為替管理制度

最終更新日:2022年02月16日

管轄官庁/中央銀行

インドネシア中央銀行(中銀)、財務省、商業省

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所在地:Jl. MH. Thamrin No.2, Jakarta Pusat 10350, Indonesia
コールセンター:131(インドネシア国内)、1500-131(海外から)
E-mail:bicara@bi.go.id

財務省(Kementerian Keuangan/Ministry of Finance外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

所在地:Jl. Dr. Wahidin Raya No. 1, Jakarta Pusat 10710, Indonesia
コールセンター:134(インドネシア国内)
Fax:+62-21-350-0842
E-mail:kemenkeu.prime@kemenkeu.go.id

商業省(Kementerian Perdagangan/Ministry of Trade外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

所在地:Jl. M. I. Ridwan Rais No. 5, Jakarta Pusat 10110, Indonesia
Tel:+62-21-384-1961/62, +62-21-385-8171
E-mail:contact.us@kemendag.go.id

為替相場管理

変動相場制

貿易取引

輸出決済は、現金払い、信用状(L/C)またはその他。輸入決済は、カウンタートレードまたはその他〔2017年7月21日付政令2017年第29号〕。
カウンタートレードとは、バーター(物々交換)、カウンターパーチェス、バイバック(買戻し)、オフセット(相殺)。

輸出代金の国内銀行を通じた受け取り義務

輸出代金として得られる外貨は、輸出申告書(PEB)の登録月後3カ月目の末日までに、国内の外国為替銀行(Bank Devisa)を通じて受領することが義務付けられている〔2014年5月14日付中銀規定2014年第16-10号(No.16/10/PBI/2014)、2019年11月28日付中銀規定2019年第21-14号(No.21/14/PBI/2019)、2020年12月28日付中銀規定2020年第22-21号(No.22/21/PBI/2020)で変更〕。

輸出申告書の金額が1万ドル超あるいは相当額の場合、外国為替銀行を通じて、輸出外貨を取得した翌月5日までに、輸出業者が受領した輸出外貨にかかわる輸出申告書に次の情報を含め、外国為替銀行に届ける必要がある。

  1. 輸出申告書の日付
  2. 税関コード番号
  3. 輸出申告書の登録番号
  4. 輸出業者の納税者番号(NPWP)

輸出代金の支払いがユーザンスL/C、ConsignmentOpen Account、徴収の方法で行われ、その期限が輸出申告書の登録後3カ月を超える場合には、当該支払期限の日から14日以内に、国内の外国為替銀行を通じて、輸出外貨を受領することが求められている。
ただし、このような支払方法で行われるケースでは、輸出申告書の日付から14日以内に、輸出業者は文書で説明し、輸出申告書、ユーザンスL/C、輸入業者による支払い留保についての証明のコピーなど、証明書類を外国為替銀行に提出する。

受領した輸出外貨の金額が輸出申告書(PEB)に記載された価額より小さい場合、この差額が5,000万ルピア相当まで、または輸出価額の2.5%までは、受領される輸出外貨とPEBに記載された価額は同額とみなされる。
また、この差額が5,000万ルピア超相当、輸出価額の2.5%超の場合でも、次の場合は受領する輸出外貨と輸出申告書に記載された価額は同額とみなされる。

  1. 為替差、割引、手続き料、その他国際取引にかかわる費用により、受領した外貨がPEBの記載額より最大10%小さい場合
  2. マクロン(maklon)、修理サービス、オペレーション/ファイナンスリーシング、品目構成の違い、品質の違い、数量の違いにより、受領した外貨がPEBの記載額より小さい場合
  3. 輸入業者が契約不履行(wanprestasi)、破産、あるいはforce majeureに陥ったことにより、受領した外貨がPEBの記載額より小さい場合
  4. 価格、品目構成、品質、数量の違いにより、受領した外貨がPEBの記載額より小さい鉱業製品で、受領した外貨がPEBの記載額より最大10%小さい場合
  5. 輸出外貨を国内で現金で受領した場合

また、輸出請求と輸出業者の債務の間でのネッティングにより、輸出申告書の価額に満たない輸出外貨を受領する場合は、当該輸出活動にかかわる決済のネッティングのみが認められることになった。
ただし、輸出業者と輸入業者(カウンターパート)との間にネッティングの契約があることが条件。

天然資源輸出外貨の国内入金義務

特に鉱業、農園事業、林業、水産業から成る天然資源の輸出で得られる外貨については、2019年11月28日付中銀規定2019年第21-14号(No.21/14/PBI/2019)にて、国内の外為銀行の天然資源輸出外貨専用口座にPEBの登録月の翌月より3カ月目の月末までに入金することとされている。同口座からの資金による定期預金の利息には所得税が課されていて、その税率は2018年12月31日付財務大臣規定2018年第212号(No.212/PMK.03/2018)にて、預金額に応じて0~10%に定められている。2019年7月1日付財務大臣規定2019年第98号(No.98/PMK.04/2019)にて違反者に対する罰則が定められているので、注意が必要。

鉱物等輸出のL/C決済義務

HSコード8ケタベースで鉱物13品目、石炭7品目、パーム油2品目の輸出に、L/C決済が義務付けられている〔2018年9月6日付商業大臣規定2018年第94号(2018年9月28日付商業大臣規定2018年第102号で変更〕。
対象品目の詳細は、商業省ウェブサイトの法令ページ(Kementerian Perdagagan Jaringan Dokumentasi dan Informasi Hukum外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で確認できる。

L/Cに記載される価格は最低でも国際価格と同じでなければならず、L/C決済は国内の外為銀行で行うことが義務付けられている。また、L/C決済でなければ、サーベイヤーレポートが発行されないことになっている。輸出実績報告義務あり。

輸入決済外貨の報告義務

輸入決済のための外貨については、輸入通関申告の月より3カ月目の末日までに、中銀へ報告することが義務付けられている〔2019年11月28日付中銀規定2019年第21-14号(No.21/14/PBI/2019)〕。

貿易外取引

持ち出し/持ち込み制限、外国人や外国法人などとの特定のルピア取引や外貨与信取引の禁止/規制、ルピアによる外貨購入規制、ルピア使用義務

ルピアの持ち出し/持ち込み制限

  1. 現金1億ルピア以上を国外に持ち出す場合は、事前に中銀の許可を得ること。
  2. 現金1億ルピア以上を国内に持ち込む場合は、事前に税関による偽札識別検査を受けること。

違反者には、持ち出し/持ち込みルピア総額の10%相当で最大3億ルピアの罰金が科せられる〔2002年第4号中銀通達〕。

1億ルピア以上あるいは相当額以上の外貨の現金や小切手などを海外へ持ち出す、あるいは海外から持ち込む場合は関税総局に届けること〔2010年10月22日付第8号マネーロンダリング法、2017年11月6日付財務大臣規定2017年第157号(No.157/PMK.04/2017)〕。

1億ルピア以上の現金あるいはその他の支払手段を海外に持ち出す場合は、税関に申告することを義務付けている。中銀の許可も必要である〔2016年12月31日付政令2016年第99号〕。
10億ルピア以上相当の外貨紙幣の国内への持ち込み、国外への持ち出しは、銀行や両替商のような中銀から許可を得た事業体以外は、禁止されている〔2017年5月3日付中銀規定2017年第19-7号(No.19/7/PBI/2017、2018年3月1日付中銀規定2018年第20-2号(No.20/2/PBI/2018)で変更)〕。

外国人や外国法人などとの特定のルピア取引や外貨与信取引の禁止/規制

中銀は、外国人や外国法人などとの特定のルピア取引や外貨与信取引を禁止/規制した〔2005年6月14日付中銀総裁規定第7-14号(No.7/14/PBI/2005)、および2005年7月8日付中銀回状No.7/23/DPD〕。

取引禁止/規制の対象:外国人、海外で設立された外国法人あるいは外国のその他の機関、インドネシアに本店を有する銀行やインドネシア法人会社の海外支店など。
外国人には、インドネシアの居住許可を有する者も含まれる。
また、外国資本企業(PMA)は外国法人には含まれないが、駐在員事務所は対象となる。

禁止される取引は次のとおり。

  • ルピア建て、あるいは外貨建ての融資供与(シンジケートローン、クレジットカード、消費者ローンなどは除く)
  • 外国法人等が発行したルピア建て有価証券の購入
  • ルピア建て本支店間請求
  • ルピア建て資本金払込み等

外国人がインドネシア国内の銀行に開設した口座にルピア建て給与を送金する等、特定の取引は例外とされているが、この場合は経済活動の種類を説明した書面の提出等が必要になる。

このほか、銀行が海外にいる非外国側(インドネシア人・法人など)へのルピア送金も禁止された。
一方、外国人等とのルピアに対する各種外貨売買デリバティブ取引は、個人取引ごと、各行の各売買デリバティブ取引のアウトスタンディング・ポジションごとに、額面で最高100万ドル、あるいは相当額に制限された。

ルピアによる外貨購入規制

中銀は2008年12月1日から、ルピアによる外貨購入に制限を設け、その後も上限金額等を変更している〔2015年8月25日付中銀総裁規定第17-14号(No.17/14/PBI/2015)〕。
国内の銀行にてルピアで外貨を購入しようとする場合、1カ月間に1顧客当たり2万5,000ドル相当を超える外貨購入には、外貨購入が必要であることを証明する書類の提出を義務付け。

ルピア使用の義務付け

インドネシア国内での支払い目的の取引、金銭による債務履行、銀行への送金を含むその他金銭取引には、ルピアの使用を義務付け〔2011年6月28日付第7号通貨法〕。
さらに、国内取引でも、現金決済、非現金決済ともに、ルピア使用を義務付け〔2015年3月31日付中銀規定第17-3号(No.17/3/PBI/2015)〕。

対象取引は次のとおり。

  1. 支払い目的を有する取引のすべて
  2. 金で満たさなければならないその他の債務履行
  3. その他の金融取引

ルピア使用義務の例外とする取引は次のとおり。

  1. 国家予算の執行の枠組みでの特定の取引
  2. 海外からまたは海外への贈与の授受/供与
  3. 海外からまたは海外への物品の輸出入活動や国境を越えて行われるサービス取引活動の国際貿易取引
  4. 外貨建て銀行預金
  5. リースの供与者あるいは受理者のうち、いずれかが海外に居住している国際リース取引

事業者はルピアでの価格表示が義務付けられ、支払い手段に紙幣または貨幣を用いる現金取引のほか、現金を用いない支払いメカニズム・手段(小切手、チェック、クレジットカード、デビットカード、ATMカード、電子マネーなど)の非現金取引にも、ルピア使用が義務付けられた。
ただし、2015年7月1日以前に作成された契約書に基づく、外貨建て非現金決済取引は、その契約書の有効期限まで有効。

これより前に、クレジットカードや現金預払機(ATM)カード、デビットカードを使用したインドネシア国内での支払いや債務履行には、ルピア使用が義務付けられていた〔2012年1月6日付中銀規定第14-2号(No.14/2/PBI/2012)〕。

これらの規制により、クレジットカードの請求額支払い、これらカードによる商品購入代金の支払いはすべてルピアで行うこととなり、ATMでの預金引出しや送金もルピアに限定されることになった。

外貨取引報告義務

銀行とその顧客の外貨取引活動について、銀行は中銀へ報告する義務がある〔2019年12月9日付中銀規定2019年第21-15号(No.21/15/PBI/2019)〕。
銀行および/あるいはその顧客による1万ドル超またはこれに相当する取引は単独で、同1万ドルまでまたはこれに相当する取引は他の取引と一緒に報告。顧客の輸出入に関わる取引は、顧客からの情報に基づき、輸出成果の外貨と輸入決済の外貨についての中銀規定〔2019年11月28日付中銀規定2019年第21-14号(No.21/14/PBI/2019)〕に従って、補完報告を中銀に提出する。また、銀行の顧客が10万ドル超相当の外貨を送金する場合、顧客は銀行に補完書類を提出しなければならない。

資本取引

基本的に、投資家は外貨建て口座を通じて資金を自由に国内外に送金できる。

  1. 投資家は、外貨建て口座を通じて、資金を自由に国内外に送金できる。
    * 2000年4月より、1万ドル相当以上の外貨の国内外での受け払いは、中銀への報告義務がある。
    * 2001年2月より、ルピアの外為取引については、インドネシア国内銀行が行うこと、非居住者の銀行同士によるルピア送金の禁止を柱とする〔中銀通達〕を適用。
  2. 投資調整庁(BKPM)から承認を得た外貨は、株式払込み外貨をルピア建て資本勘定に計上するための換算レートが指定される。
  3. 税制上の優遇措置を受けている期間中の外国投資元本の本国への送金は許可が必要。
  4. 本国の親会社など海外から借入れを行う場合は、中銀への報告義務がある(「外国企業の会社設立手続き・必要書類」参照)。

関連法

1995年第10号通関法(2006年法律第17号で改訂)、1999年第23号中銀法、1999年第24号外国為替取引法、2010年第8号マネーロンダリング法、2011年第7号通貨法。以下、政令、大統領令、財務大臣規定、中銀規定/通達等により管理。

その他

日本円とインドネシアルピアの外国為替取引について、指定の銀行を通じての取引に際して、インドネシアにおける一部の規制を緩和する制度が設けられている。

日本国財務省とインドネシア中央銀行との現地通貨の利用促進に係る協力枠組み

日本とインドネシアにおける現地通貨の一層の利用を促す取組みの一環として、以下の銀行が指定クロスカレンシー取引仲介者(Appointed Cross Currency Dealer:ACCD)に選定されている。これらACCDを通じた、貿易及び直接投資に係る日本円とインドネシアルピアの外国為替取引について、インドネシアにおける規制が一部緩和される。

規制緩和の主な内容は次のとおり(詳細は後述のACCDに確認して頂きたい)。

  • 500,000米ドル以下の取引(またはそれと同等の現地通貨建て相当)について、取引毎の実需証明資料の提出義務が免除される
  • 多様な為替ヘッジ手段(スポット、フォワード、スワップ(為替・通貨)、ドメスティックノンデリバラブルフォワード(NDF)による為替ヘッジが可能)をとることが可能となり、為替変動の影響を抑えることが期待される
  • 確定実需に基づく為替手配のみならず、一定の要件を満たせば予定取引に基づく為替手配が可能となる
  • ルピア建てトレードファイナンスが可能となる
    など。

ACCDに選定されている銀行は次のとおり。

インドネシア

MUFG Bank, Ltd., Jakarta Branch
PT. Bank BTPN, Tbk
PT. Bank Central Asia (Persero), Tbk
PT. Bank Mandiri (Persero), Tbk
PT. Bank Mizuho Indonesia
PT. Bank Negara Indonesia (Persero), Tbk
PT. Bank Rakyat Indonesia (Persero), Tbk

日本

ピーティー・バンクネガラインドネシア(ペルセロ)・ティービーケー 東京支店
株式会社 みずほ銀行
株式会社 三井住友銀行
株式会社 三菱UFJ銀行
株式会社 りそな銀行

出典:財務省ウェブサイト(インドネシア中央銀行と現地通貨の利用促進に係る協力枠組みを拡大しました外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)をもとに作成。