外資に関する規制

最終更新日:2022年12月19日

規制業種・禁止業種

スリランカ政府は、スリランカ国外に居住する者、外国資本の投資を禁ずる事業活動および政府機関の承認を必要とする事業活動の規制を定めている。規制の程度は投資分野ごとに異なる。詳細は、2016年6月10日付官報1970/49、2017年11月17日付官報2045/56、2021年2月3日付官報No.2213/35、スリランカ投資委員会(BOI)が毎年発行する投資ガイドなどを参照。

外国資本投資が認められない事業活動

次の業種への外国資本の投資は認められない。

  1. 質屋業
  2. スリランカ国外に居住する者が出資した資本金が500万ドル未満の小売業
  3. 沿岸漁業(漁業担当大臣の定義による)

外国資本の出資割合が制限されている事業活動

次の業種は、外国資本の出資割合が40%までに制限されている。外国資本の出資割合が40%を超える場合は、投資案件ごとに、スリランカ投資委員会(以下BOI)の承認を受ける必要がある。

  1. スリランカから輸出する際、国際的に定められた割当制限の対象となる輸出財の生産
  2. 茶・ゴム・ココナッツ・ココア・コメ・砂糖・香辛料の栽培、および第一次加工
  3. 鉱業および再生不可能な天然資源の採掘、および第一次加工
  4. スリランカの木材を使用する林業
  5. 遠洋漁業(漁業担当大臣の定義による)
  6. マスコミ
  7. 教育
  8. 貨物輸送
  9. 旅行代理店
  10. 海運業

規制業種

次の業種の事業は、外国資本の出資割合がスリランカ政府の指定する特定の割合に制限されており、同外国資本出資に際し所管する政府機関による承認が必要である。

  1. 航空運送業
  2. 沿岸海運業(海運大臣の定義による)
  3. 軍需品・危険な薬物・通貨の製造
    産業振興法(No.46 of 1990)の第2表に規定されている以下の産業事業
    • 武器、弾薬、爆発物、軍用車両および装備、航空機、その他の軍需品を製造する産業
    • 毒物、麻薬、アルコール、危険ドラッグ、有毒・危険・発ガン性物質を製造する産業
    • 通貨、硬貨、セキュリティ文書を製造する産業
  4. 宝石の大規模・機械化採掘業
  5. 宝くじ

許可された投資

スリランカ国外に居住する者(国外で設立されたカントリーファンド、地域ファンド、投資ファンド、ミューチュアル・ファンドも含む)は、スリランカにおいて、スリランカへの外貨送金を必要とする、次の資本取引を行うことができる。

  1. 2007年会社法第7号に基づき、スリランカで設立された会社が発行する株式の権利または株式への転換に基づくすべてのクラスの株式を取得、保有または売却すること(後述の制限および制限事業を除く)。
  2. 2007年会社法第7号に基づき、スリランカで設立された会社が発行した期間3年以上の債務証券(上場債務証券を除く)に指定外貨またはスリランカ・ルピーで投資すること。
  3. 関連規制当局の承認を得て、認可された商業銀行、認可された専門銀行、認可された金融会社または専門リース会社が指定外貨またはスリランカ・ルピーで発行する負債証券に投資すること。
  4. 2007年会社法第7号に基づき、スリランカに設立された会社に対して、指定外貨またはスリランカ・ルピーで、3年以上の期限付きで貸付を行うこと。
  5. スリランカ国外で設立された親会社が、2007年会社法第7号に基づく海外企業としてスリランカで登録されたその支店またはプロジェクト・オフィスに対して、指定外貨またはスリランカ・ルピーで貸付を行うこと。
  6. スリランカ政府または国有企業への融資は、関連省庁およびその他の関連当局から必要な承認を得ることを条件とする。
  7. 関連規制当局の承認を条件に、認可された商業銀行、認可された専門銀行、認可された金融会社、専門リース会社に、外貨またはスリランカ・ルピーで融資を行うこと。
  8. 他の法律の規定や制限に基づく以下の投資
    1. ユニット・トラストまたはミューチュアル・ファンドのユニット
    2. 政府証券(政府短期証券、国債、その他スリランカ政府が発行する証券)
    3. スリランカ中央銀行、国有企業、その他の法定機関が発行する証券
    4. スリランカ開発国債(SLDBs)
    5. 認可を受けた金融機関でのスリランカ・ルピーまたは指定外国通貨の定期預金
    6. 不動産
    7. 上場債務証券
  9. 2007年会社法No.7に定義されている企業で、ビジネス外貨口座を保有している企業に対して、借主の運転資金需要を満たすために融資の収益を利用する目的で、3年未満の融資を行うこと。ただし、当該融資の返済はすべて借主の外貨収入から行われることを条件とする。
  10. 大臣が発する指示に従い、通貨委員会が承認したその他の投資カテゴリーに投資すること。

以上は、2021年2月3日付の官報No.2213/35に定める2017年外国為替法第12号による。

出資比率

外国資本投資比率には、一部の例外を除き、基本的に制限はない。詳細は、前項の「規制業種・禁止業種」を参照。

外国企業の土地所有の可否

「2014年土地(譲渡制限)法第38号」によって、外国人、外国企業、および外資比率が50%を超えるスリランカ企業への土地譲渡は原則として禁止されており、国有地・民有地ともに最長で99年間のリース物件としてのみ、土地の取得が認められている。

2014年10月29日に議会で決定された2014年土地(譲渡制限)法第38号では、外国投資のための土地のリースが許可されている。ただし、完全な譲渡は、外国の株式が50%未満の場合にのみ許可される。土地のリース期間は制限がないが、最長99年間であること、全期間にわたって支払われる総賃貸料の15%の土地リース税(LLT)の支払いが課されることが条件となっていた(同法6条)。この法の下、以前許可されていた100%課税を条件とした外国人への土地譲渡は禁止され、外国人は、最長99年間であること、全期間にわたって支払われる総賃貸料の15%の土地リース税(LLT)の支払いが課されることを条件として、リースにより国有地または私有地を使うことができることになった。

その後、2016年1月17日発効の「2017年土地法第3号」(譲渡制限について改正)に基づき、外国人への土地の賃貸に課される土地リース税は、2017年1月8日から廃止された。ただし、土地リース契約に際し、借主は印紙税法に基づき該当する印紙税および同様の取引に関して支払われるべきその他の税金を支払う必要がある。

土地譲渡禁止の適用対象

  • 外国人(スリランカ国民以外の者)への譲渡
  • スリランカの会社法に基づき、スリランカで設立され、直接または間接の外国株式の割合が50%以上の会社への譲渡
  • 外国企業への譲渡

根拠法令:2014年土地(譲渡制限)法第38号第2項(1)

ただし、2014年土地(譲渡制限)法第38号第2項(1)(a)および(b)に従い、以下の場合はスリランカに設立された会社への土地の移譲を許可する。

  1. 第2項(a):当該会社の外国株式が50%未満の場合。これは、外国株式が当該移転日から遡って継続して最低20年間、50%未満である必要がある。
  2. 第2項(b):(a)の規定に反して、(a)に相当する会社の外国株式保有が50%に達するか、それを超えた場合は以下のいずれかの処置をとること。
    1. 直接または間接の株式所有を変更する。
    2. 会社の株主が死亡した後、スリランカで適用される継承法に従ってその株式を譲渡される最近親者が外国人の場合、当該の土地の譲渡は、外国株式保有が増加した日から無効であり、法律的には効力がない。
      1. 第2項(1)(a)で言及した会社は、外国株式の増加日から12カ月以内に、コロンボ証券取引所に上場し、外国株式を50%未満に減らす措置を講じること。もしくは、
      2. 外国株式保有の増加日から6カ月以内に、外国株式保有を50%未満に減らす措置を講じること。これはi.で言及した会社を除く。

適用除外

次のいずれかに該当する場合、「2014年土地(譲渡制限)法第38号第2項」の適用除外が認められる。

  1. 外交特権法または国際、多国間または二国間承認の意味する範囲内における他国の外交使節団に所有権が譲渡された土地。
  2. アパート所有法で指定されたコンドミニアム。ただし、コンドミニアム登記書の譲渡日より前に全金額が外国送金により支払われていることを条件とする。
  3. 2013年1月1日以前に行われた内閣の決定により外国投資家に所有権が譲渡された土地。これは外貨による直接投資を含むものであり、2013年1月1日以前の税制において文書法に拠り実施されたものであり、スリランカへ海外送金されたことが確認できることを条件とする。
  4. スリランカの継承法に従い、その土地の所有者の最近親者である外国人に遺言、遺贈、遺言の処分によって所有権が移転される土地。
  5. 市民権法が意味する範囲内で、権利がスリランカの二重国籍者に譲渡される土地。
  6. 銀行法に基づいて認可された銀行に土地の所有権が移転される際、その銀行の外国株式保有が50%以上であり、以下に相当するもの。
    1. 銀行が持つ土地の抵当権銀行に対し、貸付金の回収(特別条項)法、1990年第4号または住宅ローン法(第89章)に基づき、その銀行が実施した競売によるもの。
    2. 銀行の債権回収を強制するために出された裁判所命令の執行によるもの。
  7. 金融リース機関に土地の所有権が移転される際、その銀行の外国株式保有が50%以上であり、以下に相当するもの。
    1. 当該の金融リース機関が債権の保証としてその土地を抵当にしていた場合。
    2. リース売却契約およびローン売却契約を実行する場合。
    3. 当該の金融リース機関の債権回収を強制するために出された裁判所命令の執行によるもの。
  8. 第2項(1)(b)で言及されている企業につき、2013年1月1日から本法律の発効日までの間に少なくとも10年間継続してスリランカで創業していた外国企業。
    1. 2018年4月1日以降、コロンボ証券株式場に上場している外国株式保有率が50%以上のスリランカ企業に土地を譲渡した場合。

2018年土地(譲渡制限)改正法第21号の「外国人は、コンドミニアム物件の不動産価格の全額を外国からの外貨の送金で支払うべき」という規定は、2018年4月1日に緩和された。

外国人への土地のリース

以下の者に土地をリースすることができる(2014年土地(譲渡制限)法第38号第5項(1))。リース期間は最長99年間である。

  1. 外国人
  2. 外国株式の割合が50%以上のスリランカ企業
  3. 外国企業

リースの期間は99年間を超えてはならない。2017年土地(譲渡制限)法(改定)第38号第5A項により、2014年土地(譲渡制限)法第38号で導入された外国人への土地リース税は撤廃され、外国人、外国企業のいずれについても土地リース税が課税・徴税されることはなくなった。

資本金に関する規制

2007年会社法第7号第45項(1)に従い、株式非公開企業および株式公開企業における、最低資本金に関する具体的要件はない。同会社法第7号第58項では、株式の発行および買戻しに関して、企業が受領した総額、もしくは企業に支払われるべき総額を意味するものとして、公表資本金の概念が導入された。一方、外国為替法では投資に対する規制を設けている(「規制業種・禁止業種」および「その他規制」の項を参照)。

その他規制

海外支店(Overseas Company)に関する規制。

海外支店(Overseas Company)に関する規制

スリランカ国外で法人化され、2007年会社法第7号に基づいて外国企業の「海外支店」として登録されている企業に対しては、次に規定する諸条件に従うことを前提として、スリランカ国内における営業許可が付与される(2017年外国為替法12号に関し2021年2月3日付で発行された官報No.2213/35を参照のこと。同官報の掲載事項は2021年3月22日から有効である)。

  1. 海外支店が行うことのできる活動
    2007年の会社法に基づき登録された海外支店は、スリランカ国内で次の活動を行うことができる。
    1. あらゆる商業、貿易、工業活動(以下に指定された活動を除く)に対する外国人投資は、スリランカ政府が設立した関連する法律上または行政上の当局から事前に許可を得て実施することができる、または後述の「海外支店が行ってはならない商業、取引、または産業活動」に指定された活動以外の商業、貿易、工業活動(後述の「スリランカ国または外国投資の許可を付与するために設立された合法的な機関(例:BOIもしくはその他該当する政府機関)」に当てはまる場合は、当該事前認可が必要)
    2. 連絡事務所(liaison office)、代表事務所(representative office)、現地事務所(regional office)、またはそれに類する事務所によって行われる活動のような、商業、取引、または産業活動とはみなされないすべての活動。ただし、かかる活動が直接的にも間接的にも、企業に収益をもたらさないことを条件とする。
  2. 海外支店が行う活動の資金調達
    2007年会社法第7号に基づき登録され、営業所(branch office)、プロジェクト・オフィス(project office)、またはそれに類する事務所などの国内の事業所を通じ、前記1.aに定められたいずれかの活動を行う海外支店は、次のことを行うものとする。
    1. スリランカにおけるビジネスの拠点である営業所、プロジェクト・オフィス、その他類似の主体が、同社のスリランカの正規取引業者であるスリランカの認可された市中銀行に開設した「対内投資口座(IIA)」に海外送金された資金の中から、少なくとも20万米ドル、もしくはその他の指定外貨建てによる同等額を投資する。
    2. 最低20万ドルまたはその他の指定外国通貨で同等額を送金した証拠を、登記日から30日以内に企業登記局(Registrar of Companies)に提出する。
    3. 連絡事務所(liaison office)、代表事務所(representative office)、それに類する事業所は、かかる事業所の設置および維持に必要な資金を、国外からスリランカの認可された市中銀行に開設した「対内投資口座」に送金するものとする。
  3. 海外支店による収益金、剰余金、印税・使用料(royalty)、フランチャイズ料、またはそれに類する支払金の送金
    前記の1.a.に相当する海外支店は、設立資金の送金経路である親会社のIIA口座を通して、税引き後の収益金、剰余金、印税・使用料(royalty)、フランチャイズ料、またはそれに類する支払金の送金をすることができる。
    本法の発効日以前に登録された海外支店は、親会社のIIA口座を通じてこれらの支払いを送金できる。これは、認可された市中銀行が同社の正規取引業者として同取引の真性さを認めることを条件とする。
    1. 収益金を送金する場合に必要な書類
      1. スリランカの会計基準に従い作成された、該当年度の監査済み貸借対照表および損益計算書の認証謄本
      2. 当該収益が認可された事業活動によって獲得されたものであることを証する、当該企業の監査役の確認書
      3. 内国歳入庁(IRD)発行の納税証明書
    2. 印税・使用料、フランチャイズ料、またはそれに類する支払金を送金する場合に必要な書類
      1. 契約書およびコマーシャル・インボイスの認証謄本
      2. 送金可能額の算出方法を示す、当該企業の監査役による証明書
      3. 内国歳入庁(IRD)発行の納税証明書
    3. 登録の抹消前に剰余金を送金する場合に必要な書類
      1. 送金可能な剰余金額の算出方法を示す当該企業の監査役による証明書
      2. 所得税の支払いおよびその他の法定義務のすべてを履行するのに十分な資金が当該企業に確保されていることを示す、当該企業の監査役による確認書
      3. 内国歳入庁(IRD)発行の納税証明書
    4. 登録の抹消時に剰余金を送金する場合に必要な書類
      1. 監査済みの最終決算書の認証謄本
      2. 所得税および該当するその他の税金がすべて納付済みであることを証する、内国歳入庁(IRD)が発行した納税証明書
      3. 送金可能な剰余金額の算出方法を示す、当該企業の監査役による証明書
      4. 当該企業によって行われた活動に関し法定責任が問われる案件がないこと、および既知の負債がすべて清算済みであることを示す当該企業の監査役からの証明書
  4. 特定用語の規定について
    1. 「海外支店」(Overseas Company)とは、2007年会社法第7号で規定されたものを指す。
    2. 「営業所」(Branch Office)とは、外国企業の支部とされる施設、または親会社や本社が営んでいるのと同一もしくは実質的に同一の事業を営んでいる施設を意味する。
    3. 「プロジェクト・オフィス」(Project Office)とは、外国企業の利益を代表してスリランカでプロジェクトを実施するために設置された事業所を意味する。
    4. 「連絡事務所」(Liaison Office)とは、外国企業、本社、またはグループとの連絡窓口となる外国企業の事務所を意味する。
    5. 「代表事務所」(Representative Office)とは、国際貿易に従事し、国際的サービスを提供する外国企業により、スリランカでのビジネス動向を本社に報告するため、あるいはスリランカで販売されている商品やサービスについて同国の顧客にアドバイスや情報などを提供するために、スリランカに設立された事務所を意味する。

海外支店の投資が認められない事業活動

海外支店の活動禁止分野

外国企業の海外支店は以下の商業、貿易、工業活動を行うことは認められていない。

  1. 貸金業(1988年銀行法第30号に基づき登録された海外の銀行の支店を除く)
  2. 質の仲介
  3. スリランカ国外に居住する者が出資した資本金が、出資後に500万米ドル未満である小売業
  4. 沿岸漁業(漁業を担当する大臣が定義したもの)
  5. 紅茶、ゴム、ココナツ、米の栽培と一次加工
  6. 再生不可能な国家資源の採掘とその一次加工
  7. 貨物運送業
  8. 船舶代理店業
  9. 機械化された宝石類の採掘
  10. 宝くじ
海外支店の活動制限分野

海外支店は以下の活動を、スリランカ政府の関連する法律上または行政上の当局の事前の許可を得て実施する必要がある。

  1. 国際的に決められた輸出クォータ制限の対象となる商品の生産
  2. 砂糖、ココア、香辛料の栽培と一次加工
  3. 地元の木材を使用した木材関連産業
  4. 深海漁業(漁業を担当する大臣によって定義される)
  5. マスコミ
  6. 教育
  7. 訪日旅行代理店業
  8. 地方航空輸送
  9. 次のものを製造または生産する産業
    1. 武器、弾薬、爆発物、軍用車両、航空機装備、その他の軍需品
    2. 毒物、麻薬、アルコール、危険ドラッグ、有害物質、発がん性物質
    3. 通貨、硬貨、セキュリティ文書

現地調達比率

特に現地調達比率はないが、BOIによる輸入関税等の譲許を与えられている輸出志向企業は、次の基準を満たす義務がある。

  • 製造会社:生産品の80%を輸出すること。
  • サービス会社:サービス対価の支払いの70%を外国通貨によって受け取る。

重点投資分野

BOIは、製造業、電力事業、複合開発、エンターテインメント、ホスピタリティ・ツーリズム、港湾都市の6分野における新規資本投資を奨励しており、国内投資家および外国人投資家のこれら事業への投資を促進すべく、税金や関税の免除や譲歩などの優遇措置を設けている。