優遇が受けられる。
    無形資産以外の減価償却可能な資産について、賦課年度中に発生した費用に関しては、通常の減価償却費に加え、次の表1に従って計算される割増減価償却費が認められる。

    表1:減価償却資産に対するキャピタル・アローワンスの適格要件と控除(割増償却)率
    適格要件 投資場所/目的 控除率 割増減価償却
    当該会計年度に取得した減価償却資産の額が300万~1億ドル 減価償却資産が(北部州を除く)スリランカで用いられること 取得額の100% 10年
    当該会計年度に取得した減価償却資産の額が1億ドル超 減価償却資産が(北部州を除く)スリランカで用いられること 取得額の150% 10年
    当該会計年度に取得した減価償却資産の額が300万ドル超 減価償却資産が北部州で用いられること 取得額の200% 10年
    当該会計年度に取得した減価償却資産の額が2億5,000万ドル超 国有企業の資産や株式の取得にかかる支出(注) 取得額の150% 25年

    注: 企業の株式の50%以上を政府が所有する「国有企業」の、政府が所有する株式の40%以上が、ある者により2億5,000万米ドル超の額で取得された場合を指す。

    繰越期限

    • 割増減価償却費に係る当該会計年度に取得した減価償却資産の、次年度以降の繰越期限は10年間である(3億米ドルを超え、10億米ドル以下)。
    • 当該会計年度に国営企業の取得にかかる減価償却資産の額が10億ドル超の場合、次年度以降の繰越期間は25年となる。
      (事業または投資に関する一般損失の繰越期間は、内国歳入法第24号 (2017年) 第II章VI-19 (1) (b) に基づき、6年間である)
  2. 暫定的軽減(Temporary Concessions)/追加的資本控除(Additional capital allowance)改正内国歳入法(Inland Revenue Act, No.24 of 2017)第6表

    建物、建造物、類似の永久的製造物、工場あるいは事業所に設置されたコンピューター、データ取り扱い機器、それにかかる周辺機器(以上、クラス1と称される)、建物、構造物および永久的性質の類似のもの(以上、クラス4と称される)および事業プロセスや生産のための工場・機械で事業所に設置されるものの減価償却可能な資産に投資(既存事業の拡大を除く)を行う者は、通常の資本控除に加えて、同法施行当初3年の賦課年度に次のような割増資本控除を受ける。

    表2:300万ドル未満の減価償却資産に対するキャピタル・アローワンスの適格要件と控除(割り増し償却)率
    適格要件(減価償却額) 投資場所/目的 割増減価償却
    当該会計年度に取得した減価償却資産の額が300万ドル未満 減価償却資産が(北部州を除く)スリランカで用いられること 取得額の100%
    当該会計年度に取得した減価償却資産の額が300万ドル未満 減価償却資産が北部州で用いられること 取得額の200%

生命保険事業に係る特例

生命保険事業に従事する保険会社の収益と利益は、同法67条(2)に基づいて生命保険会社の収入とみなされ、同法律の施行後3年間の賦課年度に関して14%の税率が適用される。

情報技術に係る特例

次のすべてに該当する場合、企業が自社の従業員(役員を除く)に支払う課税対象となる支払い(給与)を含む賦課対象年度の事業収入が、この法律に基づいてその年に差し引かれる合計金額の35%に等しい場合、追加の控除を受ける権利がある。

  1. 企業が主として(事業の80%以上)、情報技術サービスの提供にかかる事業を実施している(注)。
    (注)情報技術とはソフトウェア開発サービスもしくはビジネスプロセスのアウトソーシング契約またはナレッジプロセスのアウトソーシング契約に基づく情報技術サービスの提供を意味する。
  2. 企業が当該年度の全期間中、少なくとも50人の従業員を擁している。
  3. 企業がこれらの従業員に関し、自社が提出する源泉徴収申告書において報告している。

前述のような控除を受ける権利を有する企業は、内国歳入法第6附則第1項の既述の追加資本控除の対象とはならない。また、第19条(1)に従い、本項の控除は、会社にとって救済されない損失となり、当該損失が当該企業の未処理損失となった場合、そのような損失は、次年度以降の賦課年度において控除されることはない。

本社の移転に係る特例

2017年10月1日以降、国際的なネットワークをもつ機関がスリランカに本部または地域本部を移転した場合、その機関は、官報公告により指定されたとおり、同法律の施行当初3年の賦課年度に関し、ゼロ税率が適用される。これは2018年4月1日から2021年4月まで施行される。

再生可能資源による発電に係る特例

2016年11月10日以前にセイロン電力庁と標準売電契約を締結して再生可能資源により発電した電力を提供した者は、同法律の施行当初3年の賦課年度に関し、14%の税率が適用される。これは2018年4月1日から2021年4月まで施行される。

研究・開発に係る特例

研究・開発費の支出があった者は、2018年4月1日から2021年4月まで施行される同法律の施行当初3年の賦課年度に関し、第15条に基づいて差し引かれた研究・開発費の100%相当額を、同賦課年の事業収入から追加控除する権利がある。

割増キャピタル・アローワンスにかかる源泉徴収税の免除

減価償却資産に10億ドルを超える費用を計上した場合(無形固定資産を除く)、または評価年度中に国有企業の資産または株式に対して割増キャピタル・アローワンスの適用がある場合、その企業は、企業活動の地域を問わず以下が適用される。

  1. 割増キャピタル・アローワンス適用後の利益から非居住者株主に支払われる配当は、源泉徴収税が免除される。
  2. 割増キャピタル・アローワンス適用後の利益から支払われる国外居住従業員の雇用所得は、国外居住従業員の数が20人を超えない場合はスリランカで源泉徴収税を免除される。

源泉徴収税(WHT)の免除

内国歳入庁が発行した参照番号PN/IT/2020-03(改訂)(2020年4月8日付)に基づく通知では、以下の分野における源泉徴収税の免除と、2017年内国歳入法第24号の改正が提案されている。同法の正式な改正はまだ行われていない。

  • スリランカ国内の者またはスリランカ政府に供与される借款に関するスリランカ国外にいる者に生じる利子(2018年4月1日から発効)
  • スリランカ中央銀行の承認を得て商業銀行や専門銀行に開設された外国通貨建ての銀行口座の預金から発生した利子
  1. 2018年4月1日以後に、国会が議決した基金または政府を通じて供与された借款から公社が受領した資金
  2. 2018年4月1日以降に得た以下に該当する収入
    1. 非居住者(スリランカの恒久的組織を除く)が現地通貨または外貨建てのソブリン債の利息、割引、利益の実現により得た収入
    2. スリランカ政府によって発行された、またはスリランカ政府に代わって発行された、スリランカ開発債を含む、外貨建てのソブリン債に対して支払われた、もしくは許可された利息または割引
  3. 現地企業または他国の企業が受け取った別の配当に起因・派生した、現地企業が株主に支払う配当
  4. 非居住者である株主に対して現地企業が支払う配当
  5. 2012年財務法第12号第Ⅳ部の規定に従い、スリランカ投資委員会法1978年第4号に基づいて設立されたスリランカ投資委員会との合意に基づき、以下の事業のいずれか1つ以上に従事する現地企業が支払う配当金
    1. 輸出、軽加工、再輸出を伴う中継貿易
    2. 他国から商品を調達したり、他国で製造したりし、スリランカに持ち込むことなく別の国に出荷するオフショア事業
    3. 海外のクライアントへのフロントエンドサービスの提供
    4. 金融サプライチェーンおよび請求業務の管理を行う主要バイヤーの本社業務
    5. スリランカにおける保税倉庫や多国間統合などのロジスティックサービス
  6. 2018年4月1日以降に得た以下に該当する収入
    1. 非居住者による実験室サービスまたは標準認証サービス
    2. 宗教を担当する省に登録された宗教団体が得た助成金や寄付金

BOI法に基づく免税と優遇措置

輸出志向事業の原材料の輸入に際し、関税、VAT、PAL、NBTが免除される。BOIによって付与された優遇税制は現在大幅に削減され、いくつかの関税にのみ適用されている。

  1. 輸出用製品およびサービスの製造に使用される事業関連の資本財(生産プロセスに直接関与するもの)および中間財(製造プロセスに必須なもの、ただし原材料を除く)の輸入に対する関税免除
  2. PAL(港湾および空港開発税)の免除(2019年12月6日から施行される港湾および空港開発税法2011年18号3条に基づく(注))
    (注)港湾および空港開発税法について
    • 企業による工場、機械、設備の輸入(BOIと締結した契約で指定された目的の事業実施期間中の輸入であり、2006年内国歳入法第10項16Dまたは17Aに基づく免税の対象となる場合)
    • 企業による非対称リストの該当しない事業関連の建設を目的とする資本財(プラント、機械、設備以外)の輸入(BOIと締結した契約で指定された目的のため事業実施期間中の輸入であり、2006年内国歳入法第10項17A に基づく免税の対象となる場合)
    • 2016年11月1日以降にBOIと協定を締結した、2億米ドル以上の投資を行う大規模な輸出志向型製造会社による事業実施期間中の事業関連資本財の輸入
    • 医療機関に寄付される医療機器の輸入
    • スリランカ航空、ミヒンランカ社、エアランカケータリングサービス社から委託された国際輸送用商品の輸入(個人用の自動車および商品を除く)
    • 5万ルピー以下の価値額の事業サンプルの輸入(税関長の指示に従うことが条件となる)
    • 5,000万米ドル以上の資本投資を行う企業が、事業実施中もしくは商業運転を始める前の建設期間に、事業関連の資本財を事業で使用するために輸入する場合(BOI法17条に基づいてBOIと契約を締結した企業が、事業実施中に輸入する場合)
    • 本件指示の発行日(2019年12月6日)から3年の間に、商品分類HSコード(08桁)の承認リストに該当する、温度管理された倉庫施設/コールドチェーン物流インフラ施設に投資するための資本財を事業期間実施中に輸入した場合
    • BOIと契約を締結し、レジャーやスポーツ用のヨットやその他の船舶の製造またはチャーター(貸切)に従事し、これらのサービスを供給する企業が、レジャーやスポーツ用のヨットその他の船舶を販売する場合

資本財のPAL免除に関し、合計652の機械器具の品目リスト(HSコード分類の第84章)のうち、免除は118品目に、2.5%の低減税率は52品目に適用される。

2021年の政府予算案では、保税倉庫への投資を条件とする港湾での倉庫業務への投資、およびオフショア事業に関連する倉庫への投資に対するあらゆる税金の免除が提案されている。発効日は未定である。

戦略的開発事業

2008年の戦略的開発事業法第14号、および2011年1月1日発効の2011年戦略的開発法(改定)第12号に基づく、戦略的開発事業は、以下の税のうち1項目もしくは1項目以上が免除される。

  • 法人税
  • VAT
  • 物品(特別規定)税
  • 経済サービス税(ESC)
  • 関税
  • 国家建設税(NBT)
  • 港湾・空港開発税(PAL)
  • 1979年スリランカ輸出開発法第40号に基づく租税
  • 賭博・ゲーム税

免税の期間は25年を上限とする。提案された事業が戦略的事業に相当するかについての認定はBOIが責任をもつ。本法は継続しているものの、スリランカ政府はこれらの免税特権の付与を停止している。

一方、2021年の政府予算案では、発効日については言及せずに、戦略的開発事業法に基づく税制優遇措置について以下の変更を提案している。

  • 戦略的開発事業、すなわち輸出、乳製品、織物、観光、農産物/加工、情報技術に基づく税制優遇措置。1,000万米ドルという当該事業の最低投資額を適格基準として、少なくとも10年間免税が適用される。
  • 乳製品部門の5年間の税制優遇措置の検討。これは、輸出用のミルクパウダーの加工を主とする2,500万米ドルを超える投資を対象とする。
  • 医薬品製造に関する戦略的開発事業法に基づく税制優遇措置。これは、国内外の民間投資家向けに特定された投資地区への投資であることが適格基準となる。

2021年予算案で提案された免税制度

2021年の政府予算案では、次の分野への投資に対する免税が提案されているが、発効日は未定である。

  • 特定の条件や基準のない再生可能エネルギーへの投資への、7年間の免税期間の付与。
  • 特定のリサイクル地区への投資を対象とした、建設資材のリサイクルへの投資への、7年間の免税期間の付与。
  • 特定の条件や基準のない現地のボートおよび造船会社への、7年間の免税期間の付与。
  • 民間の職業教育機関への投資への、5年間の所得税免税。これは、学生の入学者数が少なくとも5万人まで倍増した場合にのみ考慮される。

2021年予算案で提案されたその他の税制優遇措置

次の分野でも税制優遇措置の付与が検討されているが、発効日は未定である。

  • 職業教育を優秀な成績で終え、新規事業を始めた起業家に対する5年間の免税
  • ポートシティ経済特区に設立された企業に対する税制優遇措置

新しい通信塔の新規建設と設置に従事する国内企業への2021年1月1日から5年間の税制優遇措置も提案されている。

その他

特になし。