2026年3月
ジェトロのお知らせ 【イベントレポート】Beyond Expo―海外VCが注目する関西スタートアップ・エコシステム
2026年03月24日
万博とスタートアップ、波及する好循環
万博の熱気は、いまだ冷めていません。(「関西地域から切り拓くライフサイエンス産業の未来」)
大阪・関西万博では、「スタートアップ」が重要なキーワードの一つとなりました。大阪イノベーションハブ(OIH)で活躍する大阪産業局の中村奈依氏は、「スタートアップの社会的信用や認知度が向上した点は大きな成果です」と万博の貢献を評価しています。
振り返ると、万博の大阪ヘルスケアパビリオン内の「リボーンチャレンジ」では、スタートアップの継続的な出展支援が行われ、技術や事業を発信する機会が提供されました。さらに、万博会期中に会場内で開催された Global Startup EXPO 2025(GSE)には国内外のディープテック起業家や投資家が集結し、関西のスタートアップ・エコシステムに対する海外資本の関心を強く引きつける場となりました。
万博終了後もその余熱は続いています。GSEをきっかけに来日した海外ベンチャーキャピタル(海外VC)は、その後再び日本を訪れ、京阪神エリアの活気あるスタートアップ・エコシステムに継続的な興味を寄せています。関西では、一過性のイベントに留まらず、対話が継続し、投資や共同研究へと発展しています。
招へいした海外VCによるパネルディスカッションの様子
海外VCが再来日 "Beyond EXPO"
ジェトロと大阪・京都・ひょうご神戸コンソーシアムは、1月26日から30日にかけて海外VC 5社を関西に再招へいし、29日には万博後のスタートアップ・エコシステム強化を目的とした「Global VC Meetup beyond EXPO」を大阪で開催しました。VCは、特許数やディープテックの集積といった関西の強みを評価し、京都大学や神戸医療産業都市なども視察しました。スタートアップ側は、海外投資家への効果的なピッチや海外展開に向けた具体的な助言を受け、国際連携を促進する機会となりました(世界を代表するVCを関西に招聘、万博後の域内スタートアップエコシステム活性化を議論)。
Alumni Ventures の Michael G Phillips氏は、関西について「世界トップクラスで多くの技術や特許を有する。さらに、シンガポールや香港と比べても、国・自治体の支援や大学・企業・投資家の連携が強い」と言及します。
Michael G Phillips氏(Alumni Venture)
三都連携による関西エコシステムの現在地
「いのち輝く未来社会のデザイン」という大阪・関西万博のテーマにも深く関連する、伝統ある医療・創薬・そして最先端のバイオを核とする関西の産業は、大阪・京都・神戸 の三都が一体となり、革新を続けています。
2025年6月には、大阪・京都・ひょうご神戸コンソーシアムが第2期「グローバル拠点都市(広域都市圏型)」に選定され、バイオ・ライフサイエンス分野を中心とした広域連携が進んでいます。
関西の中でも、大阪は、大企業や行政・支援機関が集積し、事業化やスケール化のハブとして機能しています。京都は、トップレベルの大学の研究基盤 を軸に、再生医療・創薬分野で産学官連携や大学発スタートアップの成長が進んでいます。そして神戸(兵庫)は、実証と社会実装を軸に存在感を高めています。
神戸が示す実装力
海外VCの視察先の一つであった、ポートアイランドに位置する神戸医療産業都市は、医療機関、研究機関、大学、企業、スタートアップが集積する国内最大級の医療・ヘルスケアクラスターです。2026年1月には、神戸市や三菱商事、理化学研究所など7機関が連携協定を締結し、エコシステム強化に乗り出しました。
医療機器・メドテック分野の社会実装を担うメドテックイノベーションセンターでは、医療従事者、技術者、アカデミア、企業が日常的に交流し、産官学医連携による医療機器・サービスの実用化と人材育成が進んでいます。さらに、神戸医療産業都市は、国内で唯一、PMDA(医薬品医療機器総合機構)の相談窓口を有しており、研究開発・実証・薬事対応を一体的に進められる点が大きな強みとなっています。
このように神戸は、基礎研究に強い京都、事業化・スケール化を担う大阪と連携し、それらを橋渡しする実証・社会実装の拠点 として京阪神エリア全体の競争力を高めています。
神戸ポートアイランド
メドテックイノベーションセンター(MIC)施設内(写真提供:神戸大学)
文化として受け継がれたイノベーションマインド
OIHの中村氏は、「京阪神エリアは三都の事業会社や金融機関、支援機関との距離が近く、コミュニティの規模感や温度感がちょうどよい点が強みです」と語ります。
Alumni VenturesのPhillips氏も、「企業数や研究成果は世界トップクラスだが、ビジネス化にはまだ伸びしろがある」と指摘した上で、そのような関西において、技術とビジネスの人材をつなぐチームを立ち上げる意義と機会に着目しています。また、若手や社会人経験者も含め起業志向が強く、海外展開を目指すスタートアップも増加していることから、「外向きで挑戦に前向きな文化があり、発展を後押ししている」と期待を寄せています。
万博を起点として、スタートアップ、投資家、地域の連携はさらに拡大し、循環が加速し続けています。
関西・日本のライフサイエンス市場にご興味をお持ちでしたら、ぜひジェトロへお問い合わせください。最新の地域情報や各種投資支援サービスをご利用いただけます。
また、市場の可能性を知るための資料として、ジェトロの「対日投資主要産業ライフサイエンス」レポートもぜひご覧ください。
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