米税関、IEEPA関税還付「フェーズ3」の申請受け付けを10月6日から開始
(米国)
ニューヨーク発
2026年09月17日
米国税関・国境警備局(CBP)は9月15日、米国国際貿易裁判所(CIT)に対して、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき徴収した関税を還付する「統合通関管理・処理システム(CAPE)」の運用状況を報告した。今回の報告でCBPは、最終清算済みの輸入申告を対象とした「フェーズ3」の還付申請受け付けを、10月6日から開始すると明らかにした。
CAPEでは、(1)電子通関システム(ACE)に還付を請求する輸入申告番号(Entry Number)をまとめたCSVファイルをアップロードする「CAPE申請」、(2)IEEPA関税を申告しなかったものとして還付額を再計算する「一括処理」、(3)「審査および清算・再清算」、(4)財務省による「還付」の4段階を経る(2026年4月14日記事参照)。
今回のCBPの報告によれば、米国東部時間9月11日午後3時時点で、28万6,044件(前回8月21日時点:27万2,029件、2026年8月27日記事参照)のCAPE申告が提出され、うち20万1,293件の申請(前回:19万1,494件)がエラーなくアップロードされた。エラーのケースの理由は、従来同様、(1)記録上の輸入者(IOR)・申告者の不一致(注1)、(2)輸入申告番号の不一致(例:桁数不適切、不存在)、(3)CSVファイルのACE公開テンプレートへの不準拠などだった。
アップロードされたCAPE申請のうち、輸入申告ベースでは2,720万件(前回:2,640万件)は還付が承認された。うち1,994万件(前回:1,876万件)は、清算・再清算を終えた。一方、CBPは610万件(前回:590万件)の輸入申告の還付申請を却下した。却下の主な理由も従来同様、(1)輸入日がCBPの再清算権限期間を超過(注2)、(2)輸入申告書類にIEEPA関税算定用のHTSコード99類が未記載(注3)、(3)別のCAPE申請で申告済み、だった。
CBPによれば、還付承認額は約1,347億ドル(前回:1,325億ドル)に達した。うち、利子を含む約1,220億ドル(前回:約1,066億ドル)は財務省で支払い手続きが進められている。なお、自動決済機関(ACH)に還付用口座情報が未登録のため、約13億ドルに上る2万184件(前回:約17億ドル、2万2,170件)は支払いが進まなかった(注4)。
なお今回の報告では、事後清算の「調整対象」とされた輸入申告の還付申請「フェーズ2」(2026年6月25日記事参照)の処理状況は公表されなかった(前回:230万件)。
一方でCBPは、「最終清算済み」の輸入申告の還付手続き「フェーズ3」の受け付けを10月6日から開始すると明らかにした。当初8月20日の開始を予定していたが、システム検証のため延期されていた。ただし、現時点でフェーズ3の申請対象は、IEEPA関税還付の訴訟を提起し、CITの還付命令を得たIORで、7月30日までにIOR番号をCBPに提出していることが条件となる(注5)。CBPはこれまで、最終確定済みの輸入申告については、裁判所の命令がない限り再審査する裁量権はないと主張していた。ただし、この点については現在係争中であり、裁判の行方次第では、個別の訴訟を提起する必要がなくなる可能性もある(米通商専門誌「インサイドUSトレード」9月16日)。
(注1)CAPE申請が可能なのは、IOR、またはIORに代わって輸入概要書を提出した通関業者。
(注2)フェーズ1~2のCAPE申請は、関税が未清算、または清算後80日までの輸入申告を対象としている。
(注3)IEEPA関税などの追加関税では、本来のHTSコードに加え、追加関税対象を指すHTSコード(99類)が作成され、輸入申告時には、両方の記載が必要となる。
(注4)還付は電子的に行われるため、ACHへの登録手続きが事前に必要となる(2026年1月8日記事参照)。
(注5)CITは7月20日に、訴訟を提起した企業に対して、最終清算済みの輸入申告のIOR番号をCBPに提出するよう指示していた。7月30日以降にIOR番号を提出した企業への還付手続きは今後発表される。
(赤平大寿)
(米国)
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