米税関、IEEPA関税還付「フェーズ3」の申請受け付け開始、還付ペースは鈍化
(米国)
ニューヨーク発
2026年10月07日
米国税関・国境警備局(CBP)は10月6日、米国国際貿易裁判所(CIT)に対して、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき徴収した関税を還付する「統合通関管理・処理システム(CAPE)」(注1)の運用状況を報告した。CBPは、最終清算済みの輸入申告を対象とした「フェーズ3」(注2)の還付申請を、予定どおり同日から受け付け開始した。
CBPの報告によれば、米国東部時間10月2日午後3時時点で、29万7,887件(前回9月11日時点:28万6,044件、2026年9月17日記事参照)のCAPE申請が提出され、20万9,262件の申請(前回:20万1,293件)がエラーなくシステムにアップロードされた。アップロードされたCAPE申請のうち、輸入申告ベースでは2,740万件(前回:2,720万件)について、IEEPA関税の還付が承認された。このうち2,119万件(前回:1,994万件)は、清算・再清算を終えた。一方、CBPは620万件(前回:610万件)の輸入申告について還付申請を却下した。
CBPによれば、還付が認められた金額は約1,366億ドル(前回:約1,347億ドル)に達した。このうち、利子を含めた約1,260億ドル(前回:約1,220億ドル)については、財務省において還付金の支払い手続きが進められている。なお、自動決済機関(ACH)に関税還付用の銀行口座情報が登録されていないとの理由から、約11億ドルに上る2万362件(前回:13億ドルに上る2万184件)は支払い手続きが進まなかった(注3)。
6月29日から還付申請の受け付けを開始した、事後清算の「調整(reconciliation)対象」とされた輸入申告に対する還付申請(「フェーズ2」、2026年6月25日記事参照)の件数に関しては、前回同様に報告がなかった(前々回:230万件)。
政治専門紙「ポリティコ」(10月6日)は、CBPが複雑な還付申請を処理していることから、還付が認められた金額が前回の報告からわずかしか増加しておらず、還付のペースが鈍化している、と指摘している。
CBPはまた、予定どおり10月6日の米国東部時間午前5時10分から、フェーズ3の運用を開始したと報告した。現時点ではフェーズ3は、IEEPA関税還付を巡って訴訟を提起してCITに還付を受けられることを確認し、かつ7月30日までに記録上の輸入者(IOR)番号(注4)をCBPに提出していた輸入者による最終清算済み輸入申告が対象となる(注5)。運用開始後、CBPは対象者に電子メールで通知した。10月6日正午時点で、フェーズ3において、477件の申告(輸入申告ベースで42万5,517件)が受理され、エラーなくシステムにアップロードされた。
(注1)CAPE申請の具体的な方法は、2026年4月14日記事参照。
(注2)「フェーズ1」および「フェーズ2」のCAPE申請は、関税が未清算、または清算後80日までの輸入申告を対象としている。
(注3)ACHは米国の電子送金システムを指す。還付は電子的に行われるため、電子還付プログラムへの登録手続きを行っておく必要がある(2026年1月8日記事参照)。
(注4)CAPE申請が可能なのは、IOR、またはIORに代わって輸入概要書を提出した通関業者に限られる。
(注5)CITは7月20日に、訴訟を提起した企業に対して、最終清算済みの輸入申告についてはIOR番号をCBPに提出するよう求めていた。7月30日以降にIOR番号を提出した、訴訟を提起した企業に対する還付手続きは追って発表される。なお、今後の裁判の行方次第では、包括的に還付の申請が認められ、個別の訴訟を提起する必要がなくなる可能性もある。
(赤平大寿)
(米国)
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