英国、労働党のアンディ・バーナム党首が首相就任、就任演説で政策の方向性を提示

(英国)

ロンドン発

2026年07月22日

英国で7月20日、労働党のアンディ・バーナム党首が、国王チャールズ3世の任命を受けて首相に就任した。キア・スターマー前首相の辞任表明(2026年6月24日記事参照)を受けて与党労働党は党首選挙を実施し、単独候補のバーナム氏が7月17日に党首に就任していた。同氏は前グレーター・マンチェスター市長で、6月18日に行われたメイカーフィールド地区の下院補欠選挙で当選し、6月22日に国政に復帰したばかり(2026年6月24日記事参照)。スターマー氏の後任候補として有力視されていた。

バーナム首相はその後、首相官邸で就任演説外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを行った。演説では、「権力を議会から引き抜き、国内のあらゆる地域に委譲する(注1)」「生活必需品を手頃な価格で利用できるように、より強固な公的管理の下に戻す」「再工業化を推進し、公共調達を通じて英国産業を支援する」と述べ、政策の方向性を示した。より具体的には、2026年後半に英国の新たな10カ年計画を提示すること、生活費の負担を軽減するための措置を講じ、その措置の一部と財源確保の方法を翌21日より具体的に示すこと(注2)、教育制度改革やメンタルヘルス支援の強化を通じ若者の就労を支援すること、公営住宅を増設することに言及した。また、これらが「福祉関連の支出を削減し、財政規律を順守し、国際的なパートナーに対する防衛上の約束を果たすための公正かつ持続可能な道」であるとし、前政権が導入した財政規律(2024年10月31日記事参照)や、NATOの防衛費目標(2026年7月9日記事参照)を順守する意向を見せた。

バーナム首相は、新政権の組閣も実施した(添付資料表参照)。財務相には防衛予算を巡りスターマー政権で国防相を辞任したジョン・ヒーリー氏、外務相にはエド・ミリバンド前エネルギー安全保障・ネットゼロ相が就任し、内務相にはシャバナ・マームード氏を再任した。党首選への立候補に意欲を示して健康・保健相を辞任し、後にバーナム氏の支持へ転じたウェス・ストリーティング氏は、国防相に就任した。

(注1)バーナム氏は6月29日、党首選への立候補表明後初の演説において、マンチェスターに新たな首相官邸チーム「ナンバー10ノース」を置き、英国で前例のない最大規模の権力の再分配を監督すると述べている。

(注2)政府は7月21日、10月1日から家庭用電気料金の付加価値税(VAT)を5%から0%に引き下げる外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと発表した。前政権が導入を検討していたデジタル身分証明(ID)の取りやめにより財源を賄う。

(齊藤圭)

(英国)

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