ジェトロ・グローバル・アクセラレーション・ハブトロント・バンクーバー

巨大市場米国に隣接するカナダは米国へのアクセスの良さを維持しつつ、多様で優秀なSTEM人材、相対的に米国より低い投資コストで拠点を構えることができる。

エコシステムの特徴・トレンド

トロントの特徴

  • カナダ最大の経済都市トロント大都市圏は、人口728万人のうち約47%がカナダ国外で出生。世界的にも稀有な移民都市は人種・文化・出身国含め多様性の上に成り立っており、新規参入にオープンなコミュニティを形成している。
  • ブラックベリー発祥の地として知られる近郊研究学園都市ウォータールーは、トロントと併せイノベーション創出に注力した経済環境が構築している。「トロント・ウォータールーコリドー(回廊)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと呼ばれているこの地域は、GoogleやAmazon、Uberなど大手企業群Shopify外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますVidyard外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなどさらなる成長が期待される新興企業群を含む、15,000社超の企業、5,200社超のスタートアップ、これら企業の成長を支えるインキュベータ、アクセラレータ、サポート組織が多く拠点を構える。

バンクーバーの特徴

  • トロント、モントリオールに次ぐカナダ第3の都市圏。アジア系をはじめとする多様なバックグラウンドを持つ約260万人の人々が暮らす多文化都市。シリコンバレーやアジアへのアクセスがよい。
  • ブリティッシュコロンビア(BC)州は電力の98%以上を再生可能エネルギーで賄うなど、環境への配慮においてカナダで最も先進的な州。バンクーバーには260社以上のクリーンテック企業が集積している。
  • 北米で最も急速に成長しているライフサイエンス・ハブの一つ。研究機関と連携したAI創薬やバイオテクノロジー、医療機器など、2,000社以上の企業が集積しており、世界的注目を集めるエコシステムが形成されている。

注目分野

AI:

「AIのゴッドファーザー」と呼ばれるトロント大学ジェフリー・ヒントン教授外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが主任科学顧問を務めるベクター研究所外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを始め、大学や公的研究機関を核となりCohrere外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますTenstorrent外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますWaabi外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます等の世界展開するスタートアップ企業がカナダから多く生まれている。

量子コンピューティング:

科学者の起業を促すトロント大学発のCreative Destruction Lab外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(CDL)のQuantum StreamはIBM及びXanadu外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを技術パートナーとし、量子コンピューティング、最適化、センシング、その他の量子技術の応用分野におけるベンチャー構築を推進。技術の商用化として情報セキュリティに応用するQuantum Bridge外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます等のスタートアップを輩出している。また、世界初の商用量子コンピューターのサプライヤーであるD-Wave外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますはバンクーバーを拠点としている。

モビリティ:

オンタリオ州はカナダにおける自動車製造拠点として、自動化や電動化、テレマティクス、製造効率改善AIに取り組む企業が多い。そこに州政府系Ontario Vehicle Innovation Network外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(OVIN)や、トヨタモビリティが現地のイノベーション組織MaRSと組んだMaRS Unlimited Hub外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます等の組織も関わり、トロントにてエコシステムを形成している。

ライフサイエンス:

BC州政府は同分野を戦略的重点産業と位置づけており、初期段階の企業を支援するためのウェットラボ増設や、セクター全体の成長を目的とした連邦政府からの投資など、インフラ整備と資金調達のサポートを積極的に拡大している。世界的ユニコーン企業のAbCellera外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますや脂質ナノ粒子(LNP)技術がコロナワクチンに採用されたAcuitas Therapeutics外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなどのスタートアップがバンクーバーに拠点を構える。

トロント大学と研究病院の集合体であるUniversity Health Network外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを中心に研究と商用化を行っており、Cyclica (※米企業により買収)、ProteinQure外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますDeep Genomics外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 等AIを駆使した有効物質の発見に関わる企業に強み。またトロント都市圏2大学にて医学部が2025年、2028年に新設されるなど、エコシステムのさらなる拡大が見込まれる。

ディープテック:

カナダは持続可能性を重視した農業・食品、気候・エネルギーなどの産業分野に強く、日本企業による製造業関連投資を含め、産業・商業セクターへの海外企業からの対加投資を積極的に誘致している。

  • ヘルスケア分野
    ライフサイエンスおよびバイオ製造能力の強化を連邦政府が推進。
  • 農業・食品分野
    タンパク質イノベーション、アグリフード加工、作物・投入資材技術、産業バイオテクノロジーに強み。
  • 気候・エネルギー・サステナビリティ分野
    クリーン製造、再生可能エネルギー、排出削減、循環型経済、低炭素産業システム分野における公共政策、商業化への取り組みが充実。

サービス内容

ブリーフィング、メンタリング、コネクション形成(マッチング)、拠点設立に向けた相談(法務、会計)、コワーキングスペース

コワーキングスペースについて

トロント、バンクーバー
期間:通年 ※要事前相談

提携先

DMZ

世界No.1に選ばれた実績を持つ、トロントメトロポリタン大学併設のテックインキュベーター。2010年の設立以来、2,450社以上のスタートアップを支援し、累計29億カナダドル超の資金調達と25,000件を超える雇用創出を実現。メンタリングや投資家とのネットワーク、実践的なプログラムを通じて起業家の挑戦を後押している。さらに15か国以上に広がるグローバルネットワークを活かし、世界市場での成長とイノベーション創出をサポートする。

SFU Venture labs

サイモン・フレーザー大学(SFU)併設のVentureLabsは約15年にわたりディープテック、科学、イノベーションを基盤とするスタートアップの成長を加速させてきた実績を持つ。グローバルサプライチェーンにおける透明性の問題解決、AIを活用した人的リスク軽減、あるいは生体検査(tissue testing)に係る費用や待ち時間の短縮など、スタートアップの成長に必要なきめ細かい支援の提供を強みとする。

Focus Academy

トロント及びサンフランシスコ/シリコンバレーを拠点とするディーテックおよび科学技術ベースのイノベーションへの支援に特化したハブ。ディープテック業界で活躍する起業家たちによって設立・運営されており、起業家が未知の市場に参入し、事業を拡大するための実践的なノウハウを提供、R&Dから規制対応、市場検証、そして事業化へと進む過程を支援。

※トロントハブでは、原則ジェトロによる個別メンタリング、カナダ進出支援を提供。必要に応じて、提携先をはじめとした現地ネットワークの紹介を行う。

メンター例

Alex Thibault (DMZ)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
テック業界で活躍する経営者・投資家・弁護士。急成長企業のCOOとして年商1億ドル超を牽引し、欧州発テック企業の北米統括やSaaS企業の起業・売却も経験。戦略、資金調達、M&Aの専門性を武器にスタートアップの成長を支える。
Anthony Lau(DMZ)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ソフトウェア・ハードウェア両面で20年以上の成長実績を持つプロダクト戦略の専門家。MotorolaやBlackBerryなどで新市場開拓やM&Aを牽引し、顧客の声を正しく翻訳して製品化・事業化につなげる力で、B2B・エンタープライズ企業の成長を加速させてきた。
Martin Croteau (DMZ) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
起業家・投資家・学術の立場で25年以上の経験を持つスタートアップ支援の専門家。大学発ディープテックを含む多様な企業で、ビジネスモデル検証、資金調達戦略、ピッチ資料改善、財務モデル構築などを通じ、創業期からの成長加速をサポートする。
Hamish Dobson (Venture Labs) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
SFU Venture Labsディープテックプログラム "Perago" にて製品戦略構築、市場参入計画策定を支援。現在運輸業界の安全性を高める映像・データソリューションを提供するGatekeeper Systems社にて取締役を務める。モトローラ・ソリューションズのプロダクト担当副社長時代は、グローバル映像セキュリティソリューション事業部門の責任者として、同部門の年間売上高を10億ドル以上に拡大させることに貢献。
Leah Nguyen (Venture Labs) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
経験豊富なテクノロジー分野の経営幹部兼ベンチャー投資家。社会的使命を掲げる組織が明確なビジョンと大きなインパクトを持って事業を拡大できるよう支援。より持続可能で包摂的かつ繁栄した未来に向けて投資を行う、BC州の5億ドル規模の戦略的投資ファンド「InBC Investment Corp.」の初代最高投資責任者(CIO)であり、TELUS Pollinator Fund投資ディレクター時代は世界最大級の企業インパクトファンドの立ち上げに貢献。
Dave Thomas (Venture Labs)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
Rocket BuildersのMarket Readiness Programを統括するシニアパートナー。過去20年間にわたり数多くのスタートアップ企業と協力し、ベンチャーキャピタルの支援を受けたテクノロジー企業4社の経営陣の一員を務める。現在は企業のアドバイザー、起業家、エンジェル投資家として活動するほか、エンジェル・シードファンドの株主でもある。
Jayaranjan “J” Anthonypillai (Focus Academy) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
フォーカス・ラボ(旧バークレー・バイオラボ)を設立し、100社以上のディープテック企業のメンタリングと立ち上げを支援してきた経験を持つ。バイオテクノロジー、クリーンテック、臨床、アグリテック分野での経験を持つ事業化アドバイザー。技術検証、市場参入、実践的な成長戦略に重点を置き、カナダ、米国、およびより広範なグローバル市場に進出するサイエンス系スタートアップを支援。
Kate Gunning (Focus Academy)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ライフサイエンス、ヘルスケア、ヘルステック、クリーンテクノロジー分野を専門とする、戦略的市場開拓および技術商用化のエキスパート。核医学、臨床化学、ゲノミクス、自動化など、ライフサイエンスおよび医療技術分野において幅広い経験を有する。新興企業の市場機会評価、商用化戦略策定、米加を始めとする国際的なイノベーション・エコシステムにまたがるネットワークを活用できるよう支援。

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ジェトロ担当者

グリーンバーグ綾子外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
東京にて外資系コンサルティング会社勤務、オランダ及び日本での起業、二児のホームスクーリングを経てカナダへ移住。2020年よりジェトロ・トロント事務所勤務。日本発スタートアップおよび日本企業のカナダ進出支援を担当。

ご質問・お問い合わせ

ジェトロ・スタートアップ課
E-mail: JHUB@jetro.go.jp