外資に関する奨励
最終更新日:2022年10月31日
- 最近の制度変更
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2022年7月13日
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奨励業種
輸出志向産業、ハイテク産業、国産天然資源を活用する産業、国産原料に依存する産業など。
各種優遇措置
法人税免除、 輸出加工区(EPZ)進出企業への主な優遇措置、その他主な優遇措置(輸出指向産業・輸出関連産業、 IT・ソフトウエア会社向け含む)など。
法人税免除
2019年7月~2024年6月の間に、事業を開始する次の指定産業には、法人税の減免措置が受けられる。
指定業種
- 原薬、放射性医薬品
- 自動車製造業
- 避妊具、ゴムラテックス
- 基礎化学製品、化学染料
- 基礎電子部品(例:抵抗器、キャパシタ、トランジスタ、電子回路)
- 自転車製造業(自転車部品も含む)
- 天然肥料
- バイオテクノロジーを利用した農産品
- ボイラー(部品も含む)
- コンプレッサー(部品も含む)
- 自動ハイブリッドホフマン・クリーン技術を採用したレンガ
- コンピュータのハードウェア
- 家具製造業
- 家電機器(ブレンダ―、炊飯器、電子レンジ、電子オーブン、洗濯機、電磁調理器、水フィルターなど)
- 殺虫剤、農薬
- 石油化学製品
- 医薬品
- LEDテレビ
- 革・革製品
- 携帯電話
- プラスティックリサイクル業
- バングラデシュ産の野菜、果物の加工
- 放射能利用産業
- 繊維機械
- 組織移植
- 玩具製造業
- タイヤ製造業
- 政府官報による通知で指定される業種
- インフラ事業
- 深海港
- 高架高速道路
- 輸出加工区
- 高架道路(フライオーバー)
- ガスパイプライン
- ハイテク・パーク
- ICTビレッジまたはソフトウエア技術ゾーン
- ITパーク
- 大型水処理プラントおよび水供給パイプライン
- LNGターミナル
- 携帯電話電波塔
- モノレール
- 都市圏高速鉄道
- 再生可能エネルギー
- 港(海/河川)
- 有料道路・橋
- 地下鉄
- 廃棄物処理プラント
- その他、政府官報による通知で指定されるインフラ施設
製造業に対する減税措置
- 2019年7月~2024年6月までに、市外(Outside of City Corporation)に製造を開始した工場は、製造開始後の10年間20%のタックス・リベートが受けられる。
- 2019年7月~2024年6月までに、市内から市外へ移管した工場は、10年間20%のタックス・リベートが受けられる。
- 既存の市外の製造工場は、2019年6月まで10%のタックス・リベートが受けられる。
民間電力会社の減税措置
2020年1月~2022年12月末までの間に事業を開始した企業は、事業開始から2034年12月末まで免税措置が受けられる。
経済特区(Bangladesh Economic Zones Authority:BEZA)およびハイテク・パークの減免措置
- BEZAおよびハイテク・パークデベロッパー会社
次の減税が受けられる〔S.R.O. No. 227-law/Income Tax/2015およびS.R.O. No. 229-law/Income Tax/2015、2015年7月8日発行〕。- 設立当初の10年間:法人税100%減税
- 11年目:法人税70%減税
- 12年目:法人税30%減税
- BEZAおよびハイテク・パーク内に設立した企業
次の減税が受けられる〔S.R.O. No. 81 Act/Income Tax/ 2019、2019年3月19日発行〕。- 設立当初の3年間:法人税100%減税
- 4年目:法人税80%減税
- 5年目:法人税70%減税
- 6年目:法人税60%減税
- 7年目:法人税50%減税
- 8年目:法人税40%減税
- 9年目:法人税30%減税
- 10年目:法人税20%減税
※注意事項
- 既存ビジネスの再編もしくは分離分割による事業、既存ビジネスで設置された機械や設備の移設による事業は、これら減税措置の対象外。
- 既存事業の拡張の場合も、これら減税措置の対象外。
- 新規事業を別法人で行う場合には、免税措置を適用。
- 会計年度ごとに規定された時期に、会計監査報告を行い、所得税申告をしなければならない。
輸出加工区(Export Processing Zone:EPZ)
輸出加工区(EPZ)
1980年12月の輸出加工区法(The Export Processing Zone Act)により規定されている。
現在、バングラデシュには8カ所の輸出加工区(EPZ)があるが、首都ダッカおよび第2の都市チッタゴン周辺のEPZ 5件は既に手狭となっている。十分な空きがあるのはウットラ、イシュワルディ、モングラの3カ所のみ。
民間運営の工業区としては、1996年9月に、民間企業による輸出加工区設立を可能とする〔民間輸出加工区法1996〕が成立。
韓国企業がチッタゴン地域にKorean EPZを建設し、企業誘致を進めている。
輸出加工区の概要やその進出企業については、輸出加工区庁(BEPZA)ウェブサイトおよび参考資料を参照。
なお、バングラデシュ政府は新たなEPZを設定しない代わりに、特別経済区(Special Economic Zone:SEZ)を開発中で、2016年2月に10カ所が開始、今後100カ所の設立を目指している。
輸出加工区庁(Bangladesh Export Processing Zones Authority:BEPZA)
経済特区庁(Bangladesh Economic Zones Authority:BEZA)
※参考資料
- ジェトロ:EPZハンドブック(2022年10月)
(2111KB)
- ジェトロ:バングラデシュ 輸出加工区(EPZ)関連法・規則全集(2022年10月)
(427KB)
- ジェトロ:バングラデシュ輸出加工区庁(BEPZA)ガイドライン(1・2・3)(2006年2月)
(467KB)
- ジェトロ:BEPZAガイドライン補足情報(BEPZA労働法令2019)
(136KB)
- ジェトロ:輸出加工区 労働組合法の概要
(666KB)(EPZ Workers’ Welfare Association and Industrial Relations Act, 2010)
法人税の免税措置
EPZ内の工場で、2012年1月以降に登録した企業が対象。
- [1]ダッカ・チョットグラム地区(ただし、ダッカのナラヤンゴンジ、ガジプールおよびチョットグラムのランガマティ、バンドルボン、カグラチョリを除く)、[2]モングラ、イシュワルディ、ウットラ
対象期間:商業生産開始月から[1]5年間、[2]7年間
- 設立当初の2年間:法人税100%減税
- 次の2年間:法人税50%減税
- 次の1年間:法人税25%減税
- ラジシャヒ、クルナ、シレット、ボリシャル、ランガマティ、バンドルボン、カグラチョリ
対象期間:商業生産開始月から7年間- 設立当初の3年間:法人税100%減税
- 次の3年:法人税50%減税
- 次の1年:法人税25%減税
EPZ進出企業への主な優遇措置
- 建築資材、機械、設備、部品等の輸入関税免除
- 原材料の輸入関税および完成品の輸出関税免除
- 二重課税の回避
- 配当課税の免除
- 一般特恵関税制度が利用可能
- 機械および工場に対する加速償却の許可
- ロイヤルティー、技術指導料、コンサルティング料の送金許可
- EU、カナダ、ノルウェー、オーストラリア等への割当無制限の免税措置
- 外資100%による企業進出が可能
- 最恵国待遇を享受
- 海外投資、国内投資の上限なし
- 資本金、配当の本国への送金許可
- 海外からの外貨ローンの自動承認
- 非居住者外貨預金の許可
- 外資と地場の合弁、または100%地場資本出資の企業に対する外貨口座運用の許可
※参考資料
項目 | 輸出加工区(EPZ) | 経済特区(EZ) |
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所管省庁 | 輸出加工区庁(BEPZA) | 経済特区庁(BEZA) |
開発・運営主体 |
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主な工業団地 |
BEPZA主体:
民間主体:
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政府認可済のEZ開発計画:計97 次のBEZAウェブサイトに掲載されているリストを参照。 ECONOMIC ZONES SITE ![]() |
進出日系企業数 | 32社(衣料品、その他製造業) | 2社(二輪製造、インキ製造) |
入居可能な工業団地(2021年9月時点) | 十分な空きがあるのはウットラ、イシュワルディ、モングラの3カ所のみ |
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設置の背景と今後の開発予定 | BNP政権下にて(1983年以降)設置。 |
アワミ連盟(AL)政権下にて(2010年~)設置。 政府は合計100のEZ目指す。 |
入居可能業種 | 政府の定める規制業種以外は入居可能。 | 政府の定める規制業種以外は入居可能。 |
法人税の免税 |
5年間免税 チョットグラム、ダッカ、クミラ、アダムジー、カルナフリ 7年間免税 モングラ、イシュワルディ、ウットラ |
一部の業種を除き、原則10年間減免税 操業開始から1~3年目:100%免税、4年目:80%減税、5年目:70%減税、6年目:60%減税、7年目:50%減税、8年目:40%減税、9年目:30%減税、10年目:20%減税 |
法人税の免税の適用条件 | EPZにて登記・操業していること | EZにて登記・操業していること |
輸入税の免税 |
原材料の輸入 輸出向け企業の機械・部品の新規導入 |
原材料の輸入 輸出向け企業の機械・部品の新規導入 |
輸入税の免税の適用条件 | 保税ライセンス(Bond license)の所有 | Bond licenseの所有 |
VATの免税 | 水道光熱費など | 水道光熱費など |
VATの免税の適用条件 | 政府当局より免税許可を取得する必要あり。 | 政府当局より免税許可を取得する必要あり。 |
その他の優遇措置(一例) |
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開発主体向け
入居企業向け
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出資比率・資本金に係る規制 | なし | なし |
海外送金に係る規制 |
中央銀行が定める金融規制(外為取引ガイドラインおよび随時発出される通達)が適用される。 ※EPZのみを対象とした規制変更もあり得るため、留意が必要。 |
中央銀行が定める金融規制(外為取引ガイドラインおよび随時発出される通達)が適用される。 ※EZのみを対象とし規制変更もあり得るため、留意が必要。 |
適用される労働法 | BEPZA Labour Act, 2019 | BEPZA Labour Act, 2019 |
労働組合設置の義務 | なし | EPZと同様 |
その他、留意すべき規制 | 通達(SRO)による規制変更が頻繁に行われるため、それらの確認も必要。 | EPZと同様 |
その他主な優遇措置
- プラントおよび機械に対する加速償却の適用:1年目80%、2年目20%
- 輸出向け企業の機械・部品の新規導入、もしくは既存工場の機械入れ替え、規模拡大等に伴う、輸入関税の免除適用(それ以外の産業の場合、輸入機械への適用関税は5%)。
- 海外投資家は、二重課税防止条約に基づき、二重課税はされない。
- 海外投資家は、ロイヤルティー、技術ノウハウ、技術支援料の海外送金が可能。
- 投資資本、配当の本国送金が可能。
- 撤退時の資産の本国送金が可能。
- 海外資本による100%全額出資が可能。
- 外国(銀行)からの融資の金利にかかわる課税免除。
- 投資家に対するマルチプル(複数回入国可能な)ビザの交付。
- 本国送金が可能な配当の再投資は、新規投資とみなす。
- 50万ドルの投資もしくは認可金融機関への100万ドルの預金(本国送金不可)を条件とする、市民権付与。
- 7万5,000ドルの投資(本国送金不可)を条件とする、永住権の付与。
- 上場企業株式の売買に伴う、キャピタルゲインに対する課税の免除適用。
輸出指向産業、輸出関連産業
輸出指向産業、輸出関連産業には、これら優遇措置とは別に、輸出政策に基づく措置も適用される。
- 機械および部品の輸入関税が1%。
- 保税倉庫の利用および見返り信用状開設が可能。
- 関税還付制度あり。
- 取消不能信用状、確認信用状、売買契約書に対し、その90%相当額の融資。
- 「みなし輸出者」との連携支援。
- 輸出指向産業は、バングラデシュ中央銀行の外国為替規制に基づき、広告活動、海外拠点の開設、国際展示会への参加等のために、案件ごとの追加外国為替割当てがある。
- 手工業および家内産業による輸出収益には、所得税を免除。その他の産業については、所得税の割戻しが受けられる。
- 輸入禁止・制限リスト掲載品目でも、輸出品の生産に必要な素材であれば、輸入が許可される。
- 輸出品のための一定量の免税サンプルの輸入は、関連する政府方針に基づき許可される。
- 外貨建て信用状で決済される国内の産業、プロジェクトに対する国産品の供給は、間接的な輸出とみなされ、すべての優遇措置が受けられる。
- 財務保証制度あり。
- EPZ内企業の製品の10%は、外貨建て信用状で決済され、所定の税金を支払うことを条件に、国内一般関税地域への輸出が認められる。
- EPZ外の100%輸出指向産業は、所定の税金の支払いを条件に、製品の20%を国内での販売が認められる。
- 政府が「奨励産業」に認定した輸出指向産業は、特別措置やベンチャーキャピタル支援を受けられる。
IT・ソフトウエア会社
政府はデジタル・バングラデシュへ向けてのロードマップを作成し、2018年に「ICT Policy」を承認した。
- 法人税免除(2024年6月まで)
- 外資の場合も法人税免除(2019年6月まで)
- 政府はIT産業のために、工業地区(ハイテク・パーク)の建設をガジプールのカリアコイルに開始予定。
- IT産業の工業地区(ハイテク・パーク)、ICTビレッジまたはソフトウエア技術ゾーン、ITパーク等に設立した場合、10年間法人税免除。
その他免税対象の業種
2021年6月以降、新たに以下の業種の生産活動において、所定の条件・手続きにより法人税を免除(10年間)。
- 食品(果物加工、野菜加工、乳製品、乳幼児用食品)、農業機械
- 軽工業
- キッチン器具(洗濯機、ブレンダー、電子レンジ、ミシン、IH機器、包丁)
- 教育機関、職業訓練(農業、漁業、化学、情報科学(IT))
- ヘルスケア・サービスを提供する施設、病院
- 自動車(3輪および4輪)
その他
特になし。