米税関、関税還付を2月6日から原則として全面電子化へ

(米国)

ニューヨーク発

2026年01月08日

米国税関・国境警備局(CBP)は1月6日、税関の電子申請システム(ACE)の改修が終わり、関税還付の全面電子化が2月6日から始まると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これにより、還付が迅速化する見込みだ。

ドナルド・トランプ大統領は2025年3月25日、連邦政府による支払いや給付金の支給、税の還付などについて紙の小切手の発行を停止し、電子決済へ切り替えるよう指示する大統領令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表していた(注1)。大統領令では、電子決済への移行を同年9月30日までに行うよう指示していたが、CBPはACE改修の必要性などを理由に、全面的な切り替え時期を延期していた。CBPによれば、現在、関税還付の大部分は紙による小切手の郵送で行われている。だが、今般ACEの改修が完了したことにより、関税の還付は、2026年2月6日から原則として、全て電子的に行われることになる。

CBPは1月6日付の「貨物システムメッセージサービス」(CSMS)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、関税の還付を受ける予定がある輸入者などに対して、電子還付登録シートPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を確認し必要な手続きを取るよう呼びかけている。CBPの1月2日付の官報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによれば、既に電子での還付プログラム(ACH Refund program)に登録済みの輸入者などは、引き続き電子で還付を受けられるが、プログラムに未登録の場合は申請する必要がある。なおCBPは、1月14日、1月28日、2月11日の午後2~3時(米国東部時間)にマイクロソフトTeamsを通じて説明会を行う。

トランプ政権2期目が2025年1月に発足して以降、相互関税や1962年通商拡大法232条に基づく分野別の追加関税など、複数の関税措置が並行して発動されたことから(注2)、通関実務が混乱し、関税還付に通常よりも時間がかかっている、といった声が日系企業から複数聞かれている。今回の電子化により、還付が迅速化されれば、状況の改善が期待される。

また、相互関税をはじめとする国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく追加関税措置は、その合法性を巡って現在、連邦最高裁で審理されており、仮に違法となった場合、企業にとっては関税還付の有無が焦点の1つとなっている(2026年1月5日記事参照)。今後、還付を受ける可能性がある企業は、CBPが発表している必要な手続きを遅滞なく行うことが重要となる。

(注1)大統領令を受け、財務省は2025年8月14日に声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしている。

(注2)トランプ政権の一連の関税措置については、ジェトロの特集(米国関税措置への対応)参照。

(赤平大寿)

(米国)

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