関税制度

最終更新日:2024年02月04日

管轄官庁

財務・計画省

財務・計画省(The National Treasury and Economic Planning外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

郵便:P.O.Box 30007, Nairobi
Tel:(254-20)2252299

関税率問い合わせ先

ケニア歳入庁

ケニア歳入庁(Kenya Revenue Authority:KRA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

郵便:P.O.Box 48240, 00100, Nairobi
Tel:(254-20)310900, 2810000, 315553

KRA Call Centre
Tel:(254-20)4999 999
E-mail:callcentre@kra.go.ke

関税体系

東アフリカ共同体(EAC)の協定に基づき、ケニアを含めた加盟国は、共通の関税率をEAC域外諸国からの輸入に課している。つまり、日本からケニア・タンザニア・ウガンダなどEAC加盟国へ輸出する際に課される関税率は同じ。
また、EAC域内の貿易は原産品であれば無税。

  1. EAC域内:無税(原産地が域内であると認められた品目)
  2. EAC域外:EAC共通対外関税
    1. 原材料、資本財、農業用資材、特定の医薬品、医療機器:0%
    2. 中間財でその後の生産に使用されるもの:10%
    3. 最終財(完成品):25%または35%
      ※ただし、重量課税が課される場合もある。
      例)鉄鋼製品の場合は200ドル/メトリック・トン、テーブルクロスの場合は0.4ドル/キログラム、など。

※品目(HSコード)ごとの輸入関税率については、次のEAC共通関税率表を参照(ケニアを含む東アフリカ共同体の加盟8カ国が共通して採用している関税率表)。
ケニア歳入庁:EAC共通対外関税率表(EAC Common External Tariff外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

東アフリカ共同体(East African Community:EAC外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

品目分類

HS分類

関税の種類

従価税 (ただし、一部のセンシティブ品目は従量税)

課税基準

CIF価格

対日輸入適用税率

WTO協定国としての関税率を適用。

特恵等特別措置

ケニアが特恵関税を享受できる枠組みは次の6つ。1.東アフリカ共同体(EAC)、2.東南部アフリカ市場共同体(COMESA)、3.EU・ケニア経済連携、4.一般特恵関税制度(GSP)、5.アフリカ成長機会法(米国向け輸出)、6.英国・ケニア経済連携協定。
なお、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)が2021年1月から運用開始されているが、まだ、原産地規則などの細部が合意されておらず、特恵措置が実質的に動き出すのは、当面先となる見込み。

  1. 東アフリカ共同体(East African Community:EAC)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    原産品と認められた品目は加盟国へ無税で輸出できる。東アフリカ共同体(EAC)の原産地規則に基づき、次のa.もしくはb.のいずれかの条件に適合していれば、その製品は域内の原産品として認められる。
    1. 製品がEAC加盟国内で製造された完全国産品であること。
    2. 次の3つの条件のいずれかを満たす製品であること。
      1. EAC加盟国内で製造された製品で、海外の原材料のCIF価格が製造全体に使用される原材料の総費用の60%を超えないこと。
      2. EAC加盟国内で製造された製品で、工場出荷時に35%以上の付加価値が加えられていること。
      3. EAC加盟国内で製造された製品で、製品の関税分類が、製造の際に用いられた非原産の原材料の関税分類と異なるもの。
  2. 東南部アフリカ市場共同体(Common Market for Eastern and Southern Afirica:COMESA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    加盟国との貿易において、原産地証明書を提出すれば優遇措置を受けられる。東南部アフリカ市場共同体(COMESA)の原産地規則に基づき、次のa.~e.のいずれかを満たせば、COMESA原産品として輸出できる。
    1. COMESA加盟国内で製造された完全国産品であること。
    2. COMESA加盟国内で製造された製品で、海外の原材料のCIF価格が製造全体に使用される原材料の総費用の60%を超えないこと。
    3. COMESA加盟国内で製造された製品で、工場出荷時に35%以上の付加価値が加えられていること。
    4. COMESA加盟国内で製造された製品で、製品の関税分類が、製造の際に用いられた非原産の原材料の関税分類と異なるもの。
    5. 閣僚会議で「COMESA加盟国の経済発展に特別な重要性を持つ商品」として指定され、工場出荷時に25%以上の付加価値が加えられているもの。
  3. EU・ケニア経済連携協定(EPA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    EUとケニアを含む東アフリカ共同体(EAC)は2014年にEPAを妥結したものの、最終的に批准したのはケニアのみだった。2021年2月にEACは加盟国とEUが個別に交渉を進めることを容認。2022年2月、EUとケニアは経済連携協定(EPA)の交渉を立ち上げ、2023年6月に妥結、同年12月に署名した。
    1. EUにおけるケニア含むEAC加盟国からの輸入品目につき、原則すべての関税を撤廃。
    2. ケニアにおけるEUからの輸入品目につき、協定発効後、[1]即時関税撤廃、[2]15年間かけて関税撤廃、[3]25年間かけて関税撤廃のいずれかとする。それぞれの品目の詳細は欧州委員会サイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。
  4. 一般特恵関税制度(Generalized System of Preferencces:GSP)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    GSP供与国への輸出においてケニアは優遇措置を受けることができる。ケニアへのGSP供与国は次の通り。
    欧州連合(EU)、英国、米国、日本、カナダ、ロシア、スイス、ノルウェー、アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、トルコ、オーストラリア、ニュージーランド。
    なお、原産地規則は各国によって異なる。
  5. アフリカ成長機会法(African Growth and Opportunity Act:AGOA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    アフリカ成長機会法(AGOA)に基づき、ケニアは米国への輸出において、繊維・衣料品など幅広い品目の関税免除・数量制限の緩和措置の恩典を受けることができる。AGOA法の期限は2025年。
  6. 英国・ケニア経済連携協定(UK-Kenya EPA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    2021年3月24日に発効した経済連携協定で、ケニアを含めた東アフリカ共同体(EAC)加盟国を原産とする製品の英国への輸出が関税免除となる。

詳細な特恵原産地証明書の取得手続きは次のPDFを参照。
ジェトロ:特恵原産地証明書の取得手続き(詳細)PDFファイル(659KB)

関連法

関税法(Cap 472)

ケニア歳入庁:関税法(Customs and Excise Act Cap 472外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(1.0MB)

関税以外の諸税

物品税、付加価値税(VAT)、輸入申告手数料(IDF)、鉄道開発税(RDL)、輸出税

  1. 物品税(Excise Duty):物品税法の第1表で指定された特定の品目とサービスのみが物品税の課税対象となる。例えば、乗用車(シリンダー容量が1500CC以上)の物品税率は25%となる。輸入の際に、CIF価格 + 関税の合計に物品税が課税される。
    物品税の対象品目および税率の一覧表は次のPDFを参照。
    ジェトロ:物品税の対象品目一覧表PDFファイル(529KB)
  2. 付加価値税(Value Added Tax:VAT):税率は一律16% 。原則として、すべての物品・サービスの取引が課税対象となる。ただし、例外として、石油製品には軽減税率として8%が適用され、さらに一部の品目・サービスについては付加価値税(VAT)が免除、もしくは税率0%が適用される。

    付加価値税(VAT)が免除される対象品目・サービスの一覧表は次のPDFを参照。
    ジェトロ:付加価値税が免除される対象品目・サービス一覧表PDFファイル(840KB)
    付加価値税(VAT)の税率が0%となる対象品目の一覧表は次のPDFを参照。
    ジェトロ:付加価値税の税率が0%となる対象品目・サービス一覧表PDFファイル(427KB)

    付加価値税(VAT)は輸入の際に、CIF価格 + 関税 + 物品税の合計に付加価値税(VAT)が課税される。

    ケニア歳入庁: 付加価値税(VAT)法 FAQs外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)

  3. 輸入申告手数料(Import Declaration Fee:IDF)
    税率は一律2.5%。原則として、すべての輸入品目に課税される。ただし、例外として、政府が認定した低廉な住宅建設のために使用される原材料などは1.5%が適用され、さらに一部の品目は免除される。また、東アフリカ共同体(EAC)の関税減免スキームが適用される家庭用品の場合は、輸入する量や種類に関わらず、税額は固定費として1万ケニア・シリング(Ksh)となる。
    なお、徴収された輸入申告手数料は、アフリカ連合(AU)などの国際機関への拠出金などに活用される。

    輸入申告手数料(IDF)が免除される対象品目の一覧表は次のPDFを参照。
    ジェトロ:輸入申告税の免除対象品目PDFファイル(398KB)

    ケニア法規サイト:2021年諸費用・諸税法(Miscellaneous Fees and Levies Act, 2021外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(215KB)

  4. 鉄道開発税(Railway Development Levy:RDL)
    税率は一律1.5%。原則として、すべての輸入品目に課税される。
    なお、徴収された鉄道開発税は、鉄道ネットワークの建設に充当される。

    鉄道開発税(RDL)が免除される対象品目の一覧表は次のPDFを参照。
    ジェトロ:鉄道開発税の免除対象品目PDFファイル(329KB)

    ケニア法規サイト:2021年諸費用・諸税法(Miscellaneous Fees and Levies Act, 2021外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(215KB)

  5. 輸出税(Export Levy
    ケニア政府は一部の品目(皮革製品や鋳鉄品の廃棄物など)について、輸出を抑制する観点から輸出税(20%~80%)を課している。ただし、輸出加工区(EPZ)および特別経済区(SEZ)からの輸出は免除される。
    輸出税の対象品目の一覧表は次のPDFを参照。
    ジェトロ:輸出関税の対象品目一覧表PDFファイル(431KB)

その他

付加価値税率や物品税率が変更されている場合がある。最新情報は、ケニア財務・計画省ウェブサイトを参照。

ケニア財務・計画省(The National Treasury and Economic Planning外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます