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英国財務相、秋季予算案を発表、喫緊の対策と構造改革の両立を図る
(英国)
ロンドン発
2026年11月04日
英国のジョン・ヒーリー財務相は10月28日、アンディ・バーナム政権発足後初となる秋季予算案
を発表した(詳細は添付資料表参照、2026年11月2日記事参照)。家庭や企業のコスト上昇に対し、喫緊の対策と、将来に向けて必要となる大規模な構造改革の両立を図る。
本予算案では家計への支援が多く盛り込まれた。家庭用電気料金に対する付加価値税(VAT)引き下げ(2026年7月22日記事参照)は2027年7月まで延長する。また、カウンシル・タックス(注1)区分A~Dのイングランドの世帯(約2,000万世帯)に、2027年1月以降、100ポンド(約2万1,000円、1ポンド=約210円)の給付を行う(注2)。さらに、2027年以降に家庭用ガスの基本料金を廃止するほか、電気においても基本料金の改革を検討する。加えて、100品目以上の食品・飲料品に対する関税を一時的に引き下げる。
財政面では、前政権が導入した「安定性ルール」と「投資ルール」の2つの財政ルール(2024年10月31日記事参照)を維持する。前述のVAT引き下げ期間の延長や100ポンド給付の財源は、銀行法人税の追加税率を2027年1月1日から2028年3月31日までの間3%から6%に引き上げることで賄う。そのほか、高リスク賭博用ゲーム機への税率の引き上げや、不動産や貯蓄による所得への税率を2027年4月6日から2ポイント引き上げる。
成長投資に関しては、ナショナル・ウェルス・ファンド(NWF)および英国ビジネス銀行(BBB)に合計204億ポンド、人工知能(AI)スタートアップを支援するソブリンAI(2026年4月22日記事参照)に1億4,000万ポンドを追加投資するほか、AIセキュリティーとレジリエンスを強化するための投資も行う。具体的には、AIセキュリティー研究所に1億2,000万ポンド、サイバーディフェンスの強化に1億5,400万ポンドを追加投資し、国家AIバイオセキュリティー・イニシアチブの設立に1億6,500万ポンド、不正エージェント事件の調査と対応を行う国家エージェント型AIセキュリティーユニットの設立に4,000万ポンドを投じる。
予算案の発表に合わせて、予算責任局(OBR)は経済・財政見通しを公表した。実質GDP成長率は2026年見通しを1.2%とし、2026年3月時点(1.1%)から上方修正した。消費者物価指数(CPI)は2026年3.1%、2027年3.4%と推移した後、2028年には2.1%に落ち着くと見込む。
(注1)カウンシル・タックスの詳細はジェトロ制度情報(税制)を参照。
(注2)各自治政府には、同様の支援を実施できるよう資金を提供する。
(齊藤圭)
(英国)
ビジネス短信 bfa9612cd6a62232





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