製造業 全体概況

製造業 全体概況

デジタル化を促し拡大する日本の製造業


日本が「ものづくり大国」と呼ばれるほどの一大産業である日本の製造業は、GDPで世界第3位の経済大国になるまで日本経済を支えてきた原動力です。2019年度における日本のGDPの業種別内訳では、製造業は全体の2割程度を占めており、自動車メーカーを筆頭に製造業に携わる多くのメーカーが日本経済を牽引しています(図表1)。


2019年度の日本の業種別GDP構成比の円グラフ。 サービス業が32.1%と最多を占めるが、製造業はその次に多い全体の20.5%を占める。卸売・小売業が12.7%、不動産業11.8%、建設業5.4%、その他が17.5%。 内閣府の「国民経済計算(GDP統計)」のデータを元に作成。


国内製造業における民間企業設備投資の動向をみると、リーマンショックや東日本大震災等を克服した後、2013年以降、雇用・所得環境の改善や、設備投資の拡大などを背景に緩やかな回復を続けてきました。2019年の設備投資額は、ここ10年間で最大の水準となっています(図表2)。


2010年から2019年までの国内製造業における設備投資の動向を示す折れ線グラフ。 2010年の60兆円台から徐々に拡大し、2019年には80兆円台後半となっている。2012年頃から70兆円台、2015年頃から80兆円台に上昇したと見られる。 内閣府のデータを元に作成。


一方で、2019年に入り、世界経済の減速や度重なる災害、天候不順、通商問題や海外経済の不確実性等の影響が、製造業を中心に企業収益や投資にも波及しています。加えて、2020年1月以降も新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の世界的拡大等の影響により、将来の不確実性が高まり、製造業にとっては今後の見通しが立てづらい状況となっています。

経済産業省、厚生労働省、文部科学省の3省共同で取り纏めた「2020年版ものづくり白書」によると、この不確実性に対応するためには、環境や世界状況が予測困難なほどに変化するなかでも、企業がそれに合わせて変革を成し遂げる力を持つことが必要とされています。また、こうした製造業の企業変革力(ダイナミック・ケイパビリティ)を高めるためには、デジタル化が有効とされています。人材不足の解決策の一つとしてもデジタル化が推奨される等、製造業におけるデジタル化が喫緊の課題となっています。

こうした中、足元では製造業はもとより社会インフラにおけるデジタル化が推進されており、日本政府は2016年に、第5期科学技術基本計画を閣議決定し、「Society 5.0」を掲げています。ここでは、IoT、ロボット、人工知能(AI)、ビッグデータといった先端技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れ、経済発展と社会的課題の解決を両立していく新たな社会の実現を目指しています。

また2017年には、「Connected Industries(コネクテッドインダストリーズ)」という、データを介して、機械、技術、人など様々なものがつながることで、新たな付加価値創出と社会課題の解決を目指す産業コンセプトを提唱し、世界に向けて発信しました。こうしたことを背景に、日本のファクトリーIoTの市場規模は拡大し続けており、製造業ではデジタル技術を積極的に導入する企業が増加しています(図表3)。


日本国内のファクトリーIoTの市場規模予測を示す棒グラフ。 2019年の予測は5,410億円、2020年は6,091億円、2021年は6,857億円、2022年は7,721億円、2023年は8,693億円、2024年は9,787億円、2025年には11,019億円、と右肩上がりで拡大する見込み。 野村総合研究所(NRI)のデータを元に作成。


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