米税関、IEEPA関税を還付する「統合通関管理・処理システム(CAPE)」の利用方法を解説
(米国)
ニューヨーク発
2026年04月14日
米国税関・国境警備局(CBP)は4月13日、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき徴収された関税の還付を行う「統合通関管理・処理システム(CAPE)」について、「フェーズ1」の利用方法を解説する、貨物システムメッセージサービス(CSMS)を発表
した。CBPはまずは単純な輸入申告のみに対応するフェーズ1から運用を開始し、清算済みの申告、払い戻し(ドローバック)請求中の申告、異議申し立て中の申告などは、追って対応する方針を示している。
今回のCSMSで、CAPEのフェーズ1の運用が、米国東部時間4月20日午前8時に開始されることが明らかになった。CBPは以前より、4月20日から運用を開始すると発表していたが(2026年4月13日記事参照)、時間について明らかにしたのは初めてとみられる。
今回のCSMSでは、CBPが以前、国際貿易裁判所(CIT)に対して説明したのとおおむね同じく(2026年3月16日記事参照)、CAPEでは(1)電子通関システム(ACE)からのCAPE申請(CAPE Tab – ACE Portal)、(2)一括処理(Mass Processing)、(3)審査および清算・再清算(Review and Liquidation/Reliquidation)、(4)還付(Refund)の4つのステップを通じて還付を行うと説明した。(1)でまず、輸入者または通関業者は、ACEの中のCAPEタブから、IEEPA関税の還付を請求するエントリーナンバー(Entry Number)のみをまとめたCSVファイルをアップロードする。その後、CBPはCAPE申請番号を付与する前に、ACE上で、申請にエラーがないか、フェーズ1で対応可能な申請か否か、などを検証する。不適切な輸入申告が含まれている場合、CAPE申請から当該輸入申告が削除されるが、残りの正しい輸入申告は継続して処理される。申告におけるエラーを修正すれば、削除された輸入申告でも別のCAPE申請として再申請できる。
(2)では、CAPE申請を一括処理して、IEEPA関税に該当する米国関税分類番号(HTSコード)を自動的に削除し、IEEPA関税を申告しなかったものとして還付金額を再計算する。その際、利子も計算する(申請の受理)。その後、(3)でCAPE申請の受理日から45日後に清算・再清算するよう設定し、(4)で輸入者に対して一括して還付する(注1)。特段の理由がない限り、通常はCAPE申請の受理後60~90日以内に還付される(注2)。
なお、今回のCSMSでは、IEEPA還付のみを目的として異議申し立てを提出しており、かつ清算日から80日以内である輸入申告の場合(注3)、その異議申し立てを取り下げることで(注4)、CAPEで申請できると説明した。また、申告の事後修正(PSC、注5)によるIEEPA関税の還付請求は禁止されているため、「アフリカ成長機会法(AGOA)」(注6)などの対象品目の輸入に対するPSCは、CAPE申告を行う前に提出する必要がある。
なお、CBPはCAPEの追加機能が開発されるごとにガイダンスを発行し、IEEPA還付およびCAPEに関する全ての情報はCBPのIEEPA関税還付金
ページに掲載すると述べている。そのほか、CBPは問い合わせ窓口を公開している。
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技術的質問:IEEPARefunds@cbp.dhs.gov

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それ以外の一般的な質問:traderelations@cbp.dhs.gov

(注1)複数のCAPE申請を合算して一度に還付される可能性があるため、特定のCAPE申請に基づく還付額と実際の還付額が一致しない場合も想定される。
(注2)この60~90日の期間には、CBPによる審査に要する45日と、財務省を通じた還付処理に要する追加の時間が含まれる。なお、還付は電子的に行われるため、電子還付プログラムへの登録手続きを行っておく必要がある(2026年1月8日記事参照)。
(注3)米国では、輸入者が輸入時に納入する関税は推定関税となっており、CBPはその後、通常314日以内に確定関税を通知する。ここで推定関税と差異があれば、この差額分が徴収もしくは還付される。これを関税清算という。なお、清算後90日以内であれば、CBPは自主的に再清算できる。CBPが同期間中に手続きを完了できるよう、フェーズ1では、清算後80日までの輸入申告を対象にした。
(注4)関税清算後でも、180日以内であればCBPに対して異議申し立てを行うことができ、これが認められれば、再清算となる。通常、CBPフォーム19
というフォーマットが利用される。詳細はCBPのウェブサイト
参照。
(注5)PSCの詳細はCBPのウェブサイト
、ユーザーズガイド
を参照。
(注6)AGOAは、米国とサブサハラ地域間の貿易投資拡大や、同地域の持続可能な経済成長の促進などを目的に、6,800以上のサブサハラ産品の関税を免除する制度。2025年9月30日に失効したが、2026年2月3日から再開された。失効期間中に対象品目の輸入で関税を支払っている場合、還付請求できる(2026年2月5日記事参照)。
(赤平大寿)
(米国)
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