2019年には、旅行・観光分野で3590億米ドルが日本のGDPに寄与されており、この額は同分野において、米国、中国に次いで、世界第3位の市場規模を誇っています。
観光 魅力的な注目市場分野
(1)金融サービス
訪日観光客の訪日目的の一つにショッピングがあります。彼らの母国の多くでは、キャッシュレス決済が常識となっており、インバウンド需要に対応するには、キャッシュレス決済システムの導入が欠かせません。特に、2019年の訪日観光客全体の半数近くを占める韓国と中国はキャッシュレス先進国であり、消費利便性向上のための喫緊の課題と言えます(図表6)。
また、新型コロナを受け、オンライン決済の増加や、実店舗でも現金の手渡しという従業員と顧客の接触機会を削減するという観点から、非接触型を中心としたキャッシュレス決済に注目が集まっています。

こうした中で、中国企業アリババが提供するALIPAYや、同じく中国企業テンセントのWeChat Payが日本のキャッシュレス決済市場に進出しており、今後もインバウンド需要を狙った外国企業の参入が期待されています。
なお、日本のキャッシュレス決済比率は、2019年10月から2020年6月末まで続いた政府によるキャッシュレス・消費者還元事業の成果もあって上昇を続けており、非接触が推奨されるコロナ禍にある現在、この比率は今後さらに上昇するものと予想されます。政府発表のキャッシュレス決済比率目標では、2025年までに4割程度、将来的には世界最高水準の80%を目指しています。
(2)OTA(オンライン旅行会社)
スマートフォンの普及率上昇で幅広い層にわたってインターネット利用が一般化したことにより、世界では既に、OTAの市場規模が伝統的旅行会社を上回っています。日本国内では、未だ伝統的旅行会社が優位な立場にありますが、2018年のOTA市場規模は約 2 兆 5,520 億円となり、年々その比率が上昇しています(図表7)。
また、訪日客の旅行動態の変化もOTA市場の成長に拍車をかけています。日本へのリピート訪問の増加などが一因となり、団体旅行(パッケージツアー)から個人旅行(FIT:Foreign Individual Tour)へのシフトが顕著で、その割合は2014年の66.8%から2018年の78.7%に増えています。

じゃらんnet、楽天トラベルや一休.comなどは日本のOTAですが、エクスペディア(米国)、Airbnb(米国)、ブッキング・ドットコム(オランダ)、スカイスキャナー(英国)、アゴダ(シンガポール)など、近年は外資のOTAも積極的に日本に進出しており、観光業において急成長している日本を重要市場と捉えているのが分かります。現在は新型コロナの影響により観光需要が減少している状況ですが、社会的なデジタル化が進むことで今後日本でもOTA利用の割合が増えると予想されます。
(3)ホテル・宿泊施設
新型コロナの影響により、大きな打撃を受けたホテル市場は短期的な見通しは厳しいですが、中長期的に見れば有望な市場です。2019年の延べ宿泊者数全体となる5億4,324万人泊の内、日本人延べ宿泊者数は4億4,180万人泊で全体の81%を占めていました(図表8)。このことから、インバウンド需要の急激な伸びが多方面から注視された一方で、日本人観光客が日本のホテル市場の主力であることに変わりはないことが分かります。感染状況を踏まえつつ、国内需要の喚起によって足場を固め、新型コロナ終息後のインバウンド需要回帰への備えが求められています。

特に注目のホテルタイプはリゾートホテル(フルサービスホテル)です。国内の部屋数全体に対する割合は1割にも満たず、日本人の国内旅行、及びコロナ後を見据えたインバウンド需要を考えると、日本におけるリゾートホテルの数はまだまだ少なく、外国企業にとって開発余地は十分にあります(図表9)。また、日本各地に50軒の世界水準の高級ホテルを建設するという2019年末に発出した政府方針とも合致するため、リゾートホテル市場の伸びが期待されています。
既に、外資系ホテル大手のマリオット、ヒルトン、IHG(インターコンチネンタルホテルズグループ)、ハイアット各社の高級ホテル開業ラッシュが続いています。さらに、ハワイの名門リゾートホテル「ハレクラニ」も2019年に沖縄にオープンし、同じくハワイの名門「ザ・カハラ・ホテル&リゾート」は2020年に横浜で開業しました。また、タイ資本のリゾートホテル「デュシ・タニ」は、2023年に京都でオープンする予定となっており、外資系リゾートホテルの日本進出が続いています。

観光レポート

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