中国EU貿易投資協議第2回会合を北京で開催、市場アクセスに関する協議継続などで合意
(中国、EU)
北京発
2026年10月14日
中国商務部は10月9日、北京市で10月8~9日に中国EUの貿易投資協議メカニズム第2回会合が開催されたと発表した。6月の第1回会合に続き、中国側は王文涛商務部長が、EU側は欧州委員会のマロシュ・シェフチェビッチ貿易・経済安全保障担当委員が主宰した(前回の内容は2026年7月6日記事参照)。商務部の発表によると、双方は第1回会合で設置された貿易投資の均衡、輸出管理、知的財産権、WTO改革の4つの作業部会の進捗を点検した。また、双方は市場アクセスの問題に関して協議を継続することに合意し、双方の懸念を段階的に解決し、中国とEUの貿易をよりバランスのとれたものにしていくとした。
同会合の成果として、16項目の合意事項が発表された。主な内容としては、双方がWTOルールの枠組みの下で一部の商品の関税引き下げの可能性を検討するほか、ハイブリッド車(HEV)の貿易についてWTOルールに沿った方式で合意に達したとした。また、電気自動車(EV)に関しては価格約束の指針によって、企業による最低価格の約束および再調査の手続きを引き続き行うとした(注1)。このほか、医療機器の市場アクセスに関する対話の継続(注2)、座席予約システムに関する技術交流の継続、化粧品や医薬品の監督管理枠組みに関する協議を通じた市場アクセスの改善、EUの外国補助金規則(FSR、注3)に関する技術対話の実施などに合意した。
輸出管理に関しては、中国EU輸出管理対話の強化を図るとしたほか、中国側はファストトラックメカニズムを通じてレアアースおよび永久磁石のEU向け輸出許可について引き続き円滑化を図るとした。また、中国EU貿易に関する構造的な円滑化措置の策定について可能性を検討するとしたほか、輸出管理関連の制裁リストへの掲載にあたっての事前通報やリストに関する掲載・削除の手続きの透明性の向上、双方の法的枠組みの下でのリストからの削除プロセスの開始を支持することなどが盛り込まれた。
在中国欧州企業の団体である中国EU商会は、今回の合意について声明を発表し、欧州企業にとって重要な問題が網羅された包括的なものであると評価しつつ、今後の具体的な行動が重要であると指摘している(注4)。
商務部の発表によると、王商務部長は今回の協議の中で、EUの最近の経済貿易制限措置について懸念を表明し、中国はEUの問題の根源ではなく、問題解決のパートナーであると強調した。その上で、EU側に対して、WTOルールへの適合や双方の利益を考慮するという前提の下で、対話や協議を通じて摩擦を解決するよう求めた。また、訪中したシェフチェビッチ欧州委員と会見した何立峰副首相(中国共産党中央政治局委員)は、中国とEU双方が、安定的でバランスの取れた中国とEUの重要な貿易パートナー関係という新たな位置づけを堅持すべきと表明した。
なお、中国とEUの双方は2027年3月に同メカニズムの第3回会合を開催することを決定したとしている。
(注1)商務部報道官は10月12日の談話において、EV・HEVに関する合意内容について解説した。HEVに関しては、事実に基づき、無差別でコンプライアンスにのっとったものであるべきという3原則を双方が確認したとしており、中国の輸入割当額がEUのその他の生産地の割当額を下回ってはならないとした。EVに関しては、2026年1月の双方の合意に基づき、EU側が発表した価格約束に関する指針(2026年1月19日記事参照)にのっとって関連手続きを引き続き行うとしている。
(注2)EU側は、中国側が第9回中国国際輸入博覧会(CIIE)期間中に調達マッチング会を開催することなど、EU産医療機器に対する輸入拡大措置を取ることを歓迎するとした。
(注3)EUは、外国補助金規則(FSR)に基づき多数の中国企業に対する調査を実施しており、これに対して中国側は、「反外国不当域外管轄条例」に基づき、FSR調査に対する協力を禁止するなどの対抗措置を取っている(2026年8月21日記事参照)。「反外国不当域外管轄条例」については調査レポート「中国『反外国不当域外管轄条例』の日系企業への影響と留意点と対応策(2026年9月)
(419KB)」も参照。
(注4)中国EU商会は9月22日に発表した最新の建議書の中で、中国EU間の貿易不均衡の是正や医療機器の調達、座席予約システムの市場参入に関する問題などを提起し、改善を要望していた(2026年9月28日記事参照)。
(小宮昇平)
(中国、EU)
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